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最低賃金、全国平均で14円上昇・時給687円に

2007-09-13 10:27:02 | Weblog
最低賃金、全国平均で14円上昇・時給687円に 2007年9月8日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070907AT3S0701N07092007.html
 厚生労働省は7日、都道府県別の最低賃金の決定状況を発表した。全国平均では時給14円の引き上げで、労使が参加する中央最低賃金審議会(厚労相の諮問機関)が示した引き上げ幅の目安に沿う形となった。最低賃金が生活保護の水準を下回る11都道府県のうち2県で逆転が解消した。政府は最低賃金法の改正案を臨時国会で成立させ、来年度以降にさらなる最低賃金引き上げを目指す。
 最低賃金は中央最低賃金審議会で目安を決め、この目安を手がかりに各都道府県の審議会が地域別の最低賃金額を決める。労使からの異議申し立てなどを受け付けたうえで、10月中下旬に新しい最低賃金へと切り替える。
 新しい最低賃金額は全国平均で687円。景気回復を背景に引き上げ額は14円と例年の2―4円に比べ高い。目安では地域の経済状態などに合わせ東京都などA(19円引き上げ)から青森県などD(6―7円)までの4段階に分けたが、青森県や広島県など22都県が目安を上回る引き上げを決めた。


 最低賃金の引き上げが決まりました。
 北海道は654円(10円アップ)、青森・岩手は619円(9円アップ)、宮城は639円(11円アップ)、秋田は618円(8円アップ)、山形は620円(7円アップ)、福島は629円(11円アップ)。
 茨城は665円(10円アップ)栃木は671円(14円アップ)、群馬は664円(10円アップ)、埼玉は702円(15円アップ)、千葉は706円(19円アップ)、東京は739円(20円アップ)、神奈川は736円(19円アップ)。
 新潟は657円(9円アップ)、富山は666円(14円アップ)、石川は662円(10円アップ)、福井は659円(10円アップ)山梨は665円(10円アップ)、長野は669円(14円アップ)、岐阜は685円(10円アップ)、静岡は697円(15円アップ)、愛知は714円(20円アップ)。
 三重は689円(14円アップ)、滋賀は677円(15円アップ)、京都は700円(14円アップ)、大阪は731円(19円アップ)兵庫は697円(14円アップ)、奈良は667円(11円アップ)、和歌山は662円(10円アップ)。
 鳥取は621円(7円アップ)、島根は621円(7円アップ)、岡山は658円(10円アップ)、広島は669円(15円アップ)、山口は657円(11円アップ)。
 徳島は625円(8円アップ)、香川は640円(11円アップ)、愛媛は623円(7円アップ)、高知は623円(7円アップ)。
 福岡は663円(11円アップ)、佐賀は619円(8円アップ)、長崎は619円(8円アップ)、熊本は620円(8円アップ)、大分は620円(7円アップ)、宮崎・鹿児島は619円(8円アップ)、沖縄は618円(8円アップ)。適用日は都道府県の都合で若干ずれますが、今年の10月下旬までには適用されることになっています。

 それにしても、引き上げが決まったとはいえ、相変わらず低い水準ですね…。
 仮に、非正規労働者がこの最低賃金で、1日8時間、月25日働くとしても、
時給700円で月14万円(700円×8×25)
時給750円でも、月15万円(750円×8×25)
 最近は非正規雇用といっても、従来の専業主婦が時間を切り売りするパターンだけでなく、高齢の方を中心に正社員になりたくてもなれない方もいますし、そんな方がこの条件あるいはこれに近い水準で、働くとなるとかなりきついのでは…。
 最近は若い方で『お給料が安いから結婚できない』という言葉も聞かれ、こういった発言はとかく『甘え』の一言で片づけられがちですが、もし男女双方がこの水準で働いていたら、子供を作ることなどとても考えられないと思います。

 最低賃金法の議論は、とかく経営者側の視点で語られがちですが、(民主党の平均時給1000円はさすがに非現実的としても)特に引き上げ幅の低い地方はもう少し現実的な金額の水準にまで引き上げるように個々の企業が努力していって欲しいですし、加えて最低賃金法違反を犯す事業所を厳格に摘発することで、法を実効たらしめることが必要ではないかと思います。

「白い恋人」の石屋製菓、森永製菓から幹部受け入れ 再開販売は11月以降

2007-09-13 10:21:05 | Weblog
「白い恋人」の石屋製菓、森永製菓から幹部受け入れへ 2007年9月10日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070910AT3B1000110092007.html
 主力商品「白い恋人」の賞味期限改ざん問題などで生産を全面停止している石屋製菓(札幌市、島田俊平社長)は10日、品質管理の強化に向け、森永製菓から人材を受け入れる方針を決めた。生産管理に精通した部長級の幹部を製造部門責任者として招き、年末か年明けをメドに臨時株主総会を開いて取締役にする。
 森永製菓は石屋製菓にチョコレートの原料などを供給しており、石屋側が幹部の派遣を求めていた。大手のノウハウを取得し、現場の従業員の意識改革や、危険度分析による衛生管理(HACCP)の認証取得を目指す。

石屋製菓、販売再開「11月以降に」・商品数3割削減 2007年9月12日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20070911c3c1100s11.html
 主力商品「白い恋人」の賞味期限改ざんなどが表面化した石屋製菓(札幌市)で、石水勲前社長の引責辞任に伴い同社社長に就任した島田俊平氏は、10月ごろとしていた販売再開が「11月以降にずれ込みそう」との見通しを示した。600種類あった商品数の約3割を削減し、管理体制を徹底する考えも表明。また、商品の回収費用は「想定より少なく、数億円にとどまる」と述べた。
 製造・販売の再開時期について島田社長は「(道や市の)審査を受けてから試験製造と検査を数回繰り返す」と説明。10月中の再開は難しいとの見方を示した。同社は、問題発覚後に招いたコンサルタント2社や社外委員によるコンプライアンス確立外部委員会の協力を受け、25日に道と札幌市に改善報告書を提出する計画だ。
 島田社長は一連の不祥事について、「社内に組織らしい組織がなく、検査と記録をしていなかった」ことが要因と指摘。原料、製品、ラインの衛生状態を管理する検査室を新設し、「ラインを止める強い権限を与える」考えを示した。



 アイスクリームから大腸菌が検出されたことが原因で、賞味期限の改ざん問題やバームクーヘンから黄色ブドウ球菌が検出されて本社工場が操業停止に追い込まれた石屋製菓ですが、森永製菓から経営幹部を受け入れた上で、11月以降に商品数を3割削減した上で製造を再開するようですね。
 ちなみに、同じ北海道のワンマン不祥事企業ということで、この会社もミートホープ社としばしば比較されることがあるのですが、実は石屋製菓は北海道の中では断トツの優良企業で、2007年8月18日付の日本経済新聞によれば、同社の2007年4月期の連結売上は92億円で、経常利益が22億円。食品製造業の経常利益率の平均が2.93%(平成18年東京商工リサーチ調べ)の中、経常利益率23.9%というとんでもない高収益企業で、1人あたりの経常利益も550万円と生産性もかなり高いのだとか…。
 まあ、これだけの財務体質のしっかりしたお宝企業ですからメインバンクの北洋銀行も常務クラスを社長に送り込んで本気で経営を支える気になったのかもしれませんね。

下水道料金:30年間にわたり未徴収 愛知・豊明

2007-09-13 10:13:47 | Weblog
下水道料金:30年間にわたり未徴収 愛知・豊明 2007年9月12日 毎日夕刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070912k0000e040088000c.html
 愛知県豊明市が、同市二村台地区の一部世帯について、約30年間にわたって下水道料金を徴収していなかったことが12日分かった。
 市下水道課によると、同課の職員が7月、下水道の新規加入者のデータを入力中、未徴収に気づいた。未徴収は個人住宅33戸、アパート5戸(44室)の計77件で、総額約1400万円に上る。
 同地区では71年、下水道を接続した大型の集合住宅が建設されたが、一部の業者が工事の完了届けを出していなかったことなどから、市のコンピューターに入力されなかったらしい。同課は「徴収漏れの世帯には深くおわびする。既に時効になったものもあるが、今後、納付をお願いしていきたい」としている。


 公共料金の徴収漏れも約30年もの長期間に渡って未徴収というのは、これまで聞いたことがありませんし、地図を見る分には二村台地区は市街地の中にあるようですが、なんでこんなに長い間徴収漏れが発生したんでしょうね…??? 明治以降は合併もしていない小さな市ですし、自治体合併に伴う混乱ということも考えにくいだけに、謎は深まるばかりです。
 それはそうと時効を超えた分まで納付をお願いするというのはさすがに無理があるでしょうね。勿論法的な問題もありますが、アパートについては、住民の入れ替えもあるでしょうし、まさか前の住民にまで住民票をたどって請求するなど現実的ではありません。もしマイホームをその地域に保有している人だけ、土地の所有権を根拠に数十年も遡るのではフェアではありませんし、現実的には2.3年遡る事が出来ればいいところかな…などと個人的には推測します。

シンドラー製エレベーターで事故2件、堺では9人けが

2007-09-13 10:05:08 | Weblog
シンドラー製エレベーターで事故2件、堺では9人けが 2007年9月12日
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070912it03.htm
朝日夕刊 http://www.asahi.com/national/update/0912/OSK200709120019.html
産経夕刊 http://www.sankei.co.jp/shakai/jiko/070912/jko070912000.htm
 12日午前0時50分ごろ、堺市西区浜寺石津町西4の遊戯施設「とこりん石津店」(4階建て)3階で、26歳~14歳の男性客9人が、4階に上がるためエレベーターに乗り込んだところ、エレベーターが突然、2階付近まで落下し、扉が開かなくなった。
 閉じ込められた客は、非常通報ボタンを押したが応答がなかったため、携帯電話で店に救助を要請。エレベーターの製造元で、保守管理をする「シンドラーエレベータ」(東京)の従業員が約50分後に駆けつけ、エレベーターを1階まで下ろし全員を救出した。
 9人は、落下の衝撃で腰を打ったり、気分が悪くなったりして、救急車で病院に搬送されたが、いずれも軽症。大阪府警捜査1課と堺南署は、エレベーターの管理が不十分だった可能性があるとみて、業務上過失傷害容疑で実況見分を行い、事故原因を詳しく調べている。
 調べでは、エレベーターの定員は9人、最大重量600キロ・グラム。客が4階のボタンを押し、扉は閉まったが、エレベーターは上がらずに落下したという。店側は、客が閉じ込められている間、消防に救助要請をしておらず、救出されてから119番通報していた。
 堺市によると、エレベーターは1973年のビル建設と同時に設置。ビルを所有する会社の男性従業員によると、所有会社はシンドラー社に依頼して、月に1回、エレベーターの点検を実施。最近では、8月29日に点検を行ったが、異常は見当たらなかったという。
 同店は、和歌山県有田市の「トコリ・グローバル」社が経営し、8月4日にオープンしたばかり。24時間営業で、ゲームセンターやボウリング場、カラオケなどがある。
 また、12日午前7時25分ごろ、兵庫県神河町新野の県営住宅(3階建て)で、3階から降下中のシンドラーエレベータ社製のエレベーターが、3階と2階の間で停止し、乗っていた住民の女性(30)と子ども3人の計4人が閉じ込められた。女性がエレベーター内の通報装置で同県姫路市内の管理会社に連絡し、担当者が約1時間後、エレベーターを復旧させて救出した。4人にけがはなかった。
 同県住宅供給公社によると、エレベーターは定員9人で、8月6日の定期点検では、異状はなかった。


 同じ『エレベーターが途中で停止する』といっても、ただ止まるのと、突然急落するのとでは、植えつけられる恐怖心の程度も違うでしょうしし、空調も整わない中、1時間近く閉じ込められた9人にとってはとんだ災難だったと思います。
 それはそうと、肝心な時に緊急呼び出しボタンが使えないというのも困りもの。いくら今は携帯電話を持ち歩いている人がほとんどとはいえ、こういった装置の定期点検も怠らないようにして欲しいですし、もし閉店後にたまたま携帯電話を忘れてきた人が1人閉じ込められていたら連絡手段がなく、翌朝になるまでずっと閉じ込められていたかもしれません。

 最近はシンドラー社の相次ぐトラブルのニュースもあまり聞かなくなっていたのですが、そろそろ油断が出てきたのでしょうか。メンテナンス業者には引き続き、しっかりした定期メンテナンスを行って欲しいと思います。

秋田児童殺害:なぜ命奪った?…注目裁判始まる

2007-09-13 09:58:44 | Weblog
秋田児童殺害:なぜ命奪った?…注目裁判始まる 2007年9月12日 毎日夕刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20070912k0000e040042000c.html
 12日、秋田地裁で開かれた秋田県藤里町の連続児童殺害事件の初公判。「私は謝罪しなければならない。1年半前、私はうそをつき、ひきょうでした」と、用意した手紙を読み上げた畠山鈴香被告(34)。一方、検察側は「(彩香ちゃんの存在を)疎ましく思っていた」「力のない子供に自らの憎悪を爆発させた」と二児殺害の動機を示し、殺害の様子を再現した。なぜ、長女とその仲良しの男児は命を奪われなければならなかったのか。注目の公判が始まった。
 午前10時35分ごろ、畠山被告は白い半袖のブラウスに黒いズボン姿で入廷。茶色に染め腰近くまで伸ばしていた髪は、肩までの薄い茶色に変わっていた。傍聴席に遺影を抱えた豪憲君の両親の姿を見つけると、軽く会釈した。
 公の場に姿を現すのは、昨年7月の拘置理由開示の法廷以来1年2カ月ぶり。逮捕前、テレビに登場し冗舌に語っていた時に比べ、少しやせてやつれた様子だった。
 畠山被告は起訴事実の認否に続き、用意した手紙を取り出し淡々とした声で読み上げた。「米山さんには、大切な家族を奪って申し訳ない。米山さんの家族と私の家族の失ったものは大きいと思います」。「私が変わったところを米山さんに見てもらわなければならない」と続け、長女の彩香ちゃんについては「彩香はお母さんといつも一緒にいた。かなわないけれど、もう一度、抱いてあげたい」と述べた。
 その後、弁護人の前の席に座り、冒頭陳述を読み上げる検察官を表情を変えずに見つめ続けた。ただ、彩香ちゃんの殺害場面にさしかかると、やや目を伏せた。
 一方、殺害された米山豪憲君(当時7歳)の父勝弘さん(41)は、厳しい表情で畠山被告を見つめ続けた。遺影をひざの上に抱いていた母は、検察側が豪憲君の殺害場面などを再現すると、あふれる涙を手でふき天を仰いだ。
 傍聴席には、畠山被告の母(55)と弟(26)の姿も。母は時折、ハンカチを目に当てながら、やりとりを見つめた。

◇「生まれた当時から育児を苦痛に…」 殺害動機を指摘
 「(彩香ちゃんが)生まれた当時から育児を苦痛に感じ、いなくなってしまえばいいと思っていた」--。12日秋田地裁で開かれた畠山鈴香被告の初公判。検察側は冒頭陳述で畠山被告が長女彩香ちゃん殺害の動機を指摘し、豪憲君殺害では「地域の子どもたちに八つ当たり的な恨みの念を抱いていた」と述べた。
 検察側は、畠山被告は彩香ちゃんと同じ部屋で寝ていることすら苦痛で交際相手が来た時は悪天候の屋外に放置することがあったとし、05年10月ごろには登下校中の子供が交通事故死した話題に絡み、「彩香があの中にいれば良かったのに」と同僚にメールを送ったこともあったと述べた。
 さらに、おびえながら「手を離さないでね」と繰り返す彩香ちゃんを欄干に乗せ、「怖い」としがみつこうとしたところを左手で突き落とし、彩香ちゃんは「お母さん」と叫び声を上げて落ちた、と現場の様子を再現。豪憲君についても、「思い出に彩香が使っていたものを何かもらって」と自宅に招き入れ、約10分間にわたって無抵抗の豪憲君の首を腰ひもで絞め続けたと指摘した。

◇「真実を話し、罪を償って…」
 傍聴席では、畠山被告の母(55)と弟(29)が初公判を見守った。弟は初公判を前に「豪憲君の家族に事件後、あいさつも謝罪もしていない。法廷で会えたら謝罪したい」と話し、「姉には真実を話して、罪を償ってほしい気持ちでいっぱい」と話していた。
 畠山被告の家族は、証拠隠滅の恐れがあるとの理由で接見禁止が続いており、顔を合わせるのは拘置理由開示の法廷以来約1年2カ月ぶりだった。
 畠山被告の父は今年3月、母と協議離婚。5月には2回目の脳梗塞(こうそく)で倒れ、6月に他界した。父は生前、畠山被告について「あいつが一番悪い」と言ったかと思えば、「会って話を直接聞きたい」と言うなど、取り乱しながらも娘を気に掛けていたという。弁護人から父の死を知らされ、畠山被告は「お葬式に出たい」と言ったという。
 畠山被告が事件当時住み、豪憲君殺害現場ともなった藤里町の町営住宅は、現在も無人のままになっている。町長が昨年7月、住民感情を受け取り壊して更地にする方針を表明したが、現在も解体のめどは立っていない。

▽藤里町連続児童殺害事件 06年4月9日、秋田県藤里町立藤里小4年、畠山彩香ちゃん(当時9歳)が行方不明となり翌日、自宅から約7キロの藤琴川で水死体で発見。同年5月17日、2軒隣の同小1年、米山豪憲君(同7歳)が行方不明となり翌18日、自宅から約10キロの米代川沿いの草むらで遺体で発見された。県警は同年6月4日、彩香ちゃんの母の畠山鈴香被告を豪憲君の死体遺棄容疑で逮捕。豪憲君殺害、娘の殺害容疑でも立件した。県警能代署は彩香ちゃんの事件を当初、「事故」と発表し、畠山容疑者が情報を求めるビラを配っていた。


秋田児童殺害:彩香ちゃんの殺意否認 豪憲君は認める 2007年9月12日 毎日夕刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20070912k0000e040030000c.html
 秋田県藤里町で昨年4、5月に起きた連続児童殺害事件で、2件の殺人と死体遺棄の罪に問われた無職、畠山鈴香被告(34)の初公判が12日、秋田地裁(藤井俊郎裁判長)で開かれた。起訴事実の認否で畠山被告は長女彩香ちゃん(当時9歳)の事件について「違います。殺害しようと決意したことはありません」などと殺意を否認。近所の米山豪憲君(同7歳)の事件では「(殺害と死体遺棄は)間違いありません。ただその時の精神状態が正常だったか、私には分かりません」と述べた。
 検察側冒頭陳述によると、畠山被告は06年4月9日午後6時45分ごろ、彩香ちゃんを橋の欄干に両足を外側にして座らせ、しがみつこうとした左肩を左手で押して約8メートル下の藤琴川に突き落とし、水死させた。検察側は、畠山被告は子どもへの生理的嫌悪感から彩香ちゃんを邪魔に感じ、同日午後6時過ぎ、川を遡上(そじょう)する魚が見たいと強くせがまれて嫌悪の念が極限に達し、自宅から約3キロの大沢橋に連れて行って殺害を決意したとした。
 また、隠ぺいのため警察官に事故の可能性を指摘し、悲しむ自分の母らの手前、情報提供を求めるビラなどを配ったが、こうした行動が積極的に取り上げられずに社会への憎しみを強め、4月下旬ごろから子どもの誘拐事件を起こすことを考えるようになったと指摘。同年5月17日午後3時半ごろ、下校途中の豪憲君を見て、社会に報復する機会と考えて殺害を決意し、自宅玄関に招き入れて腰ひもで首を絞めて殺害し、遺体を能代市の米代川沿いの草むらに遺棄したと述べた。
 また、畠山被告は精神病とは認められず、自己中心的で攻撃性が認められるのは人格基盤にすぎず、事件当時は完全責任能力があったと述べた。
 一方、弁護側も冒頭陳述を行い、彩香ちゃんが橋の欄干でしがみつこうとしたが、触られるのを嫌うスキンシップ障害のためにはらいのけただけと主張。ショックで「彩香は家で待っている」と思い込んだなどと述べた。また、豪憲君事件については事実関係を認め、「畠山被告は幼少期から虐待を受け、解離性障害を生む原因になった。境界性人格障害などで思いを倒錯させて、殺害に至った」と責任能力を争う姿勢を示した。
 畠山被告は法廷で、「亡くなった2人にごめんなさいという気持ちでいっぱいです」などとする手紙を読み上げた。
 秋田地裁は、公判前整理手続きで精神鑑定の採用を決定しており、公判と並行して鑑定が行われる。公判は12月21日まで12回の日程で証人尋問や被告人質問を行い、審理が順調に進めば来年1月に論告求刑、来春にも判決が言い渡される。


秋田2児殺害、遺族の心情読み上げ「畠山被告を極刑に」2007年9月13日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070912ic25.htm
 秋田県藤里町の連続児童殺害事件で、殺人と死体遺棄の罪に問われた同町、無職畠山鈴香被告(34)の初公判は、12日午後も秋田地裁(藤井俊郎裁判長)で続き、書証の証拠調べが行われた。
 検察側は、殺害された近所の小学1年米山豪憲君(当時7歳)の父勝弘さん(41)が「なんで罪のない者が殺されるのか分からない」と訴えた調書を読み上げ、遺族のつらい心情を明らかにした。
 勝弘さんは調書で「恨みを買うようなことは何もしていない」とし、「豪憲がいなくなって夜も眠れない日々が続いた」と述べている。遺体と対面した時には、「顔は腫れ上がってどんなに痛かったろうと思い、妻と体をさすった」と振り返っている。勝弘さんは「殺害した後、励ましの手紙をよこすなど、遺族をバカにしていたのではないか」と怒りをあらわにし、「豪憲は戻ってこないが、死刑にしてもらいたい。そうでないと、このような事件は防ぐことはできない」と訴えている。
 検察側はさらに、殺害された長女の小学4年彩香さん(当時9歳)の父親で、畠山被告の元夫の「命をもって償ってほしい」とする調書も示したほか、彩香さんの死後、慰めになればと、勝弘さんが畠山被告に手渡したビデオ映像を証拠として提出。シャボン玉で仲良く遊ぶ彩香さんと豪憲君の姿がスクリーンに映し出されると、畠山被告はじっと見入り、目頭を押さえた。


秋田児童殺害:注目裁判…一般傍聴席巡り2509人の列 2007年9月12日 毎日夕刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20070912k0000e040043000c.html
 12日秋田地裁で開かれた畠山鈴香被告の初公判。注目を集めた事件とあって、25席の一般傍聴席を巡り2509人が集まった。小雨が降る中、抽選が行われた午前9時20分過ぎには、整理券を配布する秋田地裁近くの駐車場に長蛇の列が出来た。
 秋田市の主婦、浅野幸子さん(52)は「まだ解明されてない面の多い事件なので、ぜひ見てみたいと思った。予想以上に人が多くて傍聴券は当たらなかった。残念です」と話していた。



 安倍首相の突然の辞任のニュースがあまりにも衝撃的だったので、こちらの報道はあまり目立ちませんが、あの秋田の自分の娘とその友達の男の子2人を殺害した容疑で逮捕された畠山鈴香被告の裁判がようやく始まったようです。
 この事件も、当初は外部の変質者が犯人か?と思われていたのが、実は犯人は近所に住んでいた女、しかも被害者の2人のうちの1人の母親だったという衝撃は今でも忘れることができませんし、その後の被告の言動や犯行の理由には、あまりの身勝手さに腹が立って仕方がありませんでした。

 それにしてもよくわからないのが、今回のように犯人が逮捕されてから、最初に裁判がスタートするまでに、なぜ1年3ヶ月もかかってしまったのか? ということ。
 あのオウム真理教の麻原彰晃被告の初公判でさえ逮捕から1年以内に初公判が行われて(逮捕日95年5月16日、初公判96年4月24日)いますし、酒酔い運転で車を衝突させて福岡3幼児を見殺しにした今林太被告の事件も逮捕日8月25日から10ヵ月後の6月12日に初公判が行われているのに、なぜこの事件だけがこんなに時間がかかるのか私には全く理解できないのですが、今は被害に遭った2幼児や米山豪憲君の遺族のためにも、1日も早く畠山鈴香被告の罪状を確定させて、2人の墓前に報告してあげて欲しいと願わずにはいられません。

安倍首相辞任

2007-09-13 09:43:41 | Weblog
安倍首相辞意:衝撃の一報…列島にショック広がる 2007年9月12日 毎日夕刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20070912k0000e010070000c.html
 「職を賭して」と海上自衛隊の給油活動継続への決意を表明して、わずか3日。安倍晋三首相は12日、自民党幹部に辞意を伝えた。「本会議の時間が決まらない」と朝から国会内がざわつく中で、突然飛び込んできた衝撃の一報。参院選の惨敗、相次ぐ閣僚らの辞任……。内閣支持率が低迷し続け、退陣を求める声も強まる中で、何が「引き金」を引いたのか。政界関係者や安倍首相を支持してきた拉致関係者、地元支援者を含め、列島にショックが広がった。
 国会では本会議で代表質問が行われる場合、開会時間など日程は早めに決まる。だが、この日は違った。衆院議員の間では、開会の時間がなかなか決まらないことをいぶかる声が高まっていた。
 「おい、まだ(開会の)予鈴は鳴らないかな」
 12日正午過ぎ、スーツを着込み、議員会館の自室で本会議出席に備えていたある議員は秘書に呼びかけた。
 「1時の開会は無理だと議運は言ってるそうです」
 「何だろうな」
 議員が首をかしげた瞬間、テレビのテロップに「安倍首相、辞意を伝える」の速報が流れた。議員は食い入るように画面を見つめ、早速情報収集のため、あちこちに電話をかけ始めた。

◇東京・霞ケ関にも衝撃
 東京・霞ケ関でも衝撃が走った。厚生労働省幹部は午後1時前にテレビに流れた「安倍首相辞意」のテロップに「えっ」と絶句した。その後「内閣総辞職となれば、また、大臣が変わるのか。やっと、年金などの課題がスムーズに動きだしているところなのに……。とにかく情報が本当かどうか知りたい」と話した。
 国交省幹部も「内閣改造したばかりなのに、また変わるのか」とつぶやいた。幹部らは「なぜ辞任するのか」などと慌しく情報収集に走った。
 農水省幹部はテレビの速報で知り、「えっ本当にそうなのか。所信表明をしたばかりなのに。農水の一連の不祥事が直接の原因とは思わないが、異例のことだ」と半信半疑の表情を見せた。
 テロ特措法の国会論戦を控える防衛省・自衛隊では、14日から全国各地でインド洋の自衛隊の補給活動をアピールする一般向けセミナーも予定されており、唐突な辞意表明に驚きと困惑の声が漏れた。
 同省では、ある自衛隊幹部は「安倍さんほど自衛隊の現場を訪ね、士気を気遣ってくれた総理はいなかった。本当だとしたら誠に残念だ」とやるせない表情。別の同省幹部は「小池(前防衛相)さんが内閣に留まらないと言い出した時も驚いたが、まさか安倍さんまでとは。もう政治家は信じられなくなりそうだ」と情報収集に追われていた。
 自民党東京都連の幹部は、テレビのニュース速報で安倍首相辞任の一報を聞き、「びっくりしている。大変残念だ。新しい歴史を作れなかったのは残念だ。応援した以上は頑張ってほしいという期待しかなかった」と話した。東京都千代田区の衆院第1議員会館にある安倍首相の事務所では、首相が与党幹部に辞意を漏らしたというテレビのニュース速報について「分かりません。情報源に確認して下さい」と短く答えるにとどまった。
 「辞める人に代表質問ができる訳がない。どうするのか」。衆院本会議の代表質問を控え、衆議院内の民主党国対役員室で同僚議員と打ち合わせをしていた山井和則衆院議員は「前代未聞だ」と驚きの声を上げた。ニュースが流れた瞬間、部屋は議員のどよめきの声に包まれたという。「(直後に控えた)鳩山さん(由起夫・同党幹事長)らの質問に答えられないと思ったのか。こんなことは国会史上ない」と戸惑いを隠せなかった。

◇居座りは無理
 ▽政治評論家・森田実氏の話 来るべきものが来ただけで当然と受け止めている。参院選で国民から事実上の不信任を突きつけられ、国民が信任しない政権が「衆院じゃないから」という理屈で居座るのはもともと無理だった。どんな独裁政権でも国民の信任が得られないと長持ちしない。衆院解散のエネルギーは首相自身にも政権にも残っていないことが、首相の最近の表情から読み取れた。臨時国会前から既に安倍首相には辞めるという選択肢しか残っておらず、後は時期の問題だと考えていたので全く驚きはない。
 ◇遅すぎるぐらい
 ▽評論家、室伏哲郎さんの話 辞任は当然だ。むしろ遅すぎるくらいだ。7月の参院選で、安倍晋三首相は「私と民主党の小沢一郎代表のどちらを首相に選ぶのか」と国民に迫った。国民は選挙結果を通じてその意思を示したのに、首相は前言を翻し、何もなかったかのように居座り続けた。安倍政権は実質的に何もしていない。零点だ。後継に選んだ小泉純一郎前首相の責任も大きい。

◇逆風が多すぎた
▽漫画家、弘兼憲史さんの話 国会の期間中で本当にびっくりした。自民党が崩壊する、あるいは次の選挙で勝てないと自ら考えたのか、自民党の長老から説得されたのか。いずれにしろ断腸の思いで決断したのだろう。この1年間で、防衛庁を省へ昇格させたり、憲法改正への道筋をつけたことは評価したい。ただ、消えた年金の問題や政治とカネなど、あまりにも自分と関係のないところで逆風が吹いた。ご苦労様と言いたい。

◇根拠なかった続投
▽評論家の樋口恵子さんの話 辞意表明は遅きに失した。安倍さんは参院選で自民党が大敗しても、「基本的な政策は支持されている」と言っていたが、何の根拠もなかった。よくぞここまで居座ったという感じだ。安倍さんは、国民が何を望んでいるのかが理解できなかったのが致命的だ。国民が腹をすかせているのに、それを理解せず、国を愛すことを強いた。次の首相には聞き上手な人がなるべきだ。


安倍首相辞意:不祥事続いたお友だち内閣 2007年9月12日 毎日夕刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20070912k0000e010073000c.html
 安倍首相は06年9月20日、自民党総裁選で麻生太郎幹事長と谷垣禎一元財務相を破って第21代総裁に就任した。第1次安倍内閣は同26日に発足したが、親しい仲間を多く集めたことから「お友だち内閣」などとも呼ばれた。
 安倍内閣は、相次ぐ閣僚の不祥事に悩まされた。同12月に、佐田玄一郎行政改革担当相(当時)政治資金問題で辞任。今年1月に故松岡利勝農相(当時)の事務所費問題が浮上し、5月に松岡氏が自殺した。7月には久間章生防衛相(当時)が、原爆投下について「しょうがない」と発言し辞任に追い込まれた。さらに、参院選直前の同月、赤城徳彦農相(当時)が事務所費問題が浮上したことなどから自民党は歴史的な大敗。8月になって赤城氏を更迭した。
 第2次安倍内閣では、閣僚などの相次ぐ政治資金の問題が発覚し、混乱を極めていた。
 赤城元農相の度重なる事務所費問題など閣僚の不祥事で傷ついた安倍内閣は、「身体検査」を終了したはずの参院選後も、やはり政治とカネの問題にまみれた。
 今月1日に遠藤武彦前農相が組合長を務める農業共済組合が、99年に国の補助金115万円を不正受給していた事実が発覚し、出鼻をくじかれたほか、額賀福志郎財務相や玉沢徳一郎元農相などの事務所や政治資金を巡る不祥事も相次いだ。


安倍首相辞任:問題解決に心配も 拉致被害家族ら
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070913k0000m040073000c.html
 北朝鮮による拉致問題への取り組みを追い風に政権を握った安倍首相の突然の辞任に、拉致被害者家族らは一様に驚き、拉致問題の解決が遠のかないかと懸念した。
 東京都内で12日夕、会見した家族会の飯塚繁雄副代表(69)は「他の家族の間でも『残念』という言葉がほとんど」と語ったうえで「拉致問題解決はどうなるのかと心配しているが、現状から後退しない体制を望んでいる。次も大きな期待を持てる人に(首相に)なってほしい」と語った。
 増元照明事務局長(51)は「首相の就任直後に面会した時は、私たちに解決への強い決意を伝えてくれてありがたかった。毅然(きぜん)と北朝鮮にものを言う姿勢を評価してきただけに非常に残念」と述べた。安倍首相就任直後の06年11月に12件目の拉致認定を受けた松本京子さんの兄孟(はじめ)さん(60)は「(安倍首相の下でできた)拉致問題対策本部はこれからどうなるのか」と今後を案じた。
 有本嘉代子さん(81)は、神戸市の自宅で「初めて北朝鮮と真剣に向き合ってくれた政治家だった」と残念がった。娘の恵子さんが北朝鮮にいると分かった88年当時、相談に乗ってくれたのは、安倍首相の父、故晋太郎氏の事務所だった。嘉代子さんは「政治とカネの問題などは安倍さんだけの責任ではないはず。マスコミや野党の批判に耐え切れなかったのでしょう」とかばった。


安倍首相辞意:中国、韓国でも速報 2007年9月12日 毎日夕刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/20070912/news/20070912k0000e030076000c.html
 中国全土で放映される香港のテレビ局「鳳凰テレビ」は12日正午(日本時間同午後1時)のニュース番組で、安倍首相が辞意を表明したとのニュースを日本の通信社電を引用して速報した。
 また、韓国のテレビ局「KBS」はドラマの放映中に「安倍辞任表明」とのテロップを流した。


米、政局動向を注視・首相辞任表明で 2007年9月13日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070913AT3S1201512092007.html
 【ワシントン=丸谷浩史】米政府は安倍晋三首相の辞任表明を受け、今後の日本の政局動向を注視している。ブッシュ大統領が首相との会談でテロ対策特別措置法の継続を訴えた直後だけに、自民党の後継総裁にも引き続きインド洋での給油継続を求める方針。対テロ戦争の「有志連合」国の首脳がまた1人、政権の座を去るだけに、ブッシュ政権の懸念も大きいとみられる。
 ブッシュ大統領は昨年の安倍政権誕生以来、1年以内に4度にわたって会談を重ねてきた。大統領と盟友関係にあった小泉純一郎前首相の後継首相として改革の推進を期待した事情だけでなく、安倍氏が日米同盟の重要性を踏まえ、対テロ戦争への積極的な協力姿勢を示した事情が大きかった。
 安倍氏の辞任でインド洋での給油継続に空白が出る公算は大きく、対テロ戦争の国際協調体制に打撃となる可能性は否定できない。


安倍首相辞意:与野党とも「全く無責任」と強い批判 2007年9月12日 毎日夕刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/20070912/news/20070912k0000e010074000c.html
 安倍晋三首相が与党幹部に辞任の意向を伝えた。所信表明演説を終え、代表質問直前の辞意表明であり、与野党ともに「全く無責任だ」との強い批判が上がっている。
 野党側からは「この段階で辞めるのは無責任だ。辞めるのならもっと早く辞めるべきだ」(鳩山由紀夫民主党幹事長)、「放り出すのは無責任だ。参院選直後にやめるべきだ」(福島瑞穂・社民党党首)の声が出ている。
 また自民党の閣僚経験者は「続投自体に問題があった。政権は完全に行き詰まってしまい、政権を投げ出したとしかいいようがない」と語った。
 また中堅議員は「ポスト安倍で混乱するだろう。国政への影響ははかりしれない。国家の危機的な状況だ」と首相を批判している。
 自民党は今後「ポスト安倍」選びで混乱することも予想される。
 このためインド洋での海上自衛隊の活動の根拠になるテロ特別対策措置法や新法などの審議について大きな影響が出ることは必至だ。
 首相は7月29日の参院選で惨敗したのにかかわらず、続投を表明した。続投に関しては与党内からも批判も浴びたが、参院選は政権選択選挙ではなく、安倍政治そのものが否定されたわけではないという理由で退陣論を突っぱねた。
 安倍首相は内閣改造では派閥の長を中心にしたベテラン閣僚を起用し、求心力の回復を図った。いったんは支持率が回復したが遠藤武彦前農相の辞任で首相の任命責任が問われ批判を浴びていた。この時点で首相の命運は尽きていたという指摘もある。


経済界、寝耳に水・首相の辞意表明  2007年9月12日 毎日夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070912AT3S1200O12092007.html
 首相辞任は経済界にとっても寝耳に水だった。日本経団連は12日朝、自民党と首脳懇談会を開いたばかり。懇談の場で経団連の御手洗冨士夫会長は「選挙で構造改革の基本路線が否定されたわけではない」と述べ安倍改造内閣に一定の期待感を示すとともに、「改革の火を絶やしてはならない」と注文を付けていた。
 ただ、経団連の内部では首相の指導力について「やや不安な面がある」(関係者)との声も出ていた。「すき間風」が吹いてきたともされる経済界と自民との距離感だが、今回の辞任がどういった影響を及ぼすかが焦点になりそうだ。(14:44)


霞が関「自爆テロのようなものだ」 首相辞意表明で 2007年09月12日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/politics/update/0912/TKY200709120196.html
 改造内閣スタート直後の首相の辞意表明に、霞が関にも驚きが走った。
 テロ対策特措法の延長問題を抱える防衛省。幹部の一人は「重要法案を抱えているのに」と、うなった。特措法の延長について首相が「職を賭して」と述べたことに対し、防衛省には「ハードルを高くした」という懸念が出た一方、強い決意と受け止める見方もあった。「なぜ今の時期に。無責任では」とつぶやく幹部も。「個人的に耐えられなくなったのか」との声も出た。
 国土交通省のある幹部は「替わったばかりの副大臣、政務官もまた交代か。なんという無駄だ」とため息。別の幹部は「なんで今なんだ。ミステリーのミステリーだ」。
 法務省の幹部は「ただただ驚いている。所信表明をした直後の辞任はあまり例がないのではないか。何のために、なぜ今の時期に、と意図をはかりかねている」と語った。「新しい大臣が仕事を始めたばかりのところですべて振り出しに戻った感じ。これからどうなることか……」と途方に暮れる幹部も。
 厚労省の幹部は「『職を賭して』と発言しても『総理のために』という求心力は高まらず、これでは臨時国会も乗り切れないと気持ちが途絶えてしまったのではないか」。別の幹部は「今のタイミングでやめるのは自爆テロのようなものだ。体調が優れないことが原因かもしれないが……」と語った。


安倍首相が辞任表明・総裁選19日投開票、麻生氏ら出馬有力に 2007年9月13日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070912AT3S1202312092007.html
 安倍晋三首相は12日、首相官邸で記者会見し辞任の意向を表明した。政策実行力の不足を理由に挙げたが、与謝野馨官房長官は健康問題が一因との見方を示した。首相は後継総裁が決まり次第、内閣総辞職する。自民党は党総裁選を14日告示―19日投開票の日程で調整。麻生太郎幹事長や谷垣禎一元財務相らの出馬が有力視されるものの、突然の退陣に動揺が広がっている。
 首相は12日午後2時からの記者会見で「本日、職を辞するべきと決意した。内閣改造を行ったが、国民の支持、信頼のうえで力強く政策を前に進めていくことは困難な状況だ。自らがけじめをつけることによって局面を打開しなければならない」と説明した。
 さらにインド洋での海上自衛隊の給油活動の継続問題について「新たな首相のもとでテロとの戦いの継続を目指すべきだ」と指摘。協力要請のための民主党の小沢一郎代表との会談のメドが立たない点にも触れて「党首会談も実現しないという状況の中、私の約束したことができない。むしろ(首相として)残ることが障害になっている」と語った。


チルドレンに「小泉再登板論」・本人は「出ない」 2007年9月13日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070912AT3S1203F12092007.html
 自民党の中堅・若手でつくる「改革加速議員連盟」の会長を務める津島派の棚橋泰文氏は12日、都内で小泉純一郎前首相と会談し、党総裁選への出馬を打診した。小泉氏は「俺は出ない」と拒否した。
 ただ、中川秀直前幹事長は同日夜、都内のホテルで開いた「小泉チルドレン」と呼ばれる衆院1年生議員らのとの会合に出席。「日本のトップは小泉氏しかいない」と、引き続き再登板を要請すべきだとの考えを伝えた。
 この後、棚橋氏とチルドンレンら31人は「小泉前首相の再登板を実現する有志の会」を結成した。同会には前防衛相の小池百合子氏のほか片山さつき、佐藤ゆかり、猪口邦子、小野次郎各氏らが名を連ねた。


安倍首相辞意:「週刊現代」が「脱税疑惑」追及で取材 2007年9月12日 毎日夕刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070912k0000e040078000c.html
 突然辞意を表明した安倍首相については、「週刊現代」が首相自身の政治団体を利用した「脱税疑惑」を追及する取材を進めていた。
 同編集部によると、安倍首相は父晋太郎氏の死亡に伴い、相続した財産を政治団体に寄付。相続税を免れた疑いがあるという。晋太郎氏は91年5月に死亡し、遺産総額は25億円に上るとされていた。編集部は安倍首相サイドに質問状を送付し、12日午後2時が回答期限としており、15日発売号で掲載する予定だったという。



 先週の月曜日に新しい内閣閣僚を発表して、一昨日所信表明演説をしたばかりなのに、さすがにこのタイミングで安倍首相が辞任することは予想外でした。
 個人的には、第二次内閣を作った以上は、予算委員会までは意地でも粘ると見ていただけに、『なんてタイミングで辞任してくれたんだ』とただただ呆れ果てることしかできません。
 どうやら本当のところは健康問題が辞任の真の理由だったようですし、だったら何で参議院選挙で敗退したタイミングで健康問題を理由に辞任しなかったのかと、文句の1つも言いたくなります。
 ちなみに新総理が24日に開催される国連総会に出席するためには、22日に出国しなければならないために、既に14日に総裁選告示が行われ、19日には投開票が行われる方向で一度話しは進みかけましたが、「党員の声をできるだけ反映すべきだ」という意見も強く、投開票を25日にずらす案を含めて最終調整を進めているようで、もし後者になれば、国連総会は誰が出席するのかという問題も発生してきます。どちらにしても、総裁選に立候補するには国会議員20人以上の推薦が必要だけに、随分慌しい総裁選になりそうですね。
 ちなみに、小泉前首相は待望論は多いものの本人は固辞したようですが、中堅議員にも小泉待望論が高いようですし、ちょっとわからなくなってきました。

 一方、この安倍首相の脱税疑惑については気になる記事です。週刊現代も今は総裁選や(近く行われることが予想される)総選挙などの取材で、しばらくは一杯一杯になりそうですが、もし総理大臣経験者が多額の相続税逃れをしていたとなれば、これは一大事。安倍氏の相続税逃れの疑惑が一段落する頃には衆議院の総選挙が終わり、民主党が大躍進しているのでしょうか…。


他政治絡みのニュースリンク
所信表明2時間後…首相、麻生幹事長に辞任示唆の問いかけ
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070913i1w1.htm?from=main1
早期解散へ民主加速 小沢氏「衆院過半数取る」
http://www.asahi.com/politics/update/0912/TKY200709120371.html
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070912i216.htm?from=main2
短命政権で“お国入り”ならず、地元・下関では落胆の声
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070912ic22.htm
「迷惑を被るのは国民」突然の退陣に、うんざりの声・声…
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070912i115.htm
ポスト安倍、各派閥が候補者巡り一斉に調整
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070912ia21.htm
民主・山岡氏、問責無視戦術を批判
http://www.sankei.co.jp/seiji/seikyoku/070912/skk070912002.htm
安倍首相辞任:国会準備してたのに… 新閣僚も複雑
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20070913ddm041010009000c.html