「日本美術のとびら」 東京国立博物館・本館 特別3室

東京国立博物館・本館 特別3室
「日本美術のとびら」
2021/6/22~2022/3/31



東京国立博物館にて文化財の魅力を体感的に楽しめる展示スペース、「日本美術のとびら」がオープンしました。

まず入口にて出迎えてくれたのが「A GLIDE ON THE GREAT WAVE」と題した映像で、浮世絵や工芸品、絵巻、屏風絵などのコレクションが、四季折々に変化する江戸と東京を行き来しながら軽快な音楽とともに紹介されていました。



いずれも酒井抱一の「夏秋草図屏風」や長谷川等伯の「松林図屏風」、それに葛飾北斎の「富嶽三十六景 颱風快晴」などの誰もが知る名品ばかりで、まさに日本美術のオールスターと呼んで差し支えないかもしれません。なお8分の同映像はぶんかつYouTubeチャンネルでも鑑賞できました。



続くのが全14メートルの巨大スクリーンに展開した「日本美術のデジタル年表」で、1万2000年前の縄文時代から飛鳥・奈良、平安に鎌倉、それに室町や江戸時代へと至る16件の文化財をインタラクティブな仕掛けをもって見られました。



年表スクリーンの前の床に貼られた足跡マークの「わくわくポイント」に立つと、スクリーン上に作品画像が表示されて、ポップアップの指示に従って手を上げたり前に出したりすると、拡大したりページをめくったりして楽しむことができました。



また「わくわくポイント」にはそれぞれQRコードが表示されていて、スマホで読み取るとWEBサイト(Colbase:国立博物館所蔵品統合検索システム)にアクセスされ、作品の情報や解説を閲覧することが可能でした。

そのデジタル年表の前に展示されたのが、国立文化財機構とキヤノン株式会社との共同研究プロジェクトによって制作された、日本美術の高精細の複製品でした。



現在は尾形光琳の「風神雷神図屏風」と酒井抱一の「夏秋草図屏風」の屏風と「孔雀明王像」の掛け軸の複製品が露出にて公開されていて、それこそ本物と見間違うほどに精細に作られていました。



ここで嬉しいのは元来は一体であったものの、今では別の作品として切り離された光琳の「風神雷神図屏風」と抱一の「夏秋草図屏風」が表裏の形にて再現されていることでした。雷神に対しての雨に打たれる夏草、そして風神の風に吹かれた秋草のドラマチックなまでの対比が、臨場感をもって味わえるのではないでしょうか。

なお高精細複製品は今後、以下のスケジュールにて入れ替わります。

【屏風】
2021年6月22日~8月29日 重要文化財「風神雷神図屏風・夏秋草図屏風」(高精細複製品)
2021年8月31日~11月28日 国宝「観楓図屏風」(高精細複製品)
2021年11月30日~2022年2月27日 国宝「松林図屏風」(高精細複製品)
2022年3月1日~5月29日 国宝「花下遊楽図屏風」(高精細複製品:復元)

【掛け軸】
2021年6月22日(火)~2022年3月末(予定) 国宝「孔雀明王像」(高精細複製品)



「孔雀明王像」は京都文化協会とキヤノン株式会社が共同で取り組んでいる「綴(つづり)プロジェクト」の第14期作品として制作され、この度、国立文化財機構へと寄贈されました。



同プロジェクトの中ではもっと古い平安時代の作品で、最新のデジタル技術と京都の職人の技を用い、実に0.2mmの細さにもなる截金部分や彩色の繊細なニュアンスまでも忠実に再現したそうです。一般へのお披露目は初めてのことでもあります。

会場は、現在「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ」を開催している本館1階の特別5室の出口横に位置する特別3室です。特別展、及び常設展(総合文化展)観覧料にて体験できます。


またトーハクに楽しく日本美術へ触れられるスポットが誕生しました。撮影もできました。

2022年3月31日まで開催されています。

「日本美術のとびら」 東京国立博物館・本館 特別3室(@TNM_PR
会期: 2021年6月22日(火) ~2022年3月31日(木)
時間:9:30~17:00。
 *当面の間、金・土曜日の夜間開館を中止。
休館:月曜日。但し月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館。12月14日(火)、年末年始(2021年12月26日~2022年1月1日)、2022年1月4日(火)。その他臨時休館あり。
料金:一般1000円、大学生500円、高校生以下無料。
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR上野駅公園口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄上野駅より徒歩15分。
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「エキシビジョン・カッティングス マチュウ・コプランによる展覧会」 メゾンエルメス

メゾンエルメス
「エキシビジョン・カッティングス マチュウ・コプランによる展覧会」 
2021/4/23~7/18



メゾンエルメスで開催中の「エキシビジョン・カッティングス マチュウ・コプランによる展覧会」を見てきました。

ロンドンを拠点に活動するキュレーターのマチュウ・コプランは、展覧会の伝統的な役割や枠組みを揺るがすべく、新たな体験や知覚を提案するような試みを続けてきました。

そのコプランが日本で初めてキュレーションを手掛けたのが「エキシビジョン・カッティングス」で、挿し木や接ぎ木を用いたインスタレーションと映像ドキュメンタリーを展示していました。



まずspaceAの「育まれる展覧会(環境)」と題した展示室では、木の台座やベンチなどが置かれていて、中央の土が入れられたプランターには甘夏の苗が植えられていました。



これらはタイトルの「カッティング」から植物の挿し木や接ぎ木を参照しつつ、他の場所に移植された生命が人工的に育むことを意図したもので、いわば生態ないし環境そのものが築かれていました。



一連の木の什器は音を主軸に美術制作やパフォーマンスを手がける西原尚らが手掛けていて、無肥料や無除草といった自然農法で知られる福岡正信自然農園から土が届けられました。

こうした木と自然を取り巻く環境と同じく重要なのが、木の台座の上など数台のスピーカーから響く音楽でした。



作曲したのはアメリカのミニマル・ミュージックの巨匠の一人として知られるフィル・ニブロックで、全6曲の音楽を展覧会のために書き下ろしました。いずれもチェロやギター、ヴィオラの他、声楽アンサンブルなどによる音楽で、持続音を多用するドローン・ミュージックと呼ばれるものでした。

多くはパリなどで活動するアーティストによって演奏されましたが、1曲は日本のヴォーカル・グループのVox humana(ヴォクスマーナ)が、東京で演奏と録音を行いました。

ともかく音楽はひっきりなしに鳴っていて、音も大きく、音圧にてスペースを満たしていくかのようでした。もはや主役は音楽にあるといえるかもしれません。



一方のspaceBでは、コプランが過去にキュレーションした「閉鎖された展覧会の回顧展」を振り返る映像、「アンチ・ミュージアム:アンチ・ドキュメンタリー」が上映されていました。ここでは過去に様々なアーティストが自らの決断や芸術行為によって閉鎖した展示を取り上げていて、中には日本のハイレッド・センターが画廊を展示初日に閉じて議論を呼んだ「大パノラマ展」などもありました。



自らの展覧会のアーカイブを編集、つまりカッティングしつつ、アートと展示空間のあり方などを問い直す興味深い内容だったのではないでしょうか。コロナ禍において閉鎖を余儀なくされた美術館についても言及していて、リアルタイムな問題として考えさせられるものが少なくありませんでした。



緊急事態宣言を受け、4月25日より5月15日、また5月23日より6月1日まで臨時休館していましたが、6月2日に再開されました。

なおエルメス銀座店の混雑緩和のため、ソニー通り沿いのエレベーターより入館する必要があります。店内用エレベーターでは入館できません。



ガラス越しの光や音楽を浴びる甘夏の苗はどこまで生育を続けるのでしょうか。会期末に改めて見てこようと思いました。



予約は不要です。7月18日まで開催されています。

「エキシビジョン・カッティングス マチュウ・コプランによる展覧会」 メゾンエルメス
会期:2021年4月23日(金)~7月18日(日)
休廊:会期中無休。
時間:11:00~19:00 
 *当面の間、開館時間を短縮。
料金:無料。
住所:中央区銀座5-4-1 銀座メゾンエルメス8階フォーラム
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅B7出口すぐ。JR線有楽町駅徒歩5分。
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「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」 府中市美術館

府中市美術館
「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」
2021/5/22~7/11



府中市美術館で開催中の「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」を見てきました。

景勝地や寺社仏閣といった日本各地の名所は、古くから絵画や版画などに表され、人々の目を楽しませてきました。

そうした名所を描いた作品に注目したのが「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」で、江戸から昭和へと至る木版、油彩、水彩、それに印刷物など約110点の作品が展示されていました。(一部に展示替えあり)

まず冒頭を飾るのが江戸の絵師、歌川広重による「名所江戸百景」の連作で、「深川洲崎十万坪」や「上野山内月のまつ」、さらにゴッホが模写したことでも知られる「大はしあたけの夕立」などが並んでいました。いずれも神奈川県立歴史博物館の所蔵する作品でした。

このように展覧会では神奈川県立歴史博物館や江戸東京博物館、もしくは静岡県立美術館や愛知県美術館といった他館の作品が多くやって来ているのも特徴で、必ずしも府中市美術館のコレクション展ではありませんでした。



いくつかのテーマを設定し、名所を描いた作品を紹介しているのも見どころの1つといえるかもしれません。そのうち「西洋画法と写真」では、明治時代に名所を描いた油彩画とともに、同じ地点を写した写真をパネルで並べていて、互いに見比べることができました。桜の名所である小金井の玉川上水を描いた五百城文哉の「小金井の桜」と、小川一真による写真「The Hanami」から「小金井橋を望む」の比較も面白いのではないでしょうか。

小林清親と川瀬巴水の作品が充実していたのにも目を引かれました。そしてここでも小金井の桜を表した巴水の「小金井の夜桜」が出ていて、夜の闇で咲き誇る桜のもと、大勢の見物客が行き交う光景を見ることができました。また酒を飲んでいるのか、肩を組んで歩く人がシルエット状に描かれていて、花見特有の賑わいが感じられました。

さてこの「映えるNIPPON」において特に興味深かったのは、名所を舞台としたポスターなどの印刷物の展示でした。

例えば大正時代に当時の鉄道省が発行したポスター「房総めぐり」は、成田山や誕生寺など千葉県内の名所を紹介していて、日程別のモデルコースや料金も掲載されていました。また全てが有名なところばかりでなく、市川・八幡の藪知らずや習志野の軍の練習場まで案内があるのも心憎いかもしれません。

大阪毎日新聞社が読者向けに付録として配布した「日本鳥瞰近畿東海大図絵」は、日本中の名所を鳥瞰図として描いていて、美穂の松原や伏見稲荷、それに東照宮といった国内の観光地とともに、何故かハワイやサンフランシスコまでが記されていました。この他では鉄道省による「鉄道旅行案内」や、昭和2年の小田急の開通時に刊行された「小田原急行電車開通記念」ポスターなども貴重な資料といえるかもしれません。


吉田初三郎が描いた横幅4メートルにも及ぶ大型の肉筆「神奈川県鳥瞰図」も大変に目立っていました。ここには富士山を背に横浜、三浦半島、それに大山や箱根などの名所を解剖するように描いていて、大きくデフォルメ化された神奈川の光景に圧倒されるものを感じました。

国立公園をモチーフにした絵画や、和田英作と富士山、それに向井潤吉と民家に着目した展示も見応えがあったのではないでしょうか。幅広い観点から名所を描いた作品の魅力を伝える好企画だと言えそうです。



展示替えの情報です。前後期で一部の作品が入れ替わります。

「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」(出品リスト
前期:5月22日(土)〜6月13日(日)
後期:6月15日(火)〜7月11日(日)

入れ替わる作品は広重、清親、巴水などの木版画です。但し6月15日より後期展示に入っているため、これ以降の入れ替えはありません。

東京都の要請により府中市美術館は5月31日まで臨時休館していましたが、6月1日より通常通り再開館しました。



予約は不要です。7月11日まで開催されています。

「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」 府中市美術館@FuchuArtMuseum
会期:2021年5月22日(土)~7月11日(日)
休館:月曜日。
時間:10:00~17:00
 *入館は閉館の30分前まで
料金:一般700(560)円、大学・高校生350(280)円、中学・小学生150(120)円。
 *( )内は20名以上の団体料金。
 *府中市内の小中学生は「学びのパスポート」で無料。
場所:府中市浅間町1-3 都立府中の森公園内
交通:京王線東府中駅から徒歩15分。京王線府中駅からちゅうバス(多磨町行き)「府中市美術館」下車。
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「新・晴れた日 篠山紀信」 東京都写真美術館

東京都写真美術館
「新・晴れた日 篠山紀信」
2020/5/18~8/15



東京都写真美術館で開催中の「新・晴れた日 篠山紀信」を見てきました。

1940年に東京に生まれた写真家の篠山紀信は、多くの雑誌の表紙やグラビアを手掛けただけでなく、建物や都市などを撮影しては旺盛に活動してきました。

その篠山の意外にも初めての大規模な回顧展が「新・晴れた日」で、1960年代の初期の「天井桟敷一座」などから2011年の「ATOKATA」、それに近作の「快楽の館」まで全116点の写真が展示されていました。

まず3階の第1部では1960年代の「日米安保条約反対デモ」や「誕生」、そして1975年の「家」などが並んでいて、篠山がキャリアを築き、時代を切り取るべく写真を撮り続けていたことを目の当たりにできました。

そのうちの「誕生」は、篠山が銀座のニコンサロンで初個展を開いた際に展示された写真で、いずれも鹿児島の徳之島を舞台とした自然と女性のヌードを写していました。燦々と降り注ぐ太陽の光の元、自然と人間の造形美が表現されていて、プリミティブな魅力をたたえていました。



第1部で最も多くの作品を占めていたのが、1974年5月から半年間連載された写真を元にした「晴れた日」のシリーズでした。これは「アサヒグラフ」誌において世の中で話題となった出来事を写した作品で、ジャンルも美術、スポーツ、政治、人々の生活から気象などと多岐にわたっていました。

そしてこの「晴れた日」こそ今回の回顧展のタイトルに由来した作品で、篠山は被写体に向き合う際、常にエネルギーに満ちていつも晴れているとして、「新・晴れた日」と名付けました。またあらゆる事象をカメラに収めていった「晴れた日」そのものが、篠山の写真家としての活動を象徴しているといえるかもしれません。



続く2階の第2部ではバブル景気にわいた東京を写した「TOKYO NUDE」をはじめ、東日本大震災の被災地を写真集としてまとめた「ATOKATA」、さらには2017年の「LOVE DOLL」などが展示されていました。

「TOKYO NUDE」の「表参道 結晶のいろ」は、1990年当時、表参道の裏に建てられながら、一度も使われることなく取り壊されたビルを舞台として、魔境のような内部空間の中、モデルらが闖入したかように配されていました。シュールと呼べる光景ではないでしょうか。

この他ではヌードモデルを都市や室内空間にて写した「20XX TOKYO」や「快楽の館」も、篠山ならではの官能性を発露した作品だったかもしれません。ヌードモデルが踊って歌う姿を写した「快楽の館」の制作の現場となったのは、ちょうど今年1月に品川での活動を終えて、展示施設を伊香保に集約した旧・原美術館でした。



おおよそ一人の写真家の手による作品とは思えないほど多種多様な写真を追っていると、1960年代から現代に至る日本の社会のドキュメンタリーを見ているような気にさせられました。また1970年代のパリのシリーズや、「晴れた日」から廃屋を捉えた写真など、静けさに包まれた街角や建物を写した作品に思いがけないほど惹かれました。ともすれば篠山の意外な一面を伺えるような展覧会といえるかもしれません。


篠山自身が解説を記した冊子や、会場外のロビーにて公開されたインタビュー映像も面白かったのではないでしょうか。キャリア初期の苦労話や各シリーズの制作背景などを知ることができました。


東京都写真美術館は緊急事態宣言を受け、5月31日まで臨時休館していましたが、6月1日に再開館しました。

当日でもチケットを購入できますが、オンラインでの日時指定予約が推奨されています。8月15日まで開催されています。

「新・晴れた日 篠山紀信」 東京都写真美術館@topmuseum
会期:2020年5月18日(火)~8月15日(日)
休館:月曜日。但し月曜日が祝日・振替休日の場合は開館し、翌平日休館。
時間:10:00~18:00
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1200円、大学生950円、中学・高校生・65歳以上600円。
 *第1部もしくは第2部のみ:一般700円、学生560円、中高生・65歳以上350円
場所:目黒区三田 1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
交通:JR線恵比寿駅東口より徒歩約7分。東京メトロ日比谷線恵比寿駅より徒歩約10分。
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「SPORTS GRAPHIC スポーツ・グラフィック」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー

ギンザ・グラフィック・ギャラリー
「SPORTS GRAPHIC スポーツ・グラフィック」 
2021/6/8~7/7



ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の「SPORTS GRAPHIC スポーツ・グラフィック」を見てきました。

スポーツイベントやブランド、さらには広告などを目的に作られたスポーツ・グラフィックは、時にアスリートらの躍動感や美しさを表現しては、多くの人々の心を捉えてきました。


「東京2020公式アートポスター/パラリンピアン」 AD:GOO CHOKI PAR

そうしたスポーツ・グラフィックに着目したのが今回の展覧会で、日本の1970年以降のスポーツに関するポスターやイラストレーションなど120点が展示されていました。


「SPORTS GRAPHIC スポーツ・グラフィック」 1階展示室風景

さて多くのポスターが並ぶ中、まず目に飛び込んでくるのが水色の大きな卓球台でした。ただ一方のコートのみが丸くなっていて、はじめは一体どのような目的で作られたのか分かりませんでした。そしてこれは障がいの内容によって一般的に長方形の卓球台も異なったかたちとして見えるという、パラ卓球選手の視点を再現するために作られたパラ卓球台でした。


「パラ卓球台 コートが丸い卓球台(八木モデル)」 提供:一般社団法人日本肢体不自由者卓球協会

「八木モデル」と呼ばれる卓球台は、パラ卓球の八木克勝選手が両手を伸ばせないため、卓球台が大きな円のように見えることに基づいたもので、日本肢体不自由者卓球協会によって制作されました。これまでに同協会ではパラ卓球の選手にリサーチを行い、コートの丸い卓球台や左に伸びた卓球台などを作っていて、パラ卓球の魅力を伝えるイベントにて公開してきました。


「SPORTS GRAPHIC スポーツ・グラフィック』 地下展示室風景 *手前は福田繁雄「ノータイム」1987年

一方で下の展示室へ降りると、今度はグラフィックデザイナーの福田繁雄による「ノータイム」などが並んでいて、スポーツ選手をユニークに造形化した様子を見ることができました。


「フジテレビ国際スポーツフェア'85」 AD:葛西薫 *左のパネルが榎本バソン了壱が「鉄球で太陽射抜け怪力伝」と詠んだ俳句。

このほかにも俳人の榎本バソン了壱が「地球という競技場あり筋肉祭」や「バット折る剛球必打センター前」などのスポーツの世界観を詠んだ俳句も展示されていて、思いの外にバリエーションのある内容となっていました。ポスター以外にも見どころの多い展示ではないでしょうか。


「パシフィックリーグ&セントラルリーグ60周年」 AD:服部一成

とはいえ、「長野冬季オリンピック」や「東京マラソン2009」、それに「パシフィックリーグ&セントラルリーグ60周年」といったスポーツのポスターも充実していて、いずれも見入るものがありました。


「アジア太平洋博覧会福岡’89」 AD:浅葉克巳

そのうち「東日本縦断駅伝’90」や「アジア太平洋博覧会福岡’89」などはスポーツのダイナミックな動きを見事に表現していたのではないでしょうか。


第46回、第41回「世界卓球選手権大会」 AD:浅葉克巳

雪舟の絵画をモチーフとした「長野冬季オリンピック」の開会式や、風神雷神を大胆に描いた「世界卓球選手権大会」といった美術を引用したポスターも目を引きました。



会場の随所に置かれていたブリキの卓球のおもちゃにも目が止まりました。これらは今回の展覧会の監修を務めた浅葉氏が、過去に中国にて見つけたものと同じおもちゃで、実際に触れて遊ぶこともできました。


「SPORTS GRAPHIC スポーツ・グラフィック』 地下展示室風景

パラ卓球台はラケットを手にして体験することが可能です。利用方法などは会場受付にてお尋ねください。(混雑時は不可)


予約は不要です。7月7日まで開催されています。

「SPORTS GRAPHIC スポーツ・グラフィック」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー
会期:2021年6月8日(火)~7月7日(水)
休廊:日曜・祝日。
時間:11:00~19:00
料金:無料
住所:中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅から徒歩5分。JR線有楽町駅、新橋駅から徒歩10分。
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「マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在」 東京都現代美術館

東京都現代美術館
「マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在」
2021/3/20~6/22



東京都現代美術館で開催中の「マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在」を見てきました。

1968年にオランダに生まれ、現在はベルギーにスタジオを構えるアーティスト、マーク・マンダースは、美術館といった建物に彫刻などを配し、全体として人の像を構築するという「建物としての自画像」をテーマに作品を制作してきました。

そのマーク・マンダースの国内の美術館としては初めての個展が「マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在」で、会場内には主にブロンズによる人物や動物、ないし建物などを断片的に象った作品が展示されていました。


「マインド・スタディ」2010〜2011年

それにしてもこれほど特異でミステリアスでかつ、かつて見たことのないような風景を立ち上がらせるアーティストもほかになかなか存在しないかもしれません。


「マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在」会場風景

まず会場では展示室を区切らず、大小33点のオブジェが配置されていて、全体として1つのインスタレーションが展開されていました。


「4つの黄色い縦のコンポジション」2017〜2019年

そして足を進めると、薄い半透明のビニールで囲まれた通路とも部屋とも呼べるようなスペースが現れて、その中に巨大な彫刻である「4つの黄色い縦のコンポジション」や「乾いた土の頭部」などが展示されていました。


「椅子の上の乾いた像」2011〜2015年 東京都現代美術館

これらはマーク・サンダースのいわゆるスタジオとして考案されたフロアで、中央の通路上のスペースだけでなく、裏側からもビニール越しに滲み現れる作品を見ることができました。


「乾いた土の頭部」2015〜2016

ともかく一連の彫刻を目にして感じるのは、痛みや苦しみを抱えながらも、瞑想するようかのように内省的な人物の存在でした。またポロポロと朽ち果てていくような彫刻は古代の遺物のようで、しばらく通路を歩いていると、さも遺跡の中を彷徨っているような錯覚に囚われました。


「黄色い縦のコンポジション」2019〜2020年

さらに作家が立ち去った「不在」の痕跡のみが残されていて、時間も限りなく静止しているように感じられました。また一部が欠落した作品など、完成と未完成との関係も曖昧で、そこに見る側としての想像力が入り込む余地が残されているように思えました。


「舞台のアンドロイド(88%に縮小)」2002〜2014年

マーク・マンダースは「建物としての自画像」の構想に際し、自身と同じ名前の架空の芸術家を設定し、その自画像を建物の枠組みの中に築くとしています。


「リビングルームの光景」2008〜2016年

そこにはアーティスト個人の自意識が反映されているとともに、来場者を迎え入れて対話することで、新たな世界が生み出されていくのかもしれません。マーク・マンダースが頭の中にて精緻に組み上げた思考のパズルの欠片が、展示室内に作品として体現しているようにも見えました。


「記録された課題」1992〜1993年

「建物としての自画像は時間がすべて凍結しています。私の作品、私にとってすべての作品は同じ瞬間に存在します。」 マーク・マンダース(展覧会ハンドアウトより)



東京都現代美術館は緊急事態宣言を受け臨時休館していましたが、6月1日より完全予約制のうえ展示が再開されました。チケットはオンラインにて事前に来館する日付を指定する必要があります。


間も無く会期末です。6月は最終日まで休館日がありません。


「4つの黄色い縦のコンポジション」2017〜2019年 (拡大)

彫刻としての圧倒的量感も大きな魅力といえるかもしれません。ひび割れた粘土のようなブロンズの迫力は並大抵ではありませんでした。


「狐/鼠/ベルト」1992〜1993年

一部の撮影が可能でした。6月22日まで開催されています。

「マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在」 東京都現代美術館@MOT_art_museum
会期:2021年3月20日(土・祝)~6月22日(火)*会期延長
休館:月曜日。但し6月は最終日まで休館日なし。
時間:10:00~18:00
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1500円、大学・専門学校生・65歳以上1000円、中高生500円、小学生以下無料。
 *6月は完全予約制(日にち指定)
 *MOTコレクションも観覧可。
住所:江東区三好4-1-1
交通:東京メトロ半蔵門線清澄白河駅B2出口より徒歩9分。都営地下鉄大江戸線清澄白河駅A3出口より徒歩13分。
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「オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所」  武蔵野美術大学美術館

武蔵野美術大学美術館
「オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所」
2021/4/5〜6/20



武蔵野美術大学美術館で開催中の「オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所」を見てきました。

これは戸谷成雄、舟越桂、伊藤誠、青木野枝、三沢厚彦、西尾康之、棚田康司、須田悦弘、小谷元彦、金氏徹平、長谷川さちといった11名の現代彫刻家の作品を公開する展示で、同大教授で彫刻家の三沢厚彦が監修を担当しました。



「オムニスカルプチャー」とは、彫刻の全方位性(=omni)を示す三沢による造語で、各アーティストの作品がアトリウムから展示室へと自在に行き交うように置かれていました。


手前:西尾康之「磔刑」 2021年

いずれの作品も新作を中心としているのが特徴で、大きさも素材もまちまちでありながら、時にあたかも互いの存在を確認するかのように響き合っていました。


戸谷成雄「横たわる男」 1971年

一部には戸谷成雄の「横たわる男」など旧作も展示されていて、新旧の作品を比べては作風の変遷を見ることができました。木材をチェーンソーで刻んだ作品で知られる戸谷の現在の制作からすれば、ともすると同じ彫刻家の作品とは気がつかないかもしれません。



西尾康之や小谷元彦らの大型の作品も目立っていて、天井高のあるアトリウムの空間を効果的に用いたことにも魅力を感じました。なお会場の構成は画家の杉戸洋が担いました。


青木野枝「Mesocyclone I」 2021年

鉄を素材にした彫刻を手がける青木野枝は2点の作品を出品していて、ちょうど天井付近のスロープ上にてまるで自生する生き物のように円を描いていました。


須田悦弘「クレマチス」 2021年

草花などを象った木彫で人気の須田悦弘は、キキョウやクレマチスなどの作品を会場に潜ませるように展示していて、雑草に至っては思わず通り過ぎてしまうほどにひっそりと佇んでいました。


棚田康司「2020年全裸の真理」 2021年

さらに舟越桂や棚田康司の樟を用いた彫像も見応えがあったのではないでしょうか。そもそもこれほど実力のある彫刻作家が一堂に会することからして、大変な貴重な展示と言えるかもしれません。



なお現在、同館では「オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所」と合わせて、「片山利弘——領域を越える造形の世界」、「膠を旅する——表現をつなぐ文化の源流」の3つの展示が同時に行われています。



いずれも充実していましたが、特に日本画の伝統的画材の膠に着目し、膠の歴史や社会的背景に踏み込んで資料を展示した「膠を旅する——表現をつなぐ文化の源流」が大変に見応えがありました。



特に魚膠を生活にとりこむアイヌなどの北方民族の文化を紹介した展示が興味深かったのではないでしょうか。


丸木位里・丸木俊「原爆の図 高張提灯」 1986年

この他では昨年に同館に収蔵され、修復後に初めて公開された丸木位里・丸木俊の「原爆の図 高張提灯」も大変な迫力がありました。



1つの画材を通して、多面的な文化の諸相を浮き彫りにした好企画と言えるかもしれません。彫刻展に加えてお見逃しなきようにお勧めします。



最後に入場に際しての情報です。同美術館では緊急事態宣言を受けて展示を学内(学生・教職員)へ限定的に開放してきましたが、6月5日より開館日時を変更して、一般(学外)にも再開されました。



但し一般の開館は土日のみに限定され、来館前日までに入館予約フォームにて予め来館日時を指定しておく必要があります。なお1回の予約で開催中の3つの展示を全て観覧できます。


よって一般向けの会期の残りは6月19日と20日の土日の2日間です。完全予約制で当日の受付はありません。最新の予約状況などは同館のWEBサイトをご覧ください。


小谷元彦「Torch of Desire - 52nd Star」 2020年

6月20日まで開催されています。

「オムニスカルプチャーズ——彫刻となる場所」  武蔵野美術大学美術館@mau_m_l
会期:2021年4月5日(月)〜6月20日(日)
休館:火曜日。
時間:月・水・木・金曜(学内限定)12:00〜18:00、土・日曜(一般(学外)限定)①10:00〜12:00、②12:30〜14:30、③15:00〜17:00
料金:無料。
場所:東京都小平市小川町1-736
交通:西武国分寺線鷹の台駅下車徒歩約20分。JR線国分寺駅(バス停:国分寺駅北入口)より西武バスにて「武蔵野美術大学」下車。(所要約25分)
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「はじめての森山大道。」 ほぼ日曜日

ほぼ日曜日(渋谷PARCO8階)
「はじめての森山大道。」
2021/5/14~6/25



渋谷PARCO8階のほぼ日曜日にて開催中の「はじめての森山大道。」を見てきました。



今回の森山展では「知らなかった人にこそ見てほしい」をテーマとしていて、会場にはスナップショット60点をはじめ150冊以上の写真集、あるいは手書き原稿や愛用のカメラなどが所狭しと展示されていました。



まず会場入口にて出迎えてくれるのが、森山の代表作として知られる「三沢の犬」の大きなパネル写真でした。これは1971年に「アサヒカメラ」の連載「何かへの旅」へ掲載された作品で、森山が青森県の三沢に泊まった朝、旅館より外に出た時に目にした犬を写したとされています。



そしてこの「三沢の犬」にクローズアップしたのが「なぜ、この写真が有名なのか。」としたセクションでした。ここでは作品の解説とともに、森山や批評家らの言葉、さらには立体化したフィギュアからいわゆるグッズのクッションまで並んでいて、「三沢の犬」の魅力を様々な角度から知ることができました。



森山の作品を語る上で欠かせない「アレ・ブレ・ボケ」に関した展示も見逃せませんでした。1960年代に森山は従来の写真表現へ一石を投じるべく、「アレ」た粒子の画面、「ブレ」た被写体、そしてピントの合わない「ボケ」た写真を発表しては賛否を巻き起こしました。



多くのプリント作品が並ぶ中、一際興味深かったのが、初期作品「にっぽん劇場写真帖」のポジフィルムの展示でした。



横に長いライトボックスの上には一枚一枚のフィルムがずらりと置かれていて、ルーペにて拡大して見ることもできました。なおこうしたスライドの形で展示するのははじめてのことだそうです。



60年の活動の軌跡を豊富な資料にて辿った「森山大道の写真集。」も充実していたのではないでしょうか。1960年代より近年に至る写真集が壁一面にずらりと並んでいて、閲覧することは叶わないものの、長きにわたる旺盛な写真家としての活動を目の当たりにできました。



雑誌「記録」は1972年から始まった私家版写真誌で、翌年の5号発行後に一時休刊となったものの、後に続編の打診があって2006年に復活しました。その後は一年に3冊から4冊のペースで発行され、現在まで続いてきました。2021年3月に発行された最新の「記録46号」に寄せた直筆原稿も貴重な資料かもしれません。



このように写真のみならず、手紙や雑誌の色校正紙などの資料展示が充実しているのも、今回の森山展の魅力ではないでしょうか。



ほぼ日曜日の手狭なスペースでしたが、予想以上に密度の濃い展示でした。



「単なる通行人として、街区を擦過しつつ自ら路上のセンターとなって撮影しつづける、それがぼくの写真のありようであり、唯一のカメラワークである」 森山大道 *会場内パネルより



観覧料は600円でしたが、ショップ及び渋谷PARCO4階のほぼ日カルチャんで利用可能な100円の買い物チケットがついています。ビームスとのコラボなどグッズも豊富に揃っていました。


予約は不要です。撮影もできました。

会期延長されました。6月25日まで開催されています。

「はじめての森山大道。」 ほぼ日曜日@hobo_nichiyobi
会期:2021年5月14日(金)~6月25日(金) *会期延長
休館:会期中無休
時間:11:00~20:00
料金:600円。小学生以下無料。
 *来場時に森山大道フィルム風しおりと100円分の買い物チケットをプレゼント。
住所:渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO8階
交通:JR線、東急東横線・田園都市線、京王井の頭線、東京メトロ銀座線・半蔵門線渋谷駅より徒歩5分。
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「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」 東京オペラシティアートギャラリー

東京オペラシティアートギャラリー
「ストーリーはいつも不完全……色を想像する ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」
2021/4/17~6/24



イギリスの現代アーティスト、ライアン・ガンダーが、東京オペラシティアートギャラリーの寺田コレクションをキュレーションする展覧会が、同館にて開かれています。

それが「ストーリーはいつも不完全……色を想像する ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」で、3階と4階の2つのフロアの展示室にはガンダーのセレクトした約190点の作品が展示されていました。

さていわゆるコレクション展ながらも、過去に同館で今回ほどユニークな展示手法がとられていたことはなかったかもしれません。


「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」4階展示室風景

まず最初の「色を想像する」と題した4階の展示室では、故寺田氏が収集のテーマとしていた「ブラック&ホワイト」に因み、モノクロームの作品のみが展示されていて、一部の立体を除き、版画や絵画といった平面の作品にて統一されていました。


「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」4階展示室風景

さらに独特なのは全ての作品が壁の一方のみに並べられていることで、反対側の壁には対応する作品の大きさを示すフレームとキャプションのみが置かれていました。


「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」4階展示室風景

これらは欧米の美術館で伝統的な展示方法である「サロン・スタイル」に倣っていて、一見、モノクローム以外に共通項は見れないものの、配置に対称性があるなど工夫が凝らされていました。


「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」4階展示室風景

寺田氏が「ブラック&ホワイト」をテーマとしたのは、自身の幼少期に映画がモノクロからカラーに変わった際、がっかりしたという経験に基づいているそうです。シンプルなモノクロームの世界ながらも、作品同士の関係など多様に想像を膨らませる展示と言えるかもしれません。


「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」3階展示室風景
*スマートフォンカメラの補正が入っているため明るく見えますが、実際はもっと暗く感じられました。

一方で続く3階の「ストーリーはいつも不完全」も極めて大胆な展示が行われていました。入口から足を進めると薄暗がりの展示室が広がっていて、遠目ではどのような作品が展示されているか分からないほどでした。また展示室は「探索」、「注視」、「視点」、「パノラマ」、「ヴィジョン」の5つのテーマに分けられていました。


難波田龍起「アブストラクトA」 1954年

いずれも入口で手にするペンライトの光を頼りに作品を鑑賞する趣向がとられていて、明かりを当てることで初めて作品が認識できるようになっていました。


菊畑茂久馬「作品1」 1995年

実のところ初めは戸惑いを覚えましたが、しばらくペンライトをかざしながら見ていくと、明かりの向きや当て方などによって作品の表情が大きく変化することに気づきました。それにペンライトの照度や光の範囲の関係もあるのか、全体よりも細部が際立って見えました。


相笠昌義「みる人」 1972年

ペンライトによって自分の見ている視点なりが視覚化されるのも面白いかもしれません。これまでにはない鑑賞体験を得ることができました。


山本麻友香「three eyes」 2006年

なお本展は当初、ガンダーの個展として企画していたものの、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに伴って延期されたため、4階のみで予定されていた「ガンダーが選ぶ収蔵品展」を全館規模に拡大して開催されました。ガンダー自身も来日が叶わないために、作品のリストや画像、さらに会場の図面をオンラインでやり取りしながら準備が行われたそうです。


李禹煥「線より」 1976年

ガンダーの個展が延期されてしまったのは残念ですが、現代アーティストとコレクションの協働という新たな視点を盛り込んだ展覧会ではなかったでしょうか。

予約は不要です。但し混雑時は入場規制を行う場合があります。


6月中は通常休館日の月曜日も開館します。6月24日まで開催されています。

「ストーリーはいつも不完全……色を想像する ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」 東京オペラシティアートギャラリー@TOC_ArtGallery
会期:2021年4月17日(土)~6月24日(木)
休館:月曜日。但し5/3、6/7、6/14、6/21は開館。
時間:11:00~19:00 
 *入場は閉館30分前まで。
料金:一般1000(800)円、大・高生600(400)円、中学生以下無料。
 *同時開催中の「project N 82 松田麗香」の入場料を含む。
 *( )内は各種割引料金。
住所:新宿区西新宿3-20-2
交通:京王新線初台駅東口直結徒歩5分。
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「川内倫子 Under the same sky」 MA2Gallery

MA2Gallery
「川内倫子 Under the same sky」
2021/6/1~7/1



MA2Galleryで開催中の「川内倫子 Under the same sky」を見てきました。

1972年に生まれ、2002年に第27回木村伊兵衛写真賞を受賞した川内倫子は、これまでにも「照度 あめつち 影を見る」(2012年、東京都写真美術館)や「川が私を受け入れてくれた」(2016年、熊本市現代美術館)などで展示を重ね、国内外にて評価されてきました。

その川内のMA2Galleryでは初めての個展が「Under the same sky」で、会場には新作の「Des oiseaux」を中心に、「はじまりのひ」「光と影」など過去のシリーズの作品が展示されていました。



さて今回の個展に際して川内が新たに被写体として見据えたのが、自宅の近所で見つけたというツバメの巣でした。そこでは餌を持ち帰る親ツバメや餌を食べようとするヒナ鳥などを撮影していて、必死に生きとうとするツバメの生命の営みを見守るような視点が感じられました。



と同時に、白く透明感のある光に包まれた木立や空も捉えていて、ツバメを取り巻く自然環境が写真へと美しく切り取られていました。こうした光に対しての繊細な美意識が伺えるのも川内の写真の大きな魅力かもしれません。



1階から4階への4つのフロアを有するMA2の空間も効果的に生かされていたのではないでしょうか。1階から階段を上がりながら、窓の外の風景と写真を交互に見ていると、いつしか現実と写真との境界が曖昧になるような錯覚に囚われました。戸外と写真の中の空とが互いに繋がっていくようなイメージに近いかもしれません。



ツバメの撮影は、まさにコロナ禍において1回目の緊急事態宣言が発出され、外出などに制約が余儀なくされた2020年4月にはじめられたとしています。



日常で身近な風景に潜むピュアな美しさの一瞬を見せる、川内ならではの写真に心を引かれました。


近年、川内は「古典×現代2020―時空を超える日本のアート」(2020年、国立新美術館)にも作品を発表してきましたが、少なくとも都内の美術館としての個展は2012年の「照度 あめつち 影を見る」に遡らなくてはいけません。そろそろ再びまとめて作品を見られる機会があればと思いました。



会期が延長されました。7月1日まで開催されています。

「川内倫子 Under the same sky」 MA2Gallery
会期:2021年6月1日(火)~7月1日(木)
休廊:日、月曜、祝日。
料金:無料。
時間:12:00~18:00
住所:渋谷区恵比寿3-3-8
交通:JR線・東京メトロ日比谷線恵比寿駅東口から徒歩10分。東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩8分。
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「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」 サントリー美術館

サントリー美術館
「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」
2021/4/14~6/27



サントリー美術館で開催中の「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」を見てきました。

アメリカ中西部のミネソタ州の都市に位置し、良質な日本美術の作品を多く有するミネアポリス美術館のコレクションが、日本へと里帰りして来ました。

それが「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」で、会場には中世より近代へと至る水墨画、屏風絵、浮世絵、さらに南画など約90点の作品が展示されていました。


山田道安「龍虎図屏風」 室町時代、16世紀

冒頭の水墨画では山田道安の「龍虎図屏風」が目立っていたかもしれません。戦国時代に雪舟流の画家に学び、武人でもあった道安による六曲一双の作品で、波しぶきの上から龍が現れ、風の吹き荒れる中に身を構えた虎の様子を対比するように描いていました。白い波頭や風にしなる竹の表現などもダイナミックではないでしょうか。


藝愛「粟に雀図」 室町時代、16世紀

室町時代に活動し、将軍の御用絵師の子であるという説があるものの、必ずしも来歴が定かではない藝愛の「粟に雀図」にも惹かれました。ここでは粟の実をついばもうとしたり、地面の上で何やら喧嘩をするような雀が可愛らしく描かれていて、粟の下に生える草花も細かに表されていました。


狩野山雪「群仙図襖(旧・天祥院客殿襖絵)」 江戸時代、正保3(1646)年

かつて大覚寺正寝殿にあった伝山楽の「四季耕作図襖」と旧天祥院客殿を飾っていた山雪の「群仙図襖」といった、狩野派にも優品が少なくありませんでした。このうち後者の「群仙図襖」は鮮やかな金地を背景に、9名の仙人や童子が描かれていて、上質な顔料を用いたのか驚くほどに彩色が鮮やかでした。


「武蔵野図屏風」 江戸時代、17世紀

やまと絵では一面に薄が広がり満月が地平低く沈む「武蔵野図屏風」に魅せられました。薄とともに秋の花々も描きこまれていて、上方の金雲が水流へと変化するように薄原へと広がっていました。武蔵野図は江戸時代前期に流行したモチーフとして知られていますが、花や水流の表現などからより装飾性の高い作品と言えるかもしれません。


伊藤若冲「鶏図押絵貼屏風」 江戸時代、18世紀

いわゆる奇想の絵師として人気の高い蕭白や若冲らの作品も見どころだったのではないでしょうか。まるで席画のように素早く激しい筆致で描かれた蕭白の「群鶴図屏風」をはじめ、得意とした鶏の様々な姿を描いた若冲の「鶏図押絵貼屏風」などが印象に残りました。

ただそうした有名な作品だけでなく、あまり知られていない絵師にも興味深い作品があるのも、今回の里帰り展の大きな魅力かもしれません。


三畠上龍「舞妓覗き見図」 江戸時代、19世紀

その1つが天保年間の京都で活動し、四条派に学びつつ風俗画を得意としたという三畠上龍の「舞妓覗き見図」でした。左右の対の画面には桜の舞う中に立つ艶やかな女性ともに、円窓から顔を出す少年が描かれていて、とりわけ目を開いた少年の表情はグロテスクと呼んでいいほどに奇異でした。


青木年雄「鍾馗鬼共之図」 明治時代、19世紀

明治時代に渡米してカルフォルニアなどで活動したという青木年雄の「鍾馗鬼共之図」は、鍾馗の周囲の鬼が画面を遍く埋め尽くすように表された作品で、濃厚でかつ陰影の極めて強い描写などに目を引かれました。


鈴木松年「春山帰樵図」 明治時代、19~20世紀

同じく明治時代では鈴木松年の「春山帰樵図」も情緒的な作品かもしれません。ちょうど柴を背負った人物が渓谷に沿って歩いていて、切り立った崖の合間には白い霧が漂いつつ、淡い色をつけた山桜が花を咲かせていました。


葛飾北斎「百物語 さらやしき」 江戸時代、天保2~3(1831~32)年

春信に清長、歌麿、写楽に北斎といった浮世絵も充実していました。しかも総じて状態が良いのか発色が良いのも特徴で、浮世絵の最大の魅力でもある鮮やかな色彩を楽しむことができました。


東洲斎写楽「二代目市川門之助の伊達与作」 江戸時代、寛政6(1794)年

振り返れば2007年に渋谷区立松濤美術館の「Great Ukiyoe Masters」でもミネアポリス美術館の浮世絵コレクションが公開されて評判を呼びましたが、今回の里帰り展のハイライトの1つとして浮世絵を挙げても差し支えないかもしれません。


狩野芳崖「巨鷲図」 明治21(1888)年頃

この他では狩野芳崖の「巨鷲図」や山村耕花の「春」なども魅惑的に映りました。ともかくどのジャンルの作品も粒が揃っていて、「名品展」とするのも誇張とは思えませんでした。


右:山村耕花「春」 大正4(1915)年

緊急事態宣言を受けて4月25日から臨時休館していましたが、休業要請の緩和に伴って6月2日に再開しました。但し会期の延長はありません。


予約は不要です。撮影も可能でした。


「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」会場風景

6月27日まで開催されています。なお東京での展示を終えると、福島県立美術館(2021年7月8日~9月5日)、及びMIHO MUSEUM(2021年9月18日~12月12日)他へと巡回(会期は予定)します。 *一番上の写真の作品は、酒井抱一「源氏物語 秋好中宮・白萩図」 江戸時代、19世紀

「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」 サントリー美術館@sun_SMA
会期:2021年4月14日(水)~6月27日(日)
休館:火曜日。*5月4日は20時まで、6月22日は18時まで開館。
時間:10:00~18:00
 *入館は閉館の30分前まで。
 *金・土曜は20時まで開館。
料金:一般1500円、大学・高校生1000円、中学生以下無料。
場所:港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウンガレリア3階
交通:都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結。東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結。東京メトロ千代田線乃木坂駅出口3より徒歩3分
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2021年6月に見たい展覧会【映えるNIPPON/きらめきの日本美術/聖林寺十一面観音】

6月に入りました。梅雨を目前にした関東では蒸し暑い日が少しずつ増えてきています。今年はバラの開花も早く感じられました。



新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言は再延長されましたが、休業要請が緩和されたため、東京都内の美術館と博物館の多くが再開しました。

新型コロナウイルスへの対応に伴う「美術館・博物館」休館情報 第十四報

それでは今月に見たい展覧会をリストアップしてみました。

【展覧会】

・「マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界」 目黒区美術館(4/21~6/20)
・「クールベと海展―フランス近代 自然へのまなざし」 パナソニック汐留美術館(4/10~6/13)
・「建物公開2021 艶つやめくアール・デコの色彩」 東京都庭園美術館(4/24~6/13)
・「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話」 世田谷美術館(3/20~6/20)
・「オムニスカルプチャーズ―彫刻となる場所」 武蔵野美術大学美術館(4/5~6/20)
・「ストーリーはいつも不完全……色を想像する ライアンガンダーが選ぶ収蔵品展」 東京オペラシティ アートギャラリー(4/17~6/24)
・「冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重」 江戸東京博物館(4/24~6/20)
・「8つの意表~絵を描く、絵に描く、画家たちのキセキ~」 練馬区立美術館(4/30~6/20)
・「埼玉150周年記念展 埼玉の美術史 1871-1960」 埼玉県立近代美術館(6/1~6/23)
・「百花繚乱―華麗なる花の世界―」 山種美術館(4/10~6/27)
・「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展 美しき棺のメッセージ」 Bunkamuraザ・ミュージアム(4/16~6/27)
・「糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。」 横須賀美術館(4/24~6/27)
・「茶箱と茶籠」 三井記念美術館(5/1~6/27)
・「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」 府中市美術館(5/22~7/11)
・「きらめきの日本美術 ―屏風絵と肉筆浮世絵」 出光美術館(前期:6/15~7/11)
・「新・晴れた日 篠山紀信」 東京都写真美術館(5/18~8/15)
・「イサム・ノグチ 発見の道」 東京都美術館(4/24~8/29)
・「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 アーティゾン美術館(2/13~9/5)
・「フジタ―色彩への旅」 ポーラ美術館(4/17~9/5)
・「ルネ・ラリック リミックスー時代のインスピレーションをもとめて」 東京都庭園美術館(6/26~9/5)
・「ファッション イン ジャパン 1945-2020—流行と社会」 国立新美術館(6/9~9/6)
・「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ」 東京国立博物館(6/22~9/12)
・「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」 SOMPO美術館(6/25~9/12)
・「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」 森美術館(4/22~9/26)
・「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」 東京国立近代美術館(6/18~9/26)

【ギャラリー】

・「堀江栞個展 声よりも近い位置」 加島美術(5/29~6/12)
・「JAGDA新人賞展2021 加瀬透・川尻竜一・窪田新」 クリエイションギャラリーG8(5/11~6/16)
・「菅木志雄 集められた<中間>」 小山登美夫ギャラリー(5/22~6/19)
・「川内倫子 Under the same sky」 MA2Gallery(6/1~6/26)
・「会田誠、赤松音呂、O JUN、棚田康司、山口晃『オーライ展』」 ミヅマアートギャラリー(5/26~6/26)
・「絵を纏う - 若槻せつ子『打掛』コレクション」 ポーラ ミュージアム アネックス(6/4~6/27)
・「名和晃平 Wandering」 タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー(6/5~7/3)
・「スポーツグラフィック展」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(6/8~7/7)
・「エキシビジョン・カッティングス マチュウ・コプランによる展覧会」 メゾンエルメス(4/23~7/18)
・「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 杉戸洋、中村竜治、Nerhol、ミヤギフトシ、宮永愛子、目[mé]」 資生堂ギャラリー(6/5~8/29)
資生堂ギャラリー
・「アンサンブル・スタジオ展 Architecture of The Earth」 TOTOギャラリー・間(6/24~9/12)

まずは府中市美術館です。「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」が開催されます。



「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」@府中市美術館(5/22~7/11)


これは幕末から明治にかけて日本各地の名所を舞台とした絵画などを紹介する展覧会で、広重、清親、それに巴水をはじめ、和田英作から向井潤吉といった約110点の作品が公開されます。また国立公園を描いた絵画や、観光宣伝のための案内図などのパンフレットに着目した展示も見どころとなりそうです。

続いては出光美術館です。「きらめきの日本美術 ―屏風絵と肉筆浮世絵」が行われます。

「きらめきの日本美術 ―屏風絵と肉筆浮世絵」@出光美術館(前期:6/15~7/11)

この展覧会では定評のある日本美術コレクションから屏風絵や浮世絵を中心に公開するもので、前期会期中には伊藤若冲の人気作で、プライス財団の旧蔵品として知られた「鳥獣花木図屏風」が出展されます。

2019年、出光美術館はエツコ&ジョー・プライス夫妻からいわゆるプライスコレクションとして知られた日本美術品を約190点購入していて、当初は翌年の特別展「江戸絵画の華」にて公開が予定されていたものの、新型コロナウイルス感染症に伴う臨時休館のため、展覧会は実現しませんでした。

現在、同館は5月末から臨時休館を延長していて、今後の予定についてのお知らせがありませんが、何とか開催していただければと思いました。

ラストは仏教美術です。天平彫刻の名品として知られる奈良・聖林寺の国宝「十一面観音菩薩立像」が、史上初めて東京で公開されます。



「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ」@東京国立博物館(6/22~9/12)


奈良県桜井市の三輪山は古来より神の宿る地とされ、現在に至るまで大神神社の御神体として多くの信仰を集めてきました。その大神神社にかつて建てられた大神寺に由来する仏像を紹介するのが「国宝 聖林寺十一面観音―三輪山信仰のみほとけ」で、いずれも国宝の「十一面観音菩薩立像」や「地蔵菩薩立像」とともに三輪山禁足地の出土品などが公開されます。

5月は東京都内の展覧会のほとんどが休止されていました。しばらくは先月中に見られなかった展覧会を中心にまわる形となりそうです。それではどうぞ宜しくお願い致します。
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新型コロナウイルスへの対応に伴う「美術館・博物館」休館情報 第十四報

新型コロナウイルス感染症に関する、一都三県(東京・神奈川・埼玉・千葉)の主な美術館と博物館の休館情報をまとめてみました。


6月1日に再開した東京都現代美術館の「ライゾマティクス_マルティプレックス」の展示風景

*過去の更新情報
第一報(2020年3月2日)、第二報(3月9日)、第三報(3月16日)、第四報(3月24日)、第五報(4月1日)、第六報(4月9日)、第七報(5月2日)、第八報(6月2日)、第九報(6月25日)、第十報(2021年1月9日)、第十一報(3月25日)、第十二報(4月26日)、第十三報(5月13日)

東京都や大阪府など9都府県に発出された緊急事態宣言が6月20日まで再延長されました。

「“宣言再延長”に伴い措置緩和 都内多くの博物館や美術館 再開」NHK NEWS WEB

それに伴って東京都は対応策を協議した結果、博物館などへ出していた休業要請を時短要請に緩和しました。よって都内の臨時休館していた多くの美術館と博物館が再開しました。

また4月末より1ヶ月ほど臨時休館していたため、再開に伴って会期を延長する展覧会も少なくありません。

【再開に伴って会期を延長する展覧会】

・東京国立博物館 6/1~再開 「国宝 鳥獣戯画のすべて」 ~6/20 予約制、休館日なし(会期を約20日間延長)
・菊池寛実記念 智美術館 6/1~再開 「三輪龍氣生の陶 命蠢く」 ~8/8(会期を1週間延長)
・東京オペラシティ アートギャラリー 6/1~再開 「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」 ~6/24 休館日なし(会期を4日間延長)
・中村屋サロン美術館 6/2~再開 「布施知子展 折り紙、その向こうへ」 〜7/25(会期を約1ヶ月延長)
・ワタリウム美術館 開館中 「まちへ出よう展」 〜6/13(会期を1週間延長)
・目黒区美術館 6/1~再開 「マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界」 ~6/20(会期を約半月間延長)
・すみだ北斎美術館 6/1~再開 「しりあがりサン北斎サン -クスッと笑えるSHOW TIME!」 ~7/10(会期を13日間延長)
・東京都現代美術館 6/1~再開 「ライゾマティクス_マルティプレックス/マーク・マンダース」、「Tokyo Contemporary Art Award 2019-2021 受賞記念展」、「MOTコレクション 第2期 コレクションを巻き戻す」 ~6/22 予約制、休館日も臨時開館(会期を2日間延長)
・静嘉堂文庫美術館 6/1~再開 「旅立ちの美術」 ~6/13 6/7の休館日も開館(会期を1週間延長)
・世田谷文学館 6/1~再開 「イラストレーター 安西水丸展」 ~9/20(会期を20日間延長)
・八王子夢美術館 6/1~再開 「世界が絶賛した浮世絵師 北斎展」 〜6/20(会期を13日間延長)

東京国立博物館の「国宝 鳥獣戯画のすべて」は6月1日より再開し、当初の5月30日までの会期を6月20日へと大幅に延長しました。さらに6月7日と14日の休館日も臨時に開館し、連日20時まで開館します。*但し6月14日(月)は13時から開館。総合文化展は月曜日休館。


なお混雑緩和のために事前予約制が導入されていて、既に6月1日以降10日までのチケットが発売中です。詳しくは同展の公式サイトをご覧ください。


目黒区美術館の「マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界」も6月1日より再開し、6月20日までへと会期が延長されました。また同じく6月1日から再開する東京都現代美術館は、「ライゾマティクス_マルティプレックス」や「マーク・マンダース」などの会期を2日間延長し、6月22日まで開催することを決めました。さらに会期中は休館日も開館し、全ての展覧会の事前予約が必須となりました。当日の受付はありません。


丸の内へ移転を控えた静嘉堂文庫美術館は6月1日より再開し、岡本の地では最後となる「旅立ちの美術」を1週間延長して6月13日まで開催します。また6月7日の休館日も開館します。

この他、会期延長こそないものの、6月1日より再開する東京ステーションギャラリーの「コレクター福富太郎の眼」も、会期最終日の6月27日まで無休で開館します。なお同展は原則日時指定制となっていますが、再開後は1日あたりの入館者を開幕時の3分の2に制限してチケットを販売します。

そうした一方で宣言の再延長を受け、新型コロナウイルス感染症防止対策の観点から、さらに臨時休館を延長する美術館も存在します。

【臨時休館を延長する美術館】

・出光美術館 4/27~臨時休館 「松平不昧 生誕270年 茶の湯の美」 展示中止
・渋谷区立松濤美術館 4/27~臨時休館 「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる」 展示中止
・アクセサリーミュージアム 4/25~臨時休館 「IN~ハンドバッグとその中身~」 ~8/21 休止中


渋谷区立松濤美術館は5月31日までを予定していた臨時休館を6月以降も延長するため、「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる」の打ち切りを決めました。同展は先行した神奈川県立近代美術館葉山館でも開幕後、長く休止していたこともあり、大変に残念な結果となってしまいました。また出光美術館は5月28日の段階で臨時休館を継続するとのアナウンスがあり、今後の展覧会のスケジュールについて後日改めて発表されるそうです。

以下、東京、神奈川、埼玉、千葉県内の美術館と博物館の開館情報です。(6月1日現在。)



【上野】

・上野の森美術館 6/1~再開
 「第8回 東山魁夷記念日経日本画大賞」 6/1~6/6 会期変更
 http://www.ueno-mori.org

・国立科学博物館 6/1~再開
 「大地のハンター展」 ~6/13 予約制
 http://www.kahaku.go.jp

・国立近現代建築資料館 新しい展示を準備中
 http://nama.bunka.go.jp

・国立西洋美術館 館内施設整備のため休館中
 http://www.nmwa.go.jp

・台東区立朝倉彫塑館 4/25~6/4臨時休館
 http://www.taitocity.net/zaidan/asakura/

・東京藝術大学大学美術館 6/1~再開
 「居場所はどこにある?」 6/1~6/20
 「美しさの新機軸 ―日本画・彫刻 過去から未来へ」 開催中止
 https://www.geidai.ac.jp/museum/

・東京国立博物館 6/1~再開
 「国宝 鳥獣戯画のすべて」 ~6/20 予約制 会期延長 会期最終日まで無休
 http://www.tnm.jp

・東京都美術館 6/1~再開
 「イサム・ノグチ 発見の道」 ~8/29 予約制
 http://www.tobikan.jp

・弥生美術館・竹久夢二美術館 6/2~再開
 「田渕由美子展/夢二デザイン1910~1930」 ~6/27 予約制
 http://www.yayoi-yumeji-museum.jp



【丸の内・京橋・日本橋・新橋】

・アーティゾン美術館 5/15~再開(1時間あたりの予約数を50名に制限)
 「STEPS AHEAD:Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」 ~9/5 予約制
 https://www.artizon.museum

・相田みつを美術館 6/1~再開(10時〜17時の時短にて開館)
 「みつをが遺したもの I 自分の言葉・自分の書」 ~6/20 会期最終日まで無休
 http://www.mitsuo.co.jp/museum/

・出光美術館 4/27~当面の間臨時休館
 「松平不昧 生誕270年 茶の湯の美」 ~5/30 展示中止
 「きらめきの日本美術 ―屏風絵と肉筆浮世絵」 6/15~(予定)
 http://idemitsu-museum.or.jp

・国立映画アーカイブ 6/1~再開
 「創刊75周年記念 SCREENを飾ったハリウッド・スターたち」 ~7/18
 https://www.nfaj.go.jp

・東京国立近代美術館 6/1~再開
 「MOMATコレクション 特別編 ニッポンの名作130年」 ~9/26 予約制(当日券の販売もあり)
 「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」 6/18~
 http://www.momat.go.jp

・三の丸尚蔵館 休館中
 https://www.kunaicho.go.jp/event/sannomaru/sannomaru.html

・東京ステーションギャラリー 6/1~再開
 「コレクター福富太郎の眼」 ~6/27 予約制 会期最終日まで無休
 http://www.ejrcf.or.jp/gallery/

・パナソニック汐留ミュージアム 6/1~再開
 「クールベと海 展―フランス近代 自然へのまなざし」 ~6/13 予約制 会期最終日まで無休
 https://panasonic.co.jp/es/museum/

・三井記念美術館 6/1~再開(11時〜16時までの時短にて開館)
 「茶箱と茶籠」 ~6/27
 http://www.mitsui-museum.jp

・三菱一号館美術館 6/1~順次再開
 「テート美術館所蔵 コンスタブル展」 開催中止
 「三菱創業150周年記念 三菱の至宝展」 6/30~
 http://mimt.jp

・ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション 開館中
 「南桂子生誕110年記念 蝶の行方展」 ~8/9 *電話での予約制
 https://www.yamasa.com/musee/



【表参道・青山】

・太田記念美術館 5/15~再開(10時半〜16時半の時短にて開館)
 「鏑木清方と鰭崎英朋 近代文学を彩る口絵 ―朝日智雄コレクション」 5/21~
 http://www.ukiyoe-ota-muse.jp

・岡本太郎記念館 開館中
 「暮らしのなかの芸術」  ~7/11
 http://www.taro-okamoto.or.jp

・根津美術館 6/1~再開
 「茶入と茶碗 『大正名器鑑』の世界」 6/1~ 予約制
 http://www.nezu-muse.or.jp

・ワタリウム美術館 開館中
 「まちへ出よう展」 〜6/13
 http://www.watarium.co.jp



【新宿・渋谷】

・NTTインターコミュニケーション・センター 6/3〜再開
 http://www.ntticc.or.jp/ja/

・草間彌生美術館 6/3~再開
 「神秘と象徴の中間:草間彌生のモノクロー」 ~12/26 予約制
 https://yayoikusamamuseum.jp

・國學院大學博物館 6/2~短縮再開
 「神の新たな物語―熊野と八幡の縁起」 ~7/3
 http://museum.kokugakuin.ac.jp

・渋谷区立松濤美術館 4/27~臨時休館 6月も休館を継続
 「フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる」 ~6/20 展示中止
 http://www.shoto-museum.jp

・東京オペラシティ アートギャラリー 6/1~再開
 「ストーリーはいつも不完全…色を想像する ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」 ~6/24 会期延長 休館日なしにて開館
 https://www.operacity.jp/ag/

・中村屋サロン美術館 6/2~再開
 「布施知子展 折り紙、その向こうへ」 〜7/25 会期延長
 https://www.nakamuraya.co.jp/museum/

・文化学園服飾博物館 開館中
 「Dreams - to be continued - 髙田賢三回顧展」 6/1~6/27 会期変更
 http://museum.bunka.ac.jp

・Bunkamura ザ・ミュージアム 6/1~再開
 「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」 ~6/27 予約制
 http://www.bunkamura.co.jp/museum/

・SOMPO美術館 6/1~再開
 「モンドリアン展」 ~6/6 予約制
 「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり」 6/25〜
 https://www.sompo-museum.org



【六本木・虎ノ門】

・大倉集古館 6/1/~再開
 「彩られた紙―料紙装飾の世界」 ~6/6
 「FUSION~間島秀徳 Kinesis/水の宇宙&大倉コレクション~」 6/15〜
 https://www.shukokan.org

・菊池寛実記念 智美術館 6/1~再開
 「三輪龍氣生の陶 命蠢く」 ~8/8 会期延長
 http://www.musee-tomo.or.jp

・国立新美術館 6/2~再開 
 「ファッション イン ジャパン 1945-2020―流行と社会」 6/9~ 予約制
 http://www.nact.jp

・21_21 DESIGN SIGHT 6/2~再開(11時から17時半の時短にて開館)
 「トランスレーションズ展」 ~6/13 収容率を50%以内に制限
 http://www.2121designsight.jp

・森アーツセンターギャラリー 5/12~再開
 「僕のヒーローアカデミア展」 ~6/27 予約制
 https://macg.roppongihills.com/jp/

・森美術館 6/1~再開(10時〜20時の時短にて開館。火曜は17時まで)
 「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力」 ~9/26 予約制(オンライン割引料金を設定)
 https://www.mori.art.museum/jp/

・サントリー美術館 6/2~再開
 「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」 ~6/27
 https://www.suntory.co.jp/sma/

・泉屋博古館分館 改修工事のため休館中
 https://www.sen-oku.or.jp/tokyo/



【恵比寿・白金・目黒・品川・台場】

・アクセサリーミュージアム 4/25~当面の間臨時休館
 「IN~ハンドバッグとその中身~」 ~8/21 休止中
 http://acce-museum.main.jp

・WHAT(建築倉庫ミュージアム) 休館中
 *6月中旬より模型保管庫見学のみ再開予定
 https://archi-depot.com

・東京都写真美術館 6/1~再開
 「新・晴れた日 篠山紀信」 5/18~ 予約制
 http://topmuseum.jp

・日本科学未来館 6/2〜再開 予約制
 http://www.miraikan.jst.go.jp

・日本民藝館 開館中 5/15~当面の間西館の公開を中止
 「改修記念 名品展 I ―朝鮮陶磁・木喰仏・沖縄染織などを一堂に」 ~6/27
 http://www.mingeikan.or.jp

・山種美術館 5/15~再開(平日は短縮開館)
 「百花繚乱 ―華麗なる花の世界」 ~6/27 予約制(当日券の販売もあり)
 http://www.yamatane-museum.jp

・東京都庭園美術館 6/1~再開
 「建物公開2021 艶つやめくアール・デコの色彩]」 ~6/13 予約制
 http://www.teien-art-museum.ne.jp

・目黒区美術館 6/1~再開
 「マニュエル・ブルケール 20世紀パリの麗しき版画本の世界」 ~6/20 会期延長
 http://mmat.jp

・畠山記念館 施設改築工事のため休館中
 http://www.ebara.co.jp/csr/hatakeyama/

・松岡美術館 所蔵作品の修復調査、設備点検のため休館中
 http://www.matsuoka-museum.jp



【両国・清澄白河・駒込】

・江戸東京博物館 6/1~再開
 「冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重」 ~6/20 予約制
 https://www.edo-tokyo-museum.or.jp

・すみだ北斎美術館 6/1~再開
 「しりあがりサン北斎サン -クスッと笑えるSHOW TIME!」 ~7/10 会期延長
 http://hokusai-museum.jp

・たばこと塩の博物館 6/1~再開
 「シブい工芸 たばこ盆 ~地味な立ち位置・たしかな仕事~」 ~7/4
 https://www.jti.co.jp/Culture/museum/index.html

・東京都現代美術館 6/1~再開 各会期中は休館日も臨時開館
 「ライゾマティクス_マルティプレックス/マーク・マンダース」 ~6/22 予約制
 「Tokyo Contemporary Art Award 2019-2021 受賞記念展」 ~6/22 予約制
 「MOTコレクション 第2期 コレクションを巻き戻す」 ~6/22 予約制
 http://www.mot-art-museum.jp

・刀剣博物館 6/1〜再開
 「日本刀の見方-パートⅢ 刃文」 ~7/11
 https://www.touken.or.jp/museum/
 
・東洋文庫ミュージアム 6/2〜再開
 「江戸から東京へ-地図にみる都市の歴史」 6/2〜
 http://www.toyo-bunko.or.jp/museum/



【池袋・目白・板橋・練馬】

・板橋区立美術館 6/1〜再開
 「館蔵品展 はじめまして、かけじくです」 6/5~
 http://www.itabashiartmuseum.jp

・古代オリエント博物館 6/1〜再開(16時半までの短縮開館)
 http://aom-tokyo.com

・ちひろ美術館・東京 5/25~再開(16時までの短縮開館)
 「没後1年 田畑精一『おしいれのぼうけん』展」 ~6/13
 https://chihiro.jp/tokyo/

・練馬区立美術館 6/1〜再開
 「8つの意表~絵を描く、絵に描く、画家たちのキセキ~」 ~6/20 開幕延期
 https://www.neribun.or.jp/museum.html

・永青文庫 6/1〜再開
 「心のふるさと良寛 Ⅱ」 ~8/1 会期変更
 http://www.eiseibunko.com

・講談社 野間記念館 建て替えのため休館中
 http://www.nomamuseum.kodansha.co.jp



【世田谷】

・五島美術館 6/1〜再開
 「近代の日本画展」 6/1~
 http://www.gotoh-museum.or.jp

・静嘉堂文庫美術館 6/1~再開
 「旅立ちの美術」 ~6/13 会期延長(6/7の休館日も開館)
 http://www.seikado.or.jp

・世田谷美術館 6/1~再開
 「アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話」 ~6/20 予約制
 https://www.setagayaartmuseum.or.jp

・世田谷文学館 6/1~再開
 「イラストレーター 安西水丸展」 ~9/20 会期延長
 https://www.setabun.or.jp
 


【武蔵野・多摩】

・たましん美術館 6/1〜再開
 「足跡Vol.2~所蔵品と新作から見える多摩の美術~」 6/1~ 会期変更
 https://www.tamashinmuseum.org

・東京富士美術館 6/1〜再開(10時〜16時の時短にて開館)
 「岩合光昭の世界ネコ歩き」 6/1~
 http://www.fujibi.or.jp

・八王子夢美術館 6/1~再開
 「世界が絶賛した浮世絵師 北斎展」 〜6/20 会期延長
 http://www.yumebi.com

・府中市美術館 6/1~再開
 「映えるNIPPON 江戸~昭和 名所を描く」 ~7/11
 https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/

・町田市立国際版画美術館 6/1〜再開
 「#映える風景を探して 古代ローマから世紀末パリまで」 ~6/27
 http://hanga-museum.jp

・三鷹市市民ギャラリー 6/1〜再開
 http://mitaka-sportsandculture.or.jp/gallery/

・武蔵野市立吉祥寺美術館 6/3〜再開
 http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/

・武蔵野美術大学美術館 4/26~学内限定開催
 「オムニスカルプチャーズ―彫刻となる場所」 ~6/20
 https://mauml.musabi.ac.jp/museum/

・多摩美術大学大学美術館 開館中
 「現代日本画の系譜-タマビDNA展」 ~6/20
 http://www.tamabi.ac.jp/museum/

・PLAY!MUSEUM 6/1~再開
 「みみをすますように 酒井駒子展」 ~7/4 休日は予約制
 https://play2020.jp



【神奈川県】

・馬の博物館 5/15~再開
 「馬(馬具)に由来する種目と馬術競技」 ~6/20
 http://www.bajibunka.jrao.ne.jp/uma/

・岡田美術館 開館中
 「東西の日本画 大観・春草・松園など」 ~9/26
 http://www.okada-museum.com

・神奈川県民ホールギャラリー 開館中
 「對木裕里展 手のたび では いっておいで」 ~6/5
 http://www.kanakengallery.com

・神奈川県立近代美術館葉山館 開館中
 「空間の中のフォルム―アルベルト・ジャコメッティから桑山忠明まで」 ~9/5 予約制
 http://www.moma.pref.kanagawa.jp

・神奈川県立歴史博物館 開館中
 「錦絵にみる明治時代-丹波コレクションが語る近代ニッポンー」 ~6/20 予約制
 http://ch.kanagawa-museum.jp

・鎌倉文華館鶴岡ミュージアム 開館中
 「ひらかれたミュージアム~坂倉準三の原点展」 5/29~
 https://tsurugaokamuseum.jp

・川崎浮世絵ギャラリー 開館中
 「川瀬巴水と新版画」 ~6/6
 https://ukiyo-e.gallery

・川崎市岡本太郎美術館 開館中
 「挑む 岡本太郎」 ~7/4
 http://www.taromuseum.jp/

・そごう美術館 開館中
 「近代日本洋画の名作選展 ひろしま美術館コレクション」 〜7/4
 https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/

・茅ヶ崎市美術館 開館中
 「藤田道子 ほどく前提でむすぶ」 ~6/6
 http://www.chigasaki-museum.jp

・BankArt KAIKO + BankART Temporary 開館中
 「BankART Under 35 2021」
 http://www.bankart1929.com

・平塚市美術館 開館中
 「荒井寿一コレクション 川瀬巴水展」 ~6/13
 http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/

・藤沢市アートスペース 開館中
 http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/bunka/FAS

・ポーラ美術館 開館中
 「フジター色彩への旅」 ~9/5
 http://www.polamuseum.or.jp

・横須賀美術館 開館中
 「糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。」 ~6/27
 http://www.yokosuka-moa.jp

・横浜市民ギャラリーあざみ野 開館中
 https://artazamino.jp

・横浜美術館 大規模改修工事のため休館中
 http://yokohama.art.museum

・神奈川県立金沢文庫 開館中
 「江戸時代の称名寺」 ~7/25 予約制
 https://www.planet.pref.kanagawa.jp/city/kanazawa.htm

・神奈川県立近代美術館鎌倉別館 改修のため休館中
 http://www.moma.pref.kanagawa.jp/annex

・川崎市市民ミュージアム 令和元年東日本台風の浸水被害により休館中
 https://www.kawasaki-museum.jp



【埼玉県】

・岩槻人形博物館 開館中
 https://ningyo-muse.jp

・うらわ美術館 開館中
 「MUCHA(ミュシャ) グラフィック・バラエティ」 〜6/20
 http://www.city.saitama.jp/urawa-art-museum/index.html

・角川武蔵野ミュージアム 開館中
 「妖怪大戦争展2021」 ~9/20 予約制
 https://kadcul.com

・川口市立アートギャラリー・アトリア 開館中
 http://www.atlia.jp

・川越市立美術館 開館中
 「人を描く すてきなかたち・すてきなポーズ」 ~6/20
 https://www.city.kawagoe.saitama.jp/artmuseum/

・河鍋暁斎記念美術館 開館中
 「英国の子供たちの見た暁斎展」 6/2~
 http://kyosai-museum.jp/hp/top.html

・原爆の図丸木美術館 開館中
 「金原寿浩展 海の声」 ~7/11
 https://marukigallery.jp

・埼玉県立近代美術館 開館中
 「埼玉150周年記念展 埼玉の美術史 1871-1960」 ~6/23
 http://www.pref.spec.ed.jp/momas/

・埼玉県立歴史と民俗の博物館 開館中 *6/7~6/14は館内定期消毒のため臨時休館
 http://www.saitama-rekimin.spec.ed.jp

・さいたま市大宮盆栽美術館 開館中
 https://www.bonsai-art-museum.jp/ja/

・鉄道博物館 開館中 予約制 17時までの短縮開館
 http://www.railway-museum.jp



【千葉県】

・市原市湖畔美術館 開館中
 「Artists’ Breath―コロナ禍の中、アーティストはいま」 ~6/27
 http://lsm-ichihara.jp/

・航空科学博物館 開館中
 http://www.aeromuseum.or.jp

・国立歴史民俗博物館 開館中
 「特集展示『もの』からみる近世『紀州徳川家伝来の楽器-こと-』」 ~7/4
 https://www.rekihaku.ac.jp

・佐倉市立美術館 開館中
 「収蔵作品展 新収蔵作品を中心として」 ~7/11
 http://www.city.sakura.lg.jp/sakura/museum/

・千葉県立美術館 開館中
 「第2期コレクション展」 ~7/4
 https://www.chiba-muse.or.jp/ART/

・千葉市美術館 開館中
 「大・タイガー立石展 POP-ARTの魔術師」 ~7/4
 http://www.ccma-net.jp

・DIC川村記念美術館 改修工事のため休館中(7/2まで)
 http://kawamura-museum.dic.co.jp

・成田山書道博物館 開館中
 「日本の書 1964×2021」 ~8/29
 http://www.naritashodo.jp

・ホキ美術館 開館中
 「STORIES - 永遠の人物画展」 ~11/7 予約制
 https://www.hoki-museum.jp

都知事の会見にて「感染状況によっては、措置を抜本的に強化する」との発言もあり、今後、再び時短要請が休業要請へと切り替わる可能性も否めません。最新の開館情報は各館の公式サイトをご確認ください。
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