2014.2.1(土)晴れ
塚穴、塚穴道、モガリバなど直接的な地名もある、澤氏が言うようなアシ、イヤ地名など拾うと枚挙に暇がない。このことは忌み嫌われて疎まれると思いがちな墓地地名が実は普通に、むしろ積極的につけられていると考えてもいいのではないだろうか。それは前述したように墓場の固定性にあり、古代から今日までほぼ同じ場所にあり、場所を表す地名のもっとも適したものだと考える。
また、墓地地名の忌避性というか、嫌がられるという傾向は今日のように人々が様々なところに居住するようになったことと、それに伴って土地の売買や開発が行われるようになってきたからではないだろうか。
近世以前のように村に一定の人々が居住し、農耕を続けている時代に、その居住地や田畑が「墓の下」などという地名になっていたとして何の不都合があろうか。その土地を売ろうか、その土地に分譲地を作ろうかというような時代になって始めて、この地名ではまずいなと考えるようになったのではないか。元々の墓地、葬地であったところが、随分おしゃれな地名になって売り出されている例を誰もが知っている。
という風に考えると、無所という地名を嫌って虫になったというのは考えにくいこととなる。
では綾部、福知山でムショという地名はどうなんだろう。小字で見る限り皆無なのである。これは実に意外だったのだが、調査範囲を三和町、夜久野町、大江町(いづれも現福知山市)に拡げたところムショノ本(三和町上川合)無所ヶ花(夜久野町末)の二個所が見つかった。
三和町上川合の我が家のお墓、かつては土葬で手前の土の部分に埋葬され土饅頭が築かれていた。石塔は山手に列んでおり、これも一種の両墓制ということである。ムショノ本という地名は調べてみないと解らない。
ムショが変化した可能性があるのが次の通りである。
武者ヶ谷(福知山市堀)
六畝ノ元(三和町菟原中)
無世尾山(綾部市八津合町)
ムセガ谷(舞鶴市青井)
また、虫地名の例も一部紹介しておこう。
虫田(綾部市西方町)
虫ヶ端(福知山市下野条)
虫蔵(夜久野町畑)
虫ノ倉(大江町天田内)
穴虫も岩滝町男山(現与謝野町)に発見、ほとんどが地図上で確認できないので今後の現地訪問に期待したい。つづく
【今日のじょん】昨日1月のシャンプーをした。体重は18.8Kg、昨年より400gアップだが許容範囲で合格。写真を見ればフカフカ感がおわかりだろう。