こうはっきり言うと反発を受けそうだが、わたしはAKBが苦手。理由は
・おニャン子クラブとほぼ同様の形態(ここですでに怒られそうだ)なのに、またしても秋元康の“コンセプト見え見え”アイドル路線に、こうも簡単に日本中がひっかかってしまうのがくやしい。
・会いにいけるアイドルが売りとはいえ、全体的にルックスが安い。驚くほどの美人がアクセントとして存在してもよさそうなのに。これは戦略?
・ファンに対してここまで迎合的なルールが用意されて、それに安易にのっかるとは、どこまでファンたちは横着なのか。
……ま、煽りです。そんなことを言いながら、わたしは秋元才加が大好き。
なぜ好きになったかというと、「ぷっすま」(テレ朝)にゲスト出演したとき、ブーツを脱ぐことになり、「今日は脱ぐつもりなかったから」とお安い靴下をはいていることを壮絶に恥ずかしがり、しかし結局はユースケ・サンタマリアのリクエストにちゃんと応えるあたりの根性。
三谷幸喜が新作の舞台に彼女を起用したのは、テレビのバラエティに出ている彼女がよかったからなのだそうだ。ひょっとしてそれ「ぷっすま」っすか。
いかん、話が「もらとりあむタマ子」からそれまくり。噂の前田敦子主演。噂の、というのは、彼女の演技者としての才能が並ではないとすでに定評があったから。ほんとかなあ。わたしは木皿泉の「Q10」(日テレ)のロボット演技しか知らないから……
お見それしました。大学を出て実家にひきこもり、家事も家業(スポーツ用品店)の手伝いもせずに、妻に逃げられた父親に寄生する23才。動きのない役を、ほぼ無表情のまま演じきっている。吐き捨てるようにかますセリフがおかしいおかしい。特にラストのセリフには笑ったなあ。
「マイ・バック・ページ」ではきっちりした作劇だった山下敦弘(監督)+向井康介(脚本)のゴールデン同級生コンビ(大好きっ!)が、本領発揮とばかりに昔の味で勝負。グダグダ感がひたすら気持ちいい。
キャストをチェックもしなかったので、父親の恋人役であの人が登場したのにはびっくり!至福の78分間。AKB、おそるべし。
※ついでにひとこと。この映画に出てくる甲府の中学生はひたすら本物感ありあり。中学校に勤務するわたしが言うんだからまちがいありません。1年のときはきっちりかぶっていたヘルメットを、2年になるといいかげんに扱うあたり、山下はやっぱりやるなー。またしてもよけいな話ですが、わたしが勤務する学校では生徒にヘルメットかぶらせてませんけどね