2025年2月に見たい展覧会【DIC川村記念美術館 1990–2025/サルバドール・ダリ/おかえり、ヨコハマ】

2月は春に向けて多くの展覧会がはじまる時期です。今月に見たい展覧会をリストアップしました。



展覧会

・『恵比寿映像祭2025 Docs ―これはイメージです―』 東京都写真美術館(1/31〜2/16)
・『川崎祐 わたしの知らない場所の名前』 横浜市民ギャラリーあざみ野(1/25~2/23)
・『HAPPYな日本美術―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ』 山種美術館(12/14~2025/2/24)
・『小西真奈 Wherever』 府中市美術館(12/14~2025/2/24)
・『LIFE SCAPER in SAITAMA ARTS THEATER』 彩の国さいたま芸術劇場(1/21~2/24)
・『読み解こう!北斎も描いた江戸のカレンダー』 すみだ北斎美術館(12/18~2025/3/2)
・『瑞祥(ずいしょう)のかたち』 皇居三の丸尚蔵館(1/4~3/2)
・『開館記念展 Ⅱ 琳派から近代洋画へ―数寄者と芸術パトロン 即翁、酒井億尋』 荏原 畠山美術館(1/18~3/16)
・『生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った』 東京ステーションギャラリー(1/25~3/16)
・『企画展 花器のある風景』 泉屋博古館東京(1/26~3/16)
・『仏教美学 柳宗悦が見届けたもの』 日本民藝館(1/12~3/20)
・『ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965』 パナソニック汐留美術館(1/11~3/23)
・『武士の姿・武士の魂』 大倉集古館(1/28~3/23)
・『生誕190年記念 豊原国周』 太田記念美術館(2/1~3/26)
・『MOTアニュアル2024 こうふくのしま』 東京都現代美術館(12/14~2025/3/30)
・『坂本龍一 | 音を視る 時を聴く』 東京都現代美術館(12/21~2025/3/30)
・『円空仏』 三井記念美術館(2/1~3/30)
・『片桐石州の茶』 根津美術館(2/22~3/30)
・『DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然』 DIC川村記念美術館(2/8~3/31)
・『堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE』 PLAY! MUSEUM(1/22~4/6)
・『生誕120周年 サルバドール・ダリ―天才の秘密―』 横須賀美術館(2/8~4/6)
・『没後120年 エミール・ガレ:憧憬のパリ』 サントリー美術館(2/15~4/13)
・『新版画—風景画の変遷』 川崎浮世絵ギャラリー(2/15~4/20)
・『近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は』 水戸芸術館現代美術ギャラリー(2/15~5/6)
・『メキシコへのまなざし』 埼玉県立近代美術館(2/1~5/11)
・『異端の奇才 ビアズリー展』 三菱一号館美術館(2/15~5/11)
・『1975 甦る 新橋 松岡美術館』 松岡美術館(2/25~6/1)
・『横浜美術館リニューアルオープン記念  おかえり、ヨコハマ』 横浜美術館(2/8~6/2)
・『マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート』 森美術館(2/13~6/8)
・『鷹野隆大 カスババ―この日常を生きのびるために―』 東京都写真美術館(2/27~6/8)

ギャラリー

・『Made in 青森 −自然と歴史の交差点』 OMOTESANDO CROSSING PARK(1/24〜2/24)
・『原田裕規個展 夢と影』 ANOMALY(2/1〜3/1)
・『坪本知恵、林樹里  うつろの疏水を眺めたとき』 YUKIKOMIZUTANI(2/8〜3/1)
・『トレヴァー・ヤン、毛利悠子 帰ってきたやまびこ』 Yutaka Kikutake Gallery Kyobashi(1/24~3/8)
・『ポーラ ミュージアム アネックス展 2025―軌跡ルーツを辿る―』 ポーラ ミュージアム アネックス(2/7〜3/9)
・『来たる世界2075 テクノロジーと崇高』 GYRE GALLERY(2/11〜3/16)
・『シュテファン・バルケンホール「good day」』 小山登美夫ギャラリー京橋(2/14〜3/22)
・『第1回 BUG Art Award グランプリ受賞者個展 向井ひかり「ザ・ネイムズ・オン・ザ・ビーチ」』 BUG(2/19〜3/23)
・『有楽町ウィンドウギャラリー2025』 丸の内仲通り付近の商業店舗8軒(2/28~3/23)
・『書藝問道 ブックデザイナー 呂敬人の軌跡』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(2/12~3/27)
・『嵯峨篤「Synchronicity」』 SCAI THE BATHHOUSE(1/25~4/5)

まずは佐倉での34年の活動に一定の区切りとなる展覧会です。DIC川村記念美術館にて『DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然』が行われます。



『DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然』@DIC川村記念美術館(2/8~3/31)

これは規模を大幅に縮小し、都内への移転が決まったDIC川村記念美術館による過去最多のコレクション展で、屋外の庭園と館内の全ての展示室を用いて、約180点の作品が展示されます。


「ロスコ・ルーム」をはじめとした世界的とも言える同館のコレクションを、作品に合わせて設計された展示室にてまとめて鑑賞できる最後の機会となります。

続いては生誕120周年を迎えた芸術家、サルバドール・ダリの回顧展です。横須賀美術館にて『生誕120周年 サルバドール・ダリ―天才の秘密―』が開催されます。



『生誕120周年 サルバドール・ダリ―天才の秘密―』@横須賀美術館(2/8~4/6)

ここでは世界屈指のダリ・コレクションを形成する諸橋近代美術館の所蔵品を中心に、ダリの生涯を追いつつ、特に渡米以降の活動も紹介するもので、油彩や素描、彫刻のほか、他のシュルレアリスムなど約120点の作品が展示されます。


昨年に諸橋近代美術館にてスタートし、大分県立美術館などでも行われた全国巡回展で、関東での開催は横須賀美術館のみとなります。

大規模改修工事を終え、昨年11月に一部開館していた横浜美術館が、この2月に全館オープンします。横浜美術館にて『横浜美術館リニューアルオープン記念  おかえり、ヨコハマ』が開かれます。



『横浜美術館リニューアルオープン記念  おかえり、ヨコハマ』@横浜美術館(2/8~6/2)


ここでは「横浜」をキーワードに、開港以前から2010年以降の作品までを展示するもので、同時開催のコレクション展では、休館中に収蔵された新たな作品も公開されます。

今月は先月見逃した展覧会を優先にしながら、無理のない範囲にて見ていきたいと思います。

しばらくブログは不定期での更新となります。それでは今月もどうぞよろしくお願いします。
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2025年1月に見たい展覧会【パウル・クレー展/大覚寺/古代エジプト】

年明け早々から注目したい展覧会が少なくありません。今月に気になる展覧会をリストアップしてみました。



展覧会

・『眠れよい子よ よい子の眠る/ところ』 神奈川県民ホールギャラリー(12/15〜2025/1/25)
・『博物館に初もうで』 東京国立博物館(1/2~1/26)
・「江戸メシ』 太田記念美術館(1/5~1/26)
・『へびの憩う空き地』 慶應義塾ミュージアム・コモンズ (1/9~2/7)
・『ひとを描く / ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて』 アーティゾン美術館(11/2~2025/2/9)
・『古筆切』 根津美術館(12/21~2025/2/9)
・『豊原国周展』 川崎浮世絵ギャラリー(1/5~2/9)
・『絵画のゆくえ2025』 SOMPO美術館(1/18~2/11)
・『川崎祐 わたしの知らない場所の名前』 横浜市民ギャラリーあざみ野(1/25~2/23)
・『特別展「鳥 ~ゲノム解析で解き明かす新しい鳥類の系統~」』 国立科学博物館(11/2~2025/2/24)
・『HAPPYな日本美術―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ』 山種美術館(12/14~2025/2/24)
・『小西真奈 Wherever』 府中市美術館(12/14~2025/2/24)
・『LIFE SCAPER in SAITAMA ARTS THEATER』 彩の国さいたま芸術劇場(1/21〜2/24)
・『読み解こう!北斎も描いた江戸のカレンダー』 すみだ北斎美術館(12/18~2025/3/2)
・『瑞祥(ずいしょう)のかたち』 皇居三の丸尚蔵館(1/4~3/2)
・『パウル・クレー展』 愛知県美術館(1/18~3/16)
・『開館記念展 Ⅱ 琳派から近代洋画へ―数寄者と芸術パトロン 即翁、酒井億尋』 荏原 畠山美術館(1/18~3/16)
・『開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-」 東京国立博物館(1/21~3/16)
・『生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った』 東京ステーションギャラリー(1/25~3/16)
・『企画展 花器のある風景』 泉屋博古館東京(1/26~3/16)
・『仏教美学 柳宗悦が見届けたもの』 日本民藝館(1/12~3/20)
・『ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965』 パナソニック汐留美術館(1/11~3/23)
・『今津景 タナ・アイル』 東京オペラシティ アートギャラリー(1/11~3/23)
・『はじまりの感覚』 アーツ前橋(1/25~3/23)
・『武士の姿・武士の魂』 大倉集古館(1/28~3/23)
・『MOTアニュアル2024 こうふくのしま』 東京都現代美術館(12/14~2025/3/30)
・『坂本龍一 | 音を視る 時を聴く』 東京都現代美術館(12/21~2025/3/30)
・『雨宮庸介展|まだ溶けてないほうのワタリウム美術館』 ワタリウム美術館(12/21~2025/3/30)
・『堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE』 PLAY! MUSEUM(1/22~4/6)
・『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』 森アーツセンターギャラリー(1/25~4/6)
・『玉山拓郎』 豊田市美術館(1/18~5/18)

ギャラリー

・『美を疑え-資生堂クリエイティブ展-』 資生堂ギャラリー(1/11~1/26)
・『髙山陽介 個展「かえり」』 ANOMALY(12/14~2025/1/18)
・『ミスマルノタマ - 神聖幾何学 Flower of Life -』 GYRE GALLERY(12/7~2025/1/26)
・『倉田悟「あさをまつよる」』 小山登美夫ギャラリー京橋(12/20~2/1)
・『菊地敦己 グラフィックデザインのある空間』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(12/10~2025/2/1)
・『曽根裕|石器時代最後の夜「今日の3つの話」』 ミヅマアートギャラリー(1/15~2/15)
・『嵯峨篤「Synchronicity」』 SCAI THE BATHHOUSE(1/25~4/5)

まずは西洋美術です。『パウル・クレー展』が愛知県美術館にて開かれます。



『パウル・クレー展』@愛知県美術館(1/18~3/16)

これはスイスのパウル・クレー・センターとの学術協力のもと、各内外の美術館より50点以上の作品にてクレーの画業をたどるもので、あわせてカンディンスキーやマルクといったクレーと関わりのあった画家の作品も紹介されます。


クレーの大規模展といえば2011年に東京国立近代美術館でも開かれましたが、今回の全国3巡回(*)のクレー展においても画家の魅力に触れる良い機会となりそうです。*兵庫県立美術館(3月29日〜5月25日)、静岡市美術館(6月7日〜8月3日)にて開催予定。

続いては日本美術です。東京国立博物館にて特別展『旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-』が開催されます。



『開創1150年記念 特別展「旧嵯峨御所 大覚寺 -百花繚乱 御所ゆかりの絵画-」』@東京国立博物館(1/21~3/16)

ここでは大覚寺の開創1150年を迎えるに先立ち、同寺に伝わるさまざまな寺宝を公開するもので、狩野山楽の代表作として重要な障壁画のほか、歴代天皇の書や平安時代後期の明円作「五大明王像」などの密教美術の名品も紹介されます。


通常非公開の重要文化財「正寝殿(客殿)」のうち、歴代門跡の執務室であった「御冠の間」の再現展示や、清和源氏に継承された「兄弟刀」(大覚寺蔵:薄緑〈膝丸〉、北野天満宮蔵:鬼切丸〈髭切〉)が京都以外で初めて揃う展示などにも注目が集まりそうです。

ラストは古代エジプトに関する展覧会です。森アーツセンターギャラリーにて『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』が行われます。



『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』@森アーツセンターギャラリー(1/25~4/6)

これはアメリカ最大規模の古代エジプト美術コレクションを有するブルックリン博物館より、彫刻、棺、宝飾品、土器、パピルス、そして人間やネコのミイラなど約150点の考古遺物を紹介するもので、気鋭のエジプト考古学者で本展の監修を務める河江肖剰による最新のピラミッドの調査研究の成果も公開されます。


*静岡県立美術館(予定):2025年4月19日〜6月15日、豊田市博物館:2025年6月28日〜9月7日ほか各地へと巡回予定

Penオンラインに今年上半期に見ておきたい展覧会の情報について寄稿しました。


Penが選んだ、2025年上半期「必見の展覧会」5選|Pen Online

それでは今月もどうぞよろしくお願いいたします。
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2024年 私が観た展覧会 ベスト10

年末恒例の私的ベスト企画です。2024年に観た展覧会のベスト10をあげてみました。

1.『空海 KŪKAI —密教のルーツとマンダラ世界』 奈良国立博物館(4/13~6/9)



密教の「立体曼荼羅」を多くの仏像や仏画で体感できるだけでなく、インドネシアなどに至る密教のルーツを検証しつつ、空海の足跡を丹念に辿っていた展覧会でした。空海自らが制作を指導した『両界曼荼羅』が修理後、初めてのお披露目となりましたが、見上げると繊細かつ流麗な線によって描かれた諸像が降り注ぐような感覚を受け、えも言えない感動を味わうことができました。また展示室を進むごとに密教のルーツに深く没入していくような、ストーリー性のある内容も面白く感じました。

2.『村上隆 もののけ 京都』 京都市京セラ美術館(2/3~9/1)



ふるさと納税のプランを活用したことでも話題を集めた、村上隆の国内では約8年ぶりの個展でした。岩佐又兵衛の『洛中洛外図(舟木本)』を引用し、新たに描きおろした現代版の「洛中洛外図」をはじめ、度々、大火事や旱魃などに見舞われた京都の歴史を現代に示したかのような『四神と六角螺旋堂』など、京都だけの「新・村上ワールド」とも呼べる世界を展開していて、必ずしも村上ファンとはいえない私でありながら、展示室に渦巻いた凄まじい熱量に身も心も飲み込まれました。

3.『日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション』 東京都現代美術館(8/3~11/10)



精神科医、高橋龍太郎の築いた日本の現代美術コレクションを紹介する展覧会で、3500点を超えるコレクションより選ばれた115組のアーティストの作品が公開されていました。過去、高橋コレクションは何度か公開されたこともあり、その都度見てきたつもりでしたが、特に東日本大震災以降にアップデートされた作品が想像以上に充実していて、東京都現代美術館を埋め尽くさんとばかりに展開するコレクションに圧倒されました。

4.『円空 —旅して、彫って、祈って—』 あべのハルカス美術館(2/2~4/7)



木端仏のような小さな彫刻から通常非公開の秘仏、2メートルを超える大作など約160点あまりの仏像が揃った、関西では約20年ぶりとなる大規模な円空展でした。また単に円空仏の魅力を紹介するだけでなく、絵画、文書、書籍、さらに円空自身が詠んだ和歌までを紹介していて、「円空さん」と親しまれた人となりについても明らかにしていました。荒々しいのノミの跡にたくましさをのぞかせながら、微笑みを浮かべた表情に優しさを見せる円空仏に改めて魅せられました。

5.『没後50年 福田平八郎』 大阪中之島美術館(3/9~5/6)



初期から晩年までの福田平八郎の画業を、代表作や所蔵館以外では初公開となる『雲』など120点の作品を通して明らかにする展覧会でした。「写実に基づく装飾画」を切り開きながらも、思いの外に変化する画風も興味深く、豊富なスケッチ類からは平八郎の対象へのユニークな眼差しを感じ取ることができました。元々、大好きな画家の一人だったこともあり、質量ともに不足のない回顧展が見られて大満足でした。

6.『山武市百年後芸術祭』 千葉県山武市 (4/27~5/19) 



今年千葉県にて実施された「百年後芸術祭」のうち、九⼗九⾥平野に位置する山武市にて行われた芸術祭で、JR成東駅を起点に九十九里浜へと至る地域にアート作品が展開されていました。広い空の下に点在する岩塊がユニークな景観を生み出す柴原エリアなど、いわば観光地化されていない、地元の人々だけが知りうるような野趣味のある土地に作品をぶつけていく、保良雄によるディレクションがとても魅力的に感じました。

7.『舟越桂 森へ行く日』 彫刻の森美術館(7/26~11/4)



今年3月、72歳にて亡くなった彫刻家の舟越桂の個展で、立体22点、平面35点などの作品を通し、人間の存在をテーマにしながら多様に変容を遂げていく舟越の制作を紹介していました。このほか、子どもの秘密基地を思わせるアトリエの再現や、『おもちゃのいいわけ』のためのおもちゃなども展示されていて、入院中にティッシュペーパー箱の裏に描いていたというイメージデッサンや、亡くなる数日前に自ら語った映像には胸を強く打たれました。

8.『生誕140年記念 石崎光瑤』 京都文化博物館(9/14~11/10)



富山に生まれ、京都へ移って創作を続けた日本画家、石崎光瑤の国内初の大規模巡回展でした。とりわけ色彩鮮やかで華麗ながらも、まるで熱帯の空気を帯びたようなエキゾチックともいえる花鳥画に強い個性を感じました。またより装飾性を帯びた金剛峯寺奥殿の襖絵や、晩年の静謐でかつはかない花の絵など、変遷する画風も追うことができて、豊富な写生帖などを含めて、画業を実に丹念に検証していたのも好印象でした。

9.『宮永愛子 詩を包む』 富山市ガラス美術館(2023/11/3~2024/1/28)



ナフタリンやガラスの彫刻などの作品で知られる宮永愛子の個展で、ナフタリンや樹脂を用いた代表作はもちろん、富山の水や空気などに着想を得たガラスの新作などを公開していました。富山の薬売りの歴史を連想させるトランクの作品や富山で採取した石や貝殻を用いた作品、また美術館のバックヤードにあった台座を引用したインスタレーションなど、2つのフロアに展開する宮永の作品の表情は意外なほど多面的でした。

10.『アレック・ソス 部屋についての部屋』 東京都写真美術館(10/10~2025/1/19)



アメリカの写真家、アレック・ソスの30年にわたる活動の軌跡を、ソスが初期から一貫して重要だと考えていた内部空間、つまり「部屋」をテーマに紹介する展覧会でした。各地を旅しては出会った人々を捉えるソスの写真は、静謐さと親密さを特徴として、必ずしも明確なメッセージはないものの、写り込んでいるさまざまなものから被写体の人となりが垣間見えるのも魅力に思えました。それぞれの写真の部屋が紡ぎ出す、詩的ともいえるような物語を連想するのも楽しく感じました。

次点.『淺井裕介展 星屑の子どもたち』 金津創作の森美術館(4/27~8/25)



ベスト10以外で特に印象に残った展覧会は以下の通りです。(順不同)

・『HAIBARA Art & Design 和紙がおりなす日本の美』 三鷹市美術ギャラリー(12/16~2024/2/25)
・『サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展』 千葉市美術館(1/6~3/3)
・『本阿弥光悦の大宇宙』 東京国立博物館(1/16~3/10)
・『マティス 自由なフォルム』 国立新美術館(2/14~5/27)
・『アブソリュート・チェアーズ』 埼玉県立近代美術館(2/17~5/12)
・『マツモト建築芸術祭 2024 ANNEX』 旧松本市立博物館ほか(2/23~3/24)
・『ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?—国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ』 国立西洋美術館(3/12~5/12)
・『没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる』 東京都写真美術館(3/16~5/12)
・『第8回横浜トリエンナーレ 野草:いま、ここで⽣きてる』 ヨコハマトリエンナーレ(3/15~6/9)
・『北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画』 SOMPO美術館(3/23~6/9)
・『ホー・ツーニェン エージェントのA』 東京都現代美術館(4/6~7/7)
・『ブランクーシ 本質を象る』 アーティゾン美術館(3/30~7/7)
・『宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO』 東京オペラシティ アートギャラリー(4/11~6/16)
・『青山悟 刺繍少年フォーエバー』 目黒区美術館 (4/20~6/9)
・『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』 森美術館(4/24~9/1)
・『デ・キリコ展』 東京都美術館(4/27~8/29)
・『カルダー:そよぐ、感じる、日本』 麻布台ヒルズギャラリー(5/30~9/6)
・『石川九楊大全』 上野の森美術館(6/8~7/28)
・『内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙』 国立西洋美術館(6/11~8/25)
・『フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線』 SOMPO美術館(6/22~9/23)
・『フィリップ・パレーノ:この場所、あの空』 ポーラ美術館(6/8~12/1)
・『PROJECT UMINOUE「五十嵐靖晃 海風」』 千葉県立美術館(7/13~9/8)
・『空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン』 東京ステーションギャラリー(7/13~9/23)
・『須田国太郎の芸術―三つのまなざし』 世田谷美術館(7/13~9/8)
・『石田尚志 絵と窓の間』 神奈川県立近代美術館 葉山(7/13~9/28)
・『田名網敬一 記憶の冒険』 国立新美術館(8/7~11/11)
・『SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット』 ワタリウム美術館(8/12~12/8)
・『Nerhol 水平線を捲る』 千葉市美術館(9/6~11/4)
・『北アルプス国際芸術祭2024』 長野県大町市(9/13~11/4)
・『GO FOR KOGEI 2024』 富山県富山市、石川県金沢市(9/14~10/20)
・『没後300年記念 英一蝶 ―風流才子、浮き世を写す―』 サントリー美術館(9/18~11/10)
・『田中一村展 奄美の光 魂の絵画』 東京都美術館(9/19~12/1)
・『挂甲の武人 国宝指定50周年記念  特別展「はにわ」』 東京国立博物館(10/16~12/8)
・『ハニワと土偶の近代』 東京国立近代美術館(10/1~12/22)
・『かみがつくる宇宙―ミクロとマクロの往還』 市原湖畔美術館(10/19~2025/1/13)
・『モネ 睡蓮のとき』 国立西洋美術館(10/5~2025/2/11)
・『ベル・エポック ― 美しき時代展』 パナソニック汐留美術館(10/5~12/15)
・『ONE PIECE ONLY展』 PLAY! MUSEUM(10/9~2025/1/31)
・『オタケ・インパクト』 泉屋博古館東京(10/19~12/15)
・『かみがつくる宇宙―ミクロとマクロの往還』 市原湖畔美術館(10/19~2025/1/13)
・『没後100年 中村彝展―アトリエから世界へ』 茨城県立近代美術館(11/10~2025/1/13)
・『浅井忠、あちこちに行く-むすばれる人、つながる時代―』 千葉県立美術館(10/30~2015/1/19)
・『須田悦弘展』 渋谷区立松濤美術館(11/30~2025/2/2)
・『ザ・キャビンカンパニー大絵本美術展〈童堂賛歌〉』 千葉市美術館(11/16~2025/1/13)
・『ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ』 森美術館(9/25~2025/1/19)

たくさんの展覧会をあげてしまいましたが、今年はライターとしてお声がけいただき、東京以外の地域の芸術祭や美術館へ取材できたのも良い思い出となりました。



千葉県にて新たな芸術祭がスタート!『内房総アートフェス』で注目したいスポットとは|Pen Online
青森へアート旅! 『AOMORI GOKAN アートフェス2024』とは? @madameFIGARO_jpより
大分の魅力をアートで再発見!「Oita Cultural Expo! '24」の見どころ6選。 @madameFIGARO_jpより



開館1周年! 瀬戸内を望む下瀬美術館で愛でたい、日本画家、加山又造の名品の数々。|Pen Online
この夏は工芸に親しもう!見どころいっぱいの『おとなとこどもの自由研究 工芸の光と影展』|Pen Online
芸術の秋は信濃大町へアート旅! 「北アルプス国際芸術祭2024」が開催中、その見どころは?|Pen Online
工芸、アート、食が織りなす芸術祭『GO FOR KOGEI 2024』が開催中。注目スポットを紹介!|Pen Online

この一年、どのような美術との出会いがありましたでしょうか。このエントリをもちまして年内のブログの更新を終わります。今年も「はろるど」とお付き合い下さりどうもありがとうございました。それではどうぞ良いお年をお迎え下さい。

*過去の展覧会ベスト10
2023年2022年2021年2020年2019年2018年2017年2016年2015年2014年2013年2012年2011年2010年2009年2008年2007年2006年2005年2004年その2。2003年も含む。)
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2024年12月に見たい展覧会【永遠のミュシャ/カラーズ/歌川国芳】

早いもので今年も残り1ヶ月となりました。12月に入っても、年末年始をまたいで、いくつかの展覧会がスタートします。気になる展覧会をリストアップしてみました。



展覧会

・『レオ・レオーニと仲間たち』 板橋区立美術館(11/9~2025/1/13)
・『没後100年 中村彝展―アトリエから世界へ』 茨城県立近代美術館(11/10~2025/1/13)
・『平安文学、いとをかし』 静嘉堂@丸の内(11/16~2025/1/13)
・『ザ・キャビンカンパニー大絵本美術展〈童堂賛歌〉』 千葉市美術館(11/16~2025/1/13)
・『グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ』 ヒカリエホール(12/3~2025/1/19)
・『西川勝人 静寂の響き』 DIC川村記念美術館(9/14~2025/1/26)
・『ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ』 森美術館(9/25~2025/1/19)
・『唐ごのみ』 三井記念美術館(11/23~2025/1/19)
・『眠れよい子よ よい子の眠る/ところ』 神奈川県民ホールギャラリー(12/15~2025/1/25)  
・『田村友一郎 ATM』 水戸芸術館現代美術ギャラリー(11/2~2025/1/26)
・『小杉放菴展』 八王子市夢美術館(11/16~2025/1/26)
・『三菱一号館美術館 再開館記念 『不在』―ソフィ・カルとトゥールーズ=ロートレック』 三菱一号館美術館(11/23~2025/1/26)
・『儒教のかたち こころの鑑―日本美術に見る儒教』 サントリー美術館(11/27~2025/1/26)
・『須田悦弘展』 渋谷区立松濤美術館(11/30~2025/2/2)
・『ひとを描く / ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて』 アーティゾン美術館(11/2~2025/2/9)
・『古筆切』 根津美術館(12/21~2025/2/9)
・『そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠』 東京都庭園美術館(11/30~2025/2/16)
・『漫画家・森薫と入江亜季展』 世田谷文学館(11/2~2025/2/24)
・『特別展「鳥 ~ゲノム解析で解き明かす新しい鳥類の系統~」』 国立科学博物館(11/2~2025/2/24)
・『HAPPYな日本美術―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ』 山種美術館(12/14~2025/2/24)
・『小西真奈 Wherever』 府中市美術館(12/14~2025/2/24)
・『歌川国芳展 ―奇才絵師の魔力』 大阪中之島美術館(12/21~2025/2/24)
・『生誕120年 人間国宝 黒田辰秋―木と漆と螺鈿の旅―』 京都国立近代美術館(12/17~2025/3/2)
・『読み解こう!北斎も描いた江戸のカレンダー』 すみだ北斎美術館(12/18~2025/3/2)
・『T2 Collection「Collecting? Connecting?」/奥中章人「Synesthesia ーアートで交わる五感ー」展』 WHAT MUSEUM(10/4~2025/3/16)
・『MOTアニュアル2024 こうふくのしま』 東京都現代美術館(12/14~2025/3/30)
・『坂本龍一 | 音を視る 時を聴く』 東京都現代美術館(12/21~2025/3/30)
・『動き出す浮世絵展 TOKYO』 寺田倉庫 G1ビル(12/21~2025/3/31)
・『カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ』 ポーラ美術館(12/14~2025/5/18)

ギャラリー

・『ささめきあまき万象の森』 Yutaka Kikutake Gallery Kyobashi(11/2~12/21)
・『ヴァジコ・チャッキアーニ「Big and Little hands」』 SCAI THE BATHHOUSE(11/6~12/21)
・『千住博・四代田辺竹雲斎 二人展「Beyond Nature」』 YUKIKOMIZUTANI(11/6~12/21)
・『野田幸江展「きれいな場所」』 ミヅマアートギャラリー(11/20~12/21)
・『杉戸洋 「apples and lemon」- 「りんごとレモン」』 小山登美夫ギャラリー京橋(11/2~12/27)
・『髙山陽介 個展「かえり」』 ANOMALY(12/14〜2025/1/18)
・『ミスマルノタマ - 神聖幾何学 Flower of Life -』 GYRE GALLERY(12/7~2025/1/26)
・『菊地敦己 グラフィックデザインのある空間』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(12/10~2025/2/1)

まずは近年人気の高まる没入型(イマーシブ)の展覧会です。渋谷・ヒカリエホールにて『グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ』が開かれます。



『グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ』@ヒカリエホール(12/3~2025/1/19)

これはパリのグラン・パレ・イマーシブとミュシャ財団の監修のもと、アルフォンス・ミュシャの作品世界を大画面の映像と音楽にて紹介するもので、あわせてミュシャのアトリエ写真とともに、作品のモデルの写真を映像で紹介するコーナーや、ポスターの人物像を実在する俳優に置き換えた3Dアニメーションなども公開されます。


パリでは人気を博した展覧会を日本向けにアレンジした内容ということもあり、今回だけのオリジナルなコンテンツにも期待が持てそうです。

続いては箱根のポーラ美術館の展覧会です。『カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ』が行われます。



『カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ』@ポーラ美術館(12/14~2025/5/18)

ここでは19世紀の印象派以降、フォーヴや抽象、そして現代へ至るアート作品を色に着目して紹介するもので、色彩論や素材との関係にふれながら、色彩の役割について解き明かします。


定評のあるポーラの絵画、彫刻コレクションを、シンプルに色の視点より改めてじっくり向き合える良い機会となりそうです。

ラストは大阪では実に13年ぶりとなる大規模な国芳の展覧会です。大阪中之島美術館にて『歌川国芳展 ―奇才絵師の魔力』が開催されます。



『歌川国芳展 ―奇才絵師の魔力』@大阪中之島美術館(12/21~2025/2/24)

これは武者絵・説話、役者絵、美人画をはじめとする7つのセクション、及び特別展示の肉筆などにて約400点の作品を公開するもので、 『流行猫の変化』といった新発見の作品も展示されます。


国芳の作品を見る機会は少なくありませんが、まさに質量ともに回顧展の決定版といえる内容になるかもしれません。

ブログは不定期での更新となります。今月もどうぞよろしくお願いします。
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2024年11月に見たい展覧会【浅井忠/中村彝/須田悦弘】

今年も残すところあと2ヶ月となりました。11月も注目したい展覧会が少なくありません。気になる展覧会をリストアップしてみました。



展覧会

・『生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ』 世田谷美術館(9/21~11/17)
・『芹沢銈介の世界』 日本民藝館(9/5~11/20)
・『大正・昭和のモダニスト 蕗谷虹児展』 平塚市美術館(10/5~11/24)
・『光琳 国宝「紅白梅図屏風」×重文「風神雷神図屏風」』 MOA美術館(11/1~11/26)
・『両大戦間のモダニズム:1918-1939 煌めきと戸惑いの時代』 町田市立国際版画美術館(9/14~12/1)
・『塩田千春 つながる私』 大阪中之島美術館(9/14~12/1)
・『アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界展』 府中市美術館(9/21~12/1)
・『丸沼芸術の森所蔵 アンドリュー・ワイエス展』 アサヒグループ大山崎山荘美術館(9/14~12/8)
・『没後50年記念 福田平八郎×琳派』 山種美術館(9/29~12/8)
・『荏原 畠山美術館 開館記念展 Ⅰ―與衆愛玩一共に楽しむ–』 荏原 畠山美術館(10/5~12/8)
・『挂甲の武人 国宝指定50周年記念  特別展「はにわ」』 東京国立博物館(10/16~12/8)
・『荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ』 国立新美術館(10/30~12/16)
・『松谷武判』 東京オペラシティ アートギャラリー(10/3~12/17)
・『運慶展』 横須賀美術館(10/26~12/22)
・『追悼 野見山暁治 野っ原との契約』 練馬区立美術館(10/6~12/25)
・『ピカソ・セラミックー「見立て」の芸術』 ヨックモックミュージアム(10/29~2025/12/28)
・『テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする』 東京ステーションギャラリー(10/12~2025/1/5)
・『没後30年 木下佳通代』 埼玉県立近代美術館(10/12~2025/1/13)
・『かみがつくる宇宙―ミクロとマクロの往還』 市原湖畔美術館(10/19~2025/1/13)
・『レオ・レオーニと仲間たち』 板橋区立美術館(11/9~2025/1/13)
・『没後100年 中村彝展―アトリエから世界へ』 茨城県立近代美術館(11/10~2025/1/13)
・『平安文学、いとをかし』 静嘉堂@丸の内(11/16~2025/1/13)
・『ザ・キャビンカンパニー大絵本美術展〈童堂賛歌〉』 千葉市美術館(11/16~2025/1/13)
・『西川勝人 静寂の響き』 DIC川村記念美術館(9/14~2025/1/26)
・『ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ』 森美術館(9/25~2025/1/19)
・『京都の嵐山に舞い降りた奇跡!! 伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?!』 福田美術館(10/12~2025/1/19)
・『唐ごのみ』 三井記念美術館(11/23~2025/1/19)
・『浅井忠、あちこちに行く-むすばれる人、つながる時代―』 千葉県立美術館(10/30~2015/1/19)
・『田村友一郎 ATM』 水戸芸術館現代美術ギャラリー(11/2~2025/1/26)
・『小杉放菴展』 八王子市夢美術館(11/16~2025/1/26)
・『三菱一号館美術館 再開館記念 『不在』―ソフィ・カルとトゥールーズ=ロートレック』 三菱一号館美術館(11/23~2025/1/26)
・『儒教のかたち こころの鑑―日本美術に見る儒教』 サントリー美術館(11/27~2025/1/26)
・『ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見』 麻布台ヒルズ ギャラリー(11/1~2025/2/2)
・『須田悦弘展』 渋谷区立松濤美術館(11/30~2025/2/2)
・『パリ・ノートルダム大聖堂展 タブレットを手に巡る時空の旅』 日本科学未来館(11/6~2025/2/4)
・『ひとを描く / ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて』 アーティゾン美術館(11/2~2025/2/9)
・『ゴミうんち展』 21_21 DESIGN SIGHT(9/27~2025/2/16)
・『そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠』 東京都庭園美術館(11/30~2025/2/16)
・『漫画家・森薫と入江亜季展』 世田谷文学館(11/2~2025/2/24)
・『特別展「鳥 ~ゲノム解析で解き明かす新しい鳥類の系統~」』 国立科学博物館(11/2~2025/2/24)
・『T2 Collection「Collecting? Connecting?」/奥中章人「Synesthesia ーアートで交わる五感ー」展』 WHAT MUSEUM(10/4~2025/3/16)

ギャラリー

・『青山悟展「永遠なんてあるのでしょうか」 』 ミヅマアートギャラリー(10/9~11/10)
・『未来都市シブヤ_エフェメラを誘発する装置』 GYRE GALLERY(10/17~11/29)
・『日本のアートディレクション展 2024』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(11/1~11/30)
・『吉田志穂個展「印刷と幽霊」』 BUG(10/30~12/1)
・『トニー・アウスラー「Transmission」』 SCAI THE BATHHOUSE(10/4~12/21)
・『千住博・四代田辺竹雲斎 二人展「Beyond Nature」』 YUKIKOMIZUTANI(11/6~12/21)
・『渡辺志桜里 宿/Syuku』 資生堂ギャラリー(11/6~12/26)
・『ウェイド・ガイトン THIRTEEN PAINTINGS』 エスパス ルイ・ヴィトン東京(10/31~2025/3/16)

まずは近代洋画の先駆者として知られ、日本画や工芸、図案などでも業績を残した浅井忠の回顧展です。千葉県立美術館にて『浅井忠、あちこちに行く-むすばれる人、つながる時代―』が開かれます。



『浅井忠、あちこちに行く-むすばれる人、つながる時代―』@千葉県立美術館(10/30~2015/1/19)

1856年に佐倉藩の江戸屋敷に生まれた浅井は、幼少年期を佐倉市にて過ごすと、日本最初の国立美術学校「工部美術学校」第一期生としてイタリア人画家アントニオ・フォンタネージから西洋画を学びました。のちに農村風景などを油絵で描くと、パリへと留学し、アール・ヌーヴォーに感銘を受けてデザイン活動を開始しました。また帰国後は京都へと移住し、京都高等工芸学校教授を務めるなど後進の育成にも努めました。


その浅井の画業を同館の所蔵する4つの日記を軸に紹介するのが本展で、約2400件に及ぶコレクションから、収蔵後初公開8点を含む約350点の作品と資料が公開されます。各地を旅した浅井の足跡をたどりながら、作品とじっくり向き合うまたとない機会となります。

続いては大正期に活躍した洋画家・中村彝の回顧展です。茨城県立近代美術館にて『没後100年 中村彝展―アトリエから世界へ』が開かれます。



『没後100年 中村彝展―アトリエから世界へ』@茨城県立近代美術館(11/10~2025/1/13)

1887年、茨城県水戸市に生まれた中村彝は絵の道を志すと、第3回文展への初入選以降、新進洋画家として注目され、下落合にアトリエを構えて制作に励むも、1924年に肺結核によってわずか37年にて生涯を閉じました。


今回の回顧展では、重要文化財『エロシェンコ氏の像』や第3回文展への入選作『巌』、さらに約半世紀ぶりに公開される作品など約120点の作品にて中村の画業を明らかにします。なお展示は同館のみの単独開催となり、他館への巡回はありません。

ラストは現代美術です。渋谷区立松濤美術館にて『須田悦弘展』が行われます。



『須田悦弘展』@渋谷区立松濤美術館(11/30~2025/2/2)

本物と見間違うほどリアルな草花や雑草の木彫を手がける須田悦弘は、思いがけない場所に作品をさりげなく設置することで知られ、空間と作品が一体となるインスタレーションで人気を集めてきました。


その須田の都内の美術館としては25年ぶりの個展が本展で、初期作品やドローイング、また近年取り組んでいる古美術品の欠損部分を木彫で補う補作の作品などが公開されます。哲学の建築家とも呼ばれる白井晟一の瞑想的な建築空間との響きあいにも注目が集まりそうです。

ブログは不定期での更新となります。今月もよろしくお願いいたします。
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2024年10月に見たい展覧会【蕗谷虹児/モネ 睡蓮のとき/特別展はにわ】

この夏、猛威をふるった連日の酷暑はようやく陰りを見せ、関東では朝晩を中心に秋めいてきました。



10月も多くの展覧会がスタートする時期です。気になる展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『南条嘉毅 展|地中の渦』 KAAT神奈川芸術劇場(9/23~10/20)
・『あざみ野コンテンポラリー vol.15 SHIMURAbros 雲をつかんで虹を見た』 横浜市民ギャラリーあざみ野(10/5~10/27)
・『開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ』 東京都現代美術館(8/3~11/10)
・『日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション』 東京都現代美術館(8/3~11/10)
・『空の発見』 渋谷区立松濤美術館(9/14~11/10)
・『建物公開2024 あかり、ともるとき』 東京都庭園美術館(9/14~11/10)
・『田名網敬一 記憶の冒険』 国立新美術館(8/7~11/11)
・『バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰』 三井記念美術館(9/14~11/12)
・『生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ』 世田谷美術館(9/21~11/17)
・『芹沢銈介の世界』 日本民藝館(9/5~11/20)
・『大正・昭和のモダニスト 蕗谷虹児展』 平塚市美術館(10/5~11/24)
・『両大戦間のモダニズム:1918-1939 煌めきと戸惑いの時代』 町田市立国際版画美術館(9/14~12/1)
・『塩田千春 つながる私』 大阪中之島美術館(9/14~12/1)
・『田中一村展 奄美の光 魂の絵画』 東京都美術館(9/19~12/1)
・『アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界展』 府中市美術館(9/21~12/1)
・『丸沼芸術の森所蔵 アンドリュー・ワイエス展』 アサヒグループ大山崎山荘美術館(9/14~12/8)
・『没後50年記念 福田平八郎×琳派』 山種美術館(9/29~12/8)
・『荏原 畠山美術館 開館記念展 Ⅰ―與衆愛玩一共に楽しむ–』 荏原 畠山美術館(10/5~12/8)
・『広重ブルー』 太田記念美術館(10/5~12/8)
・『挂甲の武人 国宝指定50周年記念  特別展「はにわ」』 東京国立博物館(10/16~12/8)
・『オタケ・インパクト』 泉屋博古館東京(10/19~12/15)
・『荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ』 国立新美術館(10/30~12/16)
・『松谷武判』 東京オペラシティ アートギャラリー(10/3~12/17)
・『ハニワと土偶の近代』 東京国立近代美術館(10/1~12/22)
・『運慶展』 横須賀美術館(10/26~12/22)
・『追悼 野見山暁治 野っ原との契約』 練馬区立美術館(10/6~12/25)
・『カナレットとヴェネツィアの輝き』 SOMPO美術館(10/12~12/28)
・『さくらももこ展』 森アーツセンターギャラリー(10/5~2025/1/5)
・『テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする』 東京ステーションギャラリー(10/12~2025/1/5)
・『没後30年 木下佳通代』 埼玉県立近代美術館(10/12~2025/1/13)
・『かみがつくる宇宙―ミクロとマクロの往還』 市原湖畔美術館(10/19~2025/1/13)
・『アレック・ソス 部屋についての部屋』 東京都写真美術館(10/10~2025/1/19)
・『西川勝人 静寂の響き』 DIC川村記念美術館(9/14~2025/1/26)
・『ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ』 森美術館(9/25~2025/1/19)
・『京都の嵐山に舞い降りた奇跡!! 伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?!』 福田美術館(10/12~2025/1/19)
・『ONE PIECE ONLY展』 PLAY! MUSEUM(10/9~2025/1/31)
・『モネ 睡蓮のとき』 国立西洋美術館(10/5~2025/2/11)
・『ベル・エポック ― 美しき時代展』 パナソニック汐留美術館(10/5~12/15)
・『ゴミうんち展』 21_21 DESIGN SIGHT(9/27~2025/2/16)
・『T2 Collection「Collecting? Connecting?」/奥中章人「Synesthesia ーアートで交わる五感ー」展』 WHAT MUSEUM(10/4~2025/3/16)

ギャラリー

『マティス ― 色彩を奏でる』 ポーラ ミュージアム アネックス (10/4~10/27)
『青山悟展「永遠なんてあるのでしょうか」 』 ミヅマアートギャラリー(10/9~11/10)
『未来都市シブヤ_エフェメラを誘発する装置』 GYRE GALLERY(10/17~11/29)
『吉田志穂個展「印刷と幽霊」』 BUG(10/30~12/1)
『日常の再魔術化 ビアンカ ボンディ / 小林椋 / 丹羽海子』 CHANEL NEXUS HALL(10/19~12/8)
『トニー・アウスラー「Transmission」』 SCAI THE BATHHOUSE(10/4~12/21)

まずは挿絵画家、蕗谷虹児の神奈川県内の公立館では初の大回顧展です。平塚市美術館にて『大正・昭和のモダニスト 蕗谷虹児展』が開かれます。



『大正・昭和のモダニスト 蕗谷虹児展』@平塚市美術館(10/5~11/24)

これは大正から昭和時代にかけて少女雑誌の表紙絵や挿絵にて、モダンな女性像を発表して人気を集めた蕗谷の画業を振り返るもので、主に蕗谷虹児記念館の作品を中心に、少女雑誌の表紙や挿絵の原画、パリ時代の作品、童話や絵本の挿絵の原画など約500点の作品が展示されます。


1991年の展覧会以降出品されていなかった『胡蝶の夢』が、実に33年ぶりに展示されることにも注目が集まりそうです。

続いては今年下半期にて要注目の西洋美術展です。国立西洋美術館にて『モネ 睡蓮のとき』開催されます。



『モネ 睡蓮のとき』@国立西洋美術館(10/5~2025/2/11)

パリのマルモッタン・モネ美術館から日本初公開作品7点を含む約50点の作品が来日する展示では、特にモネ晩年の重要なテーマである睡蓮に焦点を当てていて、「睡蓮」の作品20点以上が公開されます。


今年は大阪の中之島美術館でも『モネ 連作の情景』(上野の森美術館より巡回)が行われて大変な話題となりましたが、今回も西洋美術ファンにとって見逃せない展覧会となりそうです。

最後は秋の東博の特別展です。『挂甲の武人 国宝指定50周年記念  特別展「はにわ」』が行われます。



『挂甲の武人 国宝指定50周年記念  特別展「はにわ」』@東京国立博物館(10/16~12/8)

ここでは傑作「挂甲の武人」の国宝指定50周年を記念し、全国各地から選りすぐりの120件の埴輪を紹介するもので、「挂甲の武人」によく似ていて、国内外の美術館や博物館に別々に所蔵される計5体の埴輪が史上初めて同時に展示されます。


ちょうど東京国立近代美術館では埴輪の受容史を現代まで辿る『ハニワと土偶の近代』(10/1~12/22)が始まったこともあり、この秋は東京で開かれる2つの埴輪に関する展覧会を合わせて見るのも楽しいかもしれません。

しばらくブログは不定期での更新となります。今月もよろしくお願いします。
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2024年9月に見たい展覧会【空の発見/塩田千春/田中一村】

連日の凄まじい猛暑から一転、台風の影響により長く雨が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。



9月は秋のシーズンを迎え、多くの展覧会が開幕します。気になる展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『吉田克朗展 ―ものに、風景に、世界に触れる』 埼玉県立近代美術館(7/13~9/23)
・『平田晃久―人間の波打ちぎわ』 練馬区立美術館(7/28~9/23)
・『夏と秋の美学』 根津美術館(9/14~10/20)
・『GO FOR KOGEI 2024』 富山県富山市、石川県金沢市(9/14~10/20)
・『南条嘉毅 展|地中の渦』 KAAT神奈川芸術劇場(9/23~10/20)
・『Nerhol 水平線を捲る』 千葉市美術館(9/6~11/4)
・『特別展 眼福』 静嘉堂@丸の内(9/10~11/4)
・『北アルプス国際芸術祭2024』 長野県大町市(9/13~11/4)
・『瑛九』 横須賀美術館(9/14~11/4)
・『開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ』 東京都現代美術館(8/3~11/10)
・『日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション』 東京都現代美術館(8/3~11/10)
・『空の発見』 渋谷区立松濤美術館(9/14~11/10)
・『建物公開2024 あかり、ともるとき』 東京都庭園美術館(9/14~11/10)
・『没後300年記念 英一蝶 ―風流才子、浮き世を写す―』 サントリー美術館(9/18~11/10)
・『田名網敬一 記憶の冒険』 国立新美術館(8/7~11/11)
・『バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰』 三井記念美術館(9/14~11/12)
・『生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ』 世田谷美術館(9/21~11/17)
・『芹沢銈介の世界』 日本民藝館(9/5~11/20)
・『神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond』 六甲山上(8/24~11/24)
・『両大戦間のモダニズム:1918-1939 煌めきと戸惑いの時代』 町田市立国際版画美術館(9/14~12/1)
・『塩田千春 つながる私』 大阪中之島美術館(9/14~12/1)
・『田中一村展 奄美の光 魂の絵画』 東京都美術館(9/19~12/1)
・『アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界展』 府中市美術館(9/21~12/1)
・『丸沼芸術の森所蔵 アンドリュー・ワイエス展』 アサヒグループ大山崎山荘美術館(9/14~12/8)
・『西川勝人 静寂の響き』 DIC川村記念美術館(9/14~2025/1/26)
・『ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ』 森美術館(9/25~2025/1/19)
・『ゴミうんち展』 21_21 DESIGN SIGHT(9/27~2025/2/16)

ギャラリー

・『Ryu Itadani「Everyday Life “THERE“」』 ポーラ ミュージアム アネックス(8/9~9/23)
・『ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展』 GYRE GALLERY(7/17~9/24)
・『山本昌男展「生物 ≅ 静物」』 ミヅマアートギャラリー(8/28~9/28)
・『Yabiku Henrique Yudi 「JARRING HARMONY」』 YUKIKOMIZUTANI(9/20~10/19)
・『空想の宙(そら) 「静寂を叩く」 大乗寺十三室|十文字美信』 資生堂ギャラリー(8/27~10/20)
・『ハルーン・ミルザ Ceremonies and Rituals』 SCAI THE BATHHOUSE(8/27~10/12)
・『上西祐理 Now Printing』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(9/3~10/23)
・『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』 銀座メゾンエルメス フォーラム(9/7~2025/1/13)

まずは日頃見ないことのない「空」をテーマとしたユニークな展覧会です。渋谷区立松濤美術館にて『空の発見』が開かれます。



『空の発見』@渋谷区立松濤美術館(9/14~11/10)

ここでは江戸時代より近現代へと至る美術の「空」の表現の変遷をたどるもので、松川龍椿の『京都名所図屏風』や前北斎改為一の『富嶽三十六景山下白雨』、また岸田劉生の『窓外夏景』に萬鉄五郎『雲のある自画像』、さらには阪本トクロウの『ディスカバー』などの多彩な作品が公開されます。


「宇宙への意識、夜空を見上げる」や「カタストロフィーと空の発見」など、「空」にまつわる独特な切り口の章構成も見どころとなるかもしれません。

続いては現代アートファン待望の展覧会です。大阪中之島美術館にて『塩田千春 つながる私』が行われます。



『塩田千春 つながる私』@大阪中之島美術館(9/14~12/1)

これは大阪生まれのアーティスト、塩田千春が実に16年ぶりに当地で個展を開くもので、代名詞ともいえる糸を使った大規模なインスタレーションなどが展示されます。


中之島美術館の広くスタイリッシュな展示空間へ作品がどのように響き合うのかにも注目が集まりそうです。

ラストは画家、田中一村の一大回顧展です。東京都美術館にて『田中一村展 奄美の光 魂の絵画』が開催されます。



『田中一村展 奄美の光 魂の絵画』@東京都美術館(9/19~12/1)

栃木県にて生まれ、東京美術学校を2ヶ月で退学した後、千葉で農業をしながら制作に従事した一村は、50歳にて奄美大島へ移住すると、染色工として働きながら、同地の自然や風土を題材にした日本画を数多く描きました。

その一村の画業の全貌に迫るのが『田中一村展 奄美の光 魂の絵画』で、絵画を中心にスケッチ、工芸品、資料など250件を超える作品が公開されます。


一村は過去、展覧会にて作品が公開される度に人気を集めてきましたが、まさに回顧展の決定版といえる内容となるかもしれません。

ブログは不定期での更新となります。それでは今月もどうぞよろしくお願いします。
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2024年8月に見たい展覧会【海とつながる。アートをめぐる。/高橋龍太郎コレクション/神戸六甲ミーツ・アート2024】

この夏は全国的に凄まじい猛暑に襲われ、関東でも連日、身の危険すら感じるような暑さが続いています。いかがお過ごしでしょうか。



8月にスタートする展覧会は多くありません。今月に見たい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『海とつながる。アートをめぐる。― Harmony with Nature ―』 葛西臨海水族園、葛西臨海公園(8/2~8/18)
・『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』 東京国立近代美術館(5/21~8/25)
・『生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界』 東京都庭園美術館(6/1~8/25)
・『内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙』 国立西洋美術館(6/11~8/25)
・『柳宗悦と朝鮮民族美術館』 日本民藝館(6/15~8/25)
・『岡本秋暉 百花百鳥に挑んだ江戸の絵師』 千葉市美術館(6/28~8/25)
・『美麗なるほとけ』 根津美術館(7/27~8/25)
・『田中達也展 みたてのくみたて MINIATURE LIFE・MITATE MIND』 日本橋髙島屋S.C(8/1~8/28)
・『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』 森美術館(4/24~9/1)
・『伊藤潤二展 誘惑』 世田谷文学館(4/27~9/1)
・『幻想のフラヌール ─版画家たちの夢・現・幻』 町田市立国際版画美術館(6/1~9/1)
・『111年目の中原淳一』 渋谷区立松濤美術館(6/29~9/1)
・『五感であじわう日本の美術』 三井記念美術館(7/2~9/1)
・『徳川美術館展 尾張徳川家の至宝』 サントリー美術館(7/3~9/1)
・『PROJECT UMINOUE「五十嵐靖晃 海風」』 千葉県立美術館(7/13~9/8)
・『神護寺 ─ 空海と真言密教のはじまり』 東京国立博物館(7/17~9/8)
・『吉田克朗展 ―ものに、風景に、世界に触れる』 埼玉県立近代美術館(7/13~9/23)
・『エッシャー 不思議のヒミツ』 豊田市美術館(7/13~9/23)
・『【特別展】没後25年記念 東山魁夷と日本の夏』 山種美術館(7/20~9/23)
・『平田晃久―人間の波打ちぎわ』 練馬区立美術館(7/28~9/23)
・『今森光彦 にっぽんの里山』 東京都写真美術館(6/20~9/29)
・『鴻池朋子展 メディシン・インフラ』 青森県立美術館(7/13~9/29)
・『「オバケ?」展』 PLAY! MUSEUM(7/13~9/29)
・『昭和モダーン、モザイクのいろどり 板谷梅樹の世界』 泉屋博古館東京(8/31~9/29)
・『大地に耳をすます 気配と手ざわり』 東京都美術館(7/20~10/9)
・『特別展「昆虫 MANIAC」』 国立科学博物館(7/13~10/14)
・『空間と作品』 アーティゾン美術館(7/27~10/14)
・『舟越桂 森へ行く日』 彫刻の森美術館(7/26~11/4)
・『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024』 越後妻有里山現代美術館 MonET(7/13~11/10)
・『開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ』 東京都現代美術館(8/3〜11/10)
・『日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション』 東京都現代美術館(8/3〜11/10)
・『田名網敬一 記憶の冒険』 国立新美術館(8/7~11/11)
・『神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond』 六甲山上(8/24~11/24)

ギャラリー

・『曽谷朝絵 Colorings』 アートガーデンかわさき(8/3〜8/16)
・『稲葉友宏「THE STORIES THAT YOU SEE VOL.2」』 YUKIKOMIZUTANI(7/19~8/31)
・『松井えり菜「アストラル・ドリーマー」』 ANOMALY(7/20~9/7)
・『キャラクター・マトリクス』 BUG(8/30〜9/16)
・『Ryu Itadani「Everyday Life “THERE“」』 ポーラ ミュージアム アネックス(8/9~9/23)
・『ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展』 GYRE GALLERY(7/17~9/24)
・『空想の宙(そら) 「静寂を叩く」 大乗寺十三室|十文字美信』 資生堂ギャラリー(8/27〜10/20)
・『ハルーン・ミルザ Ceremonies and Rituals』 SCAI THE BATHHOUSE(8/27〜10/12)

まずは葛西臨海公園にてはじまる新たなアートイベントです。『海とつながる。アートをめぐる。― Harmony with Nature ―』が開かれます。



『海とつながる。アートをめぐる。― Harmony with Nature ―』@葛西臨海水族園、葛西臨海公園(8/2~8/18)

これは「アートをめぐる」をテーマに、同公園内にて4組のアーティストが作品を展示するもので、蜷川実花 with EiMは東京湾を望むクリスタルビューにおいて、多様な光をまとう花やクリスタルを使用し、建築と自然が一体となるような空間を演出します。

また園内のひまわり広場では、落合陽一、河瀨直美、平子雄一の作品展示を行うほか、葛西臨海水族園の空の広場では霧の演出も実施されます。このほか、キッチンカーなども出店するなど、夏休みの臨海公園の気軽に楽しめるイベントとして人気を集めそうです。

続いては東京都現代美術館です。『日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション』が開かれます。



『日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション』@東京都現代美術館(8/3〜11/10)

これは精神科医、高橋龍太郎が1997年より収集をはじめた日本現代美術コレクションのうち、作家115組の代表作を紹介するもので、ひとりのコレクターの目によって築かれた日本現代美術の流れをたどります。


高橋龍太郎コレクションは「ネオテニー・ジャパン」(2008〜2010年)や「ミラー・ニューロン」(2015年)など、国内の美術館でも度々公開されてきましたが、さらに近年加わったコレクションを見る貴重な機会となるのではないでしょうか。

最後は夏から秋に向けて開かれる現代アートの芸術祭です。六甲山上にて『神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond』が行われます。



『神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond』@六甲山上(8/24~11/24)

2010年より毎年、神戸・六甲山上にて開かれてきた『神戸六甲ミーツ・アート』には、これまで延べ520組以上のアーティストが参加してきました。そして今年は過去最多となる招待・公募を合わせ60組以上のアーティストによる、多彩な展示プログラムが展開されます。


昨年、招待アーティストの拡充や芸術祭の拠点づくりなどが行われ、従来より大幅に内容が拡充されましたが、その流れを今回も受け継ぎ、六甲という自然とともにアートを楽しめるユニークな芸術祭となりそうです。

しばらくブログは不定期での更新となります。それでは今月もどうぞよろしくお願いします。
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2024年7月に見たい展覧会【オバケ?展/ジャン=ミッシェル・フォロン/舟越桂】

関東では7月に入り、夏本番を思わせるような猛暑が続いています。今月は夏から秋に向けて多くの展覧会がスタートする時期です。見ておきたい展覧会をリストアップしてみました。



展覧会

・『企画展 歌と物語の絵 ― 雅やかなやまと絵の世界』 泉屋博古館東京(6/1~7/21)
・『国芳の団扇絵 ―猫と歌舞伎とチャキチャキ娘』 太田記念美術館(6/1~7/28)
・『カルティエと日本 半世紀のあゆみ「結 MUSUBI」展』 東京国立博物館(6/12~7/28)
・『梅津庸一|エキシビション メーカー』 ワタリウム美術館(5/12~8/4)
・『未来のかけら: 科学とデザインの実験室』 21_21 DESIGN SIGHT(3/29~8/12)
・『大成建設コレクション もうひとりのル・コルビュジエ~絵画をめぐって』 大倉集古館(6/25~8/12)
・『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』 東京国立近代美術館(5/21~8/25)
・『生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界』 東京都庭園美術館(6/1~8/25)
・『内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙』 国立西洋美術館(6/11~8/25)
・『柳宗悦と朝鮮民族美術館』 日本民藝館(6/15~8/25)
・『北斎 グレートウェーブ・インパクト ―神奈川沖浪裏の誕生と軌跡―』 すみだ北斎美術館(6/18~8/25)
・『超・日本刀入門 revive―鎌倉時代の名刀に学ぶ』 静嘉堂@丸の内(6/22~8/25)
・『岡本秋暉 百花百鳥に挑んだ江戸の絵師』 千葉市美術館(6/28~8/25)
・『美麗なるほとけ』 根津美術館(7/27~8/25)
・『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』 森美術館(4/24~9/1)
・『伊藤潤二展 誘惑』 世田谷文学館(4/27~9/1)
・『幻想のフラヌール ─版画家たちの夢・現・幻』 町田市立国際版画美術館(6/1~9/1)
・『111年目の中原淳一』 渋谷区立松濤美術館(6/29~9/1)
・『五感であじわう日本の美術』 三井記念美術館(7/2~9/1)
・『徳川美術館展 尾張徳川家の至宝』 サントリー美術館(7/3~9/1)
・『鈴木康広展 ただ今、発見しています。』 二子玉川ライズ スタジオ & ホール(7/20~9/1)
・『PROJECT UMINOUE「五十嵐靖晃 海風」』 千葉県立美術館(7/13〜9/8)
・『神護寺 ─ 空海と真言密教のはじまり』 東京国立博物館(7/17~9/8)
・『巨大恐竜展2024』 パシフィコ横浜(7/13~9/13)
・『ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム』 パナソニック汐留美術館(6/29~9/16)
・『髙田賢三 夢をかける』 東京オペラシティ アートギャラリー(7/6~9/16)
・『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』 東京国立博物館(6/25~9/23)
・『CLAMP展』 国立新美術館(7/3~9/23)
・『吉田克朗展 ―ものに、風景に、世界に触れる』 埼玉県立近代美術館(7/13~9/23)
・『空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン』 東京ステーションギャラリー(7/13~9/23)
・『エッシャー 不思議のヒミツ』 豊田市美術館(7/13~9/23)
・『【特別展】没後25年記念 東山魁夷と日本の夏』 山種美術館(7/20~9/23)
・『平田晃久―人間の波打ちぎわ』 練馬区立美術館(7/28~9/23)
・『今森光彦 にっぽんの里山』 東京都写真美術館(6/20~9/29)
・『鴻池朋子展 メディシン・インフラ』 青森県立美術館(7/13~9/29)
・『「オバケ?」展』 PLAY! MUSEUM(7/13~9/29)
・『大地に耳をすます 気配と手ざわり』 東京都美術館(7/20~10/9)
・『特別展「昆虫 MANIAC」』 国立科学博物館(7/13~10/14)
・『空間と作品』 アーティゾン美術館(7/27~10/14)
・『舟越桂 森へ行く日』 彫刻の森美術館(7/26~11/4)
・『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024』 越後妻有里山現代美術館 MonET(7/13~11/10)
・『フィリップ・パレーノ:この場所、あの空』 ポーラ美術館(6/8~12/1)

ギャラリー

・『田原桂一「OPÉRA de PARIS」』 ポーラ ミュージアム アネックス(6/21~7/28)
・『イワン・エフェンディ「articulate-雄弁なものたち」』 ミヅマアートギャラリー(7/6~8/10)
・『MARK LECKEY』 エスパス ルイ・ヴィトン 東京(2/22~8/18)
・『2024 JAGDA 亀倉雄策賞・新人賞展』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(7/22~8/24)
・『稲葉友宏「THE STORIES THAT YOU SEE VOL.2」』 YUKIKOMIZUTANI(7/19~8/31)
・『辰野登恵子展/松井えり菜「アストラル・ドリーマー」』 ANOMALY(7/20~9/7)
・『ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展』 GYRE GALLERY(7/17~9/24)

まずはファミリーでも楽しめる夏休み向けの展覧会です。PLAY! MUSEUMにて『「オバケ?」展』が開かれます。



『「オバケ?」展』@PLAY! MUSEUM(7/13~9/29)

これは古今東西、さまざまな呼び名で登場したオバケをテーマに、約20組のクリエイターが多様に表現するもので、絵本『ねないこだれだ』を落語家の春風亭一之輔が朗読する部屋や、谷川俊太郎・谷川賢作親子によるオバケ音楽「けいとのたま」、さらにアニメーション作家・加藤久仁生の新作アニメーションなどが公開されます。


このほか絵本研究者の広松由希子が選ぶオバケ絵本や原画が展示されるほか、静嘉堂文庫美術館館長で、江戸時代の妖怪に詳しい安村敏信がオバケ・幽霊・妖怪の歴史をひも解きます。

続いては20世紀後半のベルギーを代表するアーティストの展覧会です。『空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン』が東京ステーションギャラリーにて行われます。



『空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン』@東京ステーションギャラリー(7/13~9/23)

1934年に生まれたフォロンは、若き日にマグリットの作品に感銘を受けて絵画に惹きつけられると、ドローイングを手がけ、のちにアメリカにて有力誌の表紙を飾るなどして注目を浴びました。

その後、ミラノ・トリエンナーレ(1968年)のフランス館で壁画を依頼されたほか、サンパウロ・ビエンナーレ(1973年)などでのベルギー代表としての参加するなど活動の幅を広げ、世界中から高く評価されてきました。

そうしたフォロンの活動を辿るのが今回の個展で、ドローイングから水彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品など約230点が公開されます。幻想的で詩情に満ちながら、環境破壊や人権問題などへの告発が潜むフォロンの作品世界をまとめて見る良い機会となりそうです。

最後は今年3月に亡くなった彫刻家、舟越桂の展覧会です。彫刻の森美術館にて、『舟越桂 森へ行く日』が開催されます。

『舟越桂 森へ行く日』@彫刻の森美術館(7/26~11/4)


これは自らが「心象人物」と名付けた人物像を中心に、舟越の制作の軌跡を辿るもので、初期の『妻の肖像』(1979〜80年)から『山と水の間に』(1998年)、さらには『水に映る月蝕』(2004年)や『戦争を見るスフィンクスⅡ』(2006年)などの新旧の作品が展示されます。

Penオンラインに今年の7月から12月にかけてのおすすめの展覧会を寄稿しました。あわせてご覧いただければ幸いです。

Penが選んだ、2024年下半期「必見の展覧会」5選|Pen Online


しばらくブログは不定期での更新となります。それではどうぞよろしくお願いいします。
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2024年6月に見たい展覧会【石川九楊大全/写本/内藤礼】

6月に入りました。今月は夏のシーズンに向けて多くの展覧会がスタートします。気になる展覧会をリストアップしてみました。



展覧会

・『どうぶつ百景 江戸東京博物館コレクションより』 東京ステーションギャラリー(4/27~6/23)
・『マツオヒロミ展 レトロモダンファンタジア』 弥生美術館(4/6~6/30)
・『吉田克朗展―ものに、風景に、世界に触れる』 神奈川県立近代美術館 葉山館(4/20~6/30)
・『民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある』 世田谷美術館(4/24~6/30)
・『ブランクーシ 本質を象る』 アーティゾン美術館(3/30~7/7)
・『石岡瑛子 I デザイン』 茨城県近代美術館(4/27~7/7)
・『Beautiful Japan 吉田初三郎の世界』 府中市美術館(5/18~7/7)
・『三島喜美代—未来への記憶』 練馬区立美術館(5/19~7/7)
・『出光美術館の軌跡 ここから、さきへⅡ 出光佐三、美の交感—波山・放菴・ルオー』 出光美術館(6/1~7/7)
・『古美術かぞえうた 名前に数字がある作品』根津美術館(6/1~7/15)
・『いざなぎ流のかみ・かたち —祈りを込めたヒトガタたち—』 横浜人形の家(4/20~7/21)
・『企画展 歌と物語の絵 ― 雅やかなやまと絵の世界』 泉屋博古館東京(6/1~7/21)
・『国芳の団扇絵 ―猫と歌舞伎とチャキチャキ娘』 太田記念美術館(6/1~7/28)
・『石川九楊大全』 上野の森美術館(6/8~7/28)
・『カルティエと日本 半世紀のあゆみ「結 MUSUBI」展』 東京国立博物館(6/12〜7/28)
・『梅津庸一|エキシビション メーカー』 ワタリウム美術館(5/12~8/4)
・『未来のかけら: 科学とデザインの実験室』 21_21 DESIGN SIGHT(3/29~8/12)
・『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』 東京国立近代美術館(5/21~8/25)
・『生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界』 東京都庭園美術館(6/1~8/25)
・『内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙』 国立西洋美術館(6/11~8/25)
・『柳宗悦と朝鮮民族美術館』 日本民藝館(6/15〜8/25)
・『北斎 グレートウェーブ・インパクト ―神奈川沖浪裏の誕生と軌跡―』 すみだ北斎美術館(6/18~8/25)
・『超・日本刀入門 revive―鎌倉時代の名刀に学ぶ』 静嘉堂@丸の内(6/22~8/25)
・『デ・キリコ展』 東京都美術館(4/27~8/29)
・『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』 森美術館(4/24~9/1)
・『伊藤潤二展 誘惑』 世田谷文学館(4/27~9/1)
・『幻想のフラヌール ─版画家たちの夢・現・幻』 町田市立国際版画美術館(6/1~9/1)
・『カルダー:そよぐ、感じる、日本』 麻布台ヒルズギャラリー(5/30~9/6)
・『ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム』 パナソニック汐留美術館(6/29~9/16)
・『フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線』 SOMPO美術館(6/22~9/23)
・『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』 東京国立博物館(6/25~9/23)
・『今森光彦 にっぽんの里山』 東京都写真美術館(6/20〜9/29)
・『フィリップ・パレーノ:この場所、あの空』 ポーラ美術館(6/8~12/1)

ギャラリー

・『GOMA ひかりの世界』 GYRE GALLERY(5/4~6/29)
・『横山奈美個展「広い空に / Big Sky Mind」』 N&A Art SITE(5/31〜6/29)
・『八木幣二郎 Heijiro Yagi NOHIN: The Innovative Printing Company』ギンザ・グラフィック・ギャラリー(5/24~7/10)
・『フェイイ ウェン|パン カー 二人展』 シャネルネクサスホール(5/22~7/15)
・『森万里子「古事記」』 SCAI THE BATHHOUSE(6/8~7/27)
・『田原桂一「OPÉRA de PARIS」』 ポーラ ミュージアム アネックス(6/21~7/28)
・『「オドル ココロ」 資生堂のクリエイティブワーク』 資生堂ギャラリー(6/8~8/4)
・『MARK LECKEY』 エスパス ルイ・ヴィトン 東京(2/22~8/18)

まずは上野の森美術館です。書家、石川九楊の全容を紹介する『石川九楊大全』が開催されます。



『石川九楊大全』@上野の森美術館(6/8~7/28)

これは書の表現のみならず、現代美術の領域からも高く評価されてきた石川九楊の制作を、6月の【古典篇】と7月の【状況篇】に分けてたどるもので、展示作品を全て入れ替えた、連続する2つの異なる展覧会となります。


まず最初の【古典篇】では、歎異抄や源氏物語、それに中国の李賀の詩といった古典に取り組んだ作品が展示されます。一般的な書の概念を突き破るような石川の創作世界をじっくり味わう良い機会となりそうです。

続いては写本の展示です。国立西洋美術館にて『内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙』が行われます。



『内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙』@国立西洋美術館(6/11~8/25)

国立西洋美術館では2015年度、筑波大学・茨城県立医療大学名誉教授の内藤裕史より写本の一括寄贈を受けると、「内藤コレクション」として2019〜20年度に3期にわたり開催した小企画展にて紹介してきました。


それを今回初めて「内藤コレクション」を大々的に一括して展示するもので、国内の大学図書館の所蔵品も若干数加えた約150点の作例が公開されます。

最後は東博での現代美術展です。『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』が東京国立博物館にて開かれます。



『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』@東京国立博物館(6/25~9/23)

1961年に広島県にて生まれ、現在、東京を拠点に活動する内藤礼は、光、空気、水、重力など自然の事象を通して「地上の生の光景」を見出すと、インスタレーションを含めた多様な作品を生み出してきた。


その内藤が東京国立博物館の収蔵品、および建築空間に向き合って作品を手がけるのが『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』で、平成館企画展示室をはじめ、本館特別5室や本館1階ラウンジなどさまざま場所にて展示が繰り広げられます。

内藤といえば、坂倉準三の建築に向き合った、旧神奈川県立近代美術館鎌倉での個展が強く印象に残っていますが、東博の空間をどう変容させるのかにも期待したいところです。

しばらくブログは不定期で更新します。それでは今月もよろしくお願いいたします。
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2024年5月に見たい展覧会【犬派?猫派?/吉田初三郎/TRIO】

4月は諸事情により一ヶ月ほどブログの更新を休ませていただきました。いかがお過ごしでしょうか。



GWも後半に入って遠出をされている方も多いかもしれません。東京から日帰り圏内で楽しめる5つの美術館についてFIGARO.jpにまとめました。お出かけの参考にしてくださると嬉しいです。

「ゴールデンウィークは、アートに触れる休日を。」madameFIGARO_jp


それでは5月に気になる展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『ライトアップ木島櫻谷—四季連作大屏風と沁みる「生写し」』 泉屋博古館東京(3/16~5/12)
・『没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる』 東京都写真美術館(3/16~5/12)
・『歌舞音曲鑑 北斎と楽しむ江戸の芸能』 すみだ北斎美術館(3/19~5/26)
・『月岡芳年 月百姿』 太田記念美術館(4/3~5/26)
・『古染付と中国工芸』 日本民藝館(3/30~6/2)
・『遠距離現在 Universal / Remote』 国立新美術館(3/6~6/3)
・『第8回横浜トリエンナーレ 野草:いま、ここで⽣きてる』 ヨコハマトリエンナーレ(3/15~6/9)
・『フランシス真悟 Exploring Color and Space─色と空間を冒険する』 茅ヶ崎市美術館(3/30~6/9)
・『青山悟 刺繍少年フォーエバー』 目黒区美術館(4/20~6/9)
・『サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品』 サントリー美術館(4/17~6/16)
・『茶の湯の美学 —利休・織部・遠州の茶道具』 三井記念美術館(4/18~6/16)
・『歸空庵コレクションによる 洋風画という風 ―近世絵画に根づいたエキゾチズム』 板橋区立美術館(5/3~6/16)
・『驚異の細密表現展—江戸・明治の工芸から現代アートまで』 横須賀美術館(4/20~6/23)
・『どうぶつ百景 江戸東京博物館コレクションより』 東京ステーションギャラリー(4/27~6/23)
・『カール・アンドレ 彫刻と詩、その間』 DIC川村記念美術館(3/9~6/30)
・『マツオヒロミ展 レトロモダンファンタジア』 弥生美術館(4/6~6/30)
・『吉田克朗展―ものに、風景に、世界に触れる』 神奈川県立近代美術館 葉山館(4/20~6/30)
・『民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある』 世田谷美術館(4/24~6/30)
・『ブランクーシ 本質を象る』 アーティゾン美術館(3/30~7/7)
・『翻訳できない わたしの言葉』 東京都現代美術館(4/18~7/7)
・『石岡瑛子 I デザイン』 茨城県近代美術館(4/27~7/7)
・『犬派?猫派? —俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで—』 山種美術館(5/12~7/7)
・『Beautiful Japan 吉田初三郎の世界』 府中市美術館(5/18~7/7)
・『三島喜美代—未来への記憶』 練馬区立美術館(5/19~7/7)
・『いざなぎ流のかみ・かたち —祈りを込めたヒトガタたち—』 横浜人形の家(4/20~7/21)
・『未来のかけら: 科学とデザインの実験室』 21_21 DESIGN SIGHT(3/29~8/12)
・『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』 東京国立近代美術館(5/21~8/25)
・『デ・キリコ展』 東京都美術館(4/27~8/29)
・『生誕120周年 サルバドール・ダリー天才の秘密ー』 諸橋近代美術館(4/20~9/1)
・『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』 森美術館(4/24~9/1)
・『伊藤潤二展 誘惑』 世田谷文学館(4/27~9/1)
・『カルダー:そよぐ、感じる、日本』 麻布台ヒルズギャラリー(5/30~9/6)

ギャラリー

・『アピチャッポン・ウィーラセタクン「Solarium」』 SCAI THE BATHHOUSE(3/16~5/25)
・『第17回 shiseido art egg  岩崎宏俊展』 資生堂ギャラリー(4/23~5/26)
・『久保寛子展「鉄骨のゴッデス」』 ポーラ ミュージアム アネックス(4/26~6/9)
・『Human Baltic われら バルトに生きて』 スパイラルガーデン(5/27〜6/9)
・『開発の再開発 vol. 5 奥村雄樹』 gallery αM(4/13~6/15)
・『GOMA ひかりの世界』 GYRE GALLERY(5/4~6/29)
・『フェイイ ウェン|パン カー 二人展』 シャネルネクサスホール(5/22~7/15)
・『MARK LECKEY』 エスパス ルイ・ヴィトン 東京(2/22~8/18)

まずは山種美術館です。『犬派?猫派? ―俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで―』が開かれます。



『犬派?猫派? ―俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで―』@山種美術館(5/12~7/7)

これは江戸時代から現代までの犬と猫を描いた作品に着目するもので、俵屋宗達、伊藤若冲、円山応挙、長沢芦雪、歌川国芳といった絵師から、明治以降の竹内栖鳳、川端龍子、藤田嗣治、速水御舟、さらには山口晃などの作品が公開されます。


いずれも初公開となる『洋犬・遊女図屛風』や菱田春草『柏ニ小鳥』などの作品にも注目が集まりそうです。

続いては大正から昭和にかけて名所案内を多く描いた画家の展覧会です。府中市美術館にて『Beautiful Japan 吉田初三郎の世界』が行われます。



『Beautiful Japan の世界』@府中市美術館(5/18~7/7)

京都に生まれ、関西美術院で学んだ吉田初三郎は、鉄道沿線の名所案内などの商業美術家としての地位を獲得すると、ポスターなどのグラフィックや絵画作品などを制作しました。


展示では10点以上の大型肉筆鳥瞰図をはじめ、ポスターや絵葉書、さらには絵画作品などが公開されます。現実の景観を重ね合わせた上で生み出される、現実には存在しない風景を描いたという吉田の画業を知るまたとない機会となりそうです。

日仏を代表する3都市の美術館のコレクションが集結します。東京国立近代美術館にて『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』が開かれます。



『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』@東京国立近代美術館(5/21~8/25)

これはパリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館の3館のコレクションより、20世紀初頭から現代までのモダンアートを紹介するもので、絵画、彫刻、版画、素描、写真、デザイン、映像など150点の作品が公開されます。


「モデルたちのパワー」や「空想の庭」、「現実と非現実のあわい」など、3館の作品にて34のトリオを組むというユニークな構成にも期待ができそうです。

4月は関東以外へ出向く機会が多く、逆に東京近辺の美術館にあまり行くことができませんでした。今月は見落としていた展覧会を中心に追っていくつもりです。

しばらく不定期での更新となります。それではどうぞよろしくお願いします。
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2024年4月に見たい展覧会【板倉鼎・須美子/青山悟/ダリ】

今年は関東でも桜の開花がずれ込み、久しぶりに4月に入ってから見頃を迎えました。



4月は主に中旬から下旬にかけて多くの展覧会がスタートします。気になる展覧会をピップアップしてみました。

展覧会

・『生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真』 東京ステーションギャラリー(2/23~4/14)
・『生誕150年 池上秀畝—高精細画人—』 練馬区立美術館(3/16~4/21)
・『須藤玲子:NUNOの布づくり』 水戸芸術館(2/17~5/6)
・『花・flower・華 2024 —奥村土牛の桜・福田平八郎の牡丹・梅原龍三郎のばら』 山種美術館(3/9~5/6)
・『没後50年 福田平八郎』 大阪中之島美術館(3/9~5/6)
・『旧朝香宮邸を読み解く A to Z』 東京都庭園美術館(2/17~5/12)
・『ライトアップ木島櫻谷—四季連作大屏風と沁みる「生写し」』 泉屋博古館東京(3/16~5/12)
・『没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる』 東京都写真美術館(3/16〜5/12)
・『国宝・燕子花図屏風 デザインの日本美術』 根津美術館(4/13~5/12)
・『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2024』 京都市内各所(4/13〜5/12)
・『大吉原展』 東京藝術大学大学美術館(3/26~5/19)
・『HELLO! コレクション ZOZO×千葉県立美術館』 千葉県立美術館(4/6~5/19)
・『出光美術館の軌跡 ここから、さきへⅠ 復刻 開館記念展—仙厓・古唐津・中国陶磁・オリエント』 出光美術館(4/23~5/19)
・『歌舞音曲鑑 北斎と楽しむ江戸の芸能』 すみだ北斎美術館(3/19~5/26)
・『没後100年 富岡鉄斎』 京都国立近代美術館(4/2~5/26)
・『月岡芳年 月百姿』 太田記念美術館(4/3~5/26)
・『雪舟伝説 —「画聖(カリスマ)」の誕生』 京都国立博物館(4/13~5/26)
・『古染付と中国工芸』 日本民藝館(3/30~6/2)
・『遠距離現在 Universal / Remote』 国立新美術館(3/6~6/3)
・『第8回横浜トリエンナーレ 野草:いま、ここで⽣きてる』 ヨコハマトリエンナーレ(3/15~6/9)
・『フランシス真悟 Exploring Color and Space─色と空間を冒険する』 茅ヶ崎市美術館(3/30~6/9)
・『テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本』 パナソニック汐留美術館(4/6~6/9)
・『画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎 —「地獄極楽めぐり図」からリアル武四郎涅槃図まで』 静嘉堂文庫美術館(4/13~6/9)
・『空海 KŪKAI —密教のルーツとマンダラ世界』 奈良国立博物館(4/13~6/9)
・『青山悟 刺繍少年フォーエバー』目黒区美術館(4/20〜6/9)
・『板倉鼎・須美子展』 千葉市美術館(4/6~6/16)
・『宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO』 東京オペラシティ アートギャラリー(4/11~6/16)
・『サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品』 サントリー美術館(4/17~6/16)
・『茶の湯の美学 —利休・織部・遠州の茶道具』 三井記念美術館(4/18~6/16)
・『驚異の細密表現展—江戸・明治の工芸から現代アートまで』 横須賀美術館(4/20~6/23)
・『どうぶつ百景 江戸東京博物館コレクションより』 東京ステーションギャラリー(4/27~6/23)
・『カール・アンドレ 彫刻と詩、その間』 DIC川村記念美術館(3/9~6/30)
・『マツオヒロミ展 レトロモダンファンタジア』 弥生美術館(4/6~6/30)
・『民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある』 世田谷美術館(4/24~6/30)
・『ブランクーシ 本質を象る』 アーティゾン美術館(3/30~7/7)
・『ホー・ツーニェン エージェントのA』 東京都現代美術館(4/6~7/7)
・『翻訳できない わたしの言葉』 東京都現代美術館(4/18~7/7)
・『ふたり 矢部太郎展』 PLAY! MUSEUM(4/24~7/7)
・『未来のかけら: 科学とデザインの実験室』 21_21 DESIGN SIGHT(3/29~8/12)
・『デ・キリコ展』 東京都美術館(4/27~8/29)
・『生誕120周年 サルバドール・ダリー天才の秘密ー』 諸橋近代美術館(4/20~9/1)
・『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』 森美術館(4/24~9/1)
・『伊藤潤二展 誘惑』 世田谷文学館(4/27~9/1)

ギャラリー

・『ピート・アウドルフのナチュラリスティックガーデン —いのちがめぐる庭』 ギャラリー エー クワッド(4/19~7/11)
・『大木裕之 アブストラクト権化』 ANOMALY(3/16~4/13)
・『第17回 shiseido art egg  野村在展』 資生堂ギャラリー(3/12~4/14)
・『高木由利子 写真展 カオスコスモス 弐 - 桜 -』 GYRE GALLERY(3/1~4/29)
・『TDC 2024 (TOKYO TYPE DIRECTORS CLUB EXHIBITION 2024)』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(4/1~5/15)
・『アピチャッポン・ウィーラセタクン「Solarium」』 SCAI THE BATHHOUSE(3/16~5/25)
・『第17回 shiseido art egg  岩崎宏俊展』 資生堂ギャラリー(4/23~5/26)
・『久保寛子展「鉄骨のゴッデス」』 ポーラ ミュージアム アネックス(4/26〜6/9)
・『開発の再開発 vol. 5 奥村雄樹』 gallery αM(4/13~6/15)
・『MARK LECKEY』 エスパス ルイ・ヴィトン 東京(2/22~8/18)

まずは1920年代のパリで才能を見出されものの、早世した画家夫妻を紹介する展覧会です。千葉市美術館にて『板倉鼎・須美子展』が開かれます。



『板倉鼎・須美子展』@千葉市美術館(4/6~6/16)

1901年に生まれた板倉鼎は、東京美術学校西洋画科に進んだのち、ロシア文学者である昇曙夢の長女須美子と結婚すると、ハワイを経由してパリへと留学しました。そこで夫妻とも油彩画を手がけると、サロン・ドートンヌに入選するなどして評価を得るものの、鼎はわずか28歳という若さにて客死し、さらに須美子もふたりの娘とともに亡くなってしまいました。


この板倉鼎・須美子の画業を顕彰するのが今回の展覧会で、須美子の代表作ともいえる「ベル・ホノルル」シリーズなど、実に約240点もの作品にてパリに生きた洋画家夫妻の軌跡をたどります。

続いては現代美術作家、青山悟の個展です。目黒区美術館にて『青山悟 刺繍少年フォーエバー』が行われます。



『青山悟 刺繍少年フォーエバー』@目黒区美術館(4/20〜6/9)

主に工業用ミシンを用いて作品を制作する青山は、これまで国内外の美術館での展覧会などに参加すると、人間や労働のあり方などを批評的に問いながら、刺繍の枠を超えた作品を発表してきました。

その青山の美術館での初個展が『青山悟 刺繍少年フォーエバー』で、出身地でいまも在住する目黒区内の出身校を描写した初期の作品から新作までが公開されます。

最後は日本で随一のダリ・コレクションを有する美術館からスタートするダリの展覧会です。諸橋近代美術館にて『生誕120周年 サルバドール・ダリー天才の秘密ー』が開かれます。



『生誕120周年 サルバドール・ダリー天才の秘密ー』@諸橋近代美術館(4/20~9/1)


これは1「ダリのペルソナの形成」、2「パリのシュルレアリストとダリ」、3「進化する芸術家 ダリ」の3章構成にて、ダリの生涯を初期から時間を追って紹介するもので、昨年のクラウドファンティングによって修復された『キャバレーの情景』といった2作品も公開(予定)されます。


*諸橋近代美術館(2021年11月に撮影)

また開館25周年を記念する本展は、同館史上初めて開催後に秋田、大分、神奈川、広島などの全国の美術館を巡回します。中世の馬小屋というイメージした美術館の建物をはじめ、磐梯高原の美しいロケーションを誇る同館ならではのダリ展となるかもしれません。

ブログはしばらく不定期での更新となります。それでは今月もよろしくお願いします。
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2024年3月に見たい展覧会【福田平八郎/木村伊兵衛/内房総アートフェス】

今年の冬の関東は暖かい日が多く、私の地元でも河津桜が例年よりも早く見頃を迎えました。



3月は春のシーズンに向けて多くの展覧会がスタートする時期です。今月に見たい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『魅惑の朝鮮陶磁/謎解き奥高麗茶碗』 根津美術館(2/10~3/26)
・『VOCA展2024 現代美術の展望—新しい平面の作家たち—』 上野の森美術館(3/14~3/30)
・『中平卓馬 火—氾濫』 東京国立近代美術館(2/6~4/7)
・『美術家たちの沿線物語 小田急線篇』 世田谷美術館(2/17~4/7)
・『生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真』 東京ステーションギャラリー(2/23~4/14)
・『第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)』 川崎市岡本太郎美術館(2/17~4/14)
・『「シュルレアリスム宣言」100年 シュルレアリスムと日本』 板橋区立美術館(3/2~4/14)
・『生誕150年 池上秀畝—高精細画人—』 練馬区立美術館(3/16~4/21)
・『須藤玲子:NUNOの布づくり』 水戸芸術館(2/17~5/6)
・『花・flower・華 2024 —奥村土牛の桜・福田平八郎の牡丹・梅原龍三郎のばら』 山種美術館(3/9~5/6)
・『春の江戸絵画まつり ほとけの国の美術』 府中市美術館(3/9~5/6)
・『没後50年 福田平八郎』 大阪中之島美術館(3/9~5/6)
・『旧朝香宮邸を読み解く A to Z』 東京都庭園美術館(2/17~5/12)
・『イヴ・ネッツハマー ささめく葉は空気の言問い』 宇都宮美術館(3/10~5/12)
・『ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?—国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ』 国立西洋美術館(3/12~5/12)
・『没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる』 東京都写真美術館(3/16~5/12)
・『ライトアップ木島櫻谷—四季連作大屏風と沁みる「生写し」』 泉屋博古館東京(3/16~5/12)
・『歌舞音曲鑑 北斎と楽しむ江戸の芸能』 すみだ北斎美術館(3/19~5/26)
・『内房総アートフェス』 内房総5市(3/23~5/26)
・『MUCA展 ICONS of Urban Art ~バンクシーからカウズまで~』 森アーツセンターギャラリー(3/15~6/2)
・『遠距離現在 Universal / Remote』 国立新美術館(3/6~6/3)
・『モダン・タイムス・イン・パリ 1925 —機械時代のアートとデザイン』 ポーラ美術館(12/16~2024/5/19)
・『記憶:リメンブランス —現代写真・映像の表現から』 東京都写真美術館(3/1~6/9)
・『第8回横浜トリエンナーレ 野草:いま、ここで⽣きてる』 ヨコハマトリエンナーレ(3/15~6/9)
・『北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画』 SOMPO美術館(3/23~6/9)
・『カール・アンドレ 彫刻と詩、その間』 DIC川村記念美術館(3/9~6/30)
・『ブランクーシ 本質を象る』 アーティゾン美術館(3/30〜7/7)

ギャラリー

・『大木裕之 アブストラクト権化』 ANOMALY(3/16〜4/13)
・『千賀健史個展「まず、自分でやってみる。」』 BUG(3/6~4/14)
・『ポーラ ミュージアム アネックス展 2024 ―表彰と趣意 ―』 ポーラ ミュージアム アネックス(3/15~4/14)
・『第17回 shiseido art egg  野村在展』 資生堂ギャラリー(3/12~4/14)
・『高木由利子 写真展 カオスコスモス 弐 - 桜 -』 GYRE GALLERY(3/1~4/29)
・『アピチャッポン・ウィーラセタクン「Solarium」』 SCAI THE BATHHOUSE(3/16~5/25)
・『MARK LECKEY』 エスパス ルイ・ヴィトン 東京(2/22~8/18)

まずは関西では17年ぶりとなる日本画家の展覧会です。大阪中之島美術館にて『没後50年 福田平八郎』が開かれます。



『没後50年 福田平八郎』@大阪中之島美術館(3/9~5/6)

ここでは『漣』(大阪中之島美術館蔵) や『竹』(京都国立近代美術館蔵) 、『雨』(東京国立近代美術館蔵) といった代表作をはじめ、初期から晩年までの作品約120件以上を展示し、平八郎の画業を紹介します。


また福田平八郎の関係者宅に長年保管されていた作品で、これまで存在を知られていなかった『水』が初めて一般に公開されます。

続いては今年没後50年を迎えた写真家、木村伊兵衛の展覧会です。『没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる』が東京都写真美術館にて行われます。



『没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる』@東京都写真美術館(3/16~5/12)

1901年に東京にて生まれた木村伊兵衛は、文芸諸家のポートレートや東京の街角のスナップショットなどで評価を得ると、広告写真や舞台写真、また秋田の農村をテーマとした作品などを手がけ、日本の写真史に大きな足跡を残しました。


今回の回顧展では一連の写真作品に加え、最近発見された生前最後の個展「中国の旅」(1972-1973)の展示プリントも特別に公開されます。写真ファンにとっても見逃せない内容となりそうです。

最後はこの春、千葉県の内房総地域を舞台に開かれる芸術祭です。『百年後芸術祭-内房総アートフェス-』が開催されます。



『百年後芸術祭-内房総アートフェス-』@内房総5市(3/23〜5/26)

これは総合プロデューサーに小林武史、アートディレクターに北川フラムを迎え、アート、クリエイティブ、テクノロジーの力を融合した、100年後の未来を創っていくための芸術祭と行われるもので、市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の5市を会場にさまざまな作品展示のほか、ライブイベントなどが実施されます。


同地域では過去、市原市において「いちはらアート×ミックス」が開かれてきましたが、さらにエリアを広げて幅広いアートが展開する、新たな広域芸術祭として注目を集めるのではないでしょうか。

一部内容が重なりますが、イロハニアートにも今月のおすすめ展覧会を寄稿しました。

【3月のおすすめ展覧会5選】福田平八郎からカール・アンドレ、そして北欧の絵画まで。 | イロハニアート

それではどうぞよろしくお願いいたします。
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2024年2月に見たい展覧会【池大雅/アブソリュート・チェアーズ/マティス 自由なフォルム】

関東では比較的暖かい年明けとなりましたが、1月の後半からは冬らしい寒空の日が続いています。



2月は意外にも数多くの展覧会が開幕する時期です。今月に注目したい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『恵比寿映像祭2024 月へ行く30の方法』 東京都写真美術館(2/2~2/18)
・『うるしとともに —くらしのなかの漆芸美』 泉屋博古館東京(1/20~2/25)
・『Seed 山種美術館 日本画アワード 2024 —未来をになう日本画新世代—』 山種美術館(2/17~3/3)
・『豊嶋康子 発生法—天地左右の裏表』 東京都現代美術館(12/9~2024/3/10)
・『もじ イメージ Graphic 展』 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2(11/23~2024/3/10)
・『FACE展2024』 SOMPO美術館(2/17~3/10)
・『ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家』 東京オペラシティ アートギャラリー(1/17~3/24)
・『アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウイリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで』 千葉県立美術館(1/30~3/24)
・『四百年遠忌記念特別展 大名茶人 織田有楽斎』サントリー美術館(1/31~3/24)
・『生誕300年記念 池大雅—陽光の山水』 出光美術館(2/10~3/24)
・『魅惑の朝鮮陶磁/謎解き奥高麗茶碗』 根津美術館(2/10~3/26)
・『開館20周年記念展 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために』 森美術館(10/18~2024/3/31)
・『印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵』 東京都美術館(1/27~4/7)
・『円空 —旅して、彫って、祈って—』 あべのハルカス美術館(2/2~4/7)
・『中平卓馬 火—氾濫』 東京国立近代美術館(2/6~4/7)
・『美術家たちの沿線物語 小田急線篇』 世田谷美術館(2/17~4/7)
・『生誕120年 安井仲治 僕の大切な写真』 東京ステーションギャラリー(2/23~4/14)
・『須藤玲子:NUNOの布づくり』 水戸芸術館(2/17~5/6)
・『アブソリュート・チェアーズ』 埼玉県立近代美術館(2/17~5/12)
・『旧朝香宮邸を読み解く A to Z』 東京都庭園美術館(2/17~5/12)
・『マティス 自由なフォルム』 国立新美術館(2/14~5/27)
・『モダン・タイムス・イン・パリ 1925 —機械時代のアートとデザイン』 ポーラ美術館(12/16~2024/5/19)
・『村上隆 もののけ 京都』 京都市京セラ美術館(2/3~9/1)

ギャラリー

・『第1回BUG Art Award ファイナリスト展』 BUG(1/24~2/18)
・『米田知子 氷晶』 シュウゴアーツ(1/13~2/24)
・『横山裕一 アースデイ』 ANOMALY(1/27~2/24)
・『ヴィム・ヴェンダースの透明なまなざし』 N&A アートサイト(2/1~3/2)
・『第17回 shiseido art egg 林田真季展』 資生堂ギャラリー(1/30~3/3)
・『Master of Elegant Simplicity ジョージ ホイニンゲン=ヒューン写真展』 CHANEL NEXUS HALL(2/7 ~3/31)
・『ポーラ ミュージアム アネックス展 2024 —表彰と趣意—(前期)』 ポーラ ミュージアム アネックス(2/9~3/10)
・『ヨシロットン 拡張するグラフィック』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(2/14~3/23)
・『能作文徳+常山未央展:都市菌(としきのこ)—複数種の網目としての建築』 TOTOギャラリー・間
(1/18~3/24)
・『マーク・レッキー 個展「FIORUCCI MADE ME HARDCORE FEAT. BIG RED SOUNDSYSTEM」』 エスパス ルイ・ヴィトン東京(2/22~8/18)

まずは江戸時代中期の京都で活躍した絵師の展覧会です。『生誕300年記念 池大雅―陽光の山水』が出光美術館にて開催されます。



『生誕300年記念 池大雅―陽光の山水』@出光美術館(2/10~3/24)

これは今年生誕300年を迎えた池大雅の画業を、山水画を中心とする代表作を選んで紹介するもので、東京での大雅の本格的な回顧展としては約13年ぶりのことになります。

また大雅の作品のうち、現在3件が国宝、また13件が重文に指定されていますが、展示ではその半数以上に当たる国宝2件、重文8件が出品もされます。さらに戦前に展示されて以来長らく公開されなかった『餘杭幽勝図屏風』といったレアな作品も公開されます。まさに池大雅の回顧展の決定版といえるのではないでしょうか。

続いては戦後から現代までの美術作品における椅子の表現に着目します。埼玉県立近代美術館にて『アブソリュート・チェアーズ』が行われます。



『アブソリュート・チェアーズ』@埼玉県立近代美術館(2/17~5/12)

これは椅子のもつ多様な意味や象徴性を、主に現代アートを通して考察するもので、国内外の平面・立体・映像作品、約70点(作家数28組)が公開されます。


同館は開館時よりデザイン椅子を収集する「椅子の美術館」として知られていますが、端的ないわゆる椅子展ではなく、新しい視点から椅子というテーマを挑むユニークな企画となりそうです。

最後はフランスの画家、マティスの回顧展です。国立新美術館にて『マティス 自由なフォルム』が開かれます。



『マティス 自由なフォルム』@国立新美術館(2/14~5/27)

ここではマティスの画業のうち、後半生において取り組んだ切り紙絵に焦点を当てながら創作世界を紹介するもので、絵画、彫刻、版画、テキスタイルなど約150点の作品が展示されます。


マティスといえば昨年にも東京都美術館にて大規模な回顧展が行われましたが、前回展の内容との違いにも注目が集まるかもしれません。

それでは今月もよろしくお願いいたします。
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2024年1月に見たい展覧会【新版画の沁みる風景/鳥文斎栄之/印象派 モネからアメリカへ】

お正月も三が日を過ぎました。元日に能登半島で最大震度7の地震があり、石川県を中心に大変な被害が発生しています。亡くなられた方々に謹んでおくやみを申し上げるとともに、被災されたすべての方々に心よりお見舞い申し上げます。

この地震の影響により、富山市ガラス美術館は1月8日まで休館し、石川県七尾美術館と金沢21世紀美術館は当面休館することが決まりました。

「令和6年能登半島地震」の影響広がる 金沢21世紀美術館は当面臨時休館、石川県立美術館は予定通り4日開館、富山市ガラス美術館は8日まで休館



また地震の被害状況確認のため2日より臨時休館中の国立工芸館は、少なくとも5日も同じく休館となりました。状況は刻々と変化します。北陸方面の美術館や博物館の開館情報については各館のWEBサイトなどでご確認ください。

*1月5日追記
国立工芸館は1月6日より開館します。一方で富山市ガラス美術館の休館期間が当初の8日から1月14日までに延長されました。

1月に見たい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・『国宝 雪松図と能面×能の意匠』 三井記念美術館(12/8~2024/1/27)
・『今村源 遅れるものの行方展』 水戸芸術館(11/3~2024/1/28)
・『繡と織 華麗なる日本染織の世界』 根津美術館(12/16~2024/1/28)
・『博物館に初もうで』 東京国立博物館(1/2~1/28)
・『ハッピー龍イヤー! ~絵画・工芸の龍を楽しむ~』 静嘉堂文庫美術館(1/2~2/3)
・『「前衛」写真の精神: なんでもないものの変容 瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄』 渋谷区立松濤美術館(12/2~2024/2/4)
・『新版画の沁みる風景―川瀬巴水から笠松紫浪まで』 川崎浮世絵ギャラリー(1/5~2/4)
・『ニューホライズン 歴史から未来へ』 アーツ前橋と前橋市中心市街地(10/14~2024/2/12)
・『魔除け-見えない敵を服でブロック!』 文化学園服飾美術館(12/9~2024/2/14)
・『HAIBARA Art & Design 和紙がおりなす日本の美』 三鷹市美術ギャラリー(12/16~2024/2/25)
・『白井美穂 森の空き地』 府中市美術館(12/16~2024/2/25)
・『うるしとともに —くらしのなかの漆芸美』 泉屋博古館東京(1/20~2/25)
・『サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展』 千葉市美術館(1/6~3/3)
・『マリー・ローランサン —時代をうつす眼』 アーティゾン美術館(12/9~2024/3/3)
・『豊嶋康子 発生法—天地左右の裏表』 東京都現代美術館(12/9~2024/3/10)
・『もじ イメージ Graphic 展』 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2(11/23~2024/3/10)
・『フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築』 パナソニック汐留美術館(1/11~3/10)
・『本阿弥光悦の大宇宙』 東京国立博物館(1/16~3/10)
・『柳宗悦唯一の内弟子 鈴木繁男展 —手と眼の創作』 日本民藝館(1/14~3/20)
・『ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家』 東京オペラシティ アートギャラリー(1/17~3/24)
・『四百年遠忌記念特別展 大名茶人 織田有楽斎』サントリー美術館(1/31~3/24)
・『開館20周年記念展 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために』 森美術館(10/18~2024/3/31)
・『印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵』 東京都美術館(1/27~4/7)
・『建立900年 特別展「中尊寺金色堂」』 東京国立博物館(1/23~4/14)
・『モダン・タイムス・イン・パリ 1925 —機械時代のアートとデザイン』 ポーラ美術館(12/16~2024/5/19)

ギャラリー

・『Daijiro Ohara HAND BOOK』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(12/11~2024/1/31)
・『ダレン・アーモンド Timeline』 SCAI THE BATHHOUSE(11/18~2024/2/10)
・『Tomo Koizumi FUTURE』 YUKIKOMIZUTANI(12/9~2024/2/10)
・『棚田康司展「入って飛ぶ」』 ミヅマアートギャラリー(1/17~2/17)
・『米田知子 氷晶』 シュウゴアーツ(1/13~2/24)
・『横山裕一 アースデイ』 ANOMALY(1/27~2/24)
・『能作文徳+常山未央展:都市菌(としきのこ)—複数種の網目としての建築』 TOTOギャラリー・間
(1/18~3/24)

まずは近年、人気の高まる新版画の展覧会です。川崎浮世絵ギャラリーにて『新版画の沁みる風景―川瀬巴水から笠松紫浪まで』が開かれます。



『新版画の沁みる風景―川瀬巴水から笠松紫浪まで』@川崎浮世絵ギャラリー(1/5~2/4)

ここでは大正初期より制作された新版画の風景画の魅力を紹介するもので、新版画を牽引した川瀬巴水をはじめ、同じく風景画を手がけた笠松紫浪や土屋光逸、または橋口五葉や吉田博らの作品、約90点が公開されます。


チラシ表紙を飾る巴水の『上野清水堂の雪』をはじめとした情緒あふれる新版画を愛でながら、お正月気分を味わうのも良いかもしれません。

続いては浮世絵です。喜多川歌麿と同時期に活躍した浮世絵師、鳥文斎栄之の全貌を紹介します。千葉市美術館にて『サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展』が行われます。



『サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展』@千葉市美術館(1/6~3/3)

これは旗本出身という異色の出自をもちながら、美人画をはじめとした幅広い画題で人気を得た鳥文斎栄之の初期から晩年までの画業を明らかにするもので、ボストン美術館、大英博物館からの里帰り品を含め、錦絵および肉筆画の名品が一堂に公開されます。


実に世界で初めての栄之の回顧展だけに、浮世絵ファンの大きな注目を集めそうです。

ラストはこれまで日本で紹介される機会の少なかったアメリカの印象派に関する展覧会です。『印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵』が東京都美術館にて開かれます。



『印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵』@東京都美術館(1/27~4/7)

アメリカ・ボストン近郊に位置するウスター美術館は、1910年にはモネの『睡蓮』を美術館として世界で初めて購入するなど、1898年の開館当初から同時代の印象派の作品を収集し続けてきました。


そのウスター美術館のコレクションよりモネやルノワールなどのフランス印象派やハッサムといったアメリカ印象派を代表する画家の油彩画約70点を展示するもので、このほかカサット、サージェント、ホーマー、シニャックら40人以上の画家の作品が集結します。

それでは今月もよろしくお願いいたします。
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