南朝鮮の朴槿恵大統領が一般人に国家機密にも等しい情報を漏洩したとして大問題になっている。当該の一般人は逮捕されたようだ。韓国の憲法では現職大統領は刑事訴追を受けないという決まりがあるので、現段階では大統領の逮捕はない。任期はあと1年残っているが、その間に検察の捜査は着々と進み、大統領を辞任した途端に逮捕という段取りになるかもしれない。
韓国の歴代大統領の末路は、なんとも悲惨だ。
李承晩は不正選挙を実施したことで起きた革命によって失脚し、亡命している。
朴正煕は約16年大統領を務めたが、最後は射殺されている。
崔圭夏は全斗煥と盧泰愚の軍事クーデターで辞任させられた。
全斗煥は退任後に死刑判決を受けている。
盧泰愚は退任後に懲役刑を受けている。
金泳三は息子が逮捕されている。
金大中はノーベル平和賞を受賞したが、3人の息子が全員不正で逮捕されている。
廬武鉉は自殺。
李明博は退任後に告訴、告発をされた。
そして現職の朴槿恵だ。父親の朴正煕と母親の陸英修がいずれも射殺されたという悲惨な出自である。
韓国の国家公務員は100万人を超えており、日本の64万人よりも多い。韓国の人口は約4800万人で、日本の約12600万人の半分以下だ。
日本の官僚機構が国民よりも組織を守ることを第一義としているのと同じで、韓国の役人たちも自分たちの組織が第一だ。100万人もいれば悪事不祥事は日常茶飯事だろう。下っ端のこそ泥みたいな横領や袖の下から、上席の巨悪に至るまで、収賄や脱税、不正蓄財などのオンパレードだ。しかし日本と同じく、報道されることなく内々で処理されている。
日本の政治家は死ぬまで政治家で、官僚機構の支配下にあるが、韓国の大統領は辞任したらただの人だ。韓国の国家公務員にとってこれほど危険な人物はいない。お飾りみたいな大統領でも、対外的に国家の代表なのだからそれなりの情報を与える必要がある。完全つんぼ桟敷に置くわけにはいかないのだ。すると100万人の国家公務員にとって不都合な情報も自然に入ってしまう。そしてその情報を持ったまま辞任する訳で、公務員にとって脅威である。公務員は国家権力そのものであり、特に警察と検察は実力行使をする暴力装置だ。アメリカのCIAに倣ったKCIAもある。これは暗殺組織だ。設立した朴正煕自身がKCIAによって射殺されている。
韓国の歴代大統領の多くが悲惨な末路を辿るのは、国家公務員の自己保身のためである可能性がある。来年12月で任期が終わる朴槿恵は、今回の事件で支持率が17%と急落しており、再選は絶望的だ。となると退任ということになるが、果たしてどんな目に遭うのか。他人事ながら、今から気の毒な気がしている。