2015.3.7(土)雨 続・草壁川沿いの岩石の正体は?
その前に13年3月3日に鳥垣の坂尾呂神社下で見つけた、鉱滓かもしれない灰色の妙な石を鑑定していただく。これは薪をいただいている際に偶然見つけたものだが、清水の鋳物師による鋳物滓が存在する以外の流域で見つけた初めての鉱滓かもしれないという期待感がある代物である。磁性があるので火山性の岩石かも知れない、それならば誰かが火山のある観光地にでも出かけて、めずらしい形なので拾ってきたという可能性もある。何しろごろごろあるわけでなく、ただひとつ転がっていただけであるし、場所も住宅の裏庭のようなところだからだ。それにしても奇妙な形をしている。
しげしげと眺めておられた先生、「どうも玄武岩のようですね」。
そういえば玄武洞の玄武岩も弱い磁性があった。しかし色といい形といい玄武洞のものとは全然違うのだ。
「先生割ってみてもいいですよ」「いいのですか」先生が何でも割ってみられるのを知っているからそう言ったのだが、鉱滓でなければわたしにとって何の価値も無いわけである。火山性の石なら多分柔らかい凝灰岩だろうと思っていたのですぐに粉々になると思っていたが、意外と硬いようだ。割れた断面をルーペで観察されていた先生、「やはり玄武岩でしょうね、きらきらしているのが長石ですよ」なるほど風化によっては玄武岩もこうなるんだ。
割られた玄武岩とマグマの固まった石。
次に本命の岸上さん持ち込みの石である。割って砕いてもいいですよと言われていたが、割る必要も無かった。「溶岩が固まったものですね。この方向に流れてきて、固まったものでしょう。細かい穴は気泡です。」
「これは草壁川支流のモリ谷の上流で見つかったもので、どこかから持ち込まれたという可能性はありません。付近に火山があったと言うことですか」
正面のV字状の谷がモリ谷ということだ。(庄から)
「どこから来たかということは解りませんが、地質図を見ると上流域に輝緑凝灰岩の層があります。火山活動があった可能性はあるかもしれません」
いやあ驚きである、そういえば鳥垣渓谷の米岩(こめいわ)は角礫凝灰岩(かくれきぎょうかいがん)だそうで、これも火山の痕跡と言えるのだろう。それはそれでロマンなんだけど、上林川の鉱滓探しはまたしても振り出しに戻った。
小滝先生にはすっかりお世話になり、他にもいっぱい判明した事柄もあるのだけれど、それらはまた他のところで公表したい。
【今日のじょん】先日も言ってたのだが、とみに自己主張がきつくなってきた。今朝も近所の家の周囲に行きたくて頑として動かない。あまりそのとおりにしていると良くないようだが、一カ所ぐらいは行かせてやろうとすると、他所の家の裏庭まで入ってしまう。冒険心があるのだろうか。
帰らんといって踏ん張るチータ。