下北沢の本多劇場で芝居「修道女たち」を観た。
http://cubeinc.co.jp/stage/info/shudouzyotati.html
下北沢はかなり久しぶりで、昔は駅を中心としてあちらこちらに商店が広がっていた印象だったのが、現在は工事中の駅のおかげで、なんとなく立体的でわかりにくい街になった感じである。RPGのダンジョンみたいで、いつか攻略してみたい気もする。
さて芝居は15分の休憩を含めて3時間15分の長丁場である。修道女が6人と、村娘、雑用係みたいな人と保安官などが登場する。修道女たちはとても敬虔で、敬虔であるが故のバカバカしさやシュールさがあって、かなり笑える。
マタイの福音書でイエス・キリストが最初に群衆に向かって言った言葉は「悔い改めよ、天国は近づいた」である。バプテスマのヨハネが唱えたと同じ台詞だ。そして本劇で修道女たちが口癖にするのは「悔い改めなさい」である。アーメンの代わりがギッチョラだ。
自分たちではどうにもならない大きな力が働いたとき、修道女たちは兎に角祈る。祈るというのは自分以外の何かの力に期待することである。リアリストではないのだ。だから現実的な解決策を模索するのではなく、一発逆転の奇跡を試すことになる。その姿がなんとも滑稽で、なんとも悲しい。