hokutoのきまぐれ散歩

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ヨイノフネ〜久我山グルメ

2024-12-09 05:00:00 | グルメ
井の頭線久我山駅は『アド街』で特集されたことがない。例えば先週土曜日は『京急 立会川駅』だったのだが、その話題作りに苦労していたのは私でも分かる。しかし、それでも番組が成り立つのは京急立会川駅には行きたくなるような飲食店(除く、チェーン店)が数多くあるからと勝手に想像した。

(めん熊)

確かに5年前には該当する店は僅か、しかも特徴のない店が多い(?)気がしていたのだが、コロナ禍が去り、かなり久我山駅周辺にもいいお店が出現した。例えば駅前のラーメン店『めん熊』、ピーコックストア並びの欧風料理の『ハナイグチ』などである。

今日お邪魔した『ヨイノフネ』もそんな1軒、開業は2023年4月である。ではなぜこのタイミングで初見参なのかだが、開店すぐにduncuyに出て予約が取れず、何となく足が向かなかったからである。

今回はちゃんと予約して6時に入店、今夜も予約で一杯のようである。2組目の客となり、カウンターに座る。カウンターは全部で10人ほど、後は4人席1つ、つまり定員は14人とこじんまりしたお店である。

席に着き、お店の人から『メニューでアラカルトに注文して頂いても、4皿のミニコース(3850円)をまず頼んで頂いてもいいのですが』と言われてお勧めどおり、ミニコースを選択した。



まずは久我山ビールで乾杯、小瓶を2人で分けることになるが、寒い時期ちょうど良い。久我山ビールは久我山3丁目にあるブルワリーで作られたらしく、久我山住民である私も初めて知る。味はやや苦味のあるしっかり系のビールで香りがいい。

まず1皿目は『大根入りの茶碗蒸し』、上には蟹のほぐし身が乗せてある。スプーンを入れると4つに割った大根が鰹出汁で煮てあり、その出汁で作る茶碗蒸し、あっさりかと思いきや、しっかりとした味付けで温まる。

2皿目は4種の酒肴が乗っていて左上から『ひらめの昆布締め、胡瓜の土佐酢和え、揚げ昆布』『能登のもずく』『天王寺カブの千枚漬け』『春菊の白和』。いずれも酒に合うように味付けされていて特に白和えの甘くない、しかし、塩辛くない味付け、やや太めのもずくは特に美味かった。



酒はまず『澤乃井』(東京都)の初絞り、これは最後で2人とも猪口1杯ずつ。爽やかな旨さである。続けて『瀧自慢』(三重県)、夏に行った赤目四十八滝近くの蔵で辛口だった。

3皿目はブリの極上腹身焼き、里芋唐揚げカラスミ乗せ。脂の乗ったブリは絶品、新鮮で血合いも腹の部分も大変美味かった。里芋もあつあつ、カラスミで塩加減も良かった。



酒は『寒菊』(千葉県)、優しい甘さがある呑みやすい味、塩や脂の強いブリによく合う。

4皿目は蓮根まんじゅう、この店のは中に海老が入っていて細かく切って食感を楽しむレンコンとおろしてしっとりしたレンコンが混ざり、油で揚げ、醤油と酒と砂糖の餡を掛けた手間のかかる料理。揚げたてで周りのカリッとした食感もいい。



まずは追加料理として『桜エビのかき揚げ』を注文。これは鉄板、塩で食べてよし、天つゆで食べてよし、酒の肴としては最高であった。酒は途中から『田酒』(青森県)の新酒、フレッシュで鼻から抜ける香りが素晴らしい。あと4号瓶8本で終わりとか。

最後に『牡蠣と白子のグラタン』を頼む。中に小さめの牡蠣と白子がたっぷり、クリームに隠し味としてたぶん白味噌と酒粕が入っていると思う。牡蠣・白子と主張の強い食材に負けないソースで調和を取り、仕上がっていた。ただ、最後に食べるよりもう少し早く注文すべきであった。

この店の規模で板さん以外に料理人が1名、フロア3名で運営していることもあり、呼んでもすぐ来てくれ、サービスもいい。また、料理もいい具合に出てくる気持ちのいいお店であった。ご馳走さま、こんな店が歩いて8分の所にあるとやはり嬉しい。

ヨイノフネ
杉並区久我山4ー1ー4
0368269895