『久我山歳時記』その11。年が明け、ますます寒い日が続く。庭の花も殆ど枯れ果て、寂しそうに葉牡丹が花壇に残っている。本来ならば地植えしている福寿草の芽が出てくる時期なのだが、寒いのか今年はなかなか出てこないのである。しかし、町内にはもう春に向かって花が咲いていないかと散歩に出た。
やはり寒い時でも花を付けるといえば梅の花である。通勤路にある紅梅が10日ほど前からほころび始めていて既に幾つか咲いている。また、久我山稲荷の若木の紅梅は日当たりのせいか既にかなり咲き始めていた。
同じ梅でも白梅は駅の南側、駐輪場の中にぽつんとある木はこちらもよく日が当たるのか、かなり満開に近づきつつある。
蝋梅は満開に近く、可愛らしい黄色い花をたくさん付けて咲き誇っていた。蝋梅は中国が原産地であり、日本には江戸時代に渡来、高さは2.5mほどの低木で12月中旬頃より花は咲き始める。このため、いま満開となっている。
線路の周りは日当たりが良いのか、水仙が群生していて南側では小さな可愛らしい花を多く付けている。水仙にも色々な種類があるが、花びらが白く(但し、一番外の3枚は萼、その内側の3枚が花弁)、内側の副花冠が黄色いものはニホンズイセンと呼ばれていて一部は真鶴岬や越前海岸などでは野生化している。
また、赤い椿の花もそろそろ終わろうとはしているが、幾つかの花は存在感を保っている。冷たい風の中で咲くこれらの花たちはいじらしいものである。
沈丁花には小さな蕾はついていたがまだ固い。木ゞにも若葉も出てきておらず、本格的な春はまたま先の話のようである。