『都営荒川線電停からの散歩』その5。荒川車庫前から再び電車に乗る。王子駅前、飛鳥山などを経由して『庚申塚』電停で下車する。
以前から名前は知っていたが、庚申塚がどこにあるのかは知らなかった。電停の前の道を左へ、庚申塚商店街を行くと庚申塚交差点、その先な巣鴨地蔵通り商店街となっている。
これを渡ると左側に『猿田彦大神』と提灯に書かれた祠が出てくる。庚申信仰に基づく小さな神社で、板橋宿の一つ手前の立て場として大いに賑わった。
60日ごとの庚申の日には祭礼、春には大祭が行われて祭礼の日には木札や懐中札などが配布される。庚申の申は猿のことだが、ここの庚申塚は神を先導した猿田彦に結びつき、道案内の神として祀られている。
祠の横にはベンチもあり、高齢の参拝者は少しゆっくりする人も多い。
先程の道をまっすぐ行くと巣鴨地蔵に行くが、私は荒川線に沿って右に曲がる。少し歩くと国道17号線に出るが、ここに『新庚申塚』電停、さらにまっすぐ歩くとお岩通りと呼ばれる商店街になる。次の信号を左に曲がり、都電の踏切を越えると妙行寺、『お岩さん』の墓所がある。
中に入ると色々な供養碑、まずは魚河岸供養塔、さらに行くとうなぎ供養塔がある。
左に墓地があるが、その奥に浅野家(浅野内匠頭夫人)の墓所、裏には四谷怪談のお岩さんの墓所もある。
なぜ、お岩さんの墓がここにあるのかが疑問だったが、寺自体が明治42年に四谷からこの地に移転したためであった。この墓に塔婆を捧げ、熱心に祈れば願い事が成就すると信じられていて墓の周りには多数の塔婆が建てられていた。(以下、次回)