晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

睦志のこと(13) 穴虫-19 2/15

2014-02-15 | 上林地名考

2014.2.15(土)雨 睦志のこと(12)は2014.2.11

 穴虫の語源を探究するとき、やはり穴と虫に分けて考えてみるのも一つの方法だと思う。
 地名語源といえば、鏡味完二氏の地名語源辞典をひいてそれで終わりという文をよく見るが、ウィキペディアで卒論を書くよりもレベルが低い。鏡味氏の「地名の語源」は地名研究者のバイブル的な本で、地名に関しての理論付けもさることながら、地名や地名語源の調べ方について懇切丁寧に書かれている。そして本書の巻末に地名の語源という辞典が付いているのである。鏡味氏はこの辞書の使い方について、次のように書いている。
 
この本は短時間で読んでしまうわけにゆかないから、いそがしい人々は、第二章「どうして研究したらよいか」をまず読んでから、すぐ付録の「日本地名小辞典」を用いて、必要な地名を調べるようにしていただきたい。そしてひまひまに、他の各章をに及んでいただければよい。(「日本の地名」、「地名の語源」の元になったもの)
P1020334
 

日本の地名」と「地名の語源」基本的には同じ内容である。

 現実にはアマチュアの地名研究者はあまりにも忙しかったせいか、他の各章どころか第二章も読まずに、もちろん地名に関する研究、探究をすることなく辞書の部分だけを見て、地名の語源を確定してしまっている。
 アマチュアだけでなくプロの学者であっても、自らの学説の正当性を鏡味氏の「地名の語源」にあるからという言葉で示しているケースをよく見る。
 「地名の語源」はあらゆる研究を尽くして、こういう結果もあるよと言う一例だと思うのだ。従ってこれを一般的な辞書のように使うのは大変危うい。例えば、これから調べてゆく穴地名についてみれば、次のようにある。
 
アナシ (1)鉱山・鍛冶業者(2)風神、北西風の強いところ。〔穴師・穴無・痛足(アナシ)・安師(アナシ)阿那志〕

 なぜ鉱山・鍛冶業者なのか、なぜ風神なのか一切説明が無い。また各地名についてもどこに在るのか書かれていない。これでは辞書としては不備であり、これ一冊で地名の語源が解るというものではない。前段の各章を読んで、鏡味氏の言わんとされていることを理解した上で使用すべきであろう。随分横道にそれてしまったが、いよいよ穴地名について調べていきたい。
P1020333 つづく


地名を調べる際に使う辞典類、もっと欲しいがこの種のものは値段が高くて手に入らない。

【今日のじょん】
 昨日「少々の雪でおおさわぎするなイ」と書いてごめんなさい。関東などびっくりするような積雪があったそうだ。甲府の米越えなどはさぞかし驚かれたことだろう。雪の備えのないところには20cmでも大変だろうし、映像を見るとズック、軍手で雪かきをしておられるのには気の毒になった。
 さてじょん君は久々のレインコートとなっている。雨より雪がいいと言ったら関トーの人には怒られるかな。
P1020332  

コメント
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