絵本作家、かこさとしの展覧会がBunkamura ザ・ミュージアムにて開催されています

1926年生まれのかこさとしは、「だるまちゃん」シリーズをはじめ、『地下鉄のできるまで』といった科学絵本など、2018年に亡くなるまで実に600冊を超える絵本を制作しました。



そのかこさとしの創作世界を紹介する『かこさとし展 子どもたちに伝えたかったこと』について、Penオンラインに寄稿しました。

絵本作家のかこさとしの初期から晩年までの代表作が集結。Bunkamura ザ・ミュージアムにて展覧会が開催中|Pen Online

今回の展覧会では、かこの絵本の原画だけでなく、初期の油彩画や戦後ボランティア活動の一種であるセツルメント運動時代での紙芝居、さらには晩年に手がけた初公開となる通称「生命図譜」と呼ばれる作品を展示していて、かこの創作とともに人生の歩みを知ることができました。



子どもの頃から絵が好きだったかこは、科学に興味を抱くと、大学では工学部に学び、科学者を目指しました。そして戦後は昭和電工に入社すると会社勤務の傍らに人形劇団に参加したり、セツルメントの子ども会運動に携わりました。そこでかこは子どもたちに向けて多くの紙芝居を自ら制作していて、読み聞かせをしながら子どもたちと触れ合いました。

またセツルメントを通して児童文化活動に向き合ったかこは、その経験をのちの絵本制作へと活かし、建設、自然科学、身体、社会、昔話などをテーマとする多様な絵本を生み出していきました。



一点一点の絵本原画を通して感じるのは、とりわけ科学絵本などにおける繊細でかつリアルな描写で、実際に『地下鉄のできるまで』では工事現場に出向くなど丹念に取材して描いていました。

そうしたかこが絵本制作において見せた探究心の集大成とも呼べるのが、「宇宙進化地球生命変遷放散総合図譜」と言われる未完の作品でした。

ここでは5メートルもの大画面にビックバン以降、地球の誕生や生命の進化のプロセスなどを細密とも言えるほど小さな文字やスケッチに描きこんでいて、まさに過去から現在へと至った森羅万象が示されていました。



このほか、航空士官を目指していたエピソードや戦時下での体験についても紹介されていて、かこの意外とも受け止められる側面をたどることができました。


会期中すべての土日祝、および会期最終週の8月29日から9月4日の間は一部オンラインによる入場日時予約が必要です。

9月4日まで開催されています。*写真は館内のフォトスポットより

『かこさとし展 子どもたちに伝えたかったこと』 Bunkamura ザ・ミュージアム@Bunkamura_info
会期:2022年7月16日(土)~9月4日(日)
休館:7月26日(火)。
時間:10:00~18:00。
 *毎週金曜と土曜は21時まで開館。
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1400円、大学800円、高校・中学生500円、小学生以下無料。
 *会期中の土日祝、および8月29日(月)から9月4日(日)はオンラインによる入場日時予約が必要。
住所:渋谷区道玄坂2-24-1
交通:JR線渋谷駅ハチ公口より徒歩7分。東急東横線・東京メトロ銀座線・京王井の頭線渋谷駅より徒歩7分。東急田園都市線・東京メトロ半蔵門線・東京メトロ副都心線渋谷駅3a出口より徒歩5分
コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
« 2022年8月に見... 『第24回亀倉... »
 
コメント
 
 
 
Unknown (nerotch9055)
2022-08-04 22:30:42
こんばんは!
かこさとしさん、大好きでした!
私は「おたまじゃくしの101ちゃん」が、思い出深いです。
(。・_・。)ノ
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。