帽子売り
20160316
ミンガラ春庭ミャンマーだより>ヤンゴンの暑季(1)あついです
ヤンゴンの季節、雨期6~9月、乾期10月~2月、そして3月の暑季となりました。あついです。日陰にいて、風ふけばいくらか楽ですけれど、ときに熱風が吹く。ヘアドライヤーを使ったことある人、ドライヤーに冷風と温風があるでしょう。その温風のほうを顔にブワッと吹きかけてみて。それが、ヤンゴン暑季の風です。
日中最高気温は39度、一日の平均気温は29~30度。
日差しをよけるために日傘や帽子は必需品
事務室の冷房、ずっと28度設定でエコを心がけてきましたが、今はもうなりふりかまわず25度にしています。宿舎の冷房は弱くてぜんぜん涼しくならないので、20度設定です。20度に設定しても室温は30度。
そんな暑さのヤンゴンですが、娘と息子は「暑いあつい」と言いながらもミャンマーライフを楽しみ、2週間の滞在を終えて帰国しました。
帰国の日14日の日本は最高気温9度、成田も東京も真冬並みの寒さで、娘はさっそく風邪引いたという帰国報告メールをよこしました。
最初は「べつだん、ミャンマーに興味ないし、海外に出るのすきじゃないし」と、渋っていた息子でしたが、帰りぎわのヤンゴン空港で「楽しかった」と言いましたので、無理矢理ヤンゴンに来させた甲斐があったというものです。
今回、娘はヤンゴンに来たがっていたのですが、渋る息子を連れ出したのは理由がありました。息子は、進路について悩み、追い詰められていたので、気晴らしをさせたかったのです。
暑さの中鮮やかに咲くゴールデンシャワー
息子、高校には入学式の日、一日だけ出席したものの、授業には1回も出席せず、文化祭で上演する劇の練習にのみ参加してすごしました。文化祭が終わった翌日から完全不登校。翌年の夏休みに高校卒業資格認定試験に合格すると、3月に退学。引きこもり生活を続けるもセンター試験を受けて現役合格。進学した私立大学は、家から近くて自転車通学できるという利点もあったし、きっとスクールカラーがのんびりムードで性に合っていたのでしょう、学部4年、大学院修士課程2年博士課程3年、合計9年間もこの大学に、皆勤賞ではないけれどほぼ精勤賞で通いました。
博士課程3年目の終わりになって、博士論文を今年は出さないことに決めたあと、博士課程4年目に進むか単位取得退学にするか、悩んでいました。大学の研究所から研究員に応募するよう勧められており、「応募するなら大学院は退学すべし」と言われて、ずっと悩んでいたのです。単位取得退学したものの、研究所に採用されなかったら、プータローですから。
某博物館からも臨時研究員のお誘いがあり、もし大学の研究所に採用されなくても週3日の臨時研究の仕事があれば、食費くらいは稼げるかも、という安心を得ることができ、退学届を出して、大学研究所に応募しました。
ヤンゴンから帰国したその日に、研究所採用の通知を受けた、というメール。ほっとしました。
大学研究所でも博物館でも、やる仕事は古文書翻刻です。人間相手の仕事が苦手な息子にとって、古文書とにらめっこの仕事は一番合っていること。博物館の臨時仕事では給料安いし、大学研究所では、2年間は無休研究員なのだそうです。経済的には恵まれない仕事ですが、息子にとって、いちばん合っている好きな仕事が得られたのですから、これはきっと、ミャンマーのお寺をあちこち回ってお釈迦様にお祈りした御利益があったのかと思います。
あれ?、ミャンマーのお釈迦様は来世専用だと聞いていたけれど、日本人のお祈りはちゃんと現世でかなえてくれるのね。ありがたや。ありがたや。合掌。
ヤンゴン、暑いけれど、ヤンゴンの仏様はいい方です。これからお礼参りもしなくちゃ。
ねむの花
<つづく>