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今年のワイナリー巡りは今まで足が向かなかった塩山のワイナリーに行く。勝沼醸造からタクシーで約2000円、甲斐ワイナリーに到着。このワイナリーは今から50年ほど前に製造を開始、しかしその前は日本酒の酒蔵という経歴。
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建物は築200年で国登録有形文化財にも指定されている。それもあり、他のワイナリーと違い日本家屋、違和感がある。しかし、ワインが並んでいて、早速試飲をさせてもらう。まずは2019年新酒から。『かざま甲州辛口』はさすが甲州という酸っぱ味の強い辛口。次の赤のラベルの方は角がなく、こちらは美味い。
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さらに1年前の『かざま甲州辛口2018』になると味わいが出て、食中酒には良さそうな味。シュールリー製法で作られた『かざまSurLie』は滑らかさと旨味、キレがバランス良い。迷った挙句、かざま甲州辛口2018を購入した。
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まだ特急には約1時間があるため、隣の蔵を改造した喫茶店『古壺』に入る。すると試飲がなかった『キュベかざまsemisweet』や『古壺デラウェア2017』なども飲める。思わずこの2つのグラスワインとラザニアのセットをオーダー。
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建物が古いだけあり、落ち着いた店内は同じように雨宿りする人が2組。いずれもワインを飲んでいる。やってきたキュベかざまはそれほど甘くもなく、軽いが1番美味い気がした。また、デラもデラの味は残したまま甘味が全くなく、こちらも美味い。熱々のラザニアとともに頂くとあっという間に特急の時間が近づく。
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タクシーで5分、塩山の駅もやはり雨。塩山という名前が気になり、調べると北側に標高552mほどの『塩ノ山』がその由来。塩の山とは不思議な名前とさらに調べると『塩の山差出の磯に住む千鳥 君が御代をば八千代とぞ鳴く』と古今和歌集にもあるほど古い地名である。ただ、その由来は『四方から見える山』らしく、実は『塩』とは関係ないのである。その塩山駅から特急かいじで立川まで1時間、吉祥寺にもかなり楽に帰ることができた。雨とはいえ中々収穫の多いワイナリーツアーとなった。