晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

あなしら上林-7 3/10

2015-03-10 | あなしら上林

2015.3.10(火)雪 あなしら上林-6は2015.3.7

 昨日春を告げる・・・なんて書いたら雪が降ってきた。みるみる積もって銀世界になってきた、どうなってるんやろね。「かんばやし里山新聞」第6号が発行されたので、いつものように「あなしら上林 二、生守山 その四」を公開する。

「かんばやし里山新聞」第6号 Web版は http://www.kanbayashi-club.jp/

あなしら上林 小原英明 
二、生守山 その四

 約束通りその方は訪ねてこられた、岩田朱美さんという美しい女性で驚いた。歴史や民俗を手がけているのはいかつい男性をイメージするからだろう。2013年4月7日、あいにく天気が悪かったので小唐内谷(こがらちだに)から生守山(いもりやま)を眺めることとし、車で家本さんの家まで行く。

(写真1 小唐内谷から生守山を眺める岩田さん)

 彼女が上林の生守山を訪ねたいと思われたのは、わたしが播磨地方に幾つか存在する飯盛山(いいもりやま)のことをブログに書いていたからだ。もちろん飯盛山は北山(飯森山)にも小浜にもあり、全国にも無数にある。ほとんどが三角錐形(さんかくすいがた)の特徴的な山である。単純に飯を盛ったような形の山と考えていたが、古代から飯を盛るなんてことが日常的にあっただろうかと疑問を感じていた。そして岩田さんに会って始めて生守山と飯盛山が同じものだと気付く。
 播磨地方の飯盛山について調べていたのは、加古川市の平荘湖(へいそうこ)にある飯盛山に古代のものと思われる盃状穴(はいじょうけつ)が存在するからである。盃状穴は上林にもいくらでも存在するものだが、それらは近世から戦前までのごく最近の時代のものと思われる。いずれあなしら上林で紹介する予定なので詳しくはそちらにゆずるが、平荘湖飯盛山の盃状穴は古代祭祀(さいし)はもちろん、方位を表したり測量に利用されたりあるいは星の位置などを記録したポイントなのではないかと想像を膨らませている。
 そんな縁で岩田さんに巡り会ったのだが、飯盛山の本当の意味は驚くべきことであった。彼女は飯盛山、というより「飯(いい)の山」(飯森山、飯豊山(いいでさん)飯野山、飯綱山、飯塚、飯山など)を追い続け、十数年かけて「飯の山測量」の論文を書かれた。この間全国300カ所を調査されたという。そして地図上に「飯の山」を表し、線で結ぶと巨大な二等辺三角形がいくつも現れることを発見された。しかもその二等辺三角形の頂角は風水盤(円を三八四分割したもの)の角度、つまり陰陽道(おんみょうどう)の角度なのである。ということは、飯盛山を線で結べば偶然にその角度が出ると言うことではなくて、故意にその山を選び、飯盛山と名付けたということになるのだろう。
 なぜそのようなことをしたのか、それは大和政権が国家を統率するとき、拠り所とするために、「この国の地図の作成」と「広大な国土の地鎮祭(じちんさい)」のためだっただろうと岩田さんは考えられた。
 古代においても巨大古墳や古代都市の建設など高度な測量技術がなければなしえないことだろうけど、国土の地図となるとどうなのだろう。幾つか参考になる本があったので読みあさるが、どうも理解できない。ただ二等辺三角形がキーポイントになっていることは解る。著者のほとんどはいわゆる歴史の専門家ではなく、内容もスピリチュアルになりがちなものが多い。ということは歴史学界では古代、中世における国家規模の正確な地図の作成というのは確認されていないということだろうか。

(写真2 読みあさった本、右の「イワクラ」の中に岩田さんの論文が記載されている)

 角館(かくのだて、秋田県)の青柳家に展示されている赤水図(せきすいず、長久保赤水によってつくられた日本輿地路程全図1771年)の改訂版を実見したが、現在の日本地図と変わりないできばえに驚いた。いかに天文学などが発達したといえど、いきなりこのような地図が出来るとは思えないので、それまでに少なくとも行基図(注)よりも正確な地図があったのではないだろうか。
(注)行基図とは僧行基がつくったと言われる古地図、国名と街道が記され、大まかな日本の形をしている。つづく
              上林たんけんたい(カフェじょんのび内)

【今日のじょん】
昨晩綾部温泉から帰ってきたら倉庫の横に黒い動物の影が、、、、じょんより小さく、ゆきちゃんより大きそう、胴は長い。ライトの光にすぐに逃げたので何者か解らない。朝になるとじょんが嗅ぎ廻っている。ここにねずみ捕りを仕掛けてみよう。何か楽しみ、、、、。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする