三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

レース結果~マイルチャンピオンシップ

2016年11月20日 | 競馬

マイルチャンピオンシップの結果
1着ミッキーアイル ◎
2着イスラボニータ △
3着ネオリアリズム 無印

私の印
◎ミッキーアイル    1着
〇フィエロ       6着
▲ヤングマンパワー 16着
△イスラボニータ    2着
△ガリバルディ     7着   

頭で買ったミッキーアイルが勝ったので馬単16-8の3390円的中。3連単は3着のネオリアリズムがヌケでハズレ

レースは前半が46秒、後半が46秒の1分33秒1という平凡な記録。こういう展開では逃げ馬にも差し馬にもチャンスがあるが、ミッキーアイルが直線でネオリアリズムを差し返す脚を使って優勝した。ゴール前でごちゃついて差し馬に不利になったのは、レースとして残念だった。5着に終わったサトノアラジンは不利がなければ2着か3着はあっただろう。ディサイファにも3着のチャンスがあった。

さて来週はジャパンカップだ。休み明けを勝って臨んでくるG1馬2頭、キタサンブラックゴールドアクターにアルゼンチン共和国杯を勝ったシュヴァルグラン、菊花賞4着の皐月賞馬ディーマジェスティあたりの争いになりそうだ。


マイルチャンピオンシップ~ミッキーアイル

2016年11月20日 | 競馬

京都競馬場は昨日降った雨で芝コースは稍重。天気予報は曇りで午後雨となっているから良馬場は望めない。かといって重馬場の巧拙がはっきりしている馬もいない。稍重馬場は追い込みが決まりやすい場合があることと、力がいるので馬体重のある馬が有利という2点を中心に予想する。

ディサイファは毎日王冠でルージュバックの6着。休み明けとはいえ0秒9も離されていることと、2200mのAJCを勝っていることからマイルの距離適性が不安だ。
サトノアラジンは前哨戦のスワンステークスを勝って1番人気だが、大跳びで馬場が心配。
スノードラゴンは人気薄での激走が持ち味だが、すでに8歳でマイルも久々となれば買う要素はない。
ロードクエストはマイルCSに良績のない3歳馬。450キロ程度の馬だけに馬場で消耗しそうだ。
ヤングマンパワーは大型馬で3連勝中。格下のイメージはぬぐえないが、前走でイスラボニータに勝っていることから、ここでも足りる可能性がある。
ダノンシャークは8歳で5回目の挑戦。勝ったのは一昨年で、以来勝ち星なし。毎日王冠で1秒離されていた。
フィエロは安定株だが、すでに7歳で前走9着。今年の安田記念で3着したように力は衰えていないようだが、勝ちきるまではどうか。
イスラボニータは皐月賞馬で3歳時からマイル~中距離を中心に走ってきた。良績が東京コースに集中しているが、去年のこのレースは0秒2差の3着だった。
サトノルパンは前走スワンSを8番人気で2着。このことから、スワンSのレースレベルが低かったのではないかと思われる。
マジックタイムは休み明けの関屋記念でヤングマンパワーに負けている。マイルは得意距離だが、格下感は否めない。
テイエムタイホーは好調の7歳馬でスワンSを15番人気で14着。好調な幸騎手でも苦しいだろう。
ウインプリメーラは前走オープン戦勝ち。京都コースは得意だが、牝馬の6歳でどこまで。
ダコールは前走新潟記念を1秒6離された16着。8歳馬の使い詰めで上がり目はなさそうだ。
クラレントは唯一の天皇賞秋組だが、14番人気で1秒3離された11着で買いようがない。
ネオリアリズムはモーリス、レインボーラインを相手に札幌記念を逃げ切ったことで穴人気だが、初めての1600mで買いづらい。
ミッキーアイルは休み明けのスプリンターズSを2着。逃げたらしぶといし、重馬場も得意そうだ。京都コースも得意。
ガリバルディは休み明けの富士Sを6番人気で5着だが、最速の上がりを記録しており、軽視はできない。
サンライズメジャーはスワンSを10番人気で1秒離された13着。巻き返しは厳しい。

◎ミッキーアイル
〇フィエロ
▲ヤングマンパワー
△イスラボニータ
△ガリバルディ

馬券はを頭の3連単(16-5、7、8、17)12点馬単4点16点勝負。 


映画「La derniere lecon」(邦題「92歳のパリジェンヌ」)

2016年11月20日 | 映画・舞台・コンサート

映画「La derniere lecon」(邦題「92歳のパリジェンヌ」)を観た。
http://gaga.ne.jp/92parisienne/

自らの尊厳死を望む老婆の物語だ。

健康寿命という言葉がある。何をもって健康とするのか議論の分かれるところではあるが、簡単に割り切る考え方がある。それは食事とトイレと入浴の三つをひとりでできるかである。生活の基本動作だ。

自動車の運転が下手になったら、運転するのをやめればいい。運転をやめたからといって、すぐに介護が必要になる訳ではない。ところが基本動作がどれかひとつでもできなくなったら、誰かのお世話にならないといけなくなる。それは長いこと自立して生きてきた人間にとって、堪え難い屈辱だ。人間としての尊厳の危機である。

歳を取ると身体が思っているように動かなくなるだけではなく、制御も利かなくなる。寝ているときの失禁つまりおねしょは、老いを迎える人間にはショッキングな出来事である。筋力が弱って立ち上がれなくなったときの絶望は計り知れない。

人間は悲しみや苦しみ、苦痛や不安や恐怖で自殺するのではない。明日という日に何の希望も期待も抱けなくなったら、躊躇うことなく自殺するのだ。今日が酷い一日だったとしても、明日はいい日になると思えば自殺することはない。明日は今日よりももっと酷い一日になるだろうとしか思えなければ、自殺以外に道はない。いじめ自殺の心理的な構造も同じである。

現実世界にはおいしいシャンパンや贅沢な食べ物や人との楽しいかかわりもあるが、それらを全部底に沈めてしまう大きな絶望がある。年老いた主人公はそんな絶望をひとりで受けとめ、ひとりで決着をつける決意をするのだ。
そしてそんな状況でも母としての優しさを失うことはない。息子の、死にたいのは老いるのが怖いんだろう、鬱だから薬を飲めば治るという愚かな言葉にも何も反論せず、ただ悲しみの涙を流すのだ。

フランス映画らしく極めて実存的なテーマを真正面から描いている。宗教的な価値観の介在する余地はない。自殺が禁忌とされているのは宗教的な価値観ではなく、大勢が自殺してしまうと共同体の存続が危うくなるからだ。人を殺してはいけないとされているのと同じ理由である。
だから主人公は共同体の禁忌や法律と折り合いをつける。家族が共同体による禁忌の束縛から離れ、尊厳死を選択する実存としての自分を理解してくれるように努める。見事な生き方、立派な生き方だ。

こういう映画がきちんと評価されるところに、フランスの精神的な健全性がある。フランス語の原題は、そのまま翻訳すると「最後の授業」となり、別の映画のタイトルになってしまうので、今回の邦題はいいタイトルだと思う。