『江口寿史イラストレーション展 彼女』 千葉県立美術館

千葉県立美術館
『江口寿史イラストレーション展 彼女-世界の誰にも描けない君の絵を描いている』
2022/10/29~2023/1/15



千葉県立美術館で開催中の『江口寿史イラストレーション展 彼女-世界の誰にも描けない君の絵を描いている』を見てきました。

1956年生まれの漫画家、江口寿史は、『すすめ‼パイレーツ』や、『ストップ‼ひばりくん!』といった作品で人気を博すと、その後、雑誌の表紙や挿画、装幀本、それに商品広告などを手がけ、イラストレーターとしても長く活躍してきました。

その江口の描いた女性のモチーフに着目したのが『江口寿史イラストレーション展 彼女』で、会場には初期から新作までの原画や複製など500点もの作品が公開されていました。



まず冒頭では、江口が本の表紙などに描いた女性をインクジェットプリントにてカンヴァス上へ引き出した作品が展示されていて、リキテンスタイン風のひばりくんやウォーホルの絵画を連想させるカウガールなどを見ることができました。



こうした作品の例からしても、江口の色彩や構図のルーツに、1960年代のポップアートがあることが指摘されていて、大衆的な日用品や流行に目を向ける江口のセンスなども伺い知ることができました。



これに続くのが江口が40年間あまりにわたって描いたイラストの原画、および出力原画で、雑誌、単行本カバーをはじめ、熊本地震の復興イラストやデニーズのメニューといった実にさまざまな作品が並んでいました。



創刊から現在まで70枚以上を手がけ、今後も毎シーズン制作されるという季刊『リアルワインガイド』は、江口のイラストレーションとしては最長のシリーズで、いずれもワインボトルを手にした女性などが鮮やかな色彩をもって表現されていました。



この『リアルワインガイド』のように、江口のイラストには時代における若い女性のファッションなどが巧みに描きこまれていて、音楽といった流行も見事に取り込んでいました。それこそ現代の美人画、風俗画とも呼べるのかもしれません。



江口のキャリアの原点とも言える、『すすめ‼パイレーツ』の扉絵イラストも見どころではないでしょうか。熊本県生まれの江口は、10代を千葉県にて過ごしていて、『すすめ‼パイレーツ』も同県を舞台にしていました。



漫画家、江口寿史の個展で見たい、45年にわたって描き続けた「彼女」|Pen Online

最終入館時間が16時、閉館が16時半です。少し早めに閉まります。お出かけの際はご注意ください。


会場内の撮影も可能です。2023年1月15日まで開催されています。*写真はすべて『江口寿史イラストレーション展』展示作品、および展示風景。

『江口寿史イラストレーション展 彼女-世界の誰にも描けない君の絵を描いている』 千葉県立美術館@chiba_pref_muse
会期:2022年10月29日(火)~2023年1月15日(日)
休館:月曜日。但し月曜が祝日の場合は開館し、翌日休館。年末年始(12月28日〜1月4日)。
時間:9:00~16:30。
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般500(400)円、高校・大学生250(200)円、中学生以下、65歳以上無料。
 *( )内は20名以上の団体料金
住所:千葉市中央区中央港1-10-1
交通:JR線・千葉都市モノレール千葉みなと駅より徒歩約10分。
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