ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

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日航再建、素案受け入れ困難 財務省・政投銀 支援機構活用案も

2009-10-17 10:01:01 | Weblog
日航再建、素案受け入れ困難 財務省・政投銀 支援機構活用案も 2009年10月17日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091017AT3S1603B16102009.html
 日本航空の経営再建に向け国土交通相直属のタスクフォース(作業部会)がまとめた再建素案について、財務省とメーンバンクの日本政策投資銀行は16日、受け入れは困難との判断を固めた。年金減額などの道筋が不透明で、巨額の公的資金活用には理解が得られないとみている。政府内では過剰債務企業を支援対象とする「企業再生支援機構」を活用し、強力な公的関与の下で早期再建を目指す案が浮上している。
 複数の政府・金融関係者が明らかにした。作業部会は18日にも政投銀などの銀行団と非公式に今後の対応を協議する。来週中にも銀行団から了承を取り付けたい意向だが、調整は難航しそうだ。

JAL株100円割れ寸前、統合後の最安値更新 2009年10月17日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20091016-OYT1T01017.htm
 16日の東京株式市場で、経営再建中の日本航空(東証1部)の株価は一時、前日比14円(約12・3%)安の100円まで下落し、2002年の旧日本エアシステムとの統合後の最安値を更新した。
終値は13円安の101円で、100円割れ寸前となっている。
 前原国土交通相直轄の専門家チームが再建策づくりを進めているが、先行きの不透明感が嫌気されて売りが膨らんだ。

日本航空:大型機数十機を処分 タスクフォースが検討 2009年10月17日 毎日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20091017k0000m020152000c.html
 日本航空(JAL)の再建案を練っている前原誠司国土交通相直属の専門チーム「タスクフォース」が、大型機数十機を処分することや、子会社のうち3割を売却するなどの策を検討していることが分かった。日航は従来、3年計画での再建策を準備していたが、5年計画に切り替え、営業利益を毎年500億円程度出せる体質を目指す。
 日航は全日本空輸(ANA)に比べ大型機の比率が高く、空席の多い航空機を飛ばすことで採算が悪化しがちになっている。小型機への切り替えによって、運航コストを引き下げるとともに、空席を埋めるための営業人員の削減も狙う。
 また、子会社の売却は、当座の売却益を目的にするのではなく、黒字体質への転換を主眼とする。
 タスクフォースは10月中に再建策の骨子をまとめ、11月中に確定させたい考え。大幅な人員削減や年金制度改革、不採算路線の廃止などの抜本的なリストラ策で、金融支援に慎重な銀行団の理解を得ることを目指す。

日航、格安航空会社と提携検討 アジア路線でコスト削減 2009年10月17日 朝日
http://www.asahi.com/business/update/1016/TKY200910160496.html
 経営再建計画を策定中の日本航空が、アジア路線で格安航空会社との提携を検討していることが16日、分かった。主に観光路線を現在のグループ会社による運航から、アジアで急拡大している格安会社との共同運航に切り替え、コスト削減を図る。実現すれば、日本への格安航空会社の就航が本格化する。
 日航は、前原誠司国土交通相が選任した専門家チーム「JAL再生タスクフォース」の指導下で再建計画を策定中。10月末に資産査定を終え、経営再建の方向性を示す「骨子」を発表する予定だ。
 観光路線は一般的に、ビジネス路線に比べ客単価が低く、収益力に劣る。日航は経営資源の集中を図るため、海外路線のうち高収益が望める欧米や中国向けのビジネス路線を「核事業」と位置づけ、観光路線は「核事業に付随する範囲で継続する」としている。
 現在、日航がアジアで運航する観光路線の主力は、傘下の日航インターナショナルの子会社ジャルウェイズ。客室乗務員にタイ人を多く採用するなどしてコストを低減し、ハワイ、タイ、インドネシアなどの路線を運航している。
 今年9月に前政権下でまとめた経営再建策では株式の一部を売却して再建資金に充てる予定だったが、専門家チームの指導を受けて株式売却を撤回し、日航本体に吸収して縮小する予定。代わりにアジアの格安航空会社と共同運航(コードシェア)便を開設し、路線網を維持しつつコストを削減する計画だ。
 日本就航を希望するアジアの格安航空会社は多いが、羽田・成田の両空港は発着枠がいっぱいで、これまで新規参入が困難だった。発着枠を多くもつ日航と提携すれば参入への道が開ける。

     


 昨日16日の日経平均が18円の小幅高となったにも関わらず、日本航空(JAL)の株価が一時100円まで下落して、終値ベースでも前日比13円も安い101円と11.40%の大幅安となったことから、『これは(JALにとって)相当厳しい報道が出たのだろうな…』とは思っていたのですが、どうやら国土交通相直属のタスクフォース(作業部会)がまとめた再建素案を財務省とメーンバンクの日本政策投資銀行が『受け入れは困難との判断を固めた』と事実上拒絶したことが嫌気されたようですね…。
 まあ、日航については、タスクフォースが日本政策投資銀行など主力取引銀行に2500億円超の債権放棄を要請する再建案をまとめたものの、債権放棄を行えば、同時に株主の責任も問われて減増資が行われる可能性が濃厚で、市場では「減資で株主価値が減り、その後の増資で希薄化するという“ダブルパンチ”に見舞われる」との見方が広まってしまったようですし、加えて米格付機関大手のS&Pが、再建の過程で債務不履行とみなす内容が含まれる可能性が高いとして、日航の格付けをBマイナスに2段階格引き下げたことが株価の下落を加速させてしまった模様。

 かっての日本航空の栄華を知っている方からみれば、まさに『アンビリーバブル』な状況かと思いますが、路線の縮小や格安航空会社との提携といった小手先の対応だけでは不十分で、まして市場で噂されるANAとの経営統合など、ANAまで地獄に引きずり落とすだけで言語道断でしょうし、ごくごく個人的な意見を述べるならば、支援機構の活用も良いとは思うのですが、やはりパイロットの高賃金や組合やOBの抵抗に大ナタを振るわない限り、抜本的な体質改善は不可能かと思いますし、救済ありきのプリパッケージ破綻形式の民事再生法申請もちらつかせるくらいの強硬策が必要ではないかと思います。