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財形年金を例にとるのは、おそらく山形県職員にとっていちばん身近な“投資”だから。あの貯蓄を、目的どおり年金として受け取るかは微妙な話だ。
わたしはちょっと懐疑的だった。すべての非課税限度額を年金用に振り分けたとして、その額は550万円。いっぱいいっぱいになるまで積み立てたとしよう。限度額近くになると金融機関から「だいじょうぶなんですかっ!」とくどいくらいに連絡が来るのでわずらわしいけれど。
さあ60歳でめでたく退職して5年間それを受給するといたしましょう。5年間で550万。年額110万円。月額10万弱かあ……あ、わりとでかいな(笑)。
これまでの例だと、そこまで積み立てている人は少なかった。例の金融機関の掟破りの財形争奪戦のため、義理で年金財形に加入した人が多かったのでね。その場合、積み立てはそんなに多くなくて、実は共済組合の担当者も小声で
「よく考えてください。この額でちょっとずつ受け取るってのは……」
なるほど、なるほどと思いましたよ。
目的外で解約すれば、利息に課税されてしまい、財形のメリットがなくなるのは事実。でも、課税が遡及するのは5年間にすぎないし、だいたいその利息自体がこの低金利時代では問題外ですから。
にしたって月10万は大きいなあ。無年金時代にこれはほんとに助かる話だ。ただ問題は、課税対象だから(ここはあとで訂正します)180万円のラインに影響を与えはしないかだ。財形年金のおかげで被扶養者になれないとすれば、
“貯金したおかげで負担増”
という皮肉なことになってしまう。と思ってたら、さすがに退職する事務職員は気合いが違う。
「○○さんは(医療系は)どうするの?」
「娘の被扶養者になるわよっ」
「へー、じゃあやっぱり180万円には達しないんだ」
「当たり前じゃないのっ」
「でも財形年金とかはだいじょうぶなの?」
「即刻解約よ!(笑)」なるほど、おそれいりました。以下次号。
本日の一本は「ハンガーゲーム」
あら、予想外に面白かった。田舎の小娘がスターとして華開く物語だったのか。もっとも、その舞台が殺人サバイバルゲームというのは(笑)。ジェニファー・ローレンスの魅力は、写真じゃわからなかったけど動いた途端に……