第七話「決断のとき」はこちら。
前回の視聴率は15.2%と微増にとどまった。世間がソチ・オリンピック一色(というわけでもないあたりが微妙)なのが影響したか。
オリンピック中継に文句をつけておくと、なんかほんとに日本人選手中心になりすぎてないですか。いつもはマイナー扱いな冬の競技(フィギュアを除く)が、4年に一度だけ注目される機会。わたしはスケルトンとかボブスレーのような、単純なタイムアタックが好きなんだけど、日本人のメダルが見込めないからか、そちらの中継は後ろに回されている。というか、その方が日本のゴールデンタイムなのでけっこうではあるんですが。
にしても、今回の時差はしんどかったすね(笑)。巨大な産業となったかのようなフィギュアスケートには最初から背を向けていたんだけれども、だからこそ浅田真央はすばらしかったと素直に言えます。いいんだよメダルなんてものはよ。どんなパフォーマンスができたかが勝負。
さて官兵衛。織田信長と豊臣秀吉とのやりとり。それはもう対照的。ほとんど命のやりとりに近い信長との初対面と、浮気のケアまで頼まれるフランクきわまりない秀吉との交流。
信長の前で播磨の実情を開陳するパフォーマンスは、要するにプレゼンとしてどうだったかの勝負。うまくいったが、信長は要するに“使える道具”を見つけたと喜んでいるにすぎない。彼にとっては最大限の賞賛なのだろうが。官兵衛に与えた「圧切(へしきり)」という名の刀など、信長のありようを象徴している。
秀吉は官兵衛の部下、黒田節のモデル太兵衛(もこみち)を召し抱えると申し出るなど、人たらしの本領発揮。まあ、仕えるとすれば信長よりも秀吉の方がとは誰でも思う。特に、目薬を売っていた祖父を敬愛する官兵衛にとって、縫い針を売る苦労を語る秀吉にはシンパシーありあり。もこみちとピエール瀧の相撲は眼福でしたね
貧苦のなかで、こんなものを食っていたとムカデとかを酒肴として供するあたりも秀吉はうまい。にしても、あれはイカの塩辛とサラミじゃなかったんですか。
秀吉をとおして初めて竹中半兵衛と官兵衛はからむ。それが一種のテストであるあたりは面白そうだ。そうなの、全篇が政治の背景を解説するつくりになっているこの回は、中年男にとっては快感でしたー。プレジデントでも読んでいる気分。読んだことないけど。
今回の視聴率は、おやじ転がしが奏効して今度こそ16%超えと予想。
第九話「官兵衛試される」につづく。