青森の美術館をめぐる旅:十和田・青森・弘前 Vol.2青森県立美術館・国際芸術センター青森



青森の美術館をめぐる旅:十和田・青森・弘前 Vol.1十和田市現代美術館



青森駅近くのホテルを出て、三内丸山遺跡前行のバス乗り、青森県立美術館へと着いたのは9時15分頃でした。


青森県立美術館

この日は全国を巡回していた『ミナ ペルホネン/皆川明』の青森での最後の開催日で、各地で話題を集めていた展示ということもあり、9時半の開館前には若干の列もできていました。


青森県立美術館

私はすでに『ミナ ペルホネン/皆川明』展を東京都現代美術館で鑑賞していたため、まずはアレコ・ホールにはじまるコレクション展を見ることにしました。


マルク・シャガール、バレエ「アレコ」の舞台背景画 展示風景

アレコ・ホールとはマルク・シャガールのバレエ「アレコ」の背景画を展示するスペースで、巨大な吹き抜けの中に、縦が約9メートル、横は約15メートルもの背景画が4点吊られるようにして公開されていました。


マルク・シャガール、バレエ「アレコ」の舞台背景画 展示風景

このうちの3点が同館の所蔵品であるものの、残りの1点をアメリカのフィラデルフィア美術館より借用しているため、すべて鑑賞することができました。*借用期間は2023年3月末までを予定。


マルク・シャガール、バレエ「アレコ」の舞台背景画 「アレコ特別鑑賞プログラム」時の展示風景

また「アレコ」の背景画を、舞台用の照明と音楽、ナレーションとともに紹介する特別プログラムも実施されていて、バレエのストーリーを分かりやすくたどることができました。


棟方志功『華厳譜』

青森県立美術館の魅力は、版画家の棟方志功をはじめ、現代アーティスト奈良美智、それに怪獣デザインで知られる彫刻家で特撮美術監督の成田亨といった、青森にゆかりの深い郷土作家のコレクションが充実していることでした。


奈良美智作品 展示風景

まず奈良美智では、絵画からオブジェ、インスタレーションなどが展示されていて、屋内からは青森の現代アートのシンボルとも化したあおもり犬も望めました。


奈良美智作品 展示風景

さらに棟方志功や草間彌生、また成田亨の作品などを見終えたのちは、屋外へと出て奈良美智のあおもり犬と『Miss Forest/森の子』を見学しました。なお青森県立美術館では一部の展示を除いて撮影が可能です。


あおもり犬

翌日より空調工事などにて休館する同館でしたが、休館中にあおもり犬の塗り替えも行われるため、ちょうど塗り替え前の最後の一般公開日での観覧となりました。*休館は11月22日までを予定。


奈良美智『Miss Forest/森の子』

八角堂での『Miss Forest/森の子』も一部改修が行われるとのことで、長く風雪に耐えてきた森の子のすがたを目に焼き付けました。


カフェ『4匹の猫』にて。あべ鶏と青森産りんごのカレーライス

一通り鑑賞するとランチタイムになっていたので、カフェ『4匹の猫』にてあべ鶏と青森産りんごのカレーライスと果汁100%リンゴジュースをいただきました。ジュースは弘前タムラファームによるもので、カレーもりんごで煮込んでいるからか甘味のある優しい味でした。カフェ『4匹の猫』は店内も広く、個々のテーブルの間もゆとりがあり、のんびりと食事を楽しむこともできます。


国際芸術センター青森

青森県立美術館を堪能したのちは、一度バスで青森駅へと戻り、同じ青森市内にあるもう1つのアートスポットを目指すことにしました。


国際芸術センター青森

それが2001年に開館し、現在は青森公立大学が運営する国際芸術センター青森でした。建物の設計を手がけたのは安藤忠雄で、市南部の八甲田山麓の森の中に位置していました。


国際芸術センター青森

青森駅よりバスに揺られること約40分、市街地を抜けて山道に差し掛かると、入口が見えるのが国際芸術センター青森でした。


国際芸術センター青森 展示棟

鬱蒼とした森の中にある国際芸術センター青森は、馬蹄型の展示棟をはじめ、創作棟と宿泊棟の3棟からなっていて、これまでにアーティスト・イン・レジデンス(AIR)を中心に、教育普及や展覧会の開催といった活動が行われてきました。


国際芸術センター青森 展示棟

この日は展示が行われていなかったため、建築物と屋外に点在する彫刻を鑑賞することにしました。


国際芸術センター青森 創作棟

屋外ステージを備えた展示棟をはじめ、創作棟と宿泊棟も、森の中に沈み込むように配されていて、彫刻も自然に溶け込むようにして置かれていました。


国際芸術センター青森 屋外彫刻作品

バスの本数が限定的なため、あまり長く滞在できませんでしたが、建物からしても一見の価値のある施設るかもしれません。


青森港から青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸

この後は市内のホテルへと戻り、青森港を散策しつつ、近くの和食店で手の込んだ料理やお酒をいただいて夜を過ごしました。


青森の美術館をめぐる旅:十和田・青森・弘前 Vol.3弘前レンガ倉庫美術館・弘南鉄道アート列車へと続きます。

『シャガール「アレコ」全4作品完全展示』 青森県立美術館@aomorikenbi
会期:2017年4月25日~2023年3月末(予定)
休館:毎月第2、第4月曜日 (祝日の場合は、翌日休館)。年末年始(12月26日~1月1日)。この他、展示替え休館、館内改修工事のための臨時休館日あり。
 *11月22日まで館内工事のため休館
時間:9:30~17:00 
 *入館は閉館の30分前まで
料金:大人510(410)円、大・高校生300(240)円、中学生・小学生100(80)円。
 *常設展観覧料。
 *企画展は別料金。
住所:青森市安田字近野185
交通:JR新青森駅東口よりルートバスねぶたん号「県立美術館前」下車。青森駅前6番バス停より「三内丸山遺跡行」より「県立美術館前」下車。駐車場あり。

国際芸術センター青森@acac_aomori
休館:年末年始(12月29日~1月3日)及び大学入学試験に関わる日程。
時間:9:00~19:00
 *展覧会:10:00~18:00
料金:無料
住所:青森市大字合子沢字山崎152-6
交通:JR青森駅からJRバスまたは青森市営バス「モヤヒルズ、青森公立大学行」に乗車、「青森公立大学」下車。(バス乗車時間は約40分)
コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (さなえ)
2022-11-12 09:26:46
青森美術館は好きな美術館でこれまで3度訪れました。
初冬に訪れたとき、外はすでに暮れかけ紺色の空から青森犬に牡丹雪が降ってきて、素晴らしい美しさでした。

そこのレストランは美味しいですね。以前、銀座の王子製紙で提供していたスモークサーモンとクリームチーズのバンに似たものがあり、堪能しました。次回にはお試しをw。
 
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