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「鍋のほういかがですか」で逮捕 75メートルもつきまとい客引きした大学院生

2008-11-26 16:13:17 | Weblog
「鍋のほういかがですか」で逮捕 75メートルもつきまとい客引きした大学院生 2008年11月25日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081125/crm0811251615033-n1.htm
 居酒屋の客引きのために通行人につきまとったとして、警視庁池袋署は東京都迷惑防止条例違反の現行犯で、東京都荒川区の大学院2年の男(24)を逮捕した。居酒屋の客引き行為に対して、同条例が適用されたのは初めて。
 調べでは、男は24日午後7時40分ごろ、東京都豊島区西池袋の路上で、通行人の女性(36)ら4人の前に立ちふさがり、「お客さん、鍋のほういかがですか」などと話しかけ、約75メートルにわたってつきまとい、客引き行為をした。
 男は近くの居酒屋のアルバイト従業員で、客の入りが悪いと外に出され、客引きをしていた。連れてきた客1人に対して、50円が支払われたという。
 同店をめぐっては、周辺の商店会や通行人から「客引きがしつこく、地域のイメージが悪くなる」「ほかの居酒屋の入り口まで追いかけてくる」などの苦情が相次いでいた。



 はぁ…。
風俗店の客引きがしつこくて逮捕者が出たという話は時折聞いたことがありますが、居酒屋の客引きでそれもアルバイトの逮捕者が出るなんて、この容疑者。おそらくは『約75メートルにわたってつきまとい、客引き行為をした』『ほかの居酒屋の入り口まで追いかけてくる』以外にも、『腕をつかむ』『通せんぼする』など、風俗店も顔負けな余程露骨な客引き行為をしていたんでしょうね…。
 まあ、数人のグループならば、『粘れば飛び込みの客くらいとれるだろう』というのがこの居酒屋の言い分なのかもしれませんが、お客の側だって同じ飲むならば気分良く飲みたいもの(酔客はともかく、どこの世界にシラフなのにしつこい客引きをする居酒屋でわざわざ飲みたいと思う物好きがいるでしょうか…。)ですし、数人で飲みに行くならば、大抵1人は割引クーポンを持っていたり、一応は目標のお店を決めているもの。
 そのあたりの顧客の都合を無視して『ほかの居酒屋の入り口まで追いかけてくる』時点でこの居酒屋の経営方針そのものが全くダメダメ(お客が欲しいなら、味と値段、接客で勝負して欲しいもの。呼び込みそのものはよいとしても業界に応じた程度というものがあるでしょう)だと思いますが、さすがに逮捕者が出たことで少しはこの店も大人しくなるでしょうか…。
 これからは外に飲みに行くことも増える季節ですが、こういう不愉快でタチの悪い店には注意したいものですね…。

立正大とサイゼリヤでもデリバティブ絡みで140億円台の損失!!!

2008-11-26 16:03:17 | Weblog
立正大148億円含み損…駒沢に続き大学経営に暗い影 2008年11月21日 夕刊フジ
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_university__20081122_6/story/21fuji320081121205/
 立正大学(東京都品川区)は20日、資産運用のための金融取引で、今年9月末時点に148億円の含み損を抱えていることを明らかにした。先に駒沢大学(東京都世田谷区)がデリバティブ(金融派生商品)取引で154億円の損失を計上するなど、世界的な金融危機が日本の大学経営の財務面に大きな影を落としている現状が浮き彫りになった。
 立正大では、資産運用を野村証券や大和証券SMBCなど国内4社に委託している。運用資産は、国債、地方債、社債や投資信託のほか、豪ドルを組み込んだ仕組み債。これらの含み損は、今年3月末時点で約96億円だったが、足元の金融市場混乱や円高が直撃して拡大した。一般的には、仕組み債は、各種有価証券や不動産などの資産を組み合わせて組成する複雑な金融商品。
 立正大は各種金融取引について、「満期保有を基本としているため、最終的な損失額は確定していない」としており、現時点で評価損は計上していない。

大学経営になぜ金融危機が直撃したのか 立正大、駒沢大の多額損失計上の背景 2008年11月22日 MONEYzine
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_university__20081122_6/story/moneyzine_110736/
 立正大学、駒沢大学が資産運用で多額の損失を計上したことが明らかとなった。なぜ教育を基幹事業とする大学が投機性の高い商品に手を出していたのか。
 立正大学(東京都品川区)が20日、資産運用を目的とする金融取引で、今年9月末時点で約148億円の評価損を抱えていることが明らかにした。またすでに駒沢大学(東京都世田谷区)が資産運用で154億円の損失を計上したことが判明しており、世界金融危機は企業のみならず、大学経営をも直撃している。
 なぜ教育や学生サービスを基幹事業とする大学が、投機性の高い商品に手を出していたのだろうか。これには国内の少子化の影響が少なからず関係している。現在多くの大学では、学生が減ったことで授業料収入の減少が経営上の問題となっている。授業料の引き上げを行わないかぎり収入の落ち込みにつながるが、大学の人気にもかかわってくる授業料をそう簡単に引き上げるわけにもいかず、そこで取り組んだのが積極的な資産運用だ。
 たとえば米国では2兆5000億円の基金を有したハーバード大学が、過去10年の平均運用利回り15%という高いパフォーマンスを見せており、またイェール大学、プリンストン大学なども高収益を何年にも渡って得ている。これまで日本の大学でも、現預金中心に運用が行われてはいたが、今後、大学経営を支えるためには海外の例に倣い、リスクとリターンを踏まえた積極的な資産運用に取り組む必要に迫られていたのだ。
 運用自体は運用会社への外部委託が一般的だ。今回の件においても、立正大学は国内の証券会社を通じて、駒沢大学は外資系金融機関2社との間で取引を行っていた。大学による資産運用はほとんどが、株式だけではなく複数の金融商品に投資する「分散投資」や長期投資の考え方に基づき行っていたはずだが、それでも今回のような多額の損失を計上してしまったのは、未曾有の金融危機が勃発してしまったことに他ならない。世界中のほとんどすべての市場が下落しているような状況では分散投資をもってしてもリスクを軽減することができなかったのだ。その結果、少子化による授業料の減収と金融危機というダブルショックが今、国内大学の経営を脅かしている。

サイゼリヤ、デリバティブ契約で評価損140億円 2008年11月22日 
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081121AT1D2108E21112008.html
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081121-OYT1T00646.htm
http://www.asahi.com/business/update/1121/TKY200811210314.html
 イタリア料理店をチェーン展開するサイゼリヤは21日、為替リスク回避のためにBNPパリバ証券と結んだデリバティブ(金融派生商品)契約などで2008年9―11月期に140億円の評価損が発生する見通しだと発表した。デリバティブでは第一三共なども評価損を計上しており、米国発の金融危機の影響が企業業績にも広がり始めた。
 09年8月期の連結最終損益は赤字になる見通し。これまでは42億円の黒字予想だった。
 同社によると、デリバティブ契約は07年10月、08年2月の2回結んだ。オーストラリアから食材を輸入する際に必要となる豪ドルを調達するのが目的だという。原則として月に1回ずつ100万豪ドル受け取る内容で08年9月から支払いが始まった。



 駒沢大学が授業料など本業の収入(188億円、収入合計では471億円)にも匹敵する154億円の損失を出したことには、驚くのを通り越して、心の底から呆れ果てましたが、今度は学生数11230人を抱える仏教系の私立大学である立正大学でも、仕組み債絡みで148億円の含み損が発生していることがわかりました。
 大学側は「満期保有を基本としているため、最終的な損失額は確定していない」としていますが、これは場合によっては更に損失が深まる可能性もあるわけで、万が一にも授業料の値上げやOBに寄付金を求めるようなことでもあれば、それこそ経営陣は集中砲火を浴びることになるでしょう…。
 それにしても、学校法人というのは「教育・研究に専念する」ことを前提に、法人税や固定資産税など、かなり税制優遇されていますしその上、国庫や地方公共団体からも補助金をもらっているというのに、その状況でハイリスク運用で失敗していたのでは話にならないというか…。
 別に学長のポケットマネーで運用失敗しようが、それは個人の問題ですからどうこう言うつもりはありませんが、学校運営資金というのは授業料や寄付金で支えられているという当たり前の事実を私立学校関係者は今一度思い出すべきではないかと思います。

 一方、サイゼリヤも、ピザにメラミンが検出され、返金詐欺騒動もようやく収まったかと思えば、今度は為替相場が急激に円高に進んだ影響で、ディリバティブ取引絡みで140億円の損失を計上するようです。
 ちなみにこちらは契約した取引が2種類あり、一つは豪ドルに対し円が78円(07年10月契約)を、もう一つは69円90銭(08年2月契約)を超えて円高にならない限り、割安に豪ドルを調達できる仕組みだったようですが、対豪ドルで59円をつけたため、多額の損失が発生してしまったようで、駒沢大学や立正大学のような明らかな投機的運用とは異なり、ビジネス取引で運用を誤ったといういささか性質の異なるものだったようです。
 とはいえ、オーストラリアドルといえば、もともと値動きの激しい通貨で、多少金融に詳しい人間ならば、過去にも突然急落したことが何度もあり、ディリバティブを組み込んだり、レバレッジをかけた取引を行なうことがいかにリスクが高いかは知っていそうなもの。
 おそらくサイゼリヤのケースでも、どこかの金融機関から『ディリバティブを使えば原材料が安く調達できますよ』といった悪魔の?囁きでもされたのでしょうが、せめてライバルとなる金融機関の方から商品のリスクについて確認する(金融機関の方は、自行が発売している金融商品の悪口は言わなくても、他行の金融商品については案外シビアな判断を下してくれるものです)くらいのことは行なって欲しかったと思います。
 サイゼリヤといえば、ファミリーレストランには珍しく理系人間が多く集まり、理論詰めで物事を考える癖がついている組織ですし、それだけに、なぜ資金調達だけ専門家をスカウトしないで、このようなリスクのある運用に頼ったのか未だに不思議でなりません。

BHPビリトン、リオ・ティント買収を断念

2008-11-26 15:55:18 | Weblog
BHPビリトン、リオ・ティント買収を断念 2008年11月26日 
ロイター http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK019755920081125
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT1W2500Z 25112008&g=MH&d=20081125
 英・豪系資源大手BHPビリトンは25日、同業リオ・ティントの買収を断念すると発表した。
 市場環境の悪化に加え、欧州委員会が買収認可の条件として鉄鉱石・石炭事業双方の売却を求めたことが理由。
 BHPは660億ドルでリオ・ティントの買収を提案していた。
 BHPは約1年前にリオ・ティントの買収を提案。買収は全額株式交換方式で、当時の株価水準に基づく買収規模は約1400億ドルと、2000年のボーダフォンによるマンネスマン買収に次ぐ史上2位の大型買収案件だった。
 BTフィナンシャル・グループ(シドニー)の資源担当アナリスト、ティム・バーカー氏は「BHPに買収断念の兆しがなかっただけに驚きだ。BHP取締役会は、市場環境を踏まえ、景気悪化で状況が一変したと判断したのだろう」と述べた。
 ロンドンの市場関係者によると、ロンドン市場上場のBHP株は約20%高、リオ・ティント株は約30%安で寄り付く見通し。
 BHPがリオ・ティント買収を提案した大きな理由の1つは鉄鉱石事業の強化だった。両社は、鉄鉱石事業で世界2位と3位。欧州委員会は、買収認可の条件として、主要鉄鉱石事業の売却を求めていた。
 日本鉄鋼連盟の宗岡正二会長は「製鉄原料市場における健全な競争を阻害すると強く主張してきたが、欧州委員会から異議告知書が通知された段階で、BHPビリトンが買収を実質的に断念したことを歓迎する」とのコメントを発表した。
 リオ・ティントは、提示額が低すぎるとして、一貫して買収提案を拒否していた。
 BHPは、買収提案は株主の最大の利益ではなくなったと表明。リオ・ティントのコメントはとれていない。

BHPの買収提案、鉄需要急減でリオ軟化 2008年11月15日 産経
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081114/biz0811142323013-n1.htm
 豪英系の資源大手BHPビリトンが豪英の同業者、リオティント買収計画をめぐり、公正取引委員会に14日、命令どおり関係資料を提出した。これによって買収劇は新たな局面を迎えるが、買収が実現すれば、新日本製鉄など国内鉄鋼メーカーが依存する高品位鉄鉱石の約7割を1社に支配されることになる。このため公取委は、反対意見書を出した欧州連合(EU)の動向を踏まえつつ、排除措置命令を出す公算が大きい。ただ、BHPの買収提案に強く反対してきたリオ側の姿勢には変化も出ている。
 公取委は7月、日本に拠点を持たず、買収案の届け出義務もない両社の合併について、異例の審査に乗り出した。国内の主要鉄鋼企業が採用する高品位の鉄鋼製品の原料となる「塊鉱石」は、昨年実績でBHPに21%、リオに45%と、2社に7割弱を依存している。
 公取委が乗り出したのはこのためだが、BHPは資料提出命令に応じてこなかった。だが、公取委の強硬な姿勢を受けて、方針転換したとみられる。今後、公取委は、買収差し止めや大規模な資産売却を命じることも視野に入れ、排除措置命令の必要性を年内にも判断することになる。
 一方、リオ側はBHPの買収提案に、提示価格が不当に安いと一貫して拒否の姿勢を貫いてきたが、その態度に変化の兆しもみられる。リオ株は買収期待から6月まで上昇し続けたが、買収の可能性が薄れるにつれ下落し、米リーマン・ブラザーズ破綻(はたん)後の10月には、株価は6月の3分の1にまで暴落した。さらに、“大口顧客”である中国の鉄鋼需要は五輪後に急減。資源会社を取り巻く環境が一気に悪化し始めている。

豪州産鉄鉱石、中国需要減で出荷延期 リオなど減産 2008年11月18日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20081118AT2M1701W17112008.html
 豪英系BHPビリトンや英豪系リオ・ティントなど資源大手が豪州産鉄鉱石の中国向け出荷を見合わせている。長期購入契約を結んでいた中国の鉄鋼会社から需要減を理由に引き取り延期を通告されたためで、リオなどは一部減産を決めた。豪州産鉄鉱石のだぶつきは、BHPなど資源大手と日本や中国の鉄鋼業界との2009年度の価格交渉にも影響を与えそうだ。
 BHPは17日、日本経済新聞の取材に対し、出荷を延期している鉄鉱石は年間生産量の5%に当たる約600万トンに上ることを明らかにした。BHPは減産せず、余剰分は市場で売却するとしている。

ボリビアの鉱山、住商が100%権益 米社から65%買い取り 2008年11月16日 日経 
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20081116AT1D140E115112008.html
 住友商事は南米ボリビアで権益35%を保有する銀、亜鉛、鉛鉱山について、残りの権益65%をすべて買い取ることで米鉱山運営会社のエイペックスシルバー社と基本合意した。買収金額は2250万ドル(約20億2000万円)。同時に2億2500万ドルの全債権を引き受ける。商社が鉱山権益の100%すべてを獲得するのは珍しい。
 同鉱山はボリビア南西部にあるサンクリストバル鉱山で、2007年8月から生産を開始した。年間で銀525トン、亜鉛22万5000トン、鉛8万2000トンを生産する。銀では世界3位、亜鉛では5位の規模。鉱山寿命は16年。今回の買収金額に加え、将来の事業価値に対する支払金額については今後交渉する。住商は同鉱山の権益35%を06年に約420億円で取得した。

BHPビリトンとの西豪州鉄鉱石開発、伊藤忠426億円・三井物372億円投資 2008年11月26日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK019746320081125
 伊藤忠商事と三井物産は25日、両社が豪・英資源大手のBHPビリトンと豪西部の西オーストラリア州で共同運営する鉄鉱石事業について、3社が供給能力の拡張投資を決めたと発表した。総投資額は56億米ドル(約5320億円)で、このうち伊藤忠が約426億円、三井物産が約372億円をそれぞれ投資する。
  3社は現在、同州の「マウント・ニューマン鉱山」での増産を柱に2010年に年間出荷能力を1億5500万トンに引き上げる拡張工事を行っている。今回決定した拡張投資は、マウント・ニューマンから約100キロメートル北西に位置する「ヤンディ鉱山」などで鉄鉱石処理設備の増設を進めるほか、港湾の設備拡張、鉱山と港を結ぶ鉄道の複線化といった投資により年間能力5000万トンを追加し、2011年後半に同能力を2億0500万トンに引き上げる。権益比率はBHP85%、伊藤忠8%、三井物産7%となっている。




 先日のイギリス株式市場の関心は、なんと言ってもBHPビリトンによるリオ・ティントの買収断念が大きかったかと思います。
 ちなみに、BHPビリトンは、リオ・ティントに敵対的TOBをしかけていたものの、リオ・ティントが買収価格が安すぎると反発。
 鉄鉱石取り扱いの世界シェアでは、ブラジルのヴァーレが31%に対して、リオ・ティントが18%・BHPビリトンが13% もし両社が統合すれば、3社(統合されれば2社)で世界シェアの62%を握るとんでもない寡占状態になりますし、まして国内の主要鉄鋼企業が採用する高品位の鉄鋼製品の原料となる「塊鉱石」に至っては、昨年BHPに21%・リオに45%と、2社だけで3分の2弱を依存していただけに、日本の公正取引委員会では(日本に本支社を置かない会社に対しては異例の)買収差し止めなどの排除措置命令を出すのか…と思われていたのですが、鉄需要が急減し中国向けの豪州産鉄鉱石の出荷延期が決まるなど、世界的に景況感が悪化したことからリオ・ティント側が態度を軟化。
 ところが、欧州委員会が買収認可の条件として鉄鉱石・石炭事業双方の売却を求めたことから、結局BHPビリトン側が買収を断念することになったようです。
 それにしても敵対的TOBをしかけておいて『リオへの買収提案は、もはやBHPの株主にとって魅力的なものではなくなった』(日経記事)という言い草も、『なんて失礼な!』と他人事ながらムッとしてしまうのは、私が日本人だからでしょうか…。
 前日の株価だけで見れば、BHPビリトンが71ポンド高い1051ポンドで終了(上昇率7.24%)に対して、リオ・ティントは900ポイント安い1550ポンドで終了(下落率36.73%)と大幅下落となり、株価も2005年頃の株価水準まで戻ってしまいましたが、ここまで強引かつドライな経営体質の会社と一緒になってもリオの従業員が幸せになれるとは思えませんし、買収話打ち切りになったからといってリオの経営状態が直ちに危機に瀕するわけでもなく、中長期的には再び資源価格が高騰することが予測され、その時に再び買収攻勢をかけられるとも限らないだけに、今のうちに経営体力を十分に回復させ、経営体質もスリム化しておくことが、今のリオに強く求められているのではないかと思います。

 一方、資源価格は短期的には下落しているものの、中長期的には反発することが予想される中、日本企業も権益の確保に全力を挙げているようで、住友商事がボリビアの鉱山を全て買い取り、伊藤忠商事と三井物産もBHPビリトンと豪西部の西オーストラリア州で共同運営する鉄鉱石事業について、3社が供給能力の拡張投資をすることを発表。
 資源争奪合戦はこれまでの価格高騰やM&Aという表に出やすいものから、権益の確保というより深いところで進み始めていることが改めて立証される形になっていると思います。

<参考> 日経ビジネス2008年10月27日号では、『遡上経営 市場反落、今こそ源流をつかめ 遡上するメーカー、商社 日本の南北に鉱脈あり』という特集記事で、資源獲得競争にかかる興味深い特集記事を組んでいます。こちらもご参考までに。
(日経ビジネス定期購読者で、日経ビジネスオンライン登録済の方は、以下のリンクから記事のダウンロードが可能。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/premium/20081023/174889/)

日経平均、3日ぶり反落 終値110円安の8213円

2008-11-26 15:44:41 | Weblog
日経平均、3日ぶり反落 終値110円安の8213円 2008年11月26日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081126NT000Y93126112008.html
 26日の東京株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反落。大引けは前日比110円71銭(1.33%)安の8213円22銭だった。前日の米株式市場で主要な株価指数が高安まちまちとなり、買い手控えムードが強まった。外国為替市場で円相場が前日夕に比べ上昇し、業績の悪化懸念からトヨタやソニーなど主力の輸出関連株が売りに押された。
 米連邦準備理事会(FRB)は25日に最大8000億ドルの追加金融対策を発表したが、同日の米株が不安定な値動きで推移したこともあり、東京市場でも効果を見極めたいとして投資家の反応は鈍かった。米時間26日に発表予定の米新築住宅販売件数や個人消費支出などの経済指標の内容を見極めたいとの指摘も多く、投資家の動きは総じて低調だった。
 東証1部の売買代金は概算で1兆3343億円(速報ベース)だった。

イオン、今期に特損190億円 米衣料品子会社が減損処理 2008年11月26日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081125AT1D250C825112008.html
 イオンは25日、米国の衣料品販売子会社タルボットが実施した減損処理により、2009年2月期の連結決算で約190億円の特別損失が発生すると発表した。タルボットは米消費不振の影響で、婦人服ブランド「ジェイ・ジル」を売却する方針で、同ブランドの資産価値を再評価したところ損失が発生した。
 ニューヨーク証券取引所に上場するタルボットが同日発表した2008年8―10月期決算は1億6700万ドルの最終赤字(前年同期は900万ドルの赤字)となった。9月以降、米国の消費環境が急速に悪化したため、売上高は約14%減の3億5700万ドル。
 ジェイ・ジルの減損処理で1億3800万ドルを計上したほか、米子供服事業、米紳士服事業、英衣料品事業からそれぞれ撤退したことによる損失も発生した。イオンの09年2月期の純利益に対しては約78億円の減益要因となる見込み。



 26日の日経平均は、イオンの米衣料品子会社が減損処理で190億円の巨額損失を出し、09年2月期の純利益に対しても約78億円の減益要因と成る見込みとなったことや、デリバティブ契約で評価損140億円の見込みとなったサイゼリヤ株に大量の大口売り注文が出たこと(サイゼリヤは売り気配のまま終了)、為替相場が円高に触れたことなどを嫌気して、開始直後に前日終値(8323円93銭)を170円超下回る場面もあり、午前は前日比108円27銭安い8215円66銭で終了。
 午後に入ると香港・韓国・インドネシア株の堅調ぶりから、午後開始直後に一時8317円83銭と前日終値から6円安の水準まで回復する場面もあったのですが、その後は値動きが激しくなり、14時頃に再び8300円近くまで上昇するもののその後は冴えない展開となり、結局前日比110円71銭安い8213円22銭で終了しました。
 アメリカも今週木曜日が感謝祭で株式市場が休場となり、翌金曜日も13時までで実質的には今夜のNY市場の値動きが週末の株価にも大きく影響しそうですし、東証1部は商いそのものが少なく、売買高に至っては今年最低の水準だったようです。
 業種別に見ると、これまで低迷していた保険が買われ、全9銘柄中、7銘柄で上昇し、損保ジャパン・東京会場HD・ソニーFHが6%台・三井住友海上が5%台の上昇。
 一方、銀行は青森銀行の下落率10.09%を筆頭に、下落率5%以上だけでも、青森・あおぞら・東邦・第三・ふくおかFG・愛知・大分・伊予・三井住友・南都・山口FGのの11銘柄。3%以上の下落は43銘柄、下落銘柄は76銘柄となりました。
 証券は、岡三の下落率7.33%を筆頭に、マネックスFGが下落率6.43%、野村が下落率6.20%、新光が下落率5.88%、大和が下落率4.49%など、16銘柄中13銘柄で下落。
 不動産は47銘柄中31銘柄で下落し、フージャースの下落率13.20%、タクトホームの下落率10.67%を筆頭に、野村不動産HDが下落率6.82%、リサが下落率6.48%、藤和不動産が下落率6.45%(58円)、大京が下落率5.71%(66円)、昭栄が下落率5.44%、タカラレーベンが下落率5.14%、東栄住宅が下落率5.06%(75円)。 アゼルは11円で変わらず、アーネストワンは3円高の98円となっています。
 為替相場は円高気味で推移。15時時点で、対ドル円は前日比1円46銭円高の95円11-14銭、対ユーロ円は90セント円高の123円43-50銭で推移しています。

三洋電機の買収額、パナソニックとゴールドマンの交渉難航

2008-11-26 12:20:08 | Weblog
三洋電機の買収額、パナソニックとゴールドマンの交渉難航 2008年11月26日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081126AT1D250AI25112008.html
ロイター http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK019777120081126
 三洋電機の買収を巡り、パナソニック(旧松下電器産業)と、米ゴールドマン・サックス(GS)グループなど三洋の大株主3社の交渉が難航している。パナソニックが1株120円の買収価格を24日に提示したのに対し、200円台後半を主張するGSは25日に交渉打ち切りを通告した。パナソニックは他の2社が合意すればGS抜きでもTOB(株式公開買い付け)を実施する構えで、厳しいせめぎ合いが続きそうだ。
 24日夜、パナソニック担当者らが伝えた三洋株の買収価格に金融3社側の幹部は驚いた。「内々に聞いていた価格レンジも下回る」(関係者)。GSなど一部の関係者は即座に席を立ったという。



 三洋電機の買収価格について、パナソニック側が1株120円と予想外に低い買収価格を掲示した件ですが、(想像はできましたが)案の定主要3株主は一様に驚き、ゴールドマンサックスなどは即座に席を立ったようです。
 まあ、いくら平均取得価格が1株平均70円程度といっても、主要3社から見れば、いつ経営破綻するかわからないハイリスクの会社を2年半以上も保有(取得は2006年3月14日)し、これまでにリストラの推進など経営体質をスリムにしてきた自負もあるでしょうし、しかも『相手側の申し出なのに倍の値段でも売れない』となれば、『交渉する気にもなれない 時間のムダだ!』とGS側が即時撤収したのも無理はないかと…。

 とはいえ、この買収価格は勿論買取交渉をしているパナソニック側にとっては、投資額がいくらになるかに直結するだけに重大な問題ですが、実は金融3社にとってもあまり強くは出れない立場があるんですね…。
 というのも、パナソニック側は、『三洋電機の経営支配権は握りたいものの、三洋電機の上場廃止は望んでおらず』、その一方で金融2社が持っている優先株を普通株に転換した場合の議決権を合計すると7割。
 そうなると、TOBを行おうと思えば取得比率は(全株買い付け義務が生じない)50.1%から66.6%の範囲内で行なうことが予想されますが、あまり買い付け価格が現在の株価水準よりも高い水準で決まれば、今度は他の一般株主も多数がTOBに応じてしまい、結果目標比率を超えてしまえば、按分売却となり、3社は全株を売却できない(市場で小出しに売却する)ジレンマに陥る可能性も…。
(少数相対取引の例外規定を使うこともできますが、カネボウの高裁判決(2006年1月に再生機構とカネボウ化粧品が保有するC種類株式の69.2%を投資ファンドのトリニティ・インベストメントに相対取引で売却した件について、高裁が問題視しています。)があるだけにこちらもやりにくいところ)

 三井住友・大和證券連合も、三井住友FGが年間配当予想額を14000円から12000円に大幅減額するなど業績が大幅悪化しているだけに、少しでも高く売りたいところで、まして現在の株価水準よりも安い水準での売却など論外でしょうが、かといって、万が一にも売却交渉がお流れになったり中断してしまえば、三洋電機株の急落は避けられないだけに、三井住友・大和證券連合連合だけでも双方痛み分けとなる両陣営の中間地あたりで売却するのか、それともGSに続いて交渉を中断するのか、非常に注目が集まりそうです。

NYダウは36ドル高→8479ドル、NY原油は50.77ドルで終了

2008-11-26 10:45:45 | Weblog
NY株、小幅続伸 終値36ドル高の8479ドル 2008年11月26日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081126NT000Y02626112008.html
 25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら3日続伸。前日比36ドル8セント高の8479ドル47セントで終えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、同7.29ポイント安の1464.73で終えた。米連邦準備理事会(FRB)による新たな資金供給策を好感した買いが入った。一方、パソコン大手のヒューレット・パッカード(HP)や半導体株の一角が下げたため、ハイテク株は軟調だった。
 FRBが信用収縮を緩和する目的で、住宅ローン担保証券(MBS)や自動車ローンやクレジットカードローン関連の資産担保証券(ABS)を買い取ると発表。住宅需要回復や金融市場安定化への期待感から、住宅や金融株に買いが入った。
 ただ前日に決算を発表したHPや高性能アナログIC(集積回路)製造の半導体アナログ・デバイセズが大幅安となったことなどを受け、ハイテク株が下落。ダウ平均が前日までの2日間で890ドル上げていたこともあり利益確定売りが出て下げに転じる場面があった。

FRB、最大8000億ドルの金融対策発表 2008年11月26日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081125NT002Y89625112008.html
ロイター http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT828291420081125
 米連邦準備理事会(FRB)は25日、個人向けの信用収縮を和らげるのを目的に、最大で8000億ドル(約77兆円)に上る新たな金融対策を発表した。ローンを裏付けに発行した証券化商品を買い入れるのが柱。住宅ローン関連で6000億ドル、自動車、クレジットカード、学資などの消費者ローンと一部の小企業向けローンで2000億ドルの資金枠をそれぞれ設定した。金融危機の影響で資金調達に苦しむ個人を支援するとともに、金融機関の経営を安定させ個人消費や住宅投資のてこ入れをねらう。
 ポールソン財務長官は同日、記者会見し、対策によって住宅ローンや消費者ローンの融資態度が緩くなる効果に期待を示しつつ「新たな課題は発生し続ける」と述べ、追加策に含みを残した。

7―9月の米実質GDP、0.5%減 改定値 2008年11月26日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081125AT3K2501A25112008.html
ロイター http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT828305420081125
 米商務省が25日発表した7―9月の実質国内総生産(GDP)の改定値は季節調整済みの年率換算で前期に比べ0.5%減った。成長率は10月末に公表した速報値(マイナス0.3%)を0.2ポイント下方修正し、市場予測通りとなった。雇用の悪化と金融危機で内需の不振が長引いており、08年10―12月期もマイナス成長になれば景気後退が確定する。
 7―9月のGDPの改定値で成長率が一段と低下したのは、全体の約7割を占める個人消費の下方修正が主要因だ。改定値では前期比マイナス3.7%となり、落ち込み幅は速報値から0.6ポイント拡大した。戻し減税の効果が薄れたことに加えて雇用環境が悪化していることをうけ、家計が消費抑制に動いたようだ。このほか設備投資は前期比マイナス1.5%となり速報値を0.5ポイント下方修正し、住宅投資はマイナス17.6%で1.5ポイント上方修正した。
 成長を支えてきた輸出も鈍化しており、改定値では前期比3.4%増えたが速報値を2.5ポイント下方修正している。輸入は3.2%減り、速報値より落ち込み幅が1.3ポイント拡大した。

米住宅市場の下振れ続く 9月の価格、20都市で17.4%下落 2008年11月26日 日経
http://markets.nikkei.co.jp/kaigai/kokusai.aspx?site=MARKET&genre=c7&id=AT6FF2P01%2025112008
 米国の住宅市場の下振れが続いている。物件の値下がりが需要を刺激せず、むしろもっと下がるとみる買い控えによって建設、販売の双方が冷え込む悪循環が起きている。当初は年内にも始まるとの見方があった市況の回復は、来年以降もしばらく見通せない状況だ。住宅投資の不振は後退局面に陥った可能性が大きい米景気の下降を長引かせそうだ。
 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズが25日発表した9月の「S&Pケース・シラー住宅価格指数」は全米20都市でみて前年同月に比べ17.4%下がった。10都市では18.6%の大幅な下落率となった。2006年夏からの急落局面が続いており、底打ちの気配はない。

9月の米住宅価格指数は前月比‐1.3%、前年比‐7.0% 2008年11月26日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT828313620081125
 米連邦住宅金融局(FHFA)が25日発表した9月の住宅価格指数は、前月比1.3%低下した。前年比では7.0%の低下となった。
 住宅価格ピーク時の2007年4月からは7.9%低下した。
 第3・四半期の住宅価格指数は、前期比1.8%低下。前年同期比では6.0%低下した。

第3四半期末時点で問題のある米銀は171行、95年以来の高水準 2008年11月26日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT828312620081125
 米連邦預金保険公社(FDIC)は25日、問題を抱える米銀の数が第3・四半期末までに171行に達し、1995年末以来の高水準になったことを明らかにした。第2・四半期末時点では117行だった。
 問題のある銀行の資産は合計で1156億ドルと、前四半期末の783億ドルから増加した。
 一方、9月末時点の預金保険基金は346億ドルと、前四半期末から23.5%減少した。
 また、米銀全体の利益は前年同期比94%減の17億ドルにとどまり、90年以降で2番目に低い水準となった。

米GMの09年業績予想を下方修正、赤字幅拡大へ 2008年11月26日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT828303220081125
 JPモルガン証券は、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の2009年の業績見通しについて、赤字幅を1株当たり25.25ドルとし、従来予想の同22ドルから下方修正した。海外収益の悪化と政府支援で予想される金利負担増を理由に挙げた。
 米議会は大手自動車メーカーに対し、環境対応車生産に向けた250億ドルの低利融資を承認している。しかし、アナリストのヒマンシュ・パテル氏は顧客向けリポートで「政府主導による製品計画の商業的展望についてわれわれはすこぶる懐疑的だ」とし、GMに低公害車の製造を強要することは見当違いとの見方を示した。
 また、自動車業界救済をめぐっては、米議会がビッグスリーに対し、オバマ次期政権に引き継ぐまでの短期のつなぎ融資を承認する可能性があるとしている。
 11月の米国における乗用車の年率換算季節調整後販売レート(SAAR)は前年同月比32%減の1090万台と予想。同月の販売台数はGMが30%減、フォード・モーターが34%減、クライスラーは42%減になるとしている。

シティに次いで、BOAやウェルズ・ファーゴにも懸念 2008年11月25日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK828212020081125
 米政府によるシティグループ救済策は投資家の不安を和らげたが、バンク・オブ・アメリカ(BOA)などライバル行のバランスシートにも問題が潜んでいるとの見方が根強く残っている。
 BOAは米国の住宅市場が大恐慌以来最悪の状況に落ち込む中、モーゲージ資産を積み上げてきた。同社は米国最大の独立系住宅金融会社カントリーワイド・フィナンシャルを買収したことで住宅ローン関連エクスポージャーが急増したほか、メリルリンチを買収することでも合意している。
 そのため、モーゲージや他の証券に関する損失が著しく拡大すれば、中核的自己資本(Tier1)比率が危険な水準まで低下しかねない。
 ミラー・アンド・ワシントンのマイケル・ファー社長は「困難な状況に追い込まれ、救済される銀行はさらに増える可能性がある」とした上で、「株価を見ると、次に危なくなるのはBOAのようだ」との見方を示す。
 BOAの株価は11月初めから前週末までに52%下落し、KBA銀行指数.BKX構成銘柄の中でシティグループに次いで下げがきつい。
 独立系調査会社クレジットサイツのアナリストは、商業用不動産や住宅市場が予想以上に悪化した場合、BOAのTier1比率は7.15%まで低下すると予測する。
 規制当局はTier1比率が6%以上であれば「十分な資本がある」とみなしているが、7%に接近あるいは下回れば、投資家の間で懸念が高まる恐れがある。
 この問題について、BOAのコメントは得られていない。
 クレジットサイツは、ワコビアを買収したウェルズ・ファーゴについても、最悪のシナリオではTier1比率が6.98%まで低下する可能性があると推測している。ウェルズ・ファーゴもコメントを拒否した。
 確かに、一部の投資家が注目している有形資本に対する有形資産など、一部の指標はBOAやウェルズ・ファーゴに比べてシティグループの状況が悪かったことを示している。
 シティグループの有形資産は、株主資本から無形資産を差し引いた値の42倍前後に達し、BOAの11倍をはるかに上回っている。
 アナリストは、米国の銀行システムはおおむね資本が過小で、その規模は1兆ドル以上に達するとみている。
 ウェルスウッド・キャピタルのインベストメントバンカー、ダニエル・アルパート氏は「銀行にはすでに大きな穴が開いており、リセッション(景気後退)でその穴はさらに拡大すると指摘、すでに発表されている総額7500億ドルに加え、さらに1兆ドルの不良債権を償却する必要が生じると推測している。
 BOAはカントリーワイドを買収したことで2500億ドルを超す住宅関連モーゲージ資産を保有しており、複雑なタイプのモーゲージ提供はやめたものの、償却負担が増加している。
 一方、ウェルズ・ファーゴはワコビア買収によって2600億ドルを上回る消費者ローンを引き継いだ。
 JPモルガン・チェースもワシントン・ミューチュアルを買収したことで、すでに抱えていた多額の消費者ローンに最もリスクの高いモーゲージが上乗せされる形となった。
 それでも、各社とシティグループとの間には大きな違いがある。アナリストによると、シティはワコビア買収に失敗したことで投資家の信頼を失い、預金を通じた資金調達の基盤が弱体化している。
 スチュワート・キャピタル・アドバイザーズの最高投資責任者、マル・ポレイ氏は「シティと他の3社との違いは、シティの経営に対する懐疑的な見方が強いことだ」と指摘、「シティの経営陣はぜい肉をそぎ落とす十分な努力をしていない」と批判する。
 だが、他の3社の経営陣も、資本ポジションをめぐる投資家の不安を和らげる必要がある。それらの損失が拡大すれば、BOAやウェルズ・ファーゴはシティグループと同様、米政府の支援を受けざるを得なくなる可能性もある。
 フリードマン・ビリング・ラムジーのアナリスト、ポール・ミラー氏は「他社も支援が必要になることは間違いない」と断言している。

米AIG、CEO報酬を1ドルに  2008年11月26日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081125AT2M2504L25112008.html
 米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は25日、エドワード・リディ最高経営責任者(CEO)の給与を1ドルに削減すると発表した。また経営陣7人に今年のボーナスを支給しないことも決めた。

ロンドン株25日 18.29ポイント高の4171.25で終了  2008年11月26日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/market/20081126c9ASB7IIAA6251108.html
 25日のロンドン株式相場は続伸。FTSE百種総合株価指数は前日終値に比べ18.29ポイント高の4171.25で引けた。上昇銘柄は58。
 銀行株が全面高となった。スタンダード・チャータード銀行は16%、バークレイズは14%、HBOSは13%それぞれ上昇した。
 金融取引ブローカーのICAP、資産運用のシュローダーズも買われた。
 石油株も全面高。タローオイル、ケアン・エナジーが高い。
 BHPビリトンが同業のリオ・ティントの買収を断念したとの発表を受けてBHPが7%高となった半面、リオは37%安と急落。
 通信のBTグループは、メリルリンチによる投資判断引き下げを受けて、売られた。建設資材のウォルセリーもロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)による売り判断を手掛かりに下落した。

ドイツ株25日 DAXは6ポイント高の4560  2008年11月26日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/market/20081126c9AS2R2500I251108.html
 25日のフランクフルト株式相場は小幅続伸。ドイツ株式指数(DAX)の終値は、前日比6.09ポイント(0.13%)高の4560.42だった。
 金融株の一角が堅調。不動産金融大手のヒポ・レアルが9.2%高、コメルツ銀行が4.8%高、ドイツ銀行が4.1%高。肥料大手のK+S、半導体のインフィニオンにも買いが入り、ともに約8%上昇。ドイツ取引所も高い。
 一方、VW22.7%安と大幅続落。BMW、ポストバンクも安い。

独ポルシェ、主力車種「911」減産 本社工場で8日間生産休止 2008年11月26日 日経
 ドイツの自動車メーカー、ポルシェは25日、独南西部シュツットガルトの本社工場で断続的に生産を休止すると発表した。11月下旬から2009年1月末までに計8日間休止し、主力車種「911」の生産を約1300台減らす。
 減産に伴い、ポルシェは「09年7月通期の世界販売台数は、前期実績の9万8652台を下回る」と説明。過去最多販売の記録更新を事実上断念した。
 同社が年内の子会社化を目指す独フォルクスワーゲン(VW)も、年末年始の本社工場での生産休止期間を昨年より約1週間延長する方針。金融危機による急速な新車市場の低迷は、これまで比較的好調だったポルシェ―VW連合の出足にも影を落としそうだ。

NY原油反落 終値50.77ドル 2008年11月26日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081126ATQ2INYPC26112008.html
 25日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は反落。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で、期近の2009年1月物は前日比3.73ドル安の1バレル50.77ドルで取引を終えた。前日の相場急伸の反動で、利益確定売りが出た。
 前日に米政府による米銀大手シティグループの救済策発表などを手掛かりに9%急伸した後とあって、ひとまず利益を確定する動きが出た。7―9月期の米実質国内総生産(GDP)改定値が速報値から下方修正されたことをきっかけに、景気悪化で原油需要が減るとの見方が改めて強まったと指摘があった。26日発表の週間の米石油在庫統計で原油在庫が増えるとの思惑も重しになったという。
 米連邦準備理事会(FRB)による追加の金融対策の発表後に、買いが優勢となる場面もあったが続かなかった。安値は50.52ドル、高値は54.66ドル。
 ガソリンとヒーティングオイルは3営業日ぶりに反落。



 25日のNYダウは、FRBが信用収縮を緩和する目的で、住宅ローン担保証券(MBS)や自動車ローンやクレジットカードローン関連の資産担保証券(ABS)を買い取ることを発表したこともあり、開始直後に、前日の終値(8443ドル39セント)から、160ドル超高い8607ドル38セントまで買い上げられる場面もあったのですが、さすがに2日間で890ドルも上げていたことからか利益確定の売りも入ったようで、昼前には前日終値を割り込み、一時8281ドル46セントまで下落。その後8550ドル近くまで再び買い上げられたものの、寄り付きにかけて再調整し、結局前日比36ドル8セント高い8479ドル47セントで終了(上昇率0.43%)。ナスダック総合は前日比7.29ポイント安い1464.73ポイントで終了(下落率0.50%)。S&P500種は前日比5.58ポイント高い857.39ポイントで終了(上昇率0.66%)しています。
 まあ、米実質GDPが0.2ポイント下方修正されて0.5%減となったことは市場予測通りだったようですが、他にも25日に発表された『S&Pケース・シラー住宅価格指数が全米20都市で前年同月比17.4%下落。10都市では18.6%の大幅な下落』となったことや、9月の住宅価格指数が前月比1.3%低下・前年比では7.0%の低下となっていたこと、FDICが公表した『問題を抱える米銀の数が171に達した』こと、JPモルガン証券が『GMの1株あたり赤字幅を従来予想の1株22ドルから1株25.25ドルに下方修正』したことなど、最大8000億ドルの金融対策を打ち消しかねないくらいの多くの悪材料が出ていましたし、それで3市場ともプラスマイナス1%以内の値動きで収まった方だから、比較的下げ止まったほうではないかと個人的には思います。
 個別株価を見ると、シティ・グループは前日比13セント高い6ドル13セントで終了(上昇率2.18%)、アメックスが上昇率0.90%、バンカメが上昇率1.44%、JPモルガン・チェースが上昇率7.94%、ウェルズ・ファーゴは上昇率3.57%となっています。

 一方、欧州3市場は前日の大幅上昇の反動もあり、下落でスタートしたものの、本日も小幅上昇で終了。
 英FTSE100は前日比18.29ポイント高い4171.25ポイントで終了(上昇率0.44%)。開始直後に前日終値(4152.96ポイント)を83ポイント程下回る4152.96ポイントまで下げた後、昼過ぎに4268.34ポイントまで上げたものの、14時を少し過ぎた頃から急落し、一時前日終値を下回る場面もあり、寄り付きにかけて少し回復したところで終了。BHPビリトンによるリオ・ティント買収断念の報道もあり、BHPビリトンは7.24%上昇した反面、リオ・ティントは36.73%の大幅下落。プルデンシャルも下落率2.37%。バークレイズが上昇率13.99%、HBOSが上昇率12.79%、HSBCが上昇率6.12%、ロイズTSBが上昇率9.01%、RBSが上昇率5.51%、先日唯一の下落となったスタンダード・チャータードは15.86%の大幅上昇となっています。
 仏CAC40は前日比37.45ポイント高い3209.56ポイントで終了(上昇率1.18%)。開始直後に前日終値(3172.11ポイント)を65ポイント強下回る3104.36ポイントまで下げた後、15時過ぎに3274.71ポイントまで上げたものの、その後は下落し、寄り付きにかけて少し回復したところで終了。 40銘柄中32銘柄が上昇。アクサは下落率2.38%、BNPパリバが上昇率3.97%、クレディ・アグリコルが上昇率7.61%、デクシアが上昇率3.82%、ソシエテ・ジェネラルが上昇率8.96%。
 独DAXは前日比6.09ポイント高い4560.42ポイントで終了(上昇率0.13%)、こちらはフォルクスワーゲンの大幅下落に引きずられる形で開始直後に前日終値(4554.33ポイント)から99ポイントと3市場の中で一番の落ち込み幅を記録したものの、昼前に前日終値を回復。その後4693.10ポイントまで上昇する場面もあったものの、寄り付きにかけて急落し、一時前日の終値をわずかに下回るも、なんとかプラスで終了。30銘柄中21銘柄で上昇したものの、フォルクスワーゲンが22.66%の大幅下落、アリアンツも下落率1.33%。ヒポ・リアル・エステートは前日比0.24ユーロ高い2.85ユーロで終了(上昇率9.20%)、インフィニオン・テクノロジーズが上昇率7.81%、K+Sの上昇率7.95%あたりの上昇が目立つでしょうか…。
 前日の上昇幅が英FTSE100が9.84%、仏CAC40が10.09%、独DAXが10.34%とかなり大きかったため、正直大幅な反動安も覚悟していたのですが、意外にも小幅ながら続伸。他の欧州ローカル市場もコペンハーゲンとハンガリーで2%台の上昇、他の市場もオランダが0.01%の微減以外は0~1.28%の小幅上昇で終了しています。

 NY原油は、前営業日に4ドル半上げた反動もあり、3.73ドル安1バレル50.77ドルで終了しました。