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「子育て応援特別手当」凍結 現場は混乱も…?

2009-10-16 06:56:03 | Weblog
「子育て手当」凍結、補正見直し1100億上積み 2009年10月15日
読売 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091014-OYT1T01029.htm
朝日 http://www.asahi.com/politics/update/1014/TKY200910140413.html
毎日 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091015k0000m010114000c.html
 長妻厚生労働相は14日、2009年度補正予算の見直しで「子育て応援特別手当」の支給を凍結し、更に1100億円程度を上積みすることを正式決定した。
 長妻氏が14日、仙谷行政刷新相と協議し、補正予算に盛り込まれた1254億円のうち、地方自治体の事務費などを除いた約1100億円を凍結することで合意した。政府は補正予算見直しで約3兆円の財源確保を目指し、そのうち厚労省は9日時点で5213億円の凍結を決めている。
 長妻氏は、当初、支給業務を受け持つ地方自治体で混乱を招くとの理由で、凍結には慎重だった。支給を想定し、国庫から支払われる給付金を予算計上した自治体もあったからだ。
 しかし、民主党が野党時代に「何の哲学もないバラマキ」(当時の鳩山幹事長)と同手当を批判していたことなどから凍結に転じた。
 長妻氏は14日の記者会見で「国民、地方に深くおわび申し上げる」と陳謝。凍結により工面した財源を来年度から始める「子ども手当」に充てることで理解を求めた。
 これに対し、与党時代に同手当の導入を強く主張していた公明党の山口代表は14日、「国民の期待感は大きい。これを無視する、裏切ることは政権としておかしい」と批判した。
 同手当は、3~5歳の子ども1人あたりに3万6000円を支給する制度。08年度までは第2子以降が対象だったが、09年度は緊急経済対策の一環として第1子まで広げた。対象者は約330万人で、年末にも支給が始まる予定だった。

原口総務相、子育て応援手当「廃止」に難色 厚労相と会談 2009年10月14日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091014AT3S1400K14102009.html
 長妻昭厚生労働相は14日午前、総務省で原口一博総務相と会談し、2009年度補正予算の見直しを巡り、3~5歳の子どもに1人当たり3万6000円を支給する「子育て応援特別手当」を廃止したいとの考えを伝えた。総務相は地方自治体ですでに支給を前提とした準備が進んでいることなどから「廃止は難しい」との認識を示した。
 厚労省は補正予算の見直しですでに5213億円の執行停止を決めたが、さらに上積みを迫られており、廃止に向け総務省との調整を続ける。

公明代表、子育て応援手当「廃止なら代替措置を」 2009年10月15日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20091015AT3S1401T14102009.html
 公明党の山口那津男代表は14日、長妻昭厚生労働相が2009年度補正予算の「子育て応援特別手当」の廃止を検討していることについて「十分な説明や代替措置もなく停止するのでは国民が戸惑う」と批判した。都内で記者団の質問に答えた。
 山口氏は「停止するなら今年度内に新たな施策の検討も含めて国民の期待に応えてほしい」とも述べ、代替措置の早期策定を要求した。同手当は3~5歳の子どもに1人当たり3万6000円を支給する制度。与党時代の公明党が主張した。

子育て応援手当廃止、厚労省に問い合わせ80件 自治体に戸惑い 2009年10月15日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091015AT3S1500I15102009.html
 長妻昭厚生労働相が廃止を明言した「子育て応援特別手当」を巡り、厚生労働省に地方自治体から問い合わせが相次いでいる。昨日だけで約80件の問い合わせがあり、担当者は「今日も対応に追われそう」(児童手当管理室)と漏らす。手当廃止に地方自治体が対応するには編成済みの補正予算を減額する必要などがあるため、不満や戸惑いはさらに広がりそうだ。
 同省によると、手当廃止の報道が流れた14日朝から問い合わせの電話が殺到。内容は「本当に止めるのか」など、確認を求めるものが大半だった。厚労相は14日の記者会見で「(これまでかかった)事務費や苦労に対して我々も丁寧に説明し、理解をいただく努力を続ける」と繰り返し強調。近く地方への説明の機会を設ける方針だ。

子育て応援廃止「容認できない」 全国町村会長が厚労相に抗議 2009年10月16日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091015AT3S1501E15102009.html
 長妻昭厚生労働相は15日、山本文男全国町村会長(福岡県添田町長)と会談した。厚労相が3~5歳児に1人当たり3万6千円を支給する「子育て応援特別手当」の廃止方針を出したことに対し、山本会長は「到底容認できない」と猛反発。厚労相は「大変なご迷惑をおかけします。今後の対応をきっちり説明していきたい」と陳謝した。
 山本会長は「国が決めたから地方はそれに従えという姿勢は極めて遺憾」とする抗議文を厚労相に提出した。会談後、記者団に「ほとんどの市区町村は関連の補正予算を議決している。
(廃止方針に)はい、そうですかというわけにはいかない」と強調。「現行通りやってほしい」と訴えた。

子育て応援手当、兵庫・三木市が独自に支給へ 2009年10月16日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091015AT3S1502615102009.html
 全国知事会の麻生渡会長(福岡県知事)は15日、長妻昭厚生労働相が廃止を明言した「子育て応援特別手当」を巡り、「自治体の一部では申請受け付けも開始されており、突然かつ一方的に執行を停止することは現場に混乱を与える」として削減の対象としないよう求める地方6団体合同の緊急声明を発表した。
 一方、兵庫県三木市は同日、「子育て応援特別手当」を市独自で支給することを決めた。支給対象は1778世帯の1982人で、支給総額は7136万円。市の財政基金を取り崩して財源を確保し、11月中旬から支給する予定だ。
 藪本吉秀市長は政府の支給停止方針を批判。「市は財政危機宣言を発しているが、子育て支援策の一環として独自支給する」と述べた。




 ん…。『こども手当は最初の年は半額の1万3000円しか支給しない』と聞いていたので、てっきり子育て応援特別手当は支給することを織り込んでいるものとばかり思っていましたし、凍結の噂が流れた時も『まさかねぇ…』と思っていたのですが、政府は予想外にも凍結に動くようですね…(吃驚
 ただ、今年度の子育て応援特別手当は、昨年までの第二子以降という制約がなくなり、2003年4月2日~2006年4月1日生まれ(3~5歳)の子どものいる親に支給するという昨年度支給分と比べて、児童手当の目減りにより配慮(児童手当は3歳まで1万円、3歳から1人目と2人目は5000円、3人目以降に1万円を支給)した仕組みとなっていただけに、正直それ程悪い制度でもないと思っていましたし、『自治体の準備の都合もあるだろうし、何も支給を凍結しなくても、後でその差額を支給調整したら良いだけなのでは…』と思うのですが、案の定問い合わせの電話が殺到して自治体の担当窓口は仕事にならない模様。
 厚生労働省には地方自治体から問い合わせの電話が14日だけでも80件あったそうですが、実際は電話がつながらなかったケースも決して少なくなかったでしょうし、混乱は想像以上のものだったのではないかと思います。

 結局、国民の問い合わせや抗議で、一番迷惑を被るのは紛れもなく現場の最前線である市町村の支給窓口ですし、凍結(廃止)するならするで、せめてこども手当の支給開始時期と支給金額について『○年はいくら、翌年以降は○万円支給する』と子育て世代の手取りがどうなるのかをはっきり訴えるなど、それなりの配慮はすべきだったのではないかという気がします。