三軒茶屋にある赤鬼でごく小規模忘年会を銀行時代の友人Aくんとひっそり行なった。集合は金曜日の19時、店に5分ほど早く着いたが、店内にはAくんしかいない。やはりコロナのせいかなあと思ったが、店の人に『今日は7時からの予約ばかり、満席よ』と言われてホッとする。
まずはビールを一口、穂乃果というさっぱり系の白ビールで乾杯する。突き出しはイワシの団子汁と油淋鶏、温かいイワシのすまし汁は嬉しい。
早速、日本酒に突入。この店ではやはり十四代(山形県)が外せない。まずは純米大吟醸白鶴錦からいただく。何とも言えない香りも華やかで喉越しも柔らか、白鶴錦は白鶴酒造が山田錦と同じ米(山田穂、渡船)の交配で作り上げた山田錦を超える酒米だけのことはある。
つまみはウニ芋とワサビ菜のおひたし、これらはさながら一流蕎麦店のつまみの如く酒に合う。
ここで塩あん肝と香箱カニの登場、2大巨頭が集まった。味はご想像のとおり、香箱カニは私もよく同じように甲羅を使って作るが、その完成度の高さには驚かざるを得ない。
酒は2杯目、Aくんは雪の茅舎(秋田県)純米吟醸、私は小左衛門(岐阜県)『ひだほまれ』の純米吟醸、なんと贅沢なのであろう。
刺身の盛り合わせが登場、ホタテ、カンパチ、生ダコ、アイナメ、マグロ赤身、ウニ、ハタ、カワハギ、タイの9種類(手前から)。何れも美味いが、カワハギの肝和えと生ダコは秀逸であった。
ここで定番のホタテ入りオムレツ、バターの香りが素晴らしく、この店に来るたびに注文する。これに鳥海山(秋田県)純米大吟醸赤鬼スペシャルにごりを合わせる。
焼き味噌。蒲鉾板のような使い尽くし真っ黒になった板で提供される。これを舐めながら南部美人(岩手県)純米大吟醸『天恵』をゆっくりと頂く。揚げたての厚揚げも美味い。
雨後の月(広島県)純米大吟醸無濾過原酒、これだけ続くと記憶も曖昧になってしまう。しかし、ここでちくわ磯辺揚げ、好きなつまみである。あとはおしんこ、なぜかししゃもの頭も付いてきた。
ここでさっぱり系と言ったらOhmine(山口県)というフルーティな酒を勧められ、つい行ってしまう。
まるで白桃のような瑞々しい味は海外で大人気だそう。透明な酒瓶もオシャレである。やはり最後はこういった酒、というところか。
それにしてもつまみも酒も超一流、赤鬼はコロナ禍の中でも健在、私にとっては最高峰の1軒である。店内を見て、気がつけば満席であった。ご馳走さまでした。
赤鬼
世田谷区三軒茶屋2ー15ー3
0334109918