映画「FARANG」を観た。
登場人物はもれなく頭の悪そうな連中ばかりで、何でも暴力で解決しようとする。主人公も例外ではない。誰にも感情移入は出来ないが、アクションはいずれも迫力がある。それにとても痛そうだ。ゴア描写は控えめだが、逆にリアリティがある。血の色は本物みたいだ。
登場するタイの市井の人々や、レディボーイたちは、そういう暴力の世界と隣り合っていることを自覚しつつ、なんとか上手くよけながら、ギリギリの状況で生きている。このあたりの描写はとてもいい。しぶとく生き延びるのはこういう人たちだろう。暴力で支配するのは一時的で、長くは続かない。なんとなく諸行無常を感じてしまった。