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ぽかぽか春庭「秋の無料コンサート9月」

2016-11-02 00:00:01 | エッセイ、コラム
201611102
ぽかぽか春庭@アート散歩>2016秋の音楽(2)秋の無料コンサート9月

 9月25日、日曜日。名主の滝公園でカワセミを見たあと、北とぴあでパイプオルガンミニコンサートを聞きました。
 北とぴあには、大ホールさくらと小ホールつつじがあるのに、どうしてエントランスロビーに設置することになったのかなあと、思っていましたが、たぶん、無料の気楽な音楽会を開催して「文化の街」をアピールするためなんだろうと思います。私も、通りすがりに「あれ、パイプオルガンの音が聞こえる」と思って聞き入ったり、演奏曲目めあてに出かけてたり。

 ストップ数74パイプ数5,898本というサントリーホールや、 総計126のストップと約9,000本のパイプを持つ池袋芸術劇場のパイプオルガンに比べると、北とぴあオルガンはこじんまりとしています。北とぴあのパイプオルガン、パイプ数800余り。12のストップで音色を変えることができるということです。ストップとは、パイプを流れる空気を遮断したり開いたりして調節し、フルートの音色になったりトランペットの音になったりすることができます。ピアノは、弦をハンマーで叩くいわば打楽器(打鍵楽器)であるのにの対して、オルガンは、パイプに空気を通して音を出す鍵盤付き管楽器です。

 子どもの頃の私はピアノが欲しかったのですが、ピアノは買ってもらえず、ようよう買ってもらったのは、電気オルガンでした。足を踏まなくていい分、学校にあった足踏みオルガンよりは、楽に弾けましたが、私の好きな音色は、やはりピアノでした。当時の苦しい家計では、子どものためにピアノを買う余裕はなく、オルガンがせいぜいだとわかってはいましたが、ピアノを持っている友達がうらやましかったです。

 毎日練習して、小学校の音楽の先生の家にレッスンに通い、「将来はピアニストになりたいから、音楽大学へ行く」とまで言ったのですが、高校受験のためレッスンをお休みしたら、それっきりピアノ熱はさめました。もともと才能はなかったですから、当然と言えば当然ですが、ピアノを買ってもらっていたなら、もっと上達するまで弾けるようになったかも。
 仕事をリタイアしたら、やりたいことのひとつは、合唱とピアノ練習と書道です。
 ピアノは上達しませんでしたが、音楽を聴くことが好きだ、という趣味は残りましたから、オルガンにも感謝しています。

 毎月第4日曜日の北とぴあオルガンミニコンサート。25日は、花澤絢子さんの演奏でした。
 曲目は、自動オルガンのためのアダージョとアレグロヘ短調K594(モーツァルト)、装いせよわが愛する魂よ(バッハ)、トッカータとフーガニ短調ドリア調BWV535(バッpハ)、シャコンヌヘ長調(フィッシャー)

 オルガンの音色にひかれて、または「無料」にひかれて集まっている善男善女


 モーツァルトが自動オルガンのために曲を作っていたとは知りませんでした。 
 モーツァルトが自動オルガン演奏用の曲を書いたのは、最晩年の貧困にあえいでいる時がだったとか。(1790年12月~1791年5月)
 自動オルガンとは、今でいうオルゴールのようなものらしい。時計に時報が鳴るよう工夫されたことから発展し、円筒形の筒に爪があり、爪がひっかかると、フイゴが開きパイプに空気を通して音がでる。「見世物」として、観覧料をとって客に聞かせました。

 自動オルガンのためのアダージョとアレグロヘ短調K594のほか、自動オルガンのための幻想曲 へ短調 K.608、小さな自動オルガンのためのアンダンテ K.616の3曲。人の手でなく、機械仕掛けのオルガンが自分の曲を奏でるのを、モーツァルトは聞いたのでしょうか。
 K.616は、1991年12月5日に亡くなる前にはピアノデュオ用に書き直された作品もあるということなので、モーツァルトとしてはやはり「機械仕掛けのオルガン」ではなく、人の手で演奏して欲しかったのじゃないかしら。

 花澤絢子さんの演奏、美しく優雅な響きでした。花澤さんはK594を「モーツァルト最晩年の光と影」と受け取り、「音楽に光を求める」というイメージで演奏した、ということです。
  


 9月26日月曜日、自転車で後楽園まで行く途中、滝野川会館に立ち寄りました。毎月第4月曜日、正午~13時に、プチコンサートがあります。これまで月曜日には仕事があったので、はじめて第四月曜日のコンサートを聴くことができました。無料!これも、東京都北区の文化事業です。

 宮本恵さんのヴァイオリン、松岡あさひさんのピアノ伴奏。松岡さんは作曲家です。
曲目は、ユモレスク(ドヴォルザーク)、タンゴの歴史よりカフェ、ナイトクラブ(アストル・ピアソラ)、タンゴ首の差で(カルロス・ガルデル)、ハバネラ形式の小品(モーリス・ラベル)、The Fear of Existence 2~for solo violin(田村文生)、ルーマニア民族舞曲(ベラ・バルトーク)

 松岡さんが、軽妙に曲目を紹介してくれました。
 ユモレスクとルーマニア舞曲のほかは、初めて聞く曲でした。特に、田村文生の曲は「世界初演」と書かれており、現代作曲家のむずかしい曲でした。意欲的な選曲でしたが、集まっているのは、私と同じ年代のお年寄りがほとんどなので、みな「ワカンネー」という顔をしていました。
 せっかくの「世界初演!」を聞くのが、ジーサンバーサンばっかりで、ネコに小判の感じがありましたが、全体として楽しい1時間をすごすことができ、心地よく小石川後楽園に向かいました。

コメント (2)
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