山形のきらやか銀、公的資金申請へ ファンドと資本提携解消 2009年5月12日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090512AT2C1101K11052009.html
山形県を地盤とする第2地方銀行、きらやか銀行は新しい金融機能強化法に基づく公的資金注入を金融庁に申請する方針を固めた。規模は200億―300億円になる見込み。同時に経営再建を主導してきたファンドとの資本提携を解消する。公的資金で時間をかせぎ、広域再編に備える狙いとみられる。一方、韓国の大手銀行が国内への本格進出に動き出した。地域金融の再々編の動きが加速してきた。
きらやか銀は企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(東京・千代田)との資本提携を解消する方向で最終調整に入った。公的資金の申請検討と合わせて週内にも発表する。ジェイ社からの派遣役員は残し、業務提携は継続する見通しだが、ジェイ社の持つ優先株70億円(簿価)を買い戻す方向だ。
高知銀、公的資金を検討 自己資本8%割れ 2009年05月16日 朝日
http://mytown.asahi.com/kochi/news.php?k_id=40000000905160005
高知銀行(本店・高知市、伊野部重晃頭取)と四国銀行(同、青木章泰頭取)は15日、09年3月期決算(連結ベース)を発表した。両行とも世界的な金融危機の影響を受け、公的資金申請の検討を始めた高知銀行は当期純損失が83億9500万円(前年同期比約16億円増)に拡大。四国銀行も03年3月期以来6年ぶりの赤字となった。
高知銀行の経常損失は、前年同期の39億1700万円から53億4700万円に増加。自己資本比率は7・79%で、国際展開する際の最低基準の8%を割ったことなどから、公的資金申請の検討を始めた。年間配当は無配となった。10年3月期は「経営の効率化と資産の健全化を進める」として経常利益7億円、当期純利益5億5千万円、年間配当2円50銭を見込む。
四国銀行は金融市場の低迷による保有有価証券の減損処理などで、経常利益は238億9千万円の赤字(前年同期は57億9千万円の黒字)、当期純利益は216億1600万円の赤字(同35億7400万円の黒字)となった。自己資本比率は1・52ポイント減の8・68%。10年3月期は経営の効率化などで経常利益31億円、当期純利益23億円を見込む。
新金融機能強化法に基づく公的資金申請は、札幌北洋ホールディングス・南日本銀行・福邦銀行の3行が申請した後は、しばらくは他行の申請様子見状態となっていたのですが、ここに来て数行が申請の準備をはじめ、東北山形のきらやか銀行、四国の高知銀行も申請の準備に入ったようですね。
ちなみに、山形のきらやか銀行は、2007年5月に殖産銀行が山形しあわせ銀行を合併して東北最大の第二地方銀行となったものの、同じ山形県の鶴岡市に本店を置く荘内銀行が隣県である秋田県の北都銀行と経営統合する計画があり、その両行は公的資金による資本増強を検討していて県内でも競合することが予想されるだけに、きらやか銀行としても対抗できる経営体力を身につけるために、国による公的資金投入を検討せざるを得なかったのではないでしょうか…。
一方の高知銀行は、同じく四国の第二地銀である香川銀行と徳島銀行との経営統合計画が今年の1月下旬に発表されたことや、県内の貸し出しが資金需要の低迷から減少し、自己資本比率も7.79%と国際展開する際の最低基準の8%を割ったことなどから、経営体力を補強する意味での申請かと思いますが、新聞各紙をチェックしても申請予想額が未公表なのは、目標とする自己資本比率を未公表としているからでしょうか…。
とりわけ、地方県にある第二地方銀行の場合は、隣県に大都市がなければ積極的な他県展開も難しく、かといって優良取引先はどうしても地元のリーディングバンクや都銀などに奪われることから、どうしても財務内容にやや難のある取引先の比率が高まってしまう傾向があると思いますが、地元金融機関には地元にお金を還流するという大切な役割がありますし、取引先だって県内に銀行が1行しかないのでは、融資交渉一つとっても何かと厄介。生き残ってもらわなければ困る存在だけに、今後も第二地方銀行を中心に公的資金を申請するケースが増えていくものと思います。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090512AT2C1101K11052009.html
山形県を地盤とする第2地方銀行、きらやか銀行は新しい金融機能強化法に基づく公的資金注入を金融庁に申請する方針を固めた。規模は200億―300億円になる見込み。同時に経営再建を主導してきたファンドとの資本提携を解消する。公的資金で時間をかせぎ、広域再編に備える狙いとみられる。一方、韓国の大手銀行が国内への本格進出に動き出した。地域金融の再々編の動きが加速してきた。
きらやか銀は企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(東京・千代田)との資本提携を解消する方向で最終調整に入った。公的資金の申請検討と合わせて週内にも発表する。ジェイ社からの派遣役員は残し、業務提携は継続する見通しだが、ジェイ社の持つ優先株70億円(簿価)を買い戻す方向だ。
高知銀、公的資金を検討 自己資本8%割れ 2009年05月16日 朝日
http://mytown.asahi.com/kochi/news.php?k_id=40000000905160005
高知銀行(本店・高知市、伊野部重晃頭取)と四国銀行(同、青木章泰頭取)は15日、09年3月期決算(連結ベース)を発表した。両行とも世界的な金融危機の影響を受け、公的資金申請の検討を始めた高知銀行は当期純損失が83億9500万円(前年同期比約16億円増)に拡大。四国銀行も03年3月期以来6年ぶりの赤字となった。
高知銀行の経常損失は、前年同期の39億1700万円から53億4700万円に増加。自己資本比率は7・79%で、国際展開する際の最低基準の8%を割ったことなどから、公的資金申請の検討を始めた。年間配当は無配となった。10年3月期は「経営の効率化と資産の健全化を進める」として経常利益7億円、当期純利益5億5千万円、年間配当2円50銭を見込む。
四国銀行は金融市場の低迷による保有有価証券の減損処理などで、経常利益は238億9千万円の赤字(前年同期は57億9千万円の黒字)、当期純利益は216億1600万円の赤字(同35億7400万円の黒字)となった。自己資本比率は1・52ポイント減の8・68%。10年3月期は経営の効率化などで経常利益31億円、当期純利益23億円を見込む。
新金融機能強化法に基づく公的資金申請は、札幌北洋ホールディングス・南日本銀行・福邦銀行の3行が申請した後は、しばらくは他行の申請様子見状態となっていたのですが、ここに来て数行が申請の準備をはじめ、東北山形のきらやか銀行、四国の高知銀行も申請の準備に入ったようですね。
ちなみに、山形のきらやか銀行は、2007年5月に殖産銀行が山形しあわせ銀行を合併して東北最大の第二地方銀行となったものの、同じ山形県の鶴岡市に本店を置く荘内銀行が隣県である秋田県の北都銀行と経営統合する計画があり、その両行は公的資金による資本増強を検討していて県内でも競合することが予想されるだけに、きらやか銀行としても対抗できる経営体力を身につけるために、国による公的資金投入を検討せざるを得なかったのではないでしょうか…。
一方の高知銀行は、同じく四国の第二地銀である香川銀行と徳島銀行との経営統合計画が今年の1月下旬に発表されたことや、県内の貸し出しが資金需要の低迷から減少し、自己資本比率も7.79%と国際展開する際の最低基準の8%を割ったことなどから、経営体力を補強する意味での申請かと思いますが、新聞各紙をチェックしても申請予想額が未公表なのは、目標とする自己資本比率を未公表としているからでしょうか…。
とりわけ、地方県にある第二地方銀行の場合は、隣県に大都市がなければ積極的な他県展開も難しく、かといって優良取引先はどうしても地元のリーディングバンクや都銀などに奪われることから、どうしても財務内容にやや難のある取引先の比率が高まってしまう傾向があると思いますが、地元金融機関には地元にお金を還流するという大切な役割がありますし、取引先だって県内に銀行が1行しかないのでは、融資交渉一つとっても何かと厄介。生き残ってもらわなければ困る存在だけに、今後も第二地方銀行を中心に公的資金を申請するケースが増えていくものと思います。