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ぽかぽか春庭「2003年9月のファミリーコンサート」

2013-09-08 00:00:01 | エッセイ、コラム
2013/09/08
ぽかぽか春庭知恵の輪日記4>2003年9月(6)2003年のファミリーコンサート

 2003年日常茶飯事日記コピーつづき

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2003/09/19 金 晴れ 
日常茶飯事典>ファミリーオペラコンサート

 夕方、姑と待ち合わせて、パーシモンホールで、コンサート。オペラや日本の歌曲。久しぶりに声楽を生で聞いて楽しかった。
 出色は、ウクライナのバンドラという民族楽器を弾き語りしたオクサーナというソプラノ。次によかったのは小野和歌子というメゾソプラノ。

 五十嵐麻利江は、司会もこなして軽妙な味を出していたが、歌に関してはオクサーナや小野の「天賦の才」と比べると、自ら「私はオクサーナさんの前座をつとめた」というのが、謙遜に聞こえず、「その通り」に聞こえた。フィナーレの乾杯の歌のときも、声を張り上げてソプラノを勤めるのが痛々しいくらいで、「無理せんで、ええから。ここは、ひとつ若いもんにまかせて、、、」と、声をかけたくなった。父も声楽家、恵まれた家庭環境ですくすくと育ったのだろうが。天賦の才がだれに与えられるかは神の采配。サリエリには与えられず、ヴォルフガング・アマデウスには与えられた采配。

 これまで、姑は、舅といっしょにでかけるか、姑の姉、横浜の洋子伯母を誘って出かけていた。
 洋子伯母は、定年まで音楽教師を勤めた人だから、コンサートとなればなおさらだ。どうして嫁を誘う気になったのかな、と思い「洋子伯母さんは、ご都合が悪かったんですか」と聞いてみた。
 「洋子姉さん、80歳をすぎたら、とたんに足腰が悪くなって、家の中を歩くだけなら大丈夫だけれど、外を歩くにはお嫁さんについてきてもらわなくちゃならないの。そしたら、コンサートの券、3枚いるでしょう?今回は2枚しかなかったから」ということだった。

 嫁になって20年たつけど、姑とでかけるのは、子どもが小さいときは動物園遊園地、入学後は学校行事などにいっしょに行くだけだった。姑と二人だけで出かけることはめったにない。姑は話し好きな人で、私はあいづちだけですむ。こちらから話題を探したりしなくてもいいから、いっしょにいて楽な人。もっと、一人暮らしの姑のお相手をつとめるよう、心がけるべきなのだろうなあ。

本日のいきみ:麻利江が高音をだそうとするとき、いきんでいるように聞こえてこちらも息苦しかった

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2003/09/20 土 雨 
ジャパニーズアンドロメダシアター>『すいか』

 夜、『すいか』最終回。このドラマが大いに気に入った娘「どうにでも続編作れるんだから、シリーズ化してほしいなあ」と願っている。

 まず、配役がよかった。娘の好きな女優、小林聡美=さえない信用金庫のOL基子、きょんきょん=勤務先信用金庫の金を横領着服した馬場ちゃん。
 私の好きな女優、白石加世子=基子の母、子離れできない梅子。片桐はいり=馬場ちゃんを追う刑事、ぬいぐるみフェチ。
 ほかの、浅丘るり子=教授、ともさかりえ=漫画家、市川実日子=下宿のオーナーも、よかった。
 賄い付き下宿「ハピネス三茶」を舞台に、女たちのさりげない日常生活と自分探し。毎回、よく笑い、しんみりし、三人で楽しめた。

 娘は「どうなるのか心配なのは、きょんきょんが捕まるかどうかだけなのに、毎回毎回、次はどんな話だろうって、楽しみだった。こんなドラマ初めて」という。これまでは、ジェットコースタードラマ、毎回毎回波瀾万丈でないと、退屈していた娘だった。
 
 基子の母、梅子が癌で入院する騒ぎの回のときは、母子の会話にもらい泣きしている娘。
 今年の春、私が膀胱炎になったとき、「血尿が出た、子宮癌かもしれない」と大騒ぎしているのに、娘は「そんなの、どうせたいしたこと無いよ」と、平気な顔をしていた。でも、もしかしたら、あのとき、ものすごく心配してくれていたのかも知れない。
 診察受けてみたら、よくある膀胱炎。私にとっては初めての病気ですごくつらかったが、娘にとっても「もしかしたら」とつらかったのかも。

 白石加世子母の癌は初期で、おなかも切らずに内視鏡で治療ができる軽いものだった。癌と聞いて、一度は死を覚悟したことで、梅子は少しは子離れできたみたい。

 私の子離れはのんびりゆっくりそろそろと。

本日のぬいぐるみ:片桐はいりのぬいぐるみ、目になっているボタンを付け替えたら、「知性が減った気がした」ぬいぐるみの知性はボタン目にやどる


2003/09/21 日 雨 996
日常茶飯事典>お彼岸

 雨の中、姑と夫、義姉の娘ふたり、息子と私で、お彼岸のお参り。その後、シビックセンター内の椿山荘で、ランチ。
 夫と姑は「完全無宗教人間」。お彼岸と言っても姑にとっては、お参りは付け足し。ランチ会をときどき持って、孫たちと食事するのが姑の目的。
 この次は、義姉の長女がアルバイトしている銀座のレストランでランチしたいという。

 義姉は50歳の誕生日直前になくなった。長い闘病生活を支えた義姉の娘は、大学は看護学を選んだ。もう、実習も始まっている。看護師+保健師か、看護師+助産師の資格が取れるという。
 今日は、娘がランチ会欠席。

 娘は風邪でダウン。熱が38.8度も出た。夕方、風邪薬を買いに行く。フルーツヨーグルトは食べたが、お寿司は食べられず。いつもならワカの分まで横取りして食べようとするのに、「あ~あぁ、おいしそうなのに、全然食べる気しない」と、眺めている。
 「いつも食が細い子が病気で食べられないと、ほんとに心配しちゃうけど、あんたが食べられなくても、日頃蓄積の脂肪が少しは減るかと思えるから、心配しなくても済む」と言ったら、「親なんだから子どもが病気をしたら、少しは心配しなさい」と怒る。

本日のつらみ:お寿司、娘の分まで食べて、体重リバウンド

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2003/09/22 月 曇り台風の風 
日常茶飯事典>ことば蘊蓄

 ことばリンクを貼ったサイトへ、リンク設置お礼メールを出す。基本的にリンクフリーのところだが、一応あいさつ。
 ことばのサイト、本当にどこも、おもしろいうんちくが読める。

 日本語の語源と日本語起源論に手を出してはいけない、というのが私の師匠世代たちの意見だった。「語源と学生に手をつけるのは言語学徒には御法度」やら「起源論と不倫に嵌ったら、命取り」とか。私は師匠のいうことは素直に聞いて、語学教師としてしこしこ働くだけだったが、千野先生はふた回り年下の教え子と再婚したし、奥津先生も20歳以上年下の教え子沼田さんと結婚。うなぎを食って若返ったせいだと言われている。「ぼくは、うなぎだ」

 ことばうんちくには、及ばないが、「私は、今日、こういう言葉を初めて知っておもしろかった」という「後出しじゃんけん新発見」みたいなことは、書き留めておこう。

 留学生が「先生、人名を調べる宿題があるんですけれど、人名辞典にのっていないんです。どうしたらいい?」と、持ってきた。
「陸という名字ですが、リの項をいくら調べても、どの人名辞典にもない。本当にこういう日本人がいたんですか。日本人じゃなくて中国人の名前だろうと言った日本人もいたんですが」
「陸カツ南、陸ああ、くがかつなん、ですよ。広辞苑にも載っている。リじゃなく、クのところを調べてみて」
「ああ、ありました。今まで聞いた日本人、みんなリクと読みました。先生はどうして知っている?」
「さあ、どうしてって、言われても、いつ覚えたんだか記憶にない。恋人の名前とかだったら、いつ知ったのかはっきり覚えているんでしょうが」

 新しい言葉や読み方を知ったとき、へぇ!と思うが、どういうきっかけで覚えたのかはたいてい忘れてしまう。

本日のつらみ:クガカツナンなんかじゃなくて、新しく覚えたいのは恋人の名前
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<つづく>
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ぽかぽか春庭「2003年9月のダンス発表会」

2013-09-07 00:00:01 | エッセイ、コラム
2013/09/07
ぽかぽか春庭知恵の輪日記>2003年9月(5)

 2003年日常茶飯事日記コピーつづき

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2003/09/14 日 晴れ 989
日常茶飯事典>ダンス発表会

 12時半に文化センター集合。最初に照明を確かめる。カラーライトの配線ができていないので、「フラダンス発表」「歌謡曲リズムダンス発表」の間に、舞台裏に回って、コードをつなぐ。このあと、他のサークルが配線をいじらないことを祈りつつ。

 1時半から3階ものおきスペースで、柔軟体操、振り付け確認など。ものおきには冷房がないので、ものすごく暑い。2時55分から1階の楽屋がわりの研修室へ。
 
 3時10分から、Aダンスィングサークル発表。どこかのサークルが配線をいじって、スイッチが逆になってしまい、照明がめちゃくちゃになってしまった。おまけに、前の発表の人たちが舞台裏にスイッチオンになったままのマイクを残していったのに気づかず、半分くらいまでゴチンゴチンというマイクにぶつかる音が響いていた。フィナーレでは、私だけ、舞台マイクのコードに足がひっかかって、ころびそうになった。

 なんだかんだでいろいろあったけれど、終わってしまえばすべてよし。楽しかった。くまの着ぐるみダンスと呼ばれようと、LLサイズおばはんパパイヤと自称しようと、1年間練習したダンスを発表して、人様の前で踊ったのだ。

 ことばを話すのではなく、踊るという行為は、自由にできる。太めの体を晒して踊っても、ぜんぜん苦にならない。
 どんなに下手な踊りだろうと、1年に1回でも2回でも、人前に自分の姿をさらすという緊張感があるから、みんな1年間を生き生きと暮らしていけるのだ。人に見てもらうってことはとても大切なこと。他の人と同じようには足があがらないとか、回転できないとか、太っているから恥ずかしいとか、そんなの吹き飛ばして、自分が楽しく踊ること。

 娘が見に来てくれる。娘の批評「一番年上の60代の方、すごく生き生きしていて動きもきれいだった。タキシードジャンクション踊った、3人組。わたしのうしろの席の人たちが宝塚みたいって、言っていた。ほんとにじょうずだった。文化センター発表サークルの全部の中で、このグループが一番見応えがあるって、言っていた人たちもいたよ。お母さんはね、動きはシャープで切れがよかったけれど、人の振りを見ながら後追いしているのが、よくわかった」
 あれま、ワンテンポ遅れると後追いしているのが分っちゃうから、半テンポずらしでごまかしたつもりなのに。
 私は発表会打ち上げに参加。娘と息子は姑宅へ。

本日の負け惜しみ:宝塚みたいに踊る人、パパイヤおやじダンサーズみたいに踊る人、個性はいろいろあっていいの!

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2003/09/15 月 晴れ 990
日常茶飯事典>敬老の日

 娘と息子は、おばあちゃん家にお泊まり。敬老の日の祖母宅訪問。
 息子は、昨日おとといと続いた辰巳プールでの都大会を終えた足でそのまま行った。

 娘の敬老の日プレゼントはバナナケーキ。とてもおいしく焼きあがった。
 息子からのプレゼントは中学校水泳秋期区大会のフリーリレー1位とメドレーリレー3位の賞状。娘に「あんた、それ、お母さんの誕生日のときもプレゼントって言ってたじゃない。使いまわしかい。安上がりな!」と、つっこまれていたが、母にとっても、おばあちゃんにとっても、なによりのプレゼントであることは確か。

 今日の辰巳プールでの大会を最後に水泳部をリタイアし、いよいよ本格的な帰宅部になるという。これが最後の水泳賞状だろうから、貴重だ。

本日のつらみ:「帰宅部なのに、全国大会!」というフレーズに笑えた

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2003/09/16 火 曇り 991
トキの本棚>『フラジャイル』読了

 ホームページ作りにかまけて、前半だけ読んで、後半をほうっておいた『フラジャイル』をようやく読了。『フラジャイル』後半には、正剛、大学生のときに父親が死んで、借金を背負ったということなども書いてあった。

 95年初版の本だが、この中に書いてあることで、「このことを2003年の今まで知らなかった。この本を読んではじめて知った」と言えることが、たったひとつしかないことに、まず驚いた。知らなかったことは、月光ことナタリア・バーニーのレズビアンサロンに集まった女たちのこと。

 それ以外のトピック、たとえば、ネオテニーのこと、トランスジェンダーのこと、どのトピックも、95年には、世間一般には広まっていない話題だったのではないか。それが、2003年には、すでに「文化トピックとして消費され尽くされてきた」という感すらある。この早さに驚いたのだ。たった8年の間に、20世紀から21世紀へと進む間に、ものすごいスピードで、世の中のある部分が変化した。
 95年には多くの人に未知であった概念をまとめて、正剛が本にした。2003年には誰もがその概念を「昔からあたりまえであった」がごとくに使いこなしている。すごいな正剛。すごいな世の中のスピード。
 95年にインターネットを使いこなしていた人がどれだけいただろうか。フツーのおばさんが自分の個人ホームページを持つなど、遠い話だと思っていた。「情報」が大きく変わり、私たちの意識の深層も変わっているに違いない。
 97年にインターネットをいれたときはダイヤルアップで、とても遅くて、これではネットを使うより本を調べた方が情報が早いと感じたものだが、2002年にADSLにして以後、どんなことを調べるにも、まず、Googl検索。ネットだけで、だいたいのことはわかってしまう。辞書を引く回数は減らないが、百科事典やイミダス知恵蔵などを引く回数は確実に減った。

 携帯電話ひとつとってみても、私は、94年に中国の地でトップビジネスマンたちが携帯を駆使して仕事をしているシーンを初めてみたのだ。94年の日本国内にも携帯電話を駆使しているビジネスマンはいたのだろうが、自分の狭い生活範囲で出会うことはなかった。それが、帰国してみると、周囲の人たちはどんどんケイタイを持つようになり、「うちはいらない」とがんばってきた我が家でも、99年に娘が高校に入ったら連絡が必要になり、買うことになった。

本日のつらみ:ケータイ普及して公衆電話が減った。電池切れの日に探し回った赤電話

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2003/09/17 水 晴れ 992
ジャパニーズアンドロメダシアター>『血脈』

 午前中Aダンス。

 午後、ビデオにとっておいた『血脈』を見た。佐藤愛子の作品、『戦いすんで、日がくれて』のほかは、軽いエッセイだけ読んできた。『血脈』も、佐藤家の「濃い」人々に疲れそうだから、読まなかった。
 ドラマは、宮沢りえ主演というので、見てみた。りえが特別好きな女優ではないのだけれど、少年少女ビルドゥングスウォッチャーなので、スポーツ界では、伊藤みどり、田村亮子のウォッチングが終了して、今は福原愛。芸能界では宮沢りえ、安達祐実。
 宮沢りえ、リハウス引っ越し少女から見てきて、波瀾万丈経て、女優として大成できるかどうかの、今がみどころ。りえ、主演の佐藤シナ(女優三笠まり子)役。娘の佐藤愛子役は石田ゆり子。

 ドラマ、やっぱり「濃すぎる」人々に疲れた。佐藤紅緑が緒形拳、佐藤八郎が勝村政信、佐藤節が中村獅童、佐藤ハルが木内みどり、島村抱月が筒井康隆、もう、配役も濃い人ばかりで、演技ぎんぎんで。筒井の演技っぽくない「誰を演じても筒井康隆がそこにいる」の棒読みが一番ほっとした。筒井は、断筆以後、執筆再会しないほうがよかった。大根役者として十分楽しめる。

 りえの演技は、ラストシーンの「チェホフの『かもめ』を演ずる三笠まり子」の部分が一番良かった。すなわち、三笠まり子は、女優を続けるよりも、佐藤愛子の母、サトーハチローのママ母、佐藤紅緑の後妻、佐藤シナとして生きたほうが正解だったな、と誰でも感じる程に、『かもめ』のあの有名な台詞をへたくそに言ったからだ。
 あんた、これじゃ、松井須磨子のあとをついで、チェホフ演じようなんて、思わないでよかったよ。妻として母として生きてよかったんじゃない、と、みんなが言ってやれる佐藤シナ像を作り上げた台詞術。あれ?もしかしたら、あれは演技じゃなくて「地?」

本日のかがみ:ドサ回りの一座でもかがみのある楽屋がもらえるなんて、うらやまし。我が一座の楽屋は小学校体育館の道具置き場が多かった。

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2003/09/18 木 晴れ3
ことばの知恵の輪>振り回す槍

 今日の「語源トリビア」。
 ザ・ブームの宮沢和史によると、ボサノバとは、「新しい流れ」の意味。ノバが「新しい」は知っていたが、ボサの意味を知らないから、ドドンパとか、チャチャチャみたいに、特に意味を持たない音楽や踊りの型へのネーミングかと思っていた。サルサが英語で言うとソースにあたる意味というのも聞いたことあるが、ボサノバは、そうか、「新しい流れ」か。

 カタカナのことばの方を先に覚えてしまうと、語源など考えずに使ってしまうから、元の意味を知ると「へぇ!」と、うれしい。ゴシックが「ゆがんだ真珠」の意味とか。

 シェークスピアShakespeareが「振り回す、槍」Shake spearだというのも知らなかった。
 おしりにeがついても同じ言葉というのは、赤毛のアンが「わたしのアンは、annじゃなくて、anneだからねっ」と主張していたので、へえ、英語の名前はeがついてもつかなくてもいいのか、と少女のころ思ったのだけれど、Shakespeareのspeareは、spearと同じだったんだ。

 でも、カタカナで先に覚えると、絶対に「シェイク+スピア」だとは思わず「シェー+クス+ピア」だと思うもんね。禿げたオッサンが、シェーをしながらクスッと笑って雑誌「ぴあ」を眺めている図が思い浮かぶ。オッサンは禿げなでながら「よし、映画はやっぱり『恋に落ちたシェークスピア』を見よう」なんぞとぶつくさ言ってるんです。

 学生時代にいっぱい頭に詰め込んだ人は、詰め込んだことを切り売りして、一生食べていくことができる。学校であまり詰め込まなかった人は、こうやって、ひとつひとつ「へぇ!」とボタンをたたきながら楽しむことができる。
 私は合計26年間も学校教育を受けた人間なのに、7回出席した卒業式ごとに、「学校から受けたものは学校に返却!」と、律儀に返済していたから、未だに楽しみをたくさん拾うことができる。何を聞いても「へぇ!」を連発。

本日の負け惜しみ:学校で身につけたことで、実際に重宝しているのは、職業専修校で覚えたブラインドタッチ早打ちの技だけ。おしゃべりをするのと同じスピードで打てる。テレビニュースの速記録がとれる

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<つづく>
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ぽかぽか春庭「2003年9月の親子喧嘩」

2013-09-05 00:00:01 | エッセイ、コラム
2013/09/05
ぽかぽか春庭知恵の輪日記>2003年9月(4)

 2003年の日常茶飯日記コピーつづき

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2003/09/11 木 晴れ 
日常茶飯事典>アスカ命日のすれ違い

 娘は、「今日はアスカの命日だから」と、にんじんケーキを焼く。ウサギのアスカはヨーグルトやケーキやプリンが大好きだった。ほしがるままにいっしょに食べさせていたら、歯が悪くなり、そこから顔に膿がたまるレッキス種うさぎによく発症する病気になってしまった。だから、タイムには干し草中心の食生活をさせ、ケーキなどは食べさせない。人参ケーキもダメ。人参だけタイムに与える。

 娘といっしょに、ケーキをお墓に持っていく。アスカを埋めた桜の木の根本にケーキをうめ、「また来年桜の花になって帰ってきてね」と声をかける。
 夕方、娘があいちゃんとカラオケに行くと言うので、いっしょに出て、図書館へ。

 いつもケイタイを携帯していかないので、失敗するが、今日も大失敗。
 娘があいちゃんとカラオケに行って、夕ご飯も食べてくると勘違いしてしまった。7時まで図書館にいて、もう作るのが間に合わないと思ったので、息子をアスカのお墓参りに誘って、「1周期の法事」として、デニーズで夕食を食べてしまった。ふたりともケイタイは家の中に忘れてきた。

 ヒメはカラオケを早めに終えて家に帰ってみたら、鍵を持って出なかったのに、ドアが開かない。電話してもワカもハハもケータイに出ない。ちょうど救急車のサイレンが聞こえたので、もしかしてふたりのどちらかが事故にでも遭ったんじゃないかと、心臓が止まりそうな思いで、近所中を探し回った。

 私と息子が食事を終えて帰ってみたら、娘が「鍵持っていないのに、どこ行ってたの」と怒っている。「どんな思いをしながら探したと思っているの」と、ものすごい怒りよう。「ケータイ持って出ないなら、契約しているのは無駄だから、解約したら!」と、プンプンだ。

 私は娘が鍵を持っていると思い、夕食を食べてくると思いこんだ勘違い。娘は私がケイタイを持っていると思い、救急車の音で事故にでもあったのじゃないかと思った心配性。
 これだけケイタイやインターネットメールが普及しても、すれ違いで会えないこともある。

本日のつらみ:『君の名は』の時代じゃないのに、すれ違い

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2003/09/12 金 晴れ
日常茶飯事典>高齢者サークル

 午後、文化センターでセンター祭の最終打ち合わせ。去年と同じことを、同じような利用者で行うのだが、また、毎年同じ愚痴やぼやきが繰り返される。1時半から3時までの連絡会の中で、サークルメンバーに連絡すべき事項は「当日は、本番15分前から楽屋にあてられる研修室が利用できる」という1点の連絡のみ。
 それでも「この打ち合わせに各サークルから必ず1人出す」というのがセンター利用者会議の決まりなので、出ないわけにはいかない。「出席しないサークルは参加辞退とみなす」というのだから。

 毎年毎年「参加者が高齢化しているのでうんぬん」という話題が出る。私たちAダンスィングだって、最初の参加1983年から20年連続参加しているのだから、会員たちは皆30代から50代になっている。
 50代にはなったが、古いメンバーたちは、体型を維持し、ダンス技術は年々向上している。どんどん体重が増える一方、ダンス技術は年々衰えている私から見ると、すごい人たちだなあと思う。
 私はピルエットターンも、シェネも、どんどんへたになっている。去年の春、アティテュードターンの練習を続けて、大腿四頭筋広側筋を痛めて以来、「無理はしない」と決めた。無理しないで、楽な動きだけしていると、どんどん下手になっていくのだ。

 Aダンスサークルのメンバーたち、100歳になってもジャズダンスもロックもフラメンコも、かっこよく踊っているんじゃないかしら。

本日のひがみ:せめて体重だけでもなんとかせんと

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2003/09/13 土 晴れ 988
日常茶飯事典>ひきこもり親と子役カウンセラー

 やっと、メール設定がやり直せて、ブラウザからメールが出せるようになった。しかるに、娘の批評通りに、おばさんの愚痴日記など誰も読みはしないのだった。それでも、みょうがさんが「ちえのわ日記」をサイトトップページにリンクをはって紹介してくださったら、少しはカウンターがまわるようになった。
 ドクター西村は「エイズ予防講演会」で学校を回り、高校生中学生から反響の手紙を受けることが自分自身の励みになると書いている。私たちは、お互いに通信し合っていくことで生きていけるのだと思う。

 私がこれまで50余年続けてきた、とじこもりひきこもり生活。我が子だけを相手にして、本音を誰にも言わない生活を続けてきた。

 娘は、この間の親子げんかでも言っていた。「自分の不満や愚痴を全部子どもにぶちまける親を持って、子どもがどれだけ負担になっていたか、わからないでしょ」と、怒りをぶつける。「親のために子どもがカウンセラーになって、必死で親を支えてきてやったんだよ。どれだけたいへんだったか、わかる?自分ができちゃった婚の結果生まれたと知って、本当にこの世に存在して良かったのか、親の人生を不幸にしたんじゃないかって悩んだり、子どもの世話のために母が仕事を十分にやれないことがないようにと、遠慮したり。本当にたいへんな子供生活だった。お母さん、私が愚痴の聞き役になってあげなかったら、今頃ぺしゃんこでつぶれてたよ。ちゃんと感謝してる?」はい、しています。

 私は、何度も一歩世間に足を踏み出そうとしては、また自分の殻にとじこもる生活を続けた。自分の親と姉妹、子どもたち、それ以外には日記だけが自分をぶつける相手だった。
 生まれて初めて、自分の気持ちを世間に晒すのだ。たぶん、メールがきたとしても、ちょっとでも批判や悪意のメールが混じっていると、たちまち落ち込み、また閉じこもりたくなってしまう。

 「学生と教師」という「ロールプレイ」役割を貼って話すことはできるのに、一人の本音の人間として話すことができない。これは、自己防衛本能が強すぎるからだと、心理の本では読んだ。傷つくことをおそれすぎる。非難や中傷を受けると立ち直ることができない。

 私のような人間関係形成不全症候群の大人というのは、どのくらいいるのだろう。はじめての人に会うときは、緊張して名前をいうのもこちこち。相当親しくなっても、自分の本音や気持ちを言うことができない。書き言葉で、手紙ならある程度自由にものが言える。文通が一番私に合っているコミュニケーション手段。メールは文通の「早い版」と思うから、メールはどんどん出せる。

 でも、54歳で姉は死んだのだ。私だって、54歳でもう死んだことにする。死んだ後、遺書についてどう言われようと、死んだ人は気にならない。う~ん、できるかなあ、死んだふり。

本日のねたみ:誰とでも、すぐ話ができる娘


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<つづく>
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ぽかぽか春庭「2003年フリーリレーでつなぐ」

2013-09-04 00:00:01 | エッセイ、コラム
2013/09/04
ぽかぽか春庭知恵の輪日記>2003年9月(3)


 2003年の日常茶飯事日記つづき。
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2003/09/07 日 晴れ 
日常茶飯事典>フリーリレー1位

 息子は中学校夏期水泳、区大会でみごとリレーが一位になった。フリーリレーが1位、メドレーリレーが3位。個人種目でも、平泳ぎ100メートルで息子は7位。
 やめたいやめたいと言っている水泳部だが、私は続けて欲しい。息子は14日の都大会が終わったら、退部すると言っている。本人の決めることではあろうが、どう考えてもスポーツ向きの性格ではない。

本日の負け惜しみ:チームプレイ苦手でもできる陸上、水泳。でもリレーはひとりでできない

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2003/09/08 月 曇り 983
日常茶飯事典>夢は菓子職人

 がんばって、HPをチェック。いろいろミスもある。なんとかアップできるまでこぎつけた。娘と息子が読んで、大丈夫なら公開する。

 娘は、単位制高校情報科出身娘が授業に出かける前に一部分を読んで検閲。パソコンの使い方を習っただけでなく、情報リテラシーについてたっぷり教育を受けた。その中で、インターネットと個人情報保護のこともさんざん教えられてきた。
 娘が介護体験のバイトをした、ということを書くときも、施設名はもちろん、地名も書いてはいけない。

 娘は、私の誕生日祝いとして、私が一番好きなチーズケーキを作ってくれた。誕生日の日には娘のの集中授業があって作る時間がなかったから、誕生祝いを今日に延期していた。新しいレンジオーブンでつくる最初のケーキ。とてもおいしい。息子からは、今日学校で渡された「水泳区大会フリーリレー1位」と「メドレーリレー3位」の表彰状がプレゼント。「子どもが元気でがんばることが親には何よりのプレゼント」と言ってあるが、ほんとうにうれしいプレゼントだ。

 娘は、「一番やりたいことはケーキ作り。高校卒業したらすぐに製菓専門学校に行きたかったけど、お母さんはとりあえず大学へ行きなさいっていうし。お父さんがうちの家系には職人系は無理とか、ケーキ屋経営などやったとしても、経営の才能がない一族だからだめ、仕事としてじゃなく、趣味としてやれっていうから、あきらめた。
 けど、どうがんばっても、娘にデスクワークはできない。営業もできないし、企画もだめだし、やっぱりケーキを作りたい。製菓専門学校の授業料は高いから、とにかく大学だけは卒業して、何か仕事を持って、授業料の分は自分で稼ぎながらケーキの勉強を続ける」と、言う。

 今日のチーズケーキも、見栄えも味も、本当にどこのケーキ屋のものよりじょうずに焼き上がった。とてもおいしい。でも、誕生日にケーキを焼いてプレゼントするのと、ケーキ職人になるのでは、また違ってくる。
 教職科目の中には面白いのもあるけれど、娘には自分が教師に向いているとも思えない。

 小学校中学校を通して「絶対に恐竜発掘を仕事にする」と言っていた。シカゴ博物館の「スー」発掘の話などに夢中になっていた。しかし、恐竜→古生物→化石→地層→地学ときたとき、理科系教科の壁にぶちあたった。地学科は、理科系受験科目が2科目必要。

 娘は単位制高校で理科は地学と生物と化学の3科目単位をとったが、そのうち、化学は「お菓子と化学」という生涯教育共通科目で、前半50分でお菓子を作り、後半50分でお菓子作りに関連した化学を学ぶという教科だった。授業としては面白かったが、受験科目として使えない。「化学式とかの計算できないし、元素記号全部言えない」という。

 大学受験は文化系の科目ですむ地理学科に的をしぼった。自然地理学の中で地層の勉強もできるからだ。しかし、2年生までの勉強で、学問としての自然地理学を続けるのは自分の本来の方向ではないと、また壁にぶちあたった。どうやっても、理科系のことはわからないのだと。

 恐竜の次に夢中になったことがケーキ作りだった。毎週毎週ケーキを焼くことが、不登校中の娘の自己形成でもあった。
 この前。親子げんかしていたときは、「一番行きたい学科に入ったんじゃないから、もう大学もやめる」と息巻いていたが、今日は「一度入学して途中で放り出すのは、あとで絶対に後悔するタイプだから、卒業だけはする」と、思い直した。

 我が子に夢があり、やりたいことがあったら、親は応援したい。でも、どこの親も子どもが「テレビタレントになりたい」「映画監督になりたい」「ロック歌手になる」などと言い出したとき、「ああ、それはすばらしいね。どんどんおやりなさい」と言えるのだろうか。「夢はけっこうだが、現実を考えなさいよ」と、言ってしまうのではないか。自分の才能のなさを考えたら、子どもが特別な才能に恵まれているとは思えない。
 私も、「菓子職人になる」と言われても、テレビチャンピオンのケーキ職人選手権しか知らない世界だから、何もわからない。

本日のうらみ:夢をかなえてやりたいが

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2003/09/09 火 晴れ 984
ジャパニーズアンドロメダシアター>ウォーターボーイズ

 この夏、我が家がはまったドラマは、『ウォーターボーイズ』と『すいか』のふたつ。
ウォーターボーイズ最終回を見た。

 『ウォーターボーイズ』は、「次は高原さんが、続けられないからやめるって、いいだすよ」とか、「次は田中がやめることになるけど、結局仲間のところにもどるよ」なんて、ストーリー予測がすべてあたって、最後の最後までまったく視聴者の予想を裏切らない展開構成。それでも3人とも楽しめて満足のドラマ。

 一つには我が家のウォーターボーイが「もう練習つらいからクラブやめたい、やめたい」と言いながらも、中学校秋期区大会でフリーリレー1位、メドレーリレー3位に入賞したということから。スポーツの中では水泳が一番できる、ということで、野球やサッカーボーイズとは違う親近感がある。

 しかも、競泳よりダンスが好きなウォーターボーイなので、「水泳部やめるなら、ぜったいに男のシンクロ同好会を作りさいよ」と、けしかけている。深いプールでやるシンクロナイズドスイミングは無理だが、唯野高校男子水泳部の「男のシンクロ」などは、浅い普通のプールで行う「リズムダンススイミング」という種類。これならワカたちにもできそう。

 ドラマは、最後の15分間は出演者たちが真っ黒になった特訓の披露。先週の放映分では、特訓の前に収録した分と、後の分で、出演者たちの顔の色が全然違うので面白かった。

 我が家は『白線流し』とか、青春群像ドラマが大好き。ウォーターボーイズは、ドラマとしては妻夫木聡が主演した映画のほうが、ストーリーが間延びしない分、できはよかったと思うが、このテレビドラマも、とても楽しめた。

本日のねたみ:わたしもプールで踊りたい

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2003/09/10 水 985
日常茶飯事典>誕生日プレゼントはホームページ

 Aダンス。発表会前最後の練習。まだまだ踊れていなくて、さあ、どうなることやら。先生の叱咤激励。激は飛ぶが、おばさんたちの足はなかなか飛ばない。

 娘は、バッグを買ってきて「遅れたけれど、誕生日のプレゼント」という。なんとかというバック業界では有名な会社の製品だという。私には、ダイソー100円バックで用が足りればいい、と思っているのだが、娘は「保護者会にいくときに100円バックなんか持っていったら、恥ずかしいよ」という。PTAお母様方は、グッチだエルメスだというのを持ってくるのだろうが、わたしにはそのバッグが本物なのか偽物なのかの区別だってつかないのだから、何を持っていても同じにみえてしまう。娘は模試監督のアルバイトをして稼いだ分全部つぎ込んで買ってきた。

 OCNサポートセンターに問い合わせながら、ついに「話しことばの通い路」をアップした。自分のブラウザでみて感激。半月間のパソコンはりつきの成果。
 娘がリンクを貼ったところには、たとえリンクフリーとあっても、お礼のメールを出すべきだとネチケットを説くので、とりあえず、これまでメールを出したことのある3ヶ所と、リンク先にメールを出した。

 HP用のメールの設定を変えようとして、またOCNサポートに連絡した。送受信者名を変えたいだけだったのに、新人君が先輩にたずねたずね「ちょっとお待ちください」と1時間くらいかかって、教えてくれたとおりにやっていったら、メール不通になってしまった。

本日のうらみ:新人君よ、君よりパソコンがわからない者もいるんだ

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<つづく>
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ぽかぽか春庭「2003年9月歴史リテラシー&ジュラシックパーク」

2013-09-03 00:00:01 | エッセイ、コラム
2013/09/03
ぽかぽか春庭知恵の輪日記>2003年9月(2)歴史リテラシー&ジュラシックパーク

 2003年の日記コピー続き
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2003/09/04 木 曇りのち晴れ 
日常茶飯事典>歴史リテラシー

 5時に集中講義が終われば、昨日と同じ6時すぎには帰宅すると思ったのに、7時をすぎても帰ってこない。女子中学生行方不明のニュースがあり、ちょっとでも帰宅が遅れると、心配してしまう。娘にしてみれば、1時間や2時間、大学生なんだから遅くなることはあるって、言うのだけれど。

 今日遅くなった理由は、明日、プレゼンテーションの準備をしていたから。「自分はこんな授業をやってみたい」という発表を、資料を提示しながら行うので、友だちと図書館で資料探しをやっていた。4人ひと組になって班を作ったので、まったく違う学部の人と知り合いになり、いっしょに資料探しをした、という。4人でグループを作り、発表などをさせるのも、私の授業のやり方と同じ。

 自分が専攻する科目でなくていいというので娘は地理じゃなく、歴史の授業について発表することにした。中学校での授業を想定して、タイトルは「事実は事実じゃない」
 教科書に事実として記載されていることがらも、実は歴史教育の思想のもとにコントロールされていること、自分たちが教科書で習って、常識だと思っていることでも、違うこともある、などをわからせるという「歴史リテラシー教育」を、するつもりだという。


 娘の教育実習授業案。
 1,前ふりその1。シュリーマンの話。多くの人が「ただの伝説。物語」と考えていたトロイア。シュリーマンは常識にとらわれることなく、自分の信念でトロイアの実在を照明した。常識をうたがうこと。
2 中学生にとって、実在していると思えるコトガラをあげてもらう。UHO,ネッシーなど。それが本当にいるのかどうか、資料を集めさせる。これがメインの活動。漠然と「いるかもしれない、あるかもしれない」ではなく、具体的な資料を探索する。ネッシーなどは、目撃情報のほとんどが、誤認か、作為情報であることを確認させる。
3 「四大文明が文明の最初」と教科書では教わるが、それ以前の文明が各地で明らかにされてきたことなどを紹介。書かれていることをそのまま信じ込むのではなく、他の資料を探索したり、自分なりに情報を集めて、自分の頭で確認することの必要性を教える。


 この計画を息子に語って、「あんたがこういう授業を受けたらどう思うか、感想を言って」と聞く。
 息子は「ぼくたち、中1の最初の歴史授業が、こういう歴史リテラシー教育だったんだ。古事記日本書紀読んで、天皇の和名から、歴史事実と伝説をわけるという作業をやった。ハツクニシラススメラミコトとか、オオハツセワカタケルとか。」
 娘、「あ、それいいね。まえふりに使おう」   


 前ふりその2。戦前の歴史教育では、神武などは実在した人物として教えられてきたが、天皇の和名を検討することにより、津田左右吉は崇神以前の天皇の名が、実は奈良以降につけられた天皇名と発想がいっしょであることを明らかにした。伝説と史実は同じではないことを知らせる。

 「この集中講義、とても準備がたいへんで、調べることも多くて、3日間じゃ足りない。もっと先生の講義をききたい。でもゼミはすごい倍率で、たぶん抽選にはずれる」という。準備が大変で疲れるけれど、取り組むことは楽しいし、いやじゃない。つまらない講義は90分聞いてくると飽きるけど、この授業は3時間くらいあっと言う間にすぎる、という。

 午後、電子レンジが届いた。

本日のそねみ:もっと長い時間授業を受けたいと、学生に思ってもらえる講義

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2003/09/05 金 晴れ 980
日常茶飯事典>集中講義に集中

 娘の受講している集中講義、最後は泣き出す子もいたという。たった3日ではあっても、大学に入ってから一番充実して勉強したという気持ちになり、感激のあまり泣き出したのだと。娘の最終プレゼンテーションは好評で、「この人に教師になってほしいと思う」という学生同士の評価で、高得点を獲得したという。

 最後の質問タイムでは、娘が教育実習をしたいと願っている夜間中学についてたずねた。先生が定時制高校のことを質問された、と誤解したようなので、山田洋次の『学校』を例に挙げて、公立中学校の夜間クラスのことを紹介したら「君はコメント力がすぐれているね。相手がわからなかったことを、そうやって具体的な例をあげて理解を助けることができるのは、とてもいい」と褒められたそう。「わーい、先生に褒められた」と、自信がついた。

 夜間中学については、斉藤先生は詳しくないので、高野先生に質問するように、という回答だった。高野先生は去年「教師論」という科目を教わった先生。

本日のひがみ:私の授業を受けて笑いころげる学生は多いが、授業最終日に泣いた人いない

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2003/09/06 土 晴れ 
日常茶飯事典>ジュラシックパーク

 午後、渋谷から原宿まで歩き、代々木体育館で開催されているジェラシックパーク展を見た。映画に出てくるジェラシックパークの安全版を楽しめるというふれこみ。
 恐竜の動くフィギュアを見て回る。娘と息子は大いに楽しんでいた。そしてグッズをいろいろ買い込んでいた。

 入場券は娘のおごり。
 娘は「入場料ひとり2800円は高いと思ったけど、でも、十分値段分は楽しめた」と高評価。

 去年、幕張メッセで見た恐竜博は、セイモスサウルスの巨大な骨格標本がウリで、学術的な展示としても、価値の高いものだった。今回のは、映画のなかで使われた動く模型がメインだから、たいしたことはないと思っていたが、恐竜大好きの娘と息子にとっては、学術も大切だけど、こういうエンターテインメントも楽しい、というところ。
 お寿司を買って帰る。

本日のつらみ:ちょっとチャチな気がしたが、娘息子は喜んでいたからよしとする

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<つづく>
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ぽかぽか春庭「2003年の9月」

2013-09-01 00:00:01 | エッセイ、コラム
2013/09/01
ぽかぽか春庭知恵の輪日記>2003年9月(1)

 10年前の日常茶飯事日記コピーの続きです。
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2003/09/01 月 曇り
日常茶飯事典>介護体験

 午後、娘と買い物。電子レンジがこわれたので、新しいのを購入。圧力鍋もこわれたけれど、うちのと同じくらいの大きい容量のものはどの店にも売っていない。

 バーミヤンで3時ごろラーメンを食べた。
 食べながら娘の話を聞いて、おもしろかった。介護体験の話。

 娘が配置されたのは、リハビリ訓練のために入院する老人保健施設。医療病院に入院したあと、病気は治ったものの、寝たきりになってしまったり、歩行や会話が不自由になった人がリハビリを受けて社会復帰するための施設だ。娘はリハビリの補助や食事介護を手伝った。


 娘の介護体験日記

 最初の日は緊張しているし、老人たちの名前もわからず、仕事も何をやったらいいのかわからなくて、あと、4日間どうやって過ごしたらいいのか落ち込み、もうやめてしまおうかと思った。2日目には、指導のヘルパーさんが「私も四月から仕事を始めたばかりで、まだ失敗続き。あなたも緊張しなくていいよ」と声をかけてくれた。年齢も近いので仲良くなれた。

 お年寄りのひとりと仲良しになったら、その人が他の老人たちの名前や特徴を教えてくれたので、名前を呼んで声かけながら接することができた。「あの人はパニックになりやすい人だから、こんなふうに声をかけたらいいよ」とか、いろいろ教えてもらい、お別れのときは、記念だからいっしょに写真をとって、言われた。

 最後に失敗しちゃった。避難訓練があったんだけど、「お年寄りに『火事ですから下へ降ります』って、お知らせをして下へつれて行って」、と言われたので、訓練とわかっていると思って、言われたとおりに、「火事ですから下へおりましょう」と声をかけた。そしたらパニックになるおばあちゃんが、火事と聞いてパニックになっちゃって。最初に「今から訓練です。訓練です」って、繰り返してようくわからせてから、お知らせしなくちゃいけなかった。あやまったら、指導のヘルパーさんが、訓練ということを私がちゃんと言っておくべきだったって、かばってくれた。いい人たちの階でよかった。

 違う階に配置された人たち、いじわるなヘルパーさんに、「じゃまな学生たち」っていうふうに扱われて、とてもつらかったって

 ヘルパーさんやリハビリ訓練士にしてみれば、自分の仕事をこなすだけでたいへんなのに、学生の指導までするのは、よけいな仕事になる。どこでも実習生訓練生の受け入れはたいへんなことだって聞く。
 「でもね、学生の体験や実習を受け入れている場所に勤務したのなら、体験指導実習指導も仕事内容のうちなのだと受け止めて、ちゃんと指導することまでが、お給料のうちだって、思うよ。いじわるされた階に配属された人、もう二度と介護なんかやるものかって、思ったんじゃないかな。

 「私、介護体験が始まるまでの2週間、どこにも出ないで家にひきこもっていたでしょう。介護が終わるまで疲れたり体調をくずしたりできないと思って、どこにも出かける気になれなかった。終わってほっとした。もう夏休みおわっちゃうけど、やっとお出かけモードになった。代々木のジェラシックパークイベントとか、行ってみたい」と娘。

 2週間のひきこもり。どうしてこの子は、遊びにも行かずせっかくの夏休みに引きこもっているのかと、心配したが、そんなに介護体験の心配をしていたなんて。そういう心配性で責任感持ちすぎるくらいのところが、いい目にでるときもあるし、中学のときの不登校のときのようにたいへんになることもある。

 中学校生徒会長の仕事をきちんとやりたいという思いの余り、生徒指導の教師と対立することになってしまった。この教師から不当ないじめを受けて精神的に追いつめられ、学校へ行けなくなったのだ。
 今回はいい経験ができたというので、本当によかった。

本日のうらみ:生徒会長だった娘をいじめた生徒指導の教師よ。あなたと対立して不登校に追い込まれた子は、介護体験へ行くまでに成長しました

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2003/09/02 火 曇り
日常茶飯事典>お下がり服とうさぎのアップリケパンツ

 娘は、前にスカートを作ったハイビスカス柄の布で、タンクトップを作る。私は一日HPビルダー。
 娘はミシンを踏みながら、昔話。  

 娘の話「Tシャツからパンツまで蜜柑たちのお下がりしか着せてもらえなかった、子ども時代。キャンディキャンディとか、ピンクレディなど、一昔前のキャラクターがついている古びたTシャツを着ていると、男の子たちに「ビンボー、ビンボー」とからかわれて、本当にイヤだった。あるとき、「弟は、いいなあ。男の子は弟一人だけだから、前あきのあるパンツ新しく買ってもらえて」って言うと、柿実ママがうさぎのアップリケのついたパンツを買ってくれた。花のアップリケとか、りんごのとか。うれしくって、スカートはかないで、パンツだけで、学校に行きたいくらいだった。高校の家庭科被服で洋裁を習って、自分で服を縫えるようになって、本当によかった。」などなど。

 私は服にいっさい興味がない。夏は裸でなければよく、冬は寒くなければいい。姉から妹から、姑からのお下がりを着ている。姉のお下がりは「ちょっと高級な服なのでおしゃれしていくお出かけ用」姑や伯母のお下がりは仕事用。「服装がいつも地味すぎる」と学生に評されているが、そりゃ、80代70代の人からのお下がりだから、ばあさん風なのはしかたがない。

 こういう母親に育てられて、服に興味がある娘はかわいそうだった。女の子は服を買ったりするとき、母親と「こっちのリボンの服とこっちのフリルのと、どっちがかわいいか」なんてことを話すのが楽しみなのだろう。
 私は本屋にしか興味がなかった。ことばは山のように買い込んだ。たぶん、語彙力は一般の主婦よりはあるだろう。だが、こどもにかわいい服を着せて楽しみにするという「フツーの喜び」には思い至らなかった。

 最後のタンクトップに肩ひもをつけるところで、ミシンがダウン。最後のところは手縫いになった。それでもかわいい服ができあがって、娘は満足。あしたからの集中講義に着ていくのだと。集中講義の授業は朝10時から夕方5時までぶっ続け。

本日のつらみ:ミシンもガタがきているけれど、圧力鍋も買わなきゃだし

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2003/09/03 水 晴れ夕方雷雨 
ニッポニア教師日誌>エンカウンター授業

 午前中Aダンス。

 午後、講師連絡会議と、閉講式。閉講式の最中にごろごろと雷の音が聞こえてきた。ケンやイルと記念写真をとって、急いでバス停へ向かったが、ぼつぼつと大粒の雨。駅前ではどしゃぶり。

 東京に着いたら降っていないので大丈夫かと思って、南口の自転車置き場へ。自転車にのったらぼつぼつ。途中からどしゃぶり。びしょぬれ。
 娘も同じで、駅を出たときはぼつぼつ。自転車の鍵を開けているうちにどしゃぶり。びしょぬれ。でも、雷雨のため電車がとまったというから、止まる前でよかった。

 娘が受講している集中講義。大学に入ってから最高の授業、という。
 実をいうと、マスコミで売れっ子になり、テレビ出まくり講演しまくりという有名教授だと、本業の授業は手抜き一方。集中講義3日間なんて、テレビ出演時の裏話でお茶をにごして終わり、なんていうパターンが多いことを聞いていたから、手抜き授業だったらかわいそうと思って心配していた。しかし、集中講義申し込みのとき朝早くから並んだ価値があったという。

 一日90分授業午前2コマ午後2コマ勘定、3日間12コマ。2単位の授業。しかし、90分で区切ったりしないで、ぶっ続け。お昼休みもぎりぎり食べる時間だけで授業再開。
 講義の内容をきくと、一日目の午前中は、私が日本語教育研究の授業で最初の日にやっているエンカウンターと同じことをしている。クラスメート同士の名前を覚えること、自己表現すること。相手の話を聞いてコメントをつけること。

 日本語教師養成講座として設定されている科目だが、私自身は国語科教師と日本語教師を経験しただけで、教員養成の方法を学んでいない。手探りで自分なりによい教師を育てるために工夫してきた。その方法がまったくまちがっているものでもないとわかって、安心した。
 ただ、娘の先生の講義のほうが、はるかに手慣れていてかつこなれていて、学生の気持ちを引きつける方法とか、集中させる方法がうまいのだとわかる。娘がいうには「各県で教員採用が決まった人たちに、ぜったい三日間ずつ、この講義を受けさせた方がいいと思う。この講義を受けたのと受けないのじゃ、教壇にたったとき、全然違う」

本日のそねみ:わたしも来年、集中講義を科目履修生として受けてみたくなった

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<つづく>
コメント (2)
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