いすゞ、業績見通しを下方修正 国内1割減産も検討 2008年11月6日
朝日 http://www.asahi.com/business/update/1105/TKY200811050284.html
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20081105AT1D0507B05112008.html
いすゞ自動車は5日、09年3月期の連結業績見通しを引き下げた。営業利益は前期比45.2%減の600億円に、売上高は14.3%減の1兆6500億円になる見通し。営業減益になれば9年ぶりだ。藤沢工場(神奈川県)で、国内生産の1割に当たる2万8千台の減産も検討する。
5月時点での予想は営業利益が1050億円、売上高が1兆8500億円だった。今回の見通しでは、鋼材など原材料高で360億円、販売減で220億円、円高で120億円の減益を見込んだ。
前期と比べた出荷台数はトラックが国内で13%、北米で58%減り、米ゼネラル・モーターズ(GM)向けディーゼルエンジンも3割減る見通し。業績を支えてきた中南米向けピックアップトラックも同15%減ると予想する。設備投資は計画より260億円少ない670億円に減らす。
5日発表した9月中間決算は、売上高が前年同月比1.6%減の8597億円、営業利益が18.8%減の392億円の減収減益だった。
いすゞ社長、「GM事業一部継承も」 完全買収は否定 2008年11月6日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20081106AT1D0508S05112008.html
いすゞ自動車の細井行社長は5日の決算発表後、記者団に対し、米ゼネラル・モーターズ(GM)が撤退方針を示している中型トラック事業に関して「完全に事業を継承することはないが、一部(継承)なら考えられる」と語った。今後、正式な協議で詳細を詰めるが、トラックやエンジンの供給、北米での販売面などでGMに協力する可能性がある。
GMは不採算の中型トラック事業から撤退する方針を固め、事業売却について9月までにいすゞに打診。両社は非公式ベースで協議している。
<参考>米GMトラック事業の買収、いすゞ社長「真剣に検討」 2008年9月25日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080924AT1D240AX24092008.html
いすゞ自動車の細井行社長は24日、米ゼネラル・モーターズ(GM)の商用トラック事業の売却について「正式な申し入れがあれば、真剣に検討する」と述べた。GMは非公式に事業売却を打診しており、近く正式提案してくる見込み。同社長は「いすゞにできる範囲で、十分に受け入れる可能性がある」と語った。
細井社長は独ハノーバーで開催中の国際商用車ショーで日本経済新聞などの質問に応じた。同社長は「長い協力関係があるGMのトラック事業の状況については常に情報が伝わっており、GMもいすゞの実力は知っている」と説明。「社内にもゼロ回答はできないという心情がある」とも述べた。
事業買収については「いすゞの株主の理解が必要」として具体的な条件などは明言しなかったが、開発や生産などの分野で両社の提携を拡大する可能性も示唆。「基幹部品の供給が広がれば、いすゞも規模のメリットを期待できる」と話した。
自動車会社の業績下方修正といえば、GMのトラック事業の売却について打診された いすゞ自動車も、営業利益が45.2%の大幅減・売上高も14.3%の大幅減少となり、連結業績を下方修正し、国内生産を1割減産することも検討しているようです。
一方、GMのトラック事業については、9月後旬に打診されたときに、社長が「正式な申し入れがあれば、真剣に検討する」とコメントした時は、正直リップサービスとばかり思っていたのですが、先日6日の記者会見でも「完全に事業を継承することはないが、一部(継承)なら考えられる」と語ったようです。
とはいえ、日本だけでも、大型自動車会社が4社もあり、いすゞ自動車自身も、トヨタグループに入ってからは、日野自動車とバス事業の統合新会社を作っており、国内だけでも市場が長年過剰気味だというのに、とてもアメリカの生産分や販売組織まで引き受ける余裕などないでしょうし、いすゞだって、かっては大型トラックの生産を行っていた川崎工場やトラックの運転台を製造していた大和工場を閉鎖するなど、大掛かりなリストラに伴う痛みを伴ってきたからこそ今のいすゞがあるだけに、更なる国内の減産が真剣に検討される中、いくらかってはGMに助けてもらった(2002年にいすゞの経営が苦しくなった際には、GMが約600億円の資金を投じた経緯があります。)恩があるとはいえ、今のタイミングでGMのトラック事業を引き受ける(買収には総額で約2000億円、部分的な買収でも数百億円の資金が必要と見られていますし、いすゞ自身も2006 年末にアラバマ州に工業用地を取得したものの、工場建設の計画は凍結しています)ことは、経営環境次第ではいすゞ自動車自身の経営体力さえ奪いかねず、大株主だけでなく当の従業員からも猛烈な反発を招くだけではないかと思います。
GMの側にだって、公的資金を投入してもらうためには、将来どの事業を残し、どの事業を売却させるのかはっきりさせたいでしょうし、それだけに『さんざん期待させておいてやっぱりダメでした』では、逆にこれまで長年築いてきた友好な関係さえ崩れてしまいかねません。断るなら断るでなるべく早く社内の決断を伝えてあげた方が親切だと思うんですけどね…。
ちなみに、7日のいすゞ自動車の株価は、前日比5円安の156円(下落率3.11%)で終了しています。
<参考> 日経ビジネス2008年9月29日号で『トラック売却交渉、打診されたいすゞの胸算用 藁にもすがる思いのGM 』という興味深い記事を掲載していますので、リンク先を紹介します(日経ビジネス定期購読者の方は、下記のリンクから記事をダウンロードすることも可能です)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080926/171759/
朝日 http://www.asahi.com/business/update/1105/TKY200811050284.html
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20081105AT1D0507B05112008.html
いすゞ自動車は5日、09年3月期の連結業績見通しを引き下げた。営業利益は前期比45.2%減の600億円に、売上高は14.3%減の1兆6500億円になる見通し。営業減益になれば9年ぶりだ。藤沢工場(神奈川県)で、国内生産の1割に当たる2万8千台の減産も検討する。
5月時点での予想は営業利益が1050億円、売上高が1兆8500億円だった。今回の見通しでは、鋼材など原材料高で360億円、販売減で220億円、円高で120億円の減益を見込んだ。
前期と比べた出荷台数はトラックが国内で13%、北米で58%減り、米ゼネラル・モーターズ(GM)向けディーゼルエンジンも3割減る見通し。業績を支えてきた中南米向けピックアップトラックも同15%減ると予想する。設備投資は計画より260億円少ない670億円に減らす。
5日発表した9月中間決算は、売上高が前年同月比1.6%減の8597億円、営業利益が18.8%減の392億円の減収減益だった。
いすゞ社長、「GM事業一部継承も」 完全買収は否定 2008年11月6日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20081106AT1D0508S05112008.html
いすゞ自動車の細井行社長は5日の決算発表後、記者団に対し、米ゼネラル・モーターズ(GM)が撤退方針を示している中型トラック事業に関して「完全に事業を継承することはないが、一部(継承)なら考えられる」と語った。今後、正式な協議で詳細を詰めるが、トラックやエンジンの供給、北米での販売面などでGMに協力する可能性がある。
GMは不採算の中型トラック事業から撤退する方針を固め、事業売却について9月までにいすゞに打診。両社は非公式ベースで協議している。
<参考>米GMトラック事業の買収、いすゞ社長「真剣に検討」 2008年9月25日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080924AT1D240AX24092008.html
いすゞ自動車の細井行社長は24日、米ゼネラル・モーターズ(GM)の商用トラック事業の売却について「正式な申し入れがあれば、真剣に検討する」と述べた。GMは非公式に事業売却を打診しており、近く正式提案してくる見込み。同社長は「いすゞにできる範囲で、十分に受け入れる可能性がある」と語った。
細井社長は独ハノーバーで開催中の国際商用車ショーで日本経済新聞などの質問に応じた。同社長は「長い協力関係があるGMのトラック事業の状況については常に情報が伝わっており、GMもいすゞの実力は知っている」と説明。「社内にもゼロ回答はできないという心情がある」とも述べた。
事業買収については「いすゞの株主の理解が必要」として具体的な条件などは明言しなかったが、開発や生産などの分野で両社の提携を拡大する可能性も示唆。「基幹部品の供給が広がれば、いすゞも規模のメリットを期待できる」と話した。
自動車会社の業績下方修正といえば、GMのトラック事業の売却について打診された いすゞ自動車も、営業利益が45.2%の大幅減・売上高も14.3%の大幅減少となり、連結業績を下方修正し、国内生産を1割減産することも検討しているようです。
一方、GMのトラック事業については、9月後旬に打診されたときに、社長が「正式な申し入れがあれば、真剣に検討する」とコメントした時は、正直リップサービスとばかり思っていたのですが、先日6日の記者会見でも「完全に事業を継承することはないが、一部(継承)なら考えられる」と語ったようです。
とはいえ、日本だけでも、大型自動車会社が4社もあり、いすゞ自動車自身も、トヨタグループに入ってからは、日野自動車とバス事業の統合新会社を作っており、国内だけでも市場が長年過剰気味だというのに、とてもアメリカの生産分や販売組織まで引き受ける余裕などないでしょうし、いすゞだって、かっては大型トラックの生産を行っていた川崎工場やトラックの運転台を製造していた大和工場を閉鎖するなど、大掛かりなリストラに伴う痛みを伴ってきたからこそ今のいすゞがあるだけに、更なる国内の減産が真剣に検討される中、いくらかってはGMに助けてもらった(2002年にいすゞの経営が苦しくなった際には、GMが約600億円の資金を投じた経緯があります。)恩があるとはいえ、今のタイミングでGMのトラック事業を引き受ける(買収には総額で約2000億円、部分的な買収でも数百億円の資金が必要と見られていますし、いすゞ自身も2006 年末にアラバマ州に工業用地を取得したものの、工場建設の計画は凍結しています)ことは、経営環境次第ではいすゞ自動車自身の経営体力さえ奪いかねず、大株主だけでなく当の従業員からも猛烈な反発を招くだけではないかと思います。
GMの側にだって、公的資金を投入してもらうためには、将来どの事業を残し、どの事業を売却させるのかはっきりさせたいでしょうし、それだけに『さんざん期待させておいてやっぱりダメでした』では、逆にこれまで長年築いてきた友好な関係さえ崩れてしまいかねません。断るなら断るでなるべく早く社内の決断を伝えてあげた方が親切だと思うんですけどね…。
ちなみに、7日のいすゞ自動車の株価は、前日比5円安の156円(下落率3.11%)で終了しています。
<参考> 日経ビジネス2008年9月29日号で『トラック売却交渉、打診されたいすゞの胸算用 藁にもすがる思いのGM 』という興味深い記事を掲載していますので、リンク先を紹介します(日経ビジネス定期購読者の方は、下記のリンクから記事をダウンロードすることも可能です)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080926/171759/