久しぶりに三田に行く機会があった。桜田通りを歩いていたら、慶應義塾の東門が見えたので入って見ることにした。前回来てから少なくとも10年は経過している。
東門のあった場所には建物が立ちはだかる。その外観は旧図書館を模したもので、エントランスをくぐるとかつての石畳が現れる。今は建物の敷地となっている所に私の学生時代には慶應義塾前郵便局があった(今は通りの反対側に移転)ことを思い出した。
昔と変わらない東門からキャンパスに入って行く。すぐ前には塾監局、この古い建物はそのままである。
塾監局の前を通り過ぎると旧図書館が姿を表す。建設を始めたのは慶應義塾50周年記念事業であり、3年を経て1912年に竣工。
重要文化財に指定されており、作られてからもう110周年にもなる。階段の踊り場には『Calamvs Gladio Fortior』と記されたステンドグラスが貼られて見事である。
お隣には古い校舎である第1校舎、比較的狭い教室が多く、ゼミの時によく使った。入口横にはいつのまにかメガ3行のATMが設置されている。
その前には図書館、確か1982年にできたもの。私の卒業と同時くらいで殆ど利用したことがない。
銀杏の木の横を歩くと前には大きな西校舎、大教室や階段教室が多かった。奥に行くと山食という古い食堂が確かあったはず、さらに購買があり、今はない田町ハイレーンの学生券を買ったものである。
隣にある南館は卒業後にできた新しい校舎である。元々手狭なキャンパスだったが、これだけ建てると歩くスペースが殆どない。
さらに歩くと演説館が出てくる。1875年に福沢諭吉が資金を出し、日本最初の演説会堂を建設した。こちらも重要文化財。年に何回も開かない建物であり、私も現役の時は一度しか中に入ったことがない。
前には福沢諭吉の胸像、確か学生の頃には旧図書館の前にあったものだが、こちらに移されていた。演説館の前から眺めると確かにここが『丘の上』であることを実感。
最後に建て替わった南校舎を通り、正面から外に出たのである。キャンパスの周りにあった店は随分と変わり、有名だった二郎ラーメンも場所を移り、ジャズ喫茶のローダックは閉店、古本屋やコピー屋も今はない。
せいぜい慶應仲通りに残る店くらいのものである。昼時になったので学生の多い町でランチをすることにした。