『大正・昭和の建築物を訪ねて』その5。今回は歴史的建物の多い築地6丁目・7丁目を歩いてみた。東京メトロ築地駅をあがると見えてくるのが築地本願寺である。
浄土真宗本願寺派の別院として1617年に創建されたが、関東大震災で焼失、現在の建物は昭和9年に再興されたもの。古代インド・アジア仏教様式を取り入れたエキゾチックな建物である。北翼と南翼にはインド式ストーバ風の塔屋があり、北は鐘楼、南は鼓楼となっている。
そのまままっすぐ行き晴海通りとの交差点角にあるのが『金子さん』というお宅。数寄屋造で庭木も配され、昔ながらの景観を保っている。
晴海通りを左に曲がり、かつて築地川にかかっていた門跡橋の親柱を見ながら、次の道を左に曲がる。
さらに次の道を右に曲がると見事に緑青色になった看板造りの家屋『ササヤ』が現れた。角地に立地し、現在も家屋・店(鮮魚店)として使われている。中央区HPによると昭和3年の建物らしい。
道の反対側には通りに面して数寄屋造の古い家屋、樋にも銅板が貼られている。手前の木造建築物は『乾電気』。
さらに3軒の木造の長屋が続くがこれは昭和7年までに帝都復興に伴い建築された建物群である。保存状態も極めていい。
その並びには銅板で表を貼った3階建の長屋が現存している。銅板を貼っているのは3軒だが、その先もずっーとモルタル造りの長屋が続く風景は壮観である。(以下、次回)