す少しコロナの新規発生数も落ち着いたこともあり、久しぶりに割烹で一杯ということになった。今回は出身銀行の先輩2人にお祝いということでご馳走になったのである。
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場所は築地にある『酒斎伊とう』、分かりにくい路地にある古民家のような店である。店に入ると古い箪笥などもあり、ぐっと落ち着く。焼き台にいる大将が笑顔で迎えてくれる。
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まずは生ビールで乾杯、涼しくなったとはいえ、喉を潤すにはちょうどいい。まずは美味いものが少しずつのった一皿。毎回季節ものがのってくるが、今回は背の高い猪口に入ったのが『蕪の摺流し』、右回りに『魚の南蛮漬』『鞍掛豆』『落花生の塩茹で』『姫サザエ』『さつま芋のレモン煮』『芯取り菜のおひたし』。真ん中の赤紫なのは『菊の酢の物』『銀杏の塩焼き』と秋を感じさせるものが多い。
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ビールも飲み終わり、日本酒にするが、やはりこの店は燗酒がいい。口開けは『群馬泉』(群馬県太田市)、山廃純米はややぬるめにつけてある。とにかく飲みやすい酒である。
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汁物はハタと舞茸、錦糸かぼちゃの吸い物。脂の乗ったハタと香り高い舞茸のいい組み合わせである。
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ここで『奥播磨』(兵庫県姫路市)をお願いする。山廃純米と山田錦純米吟醸があったが、燗酒ということでずっしりした山廃純米とした。あては炙り〆さば、上には茗荷やかいわれ。力感のある鯖に奥播磨がピッタリ。いい組み合わせとなった。燗酒の温度も先程よりは少し高めとちゃんと調節してある。
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焼き魚はツムブリの西京焼き。ツムブリは鰤に似た魚で横に2本線が入っていてややスマートなのが特徴。刺身や焼き魚に適していると後でネットでしる。
この西京焼きも身は柔らかく、脂も適度に乗り、トロッとしている。また、荒おろしの大根を添えて食べるとまた新しい美味さがある。
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里芋は素揚げをして湯葉とともに銀餡がかかっている。もちろん里芋も旨いが、このとろけた湯葉が秀逸。添えてある山葵の香りもいい。
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酒は『神亀』(埼玉県)、他の酒に比べるとかなりアッサリ感がある。箸休めの蕪の酢の物がいい仕事をしている。
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〆はヒラメの炊き込みご飯と赤だし、思わずおかわりをする人もいるほど。釜で炊いた飯はやはり美味い。お酒も最後にと『大七』(福島県)、生酛づくり。皆で1合を分けてコースは終了。
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大将がおき火で皮を焼いた最中を最後に。食べると餡と共にキウイが入っていて驚かされる。やはり最後の甘いものは嬉しい。
秋の夜長に一献。全体にはアッサリとしたコースだが、魚の旨味、野菜の甘さなど素材を巧く生かしてあり、燗酒も含めて十分満足させてもらいました。ご馳走さまでした。
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酒斎 伊とう
中央区築地2ー2ー11
0362284979
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