ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

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学童保育、1施設当たり上限70人…厚労省指針

2007-10-18 12:47:35 | Weblog
学童保育、1施設当たり上限70人…厚労省指針 2007年10月14日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071014it02.htm
 共働きや一人親家庭の児童が放課後を過ごす「学童保育」の規模や設備などに関し、厚生労働省が策定する初のガイドライン(指針)の内容が13日、明らかになった。
 同省は近く公表し、各都道府県などに通知する。学童保育は、利用者急増で大規模化し「子供に目が届かない」などの問題も指摘されており、保育の質を確保するのが目的だ。
 指針では、1施設当たりの児童数を「最大70人までとする」と上限を明記した。面積は、児童1人当たりおおむね1・65平方メートル以上とし、児童の体調が悪いときに休息できるスペースを確保することを定めた。
 土曜日や夏休みなどの開所時間は、8時間以上としている。また、新1年生については、4月1日から受け入れるようにした。保育園に子供を預けて働く親が、「3月末の卒園後、4月上旬の入学式まで子供を預ける場所がないのは困る」との声が強かったためだ。
 学童保育は1997年に児童福祉法改正で法的に位置づけられたが、設置は自治体の努力義務。同省はこれまで「地域の実情に応じて多様な形で実施」との方針から、設置や運営に関する最低基準を設けてこなかった。利用者の急増で「子供に目が届かず、出欠確認も難しい」「騒がしくて頭痛を訴える子供もいる」などの問題も指摘されており、同省は「一定の質の確保のため、全国的な基準を示す必要がある」と、初の指針を策定した。
 同省によると、学童保育数は全国で1万6685か所(今年5月1日現在)、5年前に比べ3903か所増加した。登録児童は74万9478人(同)で、5年前よりも24万7437人増えた。1施設当たりの児童数も増え、今回の指針の上限を超える71人以上の学童保育が、全体の約15%を占める。学童保育に入れない待機児童も、1万4000人を超える。


 これまでの学童保育は、『とりあえず子供を預かってくれるところ』が最優先され、『子供の生活環境』や『学童保育の質』『教職員の待遇』までは到底手が回らなかったのが現実なのですが、ようやくガイドライン作りがスタートしたようですね。
 ごくごく個人的な意見を述べるならば、定員上限70人でも(子供のストレスを考えると)少し多いかな…という気もしなくもないのですが、これまで何の決まりごとがなかったことを考えれば一歩前進ではないでしょうか。
 もっとも、お国の方では、この上限を超えた場合には3年後から補助金を打ち切るという怖い報道も入ってきていて(昨日=17日のNHKのクローズアップ現代でそのようなことを言っていました)、これで小規模な学童保育が普及してくれれば良いのですが、現実にはそう簡単に代替施設が見つかるとも思えませんし、1学年に何クラスもある大きな学校をそのまま利用しているようなケースでは、そもそもこの70人という定義をあまり厳格に運用することが本当に好ましいのかな…などとどうしても考えてしまいます。
 万が一にも補助金が打ち切られるような事になれば、予算の確保がますます難しくなり、指導員の待遇が悪くなったり、指導員の数そのものが予算の関係で減らされ、そうなると子供のケガが増えそうな悪循環に陥りそうな気もするのですが、単純に預入人数だけで判断するのではなく、むしろ十分な数の指導員を配備して、その指導員もあまりの低収入のために、しょっちゅう入れ替わることで子供の不安をかきたてないようにするなど、真に子供達にとって快適な施設の運用を考えるべきではないかと思います。

わいせつ質問書いたボール拾わせる、中学講師が辞任…福岡

2007-10-18 12:44:06 | Weblog
わいせつ質問書いたボール拾わせる、中学講師が辞任…福岡 2007年10月16日
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071016i503.htm
朝日夕刊 http://www.asahi.com/national/update/1016/SEB200710160001.html
毎日夕刊 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20071016k0000e040095000c.html
 福岡県新宮町の町立新宮中学校(762人)の水泳の授業で、保健体育の男性講師(32)がわいせつな質問を書いたゴルフボールをプールで拾わせ、女子生徒に答えさせていたことがわかった。
 同校によると、問題の授業は9月21日に計3時限あり、2年生(6クラス)の全女子生徒約100人が2クラスごとに参加。水に慣れるためプールに沈めたゴルフボールを潜って拾わせた。約40個のうち3個に「バストは何センチか」「好きな男子の名前を言いなさい」「セックスしたい」と書き、質問に答えさせたり、書かれた文言を言わせたりしたという。
 同日夜、保護者から学校に抗議の電話があり、講師は「軽率だった」として保護者会で謝罪。今月10日、町教委に辞表を提出、受理された。講師は4月に着任し、野球部の顧問や3年生の副担任を務めていた。
 佐藤勝志校長は「多感な子どもたちへの教育活動として不適切であり、誠に残念。生徒、保護者の信頼回復に努めたい」としている。


 いくら体育会系教師とはいえ、今時ここまで露骨なセクハラ教師も珍しいですし、当人が辞表を提出するのを待つのではなく、きっちり懲戒処分すべきだったのではないかと思うのですが、どうも学校側の処分は甘いですね…(憮然
 そういえば、時代が全然違いますが、私が在籍した中学でも、女子バスケットボールのコーチがとんだセクハラ体質の男で、体育会系の部に所属していない私達にまで、かなり良くない噂が聞こえていましたが、学校側は、そのコーチが就任してからチームが強くなったことを理由に、事情を聞くことさえしていなかったたようで…。どうも体育教師となると、指導力さえあれば、多少の問題行為は許容するような、おかしな暗黙の了解があるように思えてなりません。
 ただ、こういった問題を放置すると、学校が荒れる原因にもつながりかねませんし、今後は通常の教職員に対するセクハラ教育もさながら、とりわけ上下関係の厳しい体育系教師の各種ハラスメントを起こさない対人折衝能力が求められているように思いますし、学校の方もきちんと指導すべきではならない時代になったのではないかと思います。

東京地裁「パワハラ自殺」初の労災認定…上司の暴言が原因

2007-10-18 12:40:54 | Weblog
東京地裁「パワハラ自殺」初の労災認定…上司の暴言が原因 2007年10月16日
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071015i113.htm
産経 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071015/trl0710152345004-n1.htm
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071015AT1G1503J15102007.html
朝日 http://www.asahi.com/national/update/1015/TKY200710150296.html
毎日 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20071016k0000m040070000c.html
 製薬会社の営業担当社員だった男性(当時35歳)がうつ病になって自殺したのは、直属の上司の暴言が原因だったとして、男性の妻が国を相手取り、労災と認めるよう求めた訴訟の判決が15日、東京地裁であった。
 渡辺弘裁判長は「男性は、上司の言動により過度の心理的負担を受けて精神障害を発症し、自殺に及んだ」と述べて、男性の自殺を労災と認定し、国に遺族補償給付の不支給処分を取り消すよう命じた。
 原告代理人によると、上司の暴言やいじめなどのパワーハラスメント(職権による人権侵害)を自殺の直接の原因と認め、労災を認定した司法判断は初めて。
 判決によると、男性は1997年から、東京都内に本社のある製薬会社の静岡営業所で営業担当として勤務していたが、2002年4月に赴任してきた係長から、「存在が目障りだ。お願いだから消えてくれ」「お前は会社を食いものにしている、給料泥棒」「お前は対人恐怖症やろ」などの暴言を受けた。男性は02年12月~03年1月、適応障害やうつ病を発症し、取引先とのトラブルが続いた後の03年3月に自殺した。
 男性の遺書には、係長から受けた暴言が記され、「自分の欠点ばかり考えてしまい、自分が大嫌いになりました。先月からふと『死にたい』と感じていました」などと書かれていた。
 判決は、<1>係長の態度には男性への嫌悪の感情があった<2>男性の立場を配慮せずに大声で傍若無人に発言していた――などと指摘。「係長の言葉は過度に厳しく、男性の人格、存在自体を否定するものもあった。男性の心理的負担は、通常の『上司とのトラブル』の範囲を大きく超えていた」と述べた。

 判決後、記者会見した原告代理人の川人博弁護士は「これまで自殺が労災と認定されたのは、長時間労働を原因とするケースが大半だった」と指摘し、「日本では、職場での上下関係を前提にした上司による暴言や嫌がらせが放置されてきたのが現状。今回の判決は、そうした風潮を正す意味でも画期的だ」と話した。男性の妻は「勝訴でほっとした。裁判をやった甲斐(かい)があった」と語ったという。
 一方、男性の自殺を労災と認めなかった静岡労働基準監督署は「今後の対応については、判決内容を検討し、関係機関とも協議した上で判断したい」とコメントした。


 パワーハラスメント絡みの裁判と言えば、代表的なものとして、
①エールフランス事件 千葉地裁 平成6年
(http://morahara.nukenin.jp/99hanrei/furansu.htm)
②川崎市水道局(いじめ自殺)事件東京高裁 平成15年3月25日判決
(http://morahara.nukenin.jp/99hanrei/suidoukyoku.htm)
③誠昇会北本共済病院事件 さいたま地裁 平成16年9月24日判決
(http://morahara.nukenin.jp/99hanrei/byouin.htm)
④保険会社上司(損害賠償)事件 東京高裁 平成17年4月20日判決(請求認容)
⑤サンデーペイント事件 大阪地裁 平成17年7月15日判決 (請求棄却)
⑥レタスカード事件 京都地裁 平成18年8月8日判決(http://www.chosunonline.com/article/20061103000027)
 などがありますが、パワハラ絡みで労災が認められたのは今回がはじめてのようですね。

 ちなみに、今回のパワハラ事例に近いものとしては④の保険会社上司損害賠償事件があり、この事件では、『業績のよくない課長代理職の部下に対し、「意欲がない、やる気がないなら会社を辞めるべきだと思います。当サービスセンターにとっても、会社にとっても損失そのものです。あなたの休業で業務職が何人雇えると思いますか」というメールを送りつけた所長が、100万円の慰謝料を請求され、判決では、不法行為を形成はするが、「いわゆるパワーハラスメントの意図があったとはいえない」とされ、名誉毀損による慰謝料5万円が相当』という判決が出ているのですが、こちらの事件では自殺というショッキングな出来事があったとはいえ、労災が認められた以上、ある意味それ以上に悪質と見られているのでしょうし、訴えられた側の興和創薬(旧日研化学)の社会的信用は著しく失墜したのではないでしょうか。

 参考までに、東京都産業労働局が平成18年に957事業所を対象に行った調査では、パワハラ対策について具体的に6項目の質問をぶつけたところ、一つも実施していない事業所は全体の59.2%にものぼり、規模別では1000人以上の事業所で33.3%、100~200人の事業所で59.6%、99人未満の事業所に至っては77.7%!! もの事業所で、全く対策が取られていないのだとか…。

 パワハラはセクハラのように法律(均等法)で対策を取ることが義務付けられているわけではありませんし、時には『上司の側が部下に仕事を一生懸命やってもらおうと激励するあまり、きつい言葉を使ってしまう』というケースも少なくありません(勿論、今回の事件では、それに該当しない単なる嫌がらせ目的なことは明らかですが…)し、またパワハラという言葉そのものがセクハラと比べるとまだ歴史が浅く(パワハラという言葉は、2001年にクオレ・シー・キューブ(http://www.cuorec3.co.jp/)代表の岡田康子さんが使い始めました)、その取組の重要性が理解されずに全般的に取組が遅れていたり、取り組んでいても、その取組自体思考錯誤のようですが、一度裁判沙汰になると、結果的にはそれ以上の巨額の費用がかかりかねない(電通の過労自殺事件では損害賠償額こそ1億6800万円でしたが、対策費用を含めると数十億円がぶっとんだと聞いています。つまり損害賠償額そのものよりも事後対策費用の方が、まっとうな企業にとっては余程怖いということですね)だけに、セクハラ対策と同じテーブルでパワハラも社内で発生していないかをチェックすることが、企業にとっても長期的には得策だと思いますし、このような不幸な事件を引き起こさないための秘訣なのでは…と個人的には考えています。

鳩山法相が死刑執行問題を今度は週刊誌で 

2007-10-18 12:36:02 | Weblog
鳩山法相が死刑執行問題を今度は週刊誌で 2007年10月17日 産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/071016/stt0710162250005-n1.htm
 鳩山邦夫法相が死刑執行をめぐり、16日発売の週刊誌で持論を展開した。法相が死刑執行を命令するまでの期間について「刑事訴訟法では(判決確定から)半年以内となっているが、現実は平均7年半。法務省が法の要請に応えていない」と同省を批判。9月25日の会見で「法相が絡まなくても自動的に(死刑執行が)進むような方法を考えたらどうか」と発言したことには「強烈な問題提起をしたつもり」と強調したうえで、発言を批判した死刑廃止推進議連会長の亀井静香・国民新党代表代行について「彼の人権感覚のなさを象徴する話」と切り捨てた。


 鳩山弟は自分が法務大臣という責任のある立場にいることを、全く理解していないようですね…(激怒
 大体、本当に死刑執行が半年以内にされれば、冤罪だった時に取り返しがつかなくなりますし、逆に当人も罪を認めているようなケースまで10年以上たっても処刑しなかったのは、単にこれまでの歴代の法務大臣が職務に忠実でなかった(思想信条を建前にした職務放棄を含める)に過ぎません。
 100歩譲って、『死刑の判決が出てから刑の執行までにその方の無実が証明されたり、冤罪疑惑があるなど何らかの処分をためらう理由がある場合を除いては、判決の日から10年到着の日から起算して、年度内に死刑を執行する』といった期限を区切るとしても、その刑の執行を行うかどうかの最終判断を行う人が必要になりますし、どんな重罪人であっても、人の命を奪う以上は、その最終的な責任を背負うのは『法務大臣としての当然の義務』だと思います。(逆に責任を放棄するのならば、法務大臣になど就任すべきではありません!!!)

 まあ、学者さんのように法律の運用に責任をもたない方が、外部の立場から自分の意見を好き勝手言おうと、評論家がマスコミで討論しようと、それは個人の自由の範疇だと思いますが、今は鳩山弟は法務大臣という法曹界の最高責任者の地位に就いているわけですし、そういう責任のある立場にある方が、周囲を無視して暴走するのは、どう考えても大臣としての自覚に欠けますし、これでは野党だけでなく、与党内の死刑廃止論者からも反発は間逃れないものと思いますね。
 鳩山弟には、『あなたは、(ひょっとすると無実の方も紛れ込んでいるかもしれない)死刑囚を動物愛護センターで処理される犬猫と同じにしたいのですか』『何なら毎日檻を移され1週間後に処理機に入れられて殺害される犬猫と一緒に生活してもらって、自動的に処刑される気分を実体験で味わってみますか?』と問いかけたくなりますね。

民主、自民・中谷氏の更迭要求 テロリスト発言で

2007-10-18 12:31:55 | Weblog
民主、自民・中谷氏の更迭要求 テロリスト発言で 2007年10月16日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/politics/update/1016/TKY200710160224.html
 民主党の山岡賢次国会対策委員長は16日、自民党の大島理森国会対策委員長と会談し、海上自衛隊の給油活動に反対するのは「テロリストしかない」と述べた同党の中谷元・元防衛庁長官について、「そういうお考えの方とはとても議論できない」と語った。中谷氏は衆院テロ対策特別委員会で自民党の筆頭理事。事実上、更迭を求めた発言だ。山岡氏は会談後の記者会見で「(審議日程の協議について)申し入れがあっても受けない」とも語った。
 これを受け、大島氏は国会内に中谷氏を呼び、「これから民主党と協議して成果を上げないといけない時期。言動に注意してほしい」と厳重注意した。


 今の国会は、海上自衛隊の給油活動を継続する法案を巡って自民党と民主党が激しく争っていますし、福田首相が『どうせ(法案を)通すつもりはないんでしょ』ととうとうプチ切れしたという話も聞いているのですが、さすがに『反対するのはテロリストしかいない』発言はあんまりですし、しかもその発言が防衛庁長官経験者から出たとなると、民主党が衆院テロ対策特別委員会の自民党側の筆頭理事である氏の辞任を求めるのも無理ないでしょうね。
 確かにクウェート侵攻の時は、『日本は金だけ出して人を出さない』と散々批判されましたが、だからといって人を送り込めば良いと言うものでもありません(医療支援などの方法で貢献することもできるでしょう)し、外交を重視するからこそ、なんでも他国に追従ではなく、この国の運営をどう動かしていきたいのかを真剣に議論して欲しいと思います。

NY原油、一時89ドルの最高値・終値87.40ドル

2007-10-18 12:28:38 | Weblog
NY原油、一時89ドルの最高値・終値87.40ドル 2007年10月18日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071018NTE2INK0218102007.html
 17日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は7営業日ぶりに小反落。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の11月物は前日比0.21ドル安の1バレル87.40ドルで取引を終えた。一時、89ドルちょうどと期近物として3日連続で過去最高値を更新したが、その後は売りが出た。
 同日、トルコ議会がトルコ軍によるイラク北部のクルド人居住区への越境攻撃を承認したことが報じられた。イラク北部の原油生産に影響が出る可能性があるといった思惑を手掛かりに買いが入り、原油相場は正午前に高値を付けた。
 利益確定売りが出て、引け間際に下げに転じた。午前10時半に発表された週間石油在庫統計では原油、ガソリン在庫が市場予想を上回り、ヒーティングオイルを含む蒸留油在庫も予想に反して増加したが、あまり材料視されなかった。
 ガソリン、ヒーティングオイルも七営業日ぶりに反落した。


 ん…。原油価格が上がると原油を輸入する日本やアメリカが不利なことは言うまでもありませんが、別に産油国陣営の全てが手放しで喜んでいるわけではないんですよね…。
 例えば、これだけ原油価格が高騰すれば、当然ながら増産の議論が出てくると思いますが、増産して価格を長期的に安定させることで自国経済を安定させたいOPEC盟主のサウジアラビアと、稼げる時に稼ぎたい反対派との思惑が一致せずに、11月1日からのOPECの増産は結局日量50万バレルに留まることに…。
 その結果何が起きているかというと、期近物の価格が数年先の期先物価格を上回る、いわゆる“逆ザヤ”状態で、この逆ザヤを利用して、投機筋が荒稼ぎを行い、極めて安く原油を生産できる湾岸諸国地域での現地での販売価格と比べ、原油輸入国では調達コストが大幅に上昇してしまうという、経済合理性では説明のつかない奇妙な現象が発生しています。
 とはいえ、この価格高騰状態があまり長期化すると、車社会のアメリカの景気を直撃しかねませんし、アメリカの景気が低迷すると、日本や欧米各国といった原油輸入国全ての景気にも影響が避けられず、そうなると今度は原油価格は暴落する可能性も…。
 もっとも、世間では『トルコ議会がトルコ軍によるイラク北部のクルド人居住区への越境攻撃を承認したことが報じ』られるなど、投機筋が好みそうなニュースが飛び込んできたり、他にも、中国やインドがどれだけの成長率で発展するか(国民の生活水準が上がれば、当然ながら原油の使用量が上がります)が読みきれないことが、さらに原油価格の水準を混沌とさせているように思います。