『モネ 睡蓮のとき』 国立西洋美術館

国立西洋美術館
『モネ 睡蓮のとき』
2024/10/5~2025/2/11


クロード・モネ『睡蓮』 1916〜1919年頃 マルモッタン・モネ美術館

国立西洋美術館にて『モネ 睡蓮のとき』が開かれています。

その『モネ 睡蓮のとき』の簡単な見どころについて、FIGARO.jpに寄稿しました。

印象派好き必見! 展覧会『モネ 睡蓮のとき』の見るべきポイント7。madameFIGARO_jp


クロード・モネ『睡蓮』 1916〜1919年頃 マルモッタン・モネ美術館

今回のモネ展の最大の特徴は、モネが長年探求してきた睡蓮に焦点を当てていることで、後年の大装飾画に連なる習作を含んだ睡蓮の作品が20点ほど展示されていました。


左:クロード・モネ『睡蓮の池』 1917〜1919年頃 右:クロード・モネ『睡蓮』 1914〜1917年頃 いずれもマルモッタン・モネ美術館

その中でもハイライトといえるのが、マルモッタン・モネ美術館のコレクションを中心とする睡蓮をモチーフとした9点の絵画の展示で、いずれもパリのオランジュリー美術館の展示室をイメージした白い楕円形の空間にて並んでいました。


こうした睡蓮のほかにも、睡蓮に達する前に水辺の景色を描いた作品や、藤やアガパンサス、そしてアイリスなどの花を描いた作品も展示されていて、とりわけ当初、睡蓮の装飾画の上部に帯状装飾として設置することを計画していた『藤』の習作が印象に残りました。

白内障を患い、不確かな視覚にあっても描き続けた晩年の絵画も充実していたかもしれません。アメリカの抽象表現主義を思わせる『日本の橋』や、服喪の象徴とも呼ばれる枝垂れ柳をモチーフとした『枝垂れ柳と睡蓮の池』なども見ごたえがありました。


「3 大装飾画の道」の展示室風景

会期中も「3 大装飾画の道」の展示室のみ撮影ができます。

人気のモネだけあり、会期はじめより土日を中心として入場への待ち時間が発生しています。混雑状況等は『モネ 睡蓮のとき』の公式SNSアカウント(@monet2024_jp)が発信しています。お出かけの際は事前にご確認ください。

展覧会の開催前、FIGARO.jpにて、アンバサダーをつとめる俳優の石田ゆり子さんにインタビューを行いました。あわせてご覧いただければ幸いです。

石田ゆり子が語る、モネとアートとパリと。 madameFIGARO_jp

2025年2月11日まで開催されています。なお東京での展示を終えると、京都市京セラ美術館(2025年3月7日〜6月8日)、および豊田市美術館(2025年6月21日〜9月15日)へと巡回します。

『モネ 睡蓮のとき』@monet2024_jp) 国立西洋美術館@NMWATokyo
会期:2024年10月5日(土)~2025年2月11日(火・祝)
休館:月曜日。10月15日(火)、11月5日(火)、12月28日(土)〜2025年1月1日(水・祝)、1月14日(火)。ただし10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)、2025年1月13日(月・祝)、2月10日(月)、2月11日(火・祝)は開館。
時間:9:30~17:30 
 *金・土曜日は21時まで開館。
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般2300円、大学生1400円、高校生1000円。
 *当日に限り本展の観覧券で常設展も観覧可。
住所:台東区上野公園7-7
交通:JR線上野駅公園口より徒歩1分。京成線京成上野駅下車徒歩7分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅より徒歩8分。
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『彫刻の森美術館 開館55周年記念「舟越桂 森へ行く日」』 彫刻の森美術館

彫刻の森美術館
『彫刻の森美術館 開館55周年記念「舟越桂 森へ行く日」』 
2024/7/26〜11/4



今年3月に亡くなった彫刻家、舟越桂の展覧会が、箱根の彫刻の森美術館にて開かれています。

その『彫刻の森美術館 開館55周年記念「舟越桂 森へ行く日」』の見どころについて、Penオンラインに寄稿しました。

人間とは何かを問い続ける。彫刻家、舟越桂の展覧会が彫刻の森美術館にて開催中|Pen Online

今回の展覧会で公開されているのは、立体22点と平面35点のほか、各種資料などで、あわせて生前の舟越が仕事場としたアトリエの再現展示も行われていました。


クスノキを素材に、等身大の人物像などを制作した舟越は、キャリアを重ねることに作風を変化させていて、性別を感じさせない人物像から山のようなイメージの人物像、さらには両性具有の身体を持った「スフィンクス」のシリーズなど、人間存在を見据えつつも、多様に展開する作品世界をたどることができました。

また舟越が家族のために作り、姉の末盛千枝子によって出版された「おもちゃのいいわけ」に関する展示では、往年のおもちゃとともに、27年ぶりに新版として本に加わった作品なども公開されていて、舟越の創作の意外な一面も伺い知れました。



これらの本館ギャラリーのほかに、別棟のアートホールにて開かれている「彫刻の森美術館 名作コレクション+舟越桂選」も見応えあったかもしれません。



ここでは荻原守衛、朝倉文夫から、ブランクーシ、ジャコメッティ、舟越保武らの作品に加え、舟越が選出した三木俊治や保井智貴、それに名和晃平らの作品が紹介されていました。



また舟越桂、三沢厚彦、杉戸洋、小林正人の4名による共同制作、『オカピのいる場所』も存在感がありました。



「彫刻の森美術館 名作コレクション+舟越桂選」は一部作品を除いて撮影も可能です。



11月4日まで開かれています。

『彫刻の森美術館 開館55周年記念「舟越桂 森へ行く日」』 彫刻の森美術館 本館ギャラリー
会期:2024 年7月26日(金)〜 11月4日(月・休)
休館:なし
時間:9:00~17:00
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般2000円、大学・高校生1600円、中学・小学生800円、未就学児無料。
 *Webチケット割引、団体割引、障害者割引あり。
住所:神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1121
交通:箱根登山鉄道「彫刻の森」駅下車、徒歩2分
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『空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン』 東京ステーションギャラリー

東京ステーションギャラリー
『空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン』 
2024/7/13〜9/23



20世紀後半のベルギーのアーティスト、ジャン=ミッシェル・フォロンの展覧会が、東京ステーションギャラリーにて開かれています。

その『空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン』の見どころについて、Penオンラインに寄稿しました。

「空想旅行エージェンシー」と名乗ったアーティスト、ジャン=ミッシェル・フォロンとは? |Pen Online

今回のフォロン展の特徴は、自ら名刺に「空想旅行案内人」と名乗っていたフォロンの制作を、時系列やジャンルではなく、いくつかのストーリーによって紹介していることで、さまざまな角度からフォロンの作品の奥深さや魅力を味わうことができました。

そのうち作品に登場する「リトル ハット マン」とは、フォロン自身が「私に似たある誰か」であると同時に「誰でもない」という人物で、あたかも空想旅行を誘うかのようにあちこちに描かれていました。

また矢印もフォロンがよく表したモチーフの一つで、同じく作品に頻繁に登場しながら、時に見るものを惑わすかのごとく迷路のように曲がったりしていました。


フォロンの仕事で重要であるのは、環境問題や人権問題などを告発するようなメッセージ性を持った作品を多く手がけていることで、アムネスティ・インターナショナルより依頼された「世界人権宣言」の挿絵も制作しました。

私として特に惹かれたのは、主に後年に制作された地平線や水平線の登場する作品でした。南仏モナコにアトリエを構えたフォロンは、そこから望む景色をインスピレーションの源としていて、七色に染まるような空を鳥が飛ぶ光景などを幻想的に表していました。



出展は初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品などと約230点にも及んでいて、質量ともに不足ありませんでした。まさに回顧展の決定版といえる内容だったかもしれません。

9月23日まで開催されています。

『空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン』 東京ステーションギャラリー
会期:2024年7月13日(土) 〜9月23日(月)
休館:月曜日(ただし7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館)、7月16日(火)。
料金:一般1500円、高校・大学生1300円、中学生以下無料。
時間:10:00~18:00。
 *金曜日は20時まで開館。
 *入館は閉館の30分前まで。
住所:千代田区丸の内1-9-1
交通:JR線東京駅丸の内北口改札前。(東京駅丸の内駅舎内)
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『開館一周年記念 加山又造 ―革新をもとめて』 下瀬美術館

下瀬美術館
『開館一周年記念 加山又造 ―革新をもとめて』 
2024/4/6~6/16


手前は加山又造の『華扇屏風』(山種美術館所蔵)をもとに制作された陶板の複製品

広島県大竹市の下瀬美術館にて、『開館一周年記念 加山又造 ―革新をもとめて』が開かれています。

その見どころと美術館についての紹介をPenオンラインに寄稿しました。

開館1周年! 瀬戸内を望む下瀬美術館で愛でたい、日本画家、加山又造の名品の数々。|Pen Online


左から加山又造『若い白い馬』(1950年頃)、『迷える鹿』(1954年)

今回の展覧会で紹介されているのは、猫をはじめとした動物のシリーズや、師の山本丘人の影響の見られる山岳風景、そして近世の日本絵画や北宋画を参照して生み出した水墨画などで、必ずしもよく知られているとはいえない又造と広島との意外な関係についても明らかにしていました。


加山又造『蒼い日輪』(1959年)

初期の意欲作『蒼い日輪』とは、戦後、先の見えない状況で経済的に苦しい生活を送っていた時期の作品で、自らの不安や心情を痩せ細ったカラスに投影して描きました。


加山又造『黄山雲海』(1995年) 

比較的晩年の『黄山雲海』とは、古来より水墨の題材となった中国の黄山を、自ら現地に取材した経験をもとに制作した作品で、同地の湿潤な空気をぼかしやたらし込み、またエアブラシなどの技法を駆使して見事に表していました。


左:加山又造・金重素山『金銀彩撫子文茶碗』、右『梅花文釘彫皿』(ともに1985年)

このほか、着物の図案や絵付けを行った陶器の展示も充実していたかもしれません。また中島千波や平山郁夫といった日本画家の作品や、又造と交流のあった小磯良平の油彩なども合わせて展示されていました。



下瀬美術館は10棟のヴィラとレストランなどからなる「SIMOSE」の中核施設として建てられたもので、これまでの展覧会にて雛人形や御所人形をはじめ、日本と西洋の近代絵画や西洋工芸など、丸井産業株式会社の代表取締役である下瀬ゆみ子が収集したコレクションが公開されてきました。



水盤の上に浮かぶ8つの可動展示室といった坂茂による建物はもちろん、瀬戸内海に面したロケーションも極めて魅力的といえるのではないでしょうか。



Penの記事では取材時に見学したヴィラについても写真(記事下段のギャラリー欄)にて紹介しました。あわせてご覧いただけると嬉しいです。


6月16日まで行われています。

『開館一周年記念 加山又造 ―革新をもとめて』 下瀬美術館@SimoseMuseum
会期:2024年4月6日(土)~6月16日(日) 
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)
時間:9:30~17:00。
 *入場は16:30まで
料金:一般1800(1500)円、高校生・大学生900(800)円、中学生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体(要予約)および大竹市民。
住所:広島県大竹市晴海2丁目10-50
交通:JR線大竹駅東口よりシャトルバス15分。(運行日程については公式サイトより時刻表を参照)
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『Oita Cultural Expo! '24』 大分県内各地

『福岡・大分デスティネーションキャンペーン』の開催にあわせ、大分県内4地域にて『Oita Cultural Expo! '24』が行われています。



そのうち大分市と別府市にて展開するカルチャーイベントの見どころについて、FIGARO.jpに寄稿しました。

大分の魅力をアートで再発見!「Oita Cultural Expo! '24」の見どころ6選。:madameFIGARO_jp

まずカルチャーイベントとはアーティストらが県内の各地域に滞在し、作品を構想して制作するもので、大分市では木崎公隆と山脇弘道によるアートユニットYotta(ヨタ)、また別府市では栗林隆が作品を公開していました。



Yottaは大分の駅前にて巨大なこけしのバルーン『花子』を展示していて、中心市街地のアーケード街の中ではレトロな車を用いた『金時』と『穀』(たなつ)を並べていました。



『金時』とは実際に焼き芋を販売できる車で、もともとは2010年に行われた「六本木アートナイト」へ出品するために作られました。また『穀』とは大砲のような機械でポン菓子を生み出せる車のことで、突発的にデモンストレーションも行われました。



一方の別府市でカルチャーイベントを手がける栗林隆は、北浜公園にて「Tanker Project」を展開していて、薬草を用いたスチームサウナの『元気炉トリップ』を体験することもできました。



別府八湯のひとつである鉄輪温泉には植物を育てる『植物元気炉』を新たに公開していて、全国各地から集めた多種多様な常緑植物が植えられる光景を見ることができました。



このほかFIGAROの記事では大分県立美術館や街中に広がる「おおいたストリートアート」、また別府市でのマイケル・リンの作品、アート宿泊体験の楽しめるGALLERIA MIDOBARUなどについても紹介しました。



本イベントを企画するYamaide Art Officeの山出淳也は、現在は別々の事業として行われているさまざまな企画を横につなげ、今後は持続可能な芸術祭として、九州全体を視野に入れながら活動を展開していくそうです。



期間中に住民がガイドし、アーティストのアトリエ訪問などを行う散策ツアーや、地域の食文化を体験するバスによる旅、カルチャーツアーに参加するのも楽しいかもしれません。


『Oita Cultural Expo! '24』は6月30日まで開かれています。

「Oita Cultural Expo! '24」
会期:2024年4月1日(月)~6月30日(日)
 *イベントにより異なる
会場:大分県大分市、別府市、佐伯市、臼杵市、竹田市、国東半島(豊後高田市、国東市)
公式サイト:www.oita-cultural-expo.com
Instagram:www.instagram.com/oitacexpo24
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東京国立博物館にて『本阿弥光悦の大宇宙』が開かれています

室町時代末期の京都に生まれた本阿弥光悦は、刀剣鑑定の名門家系だった本阿弥家において優れた目利きの力量をもつと、書の名人としても活躍し、漆芸や陶芸、出版など多様な造形にてマルチに才能を発揮しました。


『本阿弥光悦の大宇宙』会場入口。手前は国宝『舟橋蒔絵硯箱』(本阿弥光悦作 江戸時代・17世紀 東京国立博物館
注:プレス内覧会時に主催者の許可を得て撮影。会期中の特別展示室内は撮影ができません。

その光悦の幅広い業績を紹介するのが『本阿弥光悦の大宇宙』で、展示の見どころについてPenオンラインに寄稿しました。

稀代のマルチクリエイター、光悦の魅力のすべて。特別展『本阿弥光悦の大宇宙』が開催中!|Pen Online

まず今回の最大の見どころは光悦にまつわる作品を極めて網羅的に集めていることで、光悦蒔絵の代表作の『舟橋蒔絵硯箱』をはじめ、光悦の唯一の指料と伝わる『短刀 銘 兼氏 金象嵌 花形見』などの刀剣、さらに『黒楽茶碗 銘 時雨』といった光悦茶碗など110件を鑑賞することができました。



また光悦自身が熱心な法華信徒であったことにも着目していて、光悦の信仰のあり方と当時の社会状況との関わりを踏まえながら、どのように作品を生み出していったのかについても検証していました。

このほか『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』といった長大な絵巻も一度にすべて公開されているのも嬉しいかもしれません。


白楽、赤楽、黒楽の名品が暗がりの独立ケースの中に浮かび上がる、ラストの茶碗の展示も大変に充実していました。

この規模で光悦の業績を検証する展覧会はしばらく望めないかもしれません。質量ともに決定版ともいえる光悦展でした。なお会期中に一部作品の展示替え、場面替えが行われます。詳しくは東京国立博物館のWEBサイトより出品リストをご確認ください。

3月10日まで開催されています。

『特別展「本阿弥光悦の大宇宙」』@koetsu2024) 東京国立博物館・平成館 特別展示室(@TNM_PR
会期:2024年1月16日(火)~3月10日(日)
休館:月曜日。2月13日(火) 。ただし、2月12日(月・休)は開館。
時間:9:30~17:00
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般2100円、大学生1300円、高校生900円、中学生以下無料。
 *当日に限り総合文化展も観覧可。
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR線上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分。
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2024年上半期に見たい展覧会5選

2024年を迎え、WEBメディアや美術雑誌などを中心に、今年の注目の展覧会の特集が多く組まれています。そのうち1月から6月の上半期に見ておきたい展覧会をPenオンラインに寄稿しました。



Penが選んだ、2024年上半期「必見の展覧会」5選|Pen Online

取り上げた展覧会は以下の5展です。

1.あべのハルカス美術館開館10周年記念『円空ー旅して、彫って、祈ってー』@あべのハルカス美術館
2.『京都市美術館開館90周年記念展 「村上隆 もののけ 京都」』@京都市京セラ美術館新館 東山キューブ【2/3〜9/1】
3.『ブランクーシ 本質を象る』@アーティゾン美術館【3/30~7/7】
4.『生誕120周年 サルバドール・ダリー天才の秘密ー』@諸橋近代美術館【4/20~9/1】
5.『デ・キリコ展』@東京都美術館【4/27~8/29】


このほかにも今年の上半期に期待したい展覧会がいくつもあります。そこで「Pen」にて取り上げられなかったものの中で、年末までに開催される展覧会をいくつかピックアップしてみました。(巡回展を含みます)

・『特別展「本阿弥光悦の大宇宙」』 東京国立博物館 2024年1月16日(火) ~3月10日(日)
・『印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵』 東京都美術館 2024年1月27日(土)~4月7日(日)
・『建立900年 特別展「中尊寺金色堂」』 東京国立博物館 2024年1月23日(火)~ 4月14日(日)
・『中平卓馬 火―氾濫』 東京国立近代美術館 2024年2月6日(火)~ 4月7日(日)
・『マティス 自由なフォルム』 国立新美術館 2024年2月14日(水) ~ 5月27日(月)
・『カール・アンドレ 彫刻と詩、その間』 DIC川村記念美術館 2024年3月9日(土) ~ 6月30日(日)
・『没後50年 福田平八郎』 大阪中之島美術館 2024年3月9日(土) ~5月6日(月・休)
・『ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?』 国立西洋美術館 2024年3月12日(火)~5月12日(日)
・『第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで⽣きてる」』 横浜美術館 2024年3⽉15⽇(⾦)~6⽉9⽇(⽇)
・『北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画』 SOMPO美術館 2024年3月23日(土)〜6月9日(日)
・『大吉原展 江戸アメイヂング』 東京藝術大学大学美術館 2024年3月26日(火) 〜5月19日(日)
・『ホー・ツーニェン エージェントのA』 東京都現代美術館 2024年4月6日(土)~ 7月7日(日)
・『蜷川実花展 with EiM:儚(はかな)くも煌(きら)めく境界』 弘前れんが倉庫美術館 2024年4月6日(土)~9月1日(日)
・『宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO』 東京オペラシティ アートギャラリー 2024年4月11日(木)〜6月16日(日)
・『特別展「雪舟伝説―「画聖(カリスマ)」の誕生―」』 京都国立博物館 2024年4月13日(土)~5月26日(日)
・『生誕1250年記念特別展 空海 KŪKAI―密教のルーツとマンダラ世界』 奈良国立博物館 2024年4月13日(土)~6月9日(日)
・『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション』 東京国立近代美術館 2024年5月21日(火)~8月25日(日)
・『フィリップ・パレーノ展(仮)』 ポーラ美術館 2024年6月8日(土)~ 12月1日(日)

なお会期の変更などが行われる場合があります。最新の開館状況については各美術館のWEBサイトにてご確認ください。
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DIC川村記念美術館にて『ジョセフ・アルバースの授業』が開かれています

ドイツに生まれ、バウハウスに学んだジョセフ・アルバース(1888〜1976年)は、画家、デザイナー、そして美術教師として活動すると、アメリカではブラックマウンテン・カレッジとイェール大学にて教鞭をとり、戦後のアメリカの重要な芸術家たちを育てました。



そのアルバースの日本初の回顧展が『ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室』で、展示の内容や見どころについてPenオンラインに寄稿しました。

バウハウスで活躍したジョセフ・アルバースの全貌に迫る、日本初の回顧展がDIC川村記念美術館にて開催中|Pen Online

まず今回の回顧展で重要なのは、画家としてのアルバースだけでなく、教育者としての活動にも焦点を当てていることで、アルバースの実験的な授業を捉えた写真や映像、それに学生の作品も展示されていました。

また「アルバースの授業に挑戦!」と題し、アルバースの出した課題に挑戦できるワークショップ・スペースも設けられていて、実際に紙などを手にして取り組むこともできました。

会場ではジョセフ&アニ・アルバース財団の協力のもと、国内初公開作品を含む絵画や関連資料など約100点が並んでいて、「正方形讃歌」シリーズから集大成の版画集「フォーミュレーション:アーティキュレーション」も目にすることができました。


こうした代表作とともに「リーフ・スタディ」など、アルバース本人が自らの課題に取り組んだ作品も興味深かったかもしれません。またコレクション展でも本展にあわせて「色彩と知覚:ジョセフ・アルバースと関連収蔵作品」が行われていて、アルバースの『斜接正方形』が展示されていました。



11月5日まで開催されています。*冒頭の展示パネルは内覧会の際に撮影しました。

『ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室』 DIC川村記念美術館@kawamura_dic
会期:2023年7月29日(土)~11月5日(日)
休館:月曜日(ただし9月18日、10月9日は開館)。9月19日(火)、10月10日(火)
時間:9:30~17:00(入館は16時半まで)
料金:一般1800円、学生・65歳以上1600円、高校生以下無料。
 *コレクション展も観覧可。
住所:千葉県佐倉市坂戸631
交通:京成線京成佐倉駅、JR線佐倉駅下車。それぞれ南口より無料送迎バスにて30分と20分。東京駅八重洲北口より高速バス「マイタウン・ダイレクトバス佐倉ICルート」にて約1時間10分。(一日一往復)
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2023年下半期に見たい展覧会5選

今年も残すところ半年となりました。7月から12月にかけてはじまる展覧会のうち、注目したい展覧会についてPenオンラインに寄稿しました。



「Pen」が選んだ、2023年下半期「必見の展覧会」5選|Pen Online

ここで取り上げたのは以下の5展です。(会期順)

1.『デイヴィッド・ホックニー展』@東京都現代美術館【7/15〜11/5】
2.『生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ』@青森県立美術館【7/29〜9/24】
3.『ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン』@アーティゾン美術館【9/9~11/19】
4.『イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル』@国立新美術館【9/20~12/11】
5.『パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ』@国立西洋美術館【10/3~2024/1/28】


この他にも今年の下半期に期待したい展覧会がいくつもあります。そこで「Pen」にて取り上げられなかったものの中で、年末までに開催される展覧会をいくつかピックアップしてみました。(巡回展を含みます)

・「民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある」 大阪中之島美術館 2023年7月8日(土)〜9月18日(月祝)
・「テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ」 国立新美術館 2023年7月12日(水) ~10月 2日(月)
・「シン・ジャパニーズ・ペインティング 革新の日本画 横山大観、杉山寧から現代の作家まで」 ポーラ美術館 2023年7月15日(土)~2月3日(日)
・「虫めづる日本の人々」 サントリー美術館 2023年7月22日(土)~9月18日(月・祝)
・「ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室」 DIC川村記念美術館 2023年7月29日(土) 〜11月5日(日)
・「インド細密画の世界(仮)」 府中市美術館 2023年9月16日(土)〜11月26日(日)
・「井田幸昌展 Panta Rhei | パンタ・レイ― 世界が存在する限り」 京都市京セラ美術館 2023年9月30日(土)~12月3日(日)
・「ホンマタカシ(仮)」 東京都写真美術館 2023年10月6日(金)〜2024年1月21日(日)
・「特別展 生誕270年 長沢芦雪」 大阪中之島美術館 2023年10月7日(土)~12月3日(日)
・「京都画壇の青春―栖鳳、松園につづく新世代たち」 京都国立近代美術館 2023年10月13日(金)~12月10日(日)
・「ゴッホと静物画 伝統から革新へ」 SOMPO美術館 2023年10月17日(火)〜2024年1月21日(日)
・「モネ 連作の情景」 上野の森美術館 2023年10月20日(金)~2024年1月28日(日)
・「やまと絵-受け継がれる王朝の美-」東京国立博物館  2023年10月11日(水) ~12月3日(日)

なお会期の変更などが行われる場合があります。最新の開館状況については各美術館のWEBサイトにてご確認ください。
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東京都写真美術館にて『本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語』が開かれています

日仏を代表する写真家である本橋成一とロベール・ドアノーは、生まれた時代や地域こそ異なるものの、炭鉱、サーカス、市場といった同じテーマによるルポルタージュを残しました。



その本橋とドアノーの写真を紹介するのが『本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語』で、展示の見どころなどについてPenオンラインに寄稿しました。

日仏のふたりの写真家が見つめた市井の人々。『本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語』展|Pen Online

今回の展覧会ではふたりの写真家の作品を「劇場と幕間」、「街・劇場・広場」、「人々の物語」などのテーマに分けて紹介していて、例えば「街・劇場・広場」ではドアノーの捉えたレ・アール市場と本橋の築地市場の写真を見比べることができました。



ともにヒューマニズム写真家である本橋とドアノーは、常に市井の人々に寄り添い、共感をもって写し出していて、そこには厳しい社会の中で翻弄されつつも、慎ましく、また懸命に生きる人たちの誇りや輝きが表されているかのようでした。

このほか、ドアノーが晩年にパリ郊外をカラーで撮影した写真も見どころだったかもしれません。また本橋では2022年に奈良美智のアトリエを写した近作も公開されていました。


出品数は本橋125点、ドアノー111点の計236点と充実していて質量ともに不足がありません。なお本橋の『沖縄 与那国島』の11点、および『家族写真』の9点は美術館では初めての公開となります。


9月24日まで開催されています。

『本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語』 東京都写真美術館@topmuseum
会期:2023年6月16日(金)~9月24日(日)
休館:月曜日。(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)
時間:10:00~18:00
 *木・金曜日は20時まで。ただし7/20〜8/31の木・金は21時まで。
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般800(640)円、学生640(510)円、中高生・65歳以上400(320)円。
 *( )は20名以上の団体料金。
 *7月20日(木)〜8月31日(木)の木・金曜日の17:00〜21:00はサマーナイトミュージアム割引:学生・中高生無料、一般・65歳以上は団体料金。
場所:目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
交通:JR線恵比寿駅東口より徒歩約7分。東京メトロ日比谷線恵比寿駅より徒歩約10分。
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太田記念美術館にて『ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画』が開かれています

3歳にて来日し、生涯を日本で送った画家、ポール・ジャクレー(1896〜1960年)は、ミクロネシアの島々や朝鮮、また中国などにたびたび滞在すると、同地の人々の暮らす様子を版画に表現しました。



そのジャクレーの版画を紹介するのが『ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画』で、画家のたどった軌跡と見どころについてWEBメディアのイロハニアートへ寄稿しました。

ポール・ジャクレーの新版画、華やかな色彩の世界への招待。@太田記念美術館 | イロハニアート

今回の展覧会の最大の特徴は、ジャクレーが手がけた全162点の新版画を前期と後期に分けてすべて紹介されることで、軽井沢町追分宿郷土館で開催された『軽井沢を愛したフランス人浮世絵師 ポール・ジャクレー全木版画展』(2021年)以来、首都圏では初めてのこととなります。

ジャクレーが最初の新版画を制作したのは38歳の時のことで、それから自らが彫師と摺師を指揮する私家版の手法にて独自の芸術性を追求しつつ、作品を世に送り出しました。



仕事に対して厳格であったジャクレーは、工房でも彫師や摺師のそばを離れることなく、版画制作の工程に目を光らせていて、使用する絵具や摺りの仕上がりにもこだわりを見せていました。

そして時に200回以上も摺りを重ねて作られた版画は、赤や水色、黄色や紫などの瑞々しい色彩を魅力としていて、衣服の細かな紋様なども実に精緻に象られていました。



私も早速初日に会場へ出向き、作品を目にしましたが、その色彩美に魅せられるとともに、顔のあごや細い指先などを表す滑らかでかつ艶やかな線にも大いに心を惹かれました。


改めて展示替えの情報です。会期中、前後期において作品がすべて入れ替わります。

『ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画』
前期:6月3日(土)〜6月28日(水)
後期:7月1日(土)〜7月26日(水)

なお会期中、2回目以降を観覧する場合は、半券の提示にて割引(200円引)となります。

7月26日まで開催されています。

『ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画』 太田記念美術館@ukiyoeota
会期:2023年6月3日(土)〜7月26日(水)
 *前期:6月3日(土)〜6月28日(水)、後期:7月1日(土)〜7月26日(水)
 *前期と後期で全点入れ替え
休館:月曜日、6月29日~6月30日(展示替えのため)。
時間:10:30~17:30(入館は17時まで)
料金:一般1000円、大・高生700円、中学生以下無料。
住所:渋谷区神宮前1-10-10
交通:東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅5番出口より徒歩3分。JR線原宿駅表参道口より徒歩5分。
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東京都美術館にて『マティス展』が開かれています

20世紀を代表するフランスの芸術家、アンリ・マティスは、フォーヴィスムの画家として活躍すると、絵画のみならず、彫刻、切り紙絵、また建築プロジェクトといった幅広い分野に業績を残しました。


『赤いキュロットのオダリスク』 1921年秋 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館

そのマティスの芸術の仕事を紹介するのが『マティス展 Henri Matisse: The Path to Color』で、展示の見どころや内容についてイロハニアートへ寄稿しました。

色彩に満ちた芸術の世界へようこそ。東京都美術館にて『マティス展』が開催中! | イロハニアート


『グルーゴー男爵夫人の肖像』 1924年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館

まず今回の展覧会の特徴は、マティスが芸術家としてたどった足跡をほぼ年代順にて追っていることで、第1章の「フォーヴィスムに向かって」(1895年〜1909年)から第8章「ヴァンス・ロザリオ礼拝堂」(1948年〜1951年)へと至る8つの章にて構成されていました。


『夢』 1935年5月 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館

作品の多くは世界最大規模のマティスコレクションを誇るパリ、ポンピドゥー・センターのコレクションで、フォーヴィスムの夜明けを告げたとされる初期の傑作『豪奢、静寂、逸楽』が日本で初めて公開されました。


『黄色と青の室内』 1946年 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館

第6章の「ニースからヴァンスへ」が1つのハイライトをなしていたかもしれません。1943年、マティスは第二次世界大戦によってニースから近郊の街のヴァンスへと移ると、「夢」荘に居を構え、のちに画文集『ジャズ』として出版される切り紙絵の連作を制作しました。


『赤の大きな室内』 1948年春 ポンピドゥー・センター/国立近代美術館

そして1946年には最後の油彩連作である、「夢」荘と庭を主題とした「ヴァンス室内画」を描きはじめていて、展示でもシリーズ1作の『黄色と青の室内』と最終作である『赤の大きな室内』をあわせて見ることができました。

このほか、最晩年にマティスが手がけたロザリオ礼拝堂のためのプロジェクトの資料やドローイングなども見どころといえるかもしれません。


『マティス展』会場風景

会場内の一部のフロアの撮影が可能でした。


日時指定予約制が導入されました。現在のところ当日券も販売されていますが、国内では20年ぶりの大規模回顧展ということもあり、今後、夏休みに向けて混雑してくるかもしれません。チケットの発売状況などは事前に公式アカウント(@matisse2023)にてご確認ください。

国内での巡回はありません。8月20日まで開催されています。

『マティス展 Henri Matisse: The Path to Color』@matisse2023) 東京都美術館@tobikan_jp
会期:2023年4月27日(木)~8月20日(日)
時間:9:30~17:30
 *金曜日は20時まで開館
 *入館は閉館の30分前まで。
休館:月曜日、7月18日(火)。ただし、5月1日(月)、 7月17日(月・祝)、 8月14日(月)は開室。
料金:一般2200円、大学生・専門学校生1300円、65歳以上1500円、高校生以下無料。
 *オンラインでの日時指定予約制。
住所:台東区上野公園8-36
交通:JR線上野駅公園口より徒歩7分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅7番出口より徒歩10分。京成線上野駅より徒歩10分。
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クリエイションギャラリーG8にて『JAGDA新人賞展2023』が開かれています

日本グラフィックデザイン協会の年鑑『Graphic Design in Japan』の出品者より、39歳のグラフィックデザイナーに授与される『JAGDA新人賞』の展覧会が、東京・銀座のクリエイションギャラリーG8にて開かれています。



その『JAGDA新人賞展2023』の内容や見どころについて、Penオンラインに寄稿しました。

デザインの未来を切り拓く、新たな扉が開かれる。『JAGDA新人賞展2023』が開催中!|Pen Online

第41回目となる2023年度の『JAGDA新人賞』に選ばれたのは、石塚俊、藤田佳子、矢後直規で、会場では3名のポスターやプロダクトなどを中心に、受賞作品や近作などが紹介されていました。


『サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場』 2022年 AD+D:藤田佳子

そのうちサントリーの『水と生きる』の新聞広告で『ADC賞』(2020〜2021年度)を受賞した藤田佳子は、金沢のホテル『香林居』や『サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場』のブランディングなどを展示していて、すでに各方面にて活動の幅を広げているようすを見ることができました。


『JAGDA新人賞展2023』 矢後直規 作品展示風景

ラフォーレ原宿の広告やJALグループのLCC「ZIPAIR」のコンセプト開発も行った、矢後直規の仕事も魅力的といえるかもしれません。


Echo after Echo:仮の声、新しい影 2019年 他 AD+D:石塚俊

2019年に東京都現代美術館にて開かれた『Echo after Echo:仮の声、新しい影』のポスターのポスターも目を引きました。


香林居 2021年 AD+D:藤田佳子

ゴールデンウィークのお休み(4月29日〜5月7日)が終わり、5月8日より展示が再開しました。


5月27日まで開催されています。

『JAGDA新人賞展2023 石塚俊・藤田佳子・矢後直規』 クリエイションギャラリーG8@g8gallery
会期:2023年4月18日(火)~5月27日(土)
休館:日曜、4月29日(土)~5月7日(日)
時間:11:00~19:00
料金:無料。
住所:中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F
交通:JR線新橋駅銀座口、東京メトロ銀座線新橋駅5番出口より徒歩3分。
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現代美術家、松山智一のキュレーションによる展覧会がKOTARO NUKAGAにて開催中です

東京・六本木のKOTARO NUKAGAにて、松山智一とアメリカのカルロス・ロロンがキュレーションを担った現代美術展が開かれています。


左:カンディダ・へーファー『Bibliotheque du CNAM Paris II 2007』 2007年 右:セイヤー・ゴメス『(To Be Titled)』 2022年

その『ながくとも四十に足らぬほどにて死なんこそめやすかるべけれ(Die Young, Stay Pretty) 』の見どころについて、Penオンラインに寄稿しました。

現代美術家、松山智一がキュレーション!KOTARO NUKAGAで生まれるアートの新たなケミストリー|Pen Online

今回の展示に参加したのは、松山とロロンを含む国内外9名のアーティストで、絵画や立体、写真や平面のコラージュなどさまざまな作品が並んでいました。


左:フーマ・ババ『Untitled』 2015年 右正面:マリリン・ミンター『Food Porn #60』 1990年 右下:エルヴィン・ヴルム『Glory(Semmel、Brotleib)』 2021年

タイトルの『ながくとも四十に足らぬほどにて死なんこそめやすかるべけれ』とは、『徒然草』の第七段より引用されたもので、現代訳にして「死ぬことがないならば、⼈⽣の深い感動は⽣まれてくるはずもない。やはり、⼈間の命ははかないほうが断然いい。」を意味する無常観が、アーティストの表現行為と合い通ずるとして名付けられました。(英訳はロロンによる)


左:松山智一『Home Salvation Toner』 2022年 右:フーマ・ババ『Untitled』 2015年

松山の『Home Salvation Toner』では、古典絵画やカルチャー誌、伝統的模様や日用品などのさまざまなモチーフがないまぜになるように表現されていて、美と醜や過去と現在などが1つの世界として構築されていました。


エルヴィン・ヴルム『Sigmund Freud’s Birth House』 2019年

十和田市現代美術館のまちなか常設展示の「太った家」で知られる、エルヴィン・ヴルムの立体も興味深かったかもしれません。


エルヴィン・ヴルム『ファット・ハウス』 *十和田市現代美術館のまちなか常設展示より

国際色豊かな作家らの作品によって、最先端のアートシーンを垣間見ることができました。


4月28日まで開催されています。

『ながくとも四十に足らぬほどにて死なんこそめやすかるべけれ(Die Young, Stay Pretty) 』 KOTARO NUKAGA 六本木
会期:2023年3月9日(木)~4月28日(金)
休廊:日、月、祝日。
料金:無料。
時間:11:00~18:00
住所:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル2F
交通:東京メトロ日比谷線、都営大江戸線六本木駅3番出口より徒歩約3分。
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国立新美術館にて『ルーヴル美術館展 愛を描く』が開かれています

フランス・パリのルーヴル美術館のコレクションより「愛」をテーマとした作品を紹介する展覧会が、国立新美術館にて開かれています。


フランソワ・ジェラール『アモルとプシュケ』、または『アモルの最初のキスを受けるプシュケ』 1798年

その『ルーヴル美術館展 愛を描く』の見どころについて、イロハニアートへ寄稿しました。

『ルーヴル美術館展 愛を描く』をより楽しむ!見どころレポート | イロハニアート

まず今回の展覧会では「愛」の概念をいくつかのかたちに分けて紹介していて、まず最初の第1章「愛の神のもとに」ではギリシア・ローマ神話における愛を描いた作品を展示していました。

これに続くのが第2章「キリスト教の神のもとに」で、古代神話の愛とは対照的に、子が親を敬う愛の孝心といった、愛する者のために自分を犠牲にする愛の諸相を表した作品が並んでいました。お馴染みの「聖母子」や「聖家族」などのモチーフも目立っていたかもしれません。

18世紀フランス絵画の至宝、ジャン=オノレ・フラゴナールの『かんぬき』が26年ぶりの来日を果たしました。ここでは暗い寝室の中、男性が部屋のかんぬきをかけつつ、女性を抱き寄せるようなすがたを見せていて、一方の女性は男性から目を逸らしつつ、困惑とも陶酔とも受け止められるような複雑な表情をしていました。

いわゆる愛の戯れを表しつつ、道徳的警告が込められているともされていて、エロティシズムと緊張感が同時に示されたような画面に大きく引き込まれました。また見方によれば女性が男性の顔を払い除けようとしつつ、かんぬきを開けて外に出ようとしているようにも思えるかもしれません。


クロード=マリー・デュビュッフ『アポロンとキュパリッソス』 1821年

ラストの第4章「19世紀フランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇」では、ロマン主義の画家の作品が並んでいて、悲劇の愛がドラマティックに表されるようすを見ることができました。*第4章のみ会期中も撮影可。本エントリの写真も第4章における展示作品。


ウジェーヌ・ドラクロワ『アビドスの花嫁』 1852〜1853年頃

混雑緩和のため事前予約制(日時指定券)が導入されました。会期中、当日券も発売されますが、各枠入場時間の予定枚数に達し次第、販売が終了となります。


6月12日まで開催されています。なお東京での会期を終えると、京都市京セラ美術館へと巡回します。*会期:2023年6月27日(火)~9月24日(日)

『ルーヴル美術館展 愛を描く』@love_louvre2023) 国立新美術館@NACT_PR
会期:2023年3月1日(水) ~6月12日(月)
休館:火曜日。ただし3月21日(火・祝)・5月2日(火)は開館し、3月22日(水)は休館。
時間:10:00~18:00
 *毎週金・土曜日は20:00まで
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般2100円、大学生1400円。高校生1000円。中学生以下無料。
 *事前予約制(日時指定券)を導入。
住所:港区六本木7-22-2
交通:東京メトロ千代田線乃木坂駅出口6より直結。都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩4分。東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩5分。
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