三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

人類は店仕舞い

2008年01月02日 | 政治・社会・会社

あけましておめでとうございます。
2008年の最初の記事です。
最近聞いた「モンスターペアレント」という言葉から、いろいろ連想してみた雑感を書いてみます。

モンスターペアレント
子供のことで学校に無理難題を押しつけたり過度な要求をしたり回答できない質問をして回答を強要したりする親たちのことです。福岡では女性教師が自殺しました。死んでお詫びをしたのですね。この女性教師にクレームを突きつけた親たちはさぞ満足していることでしょう。こんな状況では誰も教師になりたがらない。それでなくても少子化で子供が少ないわけですから、教師になってもそんなに需要がない訳で、教師の数、学校の数も減少していくでしょうね。モンスターペアレントというリスクを負う訳ですから、塾の授業料はますます高額になって庶民の子供は塾に行けなくなります。金持ちは高学歴で更に高収入、貧乏人は低学歴の肉体労働で更に低収入になります。

モンスタープレグナント
産婦人科医に無理な注文をつけ、または訴える妊婦や出産後の女性のことです。「母子ともに健康」という言葉があるように、出産は大変なもので、子供が死んだり畸形だったり母親が死んだりすることが珍しくない訳です。出産とはそういう危険を伴うものだという認識はあるのに、自分がそうなったら産婦人科医を訴える。だから誰も産婦人科医になりたがらない。助産婦のなり手もいない。これからは庶民には手の届かない超高額の出産費用を産婦人科医に払えるお金持ちだけが子供を作るようになるかもしれません。安いお金で出産の補助をしてそれで訴えられるくらいなら、高額の請求をしようと思うのは当然の成り行きで、保険が利かない医療ですから厚生労働省は文句を言いません。ますます子供を作りにくい社会になっていくんでしょう。

モンスターユーザー
所謂クレーマーです。自分は客だ。金を払うのだ。だから何でも要求できるのだ。ちょっとでも不満があるとすぐに、金返せ!!
お客を相手の仕事はみんな奴隷化するでしょう。仕事の時間は人格を放棄して傲慢で理不尽な客に尽くさなければなりません。ストレスが溜まります。だから自分が客になったときはここぞとばかりに無理難題を押しつけてストレスを発散する訳です。そしてそれでも満足できないときは、金返せ!! 日本は誰もが客商売をしたがらない国になるでしょう。自動販売機で中華料理が出てきたりするようになります。

さまざまな分野でモンスターナントカという人間たちが誕生し、社会はまるで戦場のようになってしまうでしょう。狭量で不寛容な人間ばかりの国になります。自殺者は更に増加し、年間10万人以上となるでしょう。もっとかもしれません。鬱病患者、ホームレスも急増します。犯罪は10倍以上になるでしょう。逆に犯罪検挙率は十分の一以下になるでしょう。弱気な正直者は病気になりホームレスになり自殺し、自分だけが正しいと考える独善的で傲慢なクズばかりがのさばる国になるのです。

アメリカは既にそうなっていて、世界にそれを押し付けました。グローバルスタンダードというのがそれです。地球温暖化防止の京都議定書にサインしなかった狭量さが世界中の人々の心の中に広まって、人類は地球の歴史から姿を消します。考えてみれば人類の歴史は、辺鄙な場所にオープンした飲食店みたいで、最初だけ珍しさからお客が来ますが、後はずっと右肩下がりで、最後はお店を畳むことになります。人類の店仕舞いも近いでしょう。