長野市長に鷲沢氏(68)3選 新人の高野氏651票及ばず 2009年10月26日 信濃毎日
http://www.shinmai.co.jp/news/20091026/KT091023ATI090025000022.htm
任期満了に伴う長野市長選は25日投開票され、現職の鷲沢正一氏(68)=無所属、上松=が5万8379票を獲得、ともに新人で、5万7728票の元外資系ホテル日本支社長の高野登氏(56)=戸隠豊岡、3万1184票の民主党が推薦した元県商工参事の小林計正氏(61)=入山=の無所属2人を破り、3選を果たした。鷲沢氏と高野氏とは651票差の大接戦だった。投票率は48・82%で、過去最低だった2005年前回選の36・96%を11・86ポイント上回った。
現新の三つどもえとなった選挙戦は、8月の衆院選と、国政での政権交代の影響も注目された。政党とは一線を画し「市民党」を掲げた鷲沢氏が当選した一方で、民主党県連が市政転換を訴えて擁立した小林氏は最下位に終わり、地方での足場づくりを目指した党県連は今後、求心力の低下を余儀なくされそうだ。
鷲沢氏は、市議会6月定例会で出馬表明。議会最大会派の新友会や公明党市議団の推薦を受けたほか、複数の自民党県議も個人の立場で支援に回った。約200の企業・団体から推薦を取り付け、市内30地区ごとに後援会支部を設けるなど組織力や知名度を生かして先行した。
選挙戦では、健全財政維持や中心市街地活性化など2期8年の実績を強調。公共交通網の再生や中山間地の活性化などを訴えて05年に編入合併した旧町村部にも浸透し、猛追する高野氏を辛くも振り切った。
高野氏は、田中康夫前知事の元支援者ら、現市政に批判的な市民有志の要請を受けて立候補。共産党長水地区委員会などでつくる「市民が主人公の長野市政をつくるみんなの会」も支援した。現市政が検討する市民会館建て替えの白紙化など、市政の転換を強調。草の根型の運動で急速に追い上げたが、小林氏との間で現職批判票が割れたことも響いて及ばなかった。
小林氏は、国政と市政との連携を打ち出し、民主党の篠原孝氏(衆院1区)らが全面支援した。だが、党県連が当初、高野氏の擁立を検討するなど候補者選びをめぐって迷走したことや、出馬表明が10月7日と出遅れたことなどから、衆院選で広がった党への期待感を生かせなかった。
【長野市長選の出口調査から】 信濃毎日新聞社は25日投開票の長野市長選で有権者2000人を対象に出口調査を行った。日ごろの支持政党別では、現職の鷲沢正一氏が、自民党支持層の81%、公明党支持層の87%をまとめただけでなく、「支持政党なし」の40%、民主党支持層の20%にも浸透。全体で高野登氏、小林計正氏を上回る支持を集めた。
全体の38%を占め、最も多かったのは民主党支持層だった。そのうち、同党推薦の小林氏に投票した人は36%にとどまり、高野氏が44%でトップ。新人2氏が同党支持層の得票を分け合う格好になった。全体の21%だった自民支持層では鷲沢氏が新人2氏を大きく引き離し、高野氏は12%、小林氏は7%。共産党、社民党支持層はともに高野氏の得票が最多だった。
一方、全体の26%に上った「支持政党なし」の有権者の支持割合は、高野氏が48%でトップ。鷲沢氏が2番手につけ、小林氏は12%だった。
最も重視した投票基準は「公約・政策」が31%で最多。そのうち高野氏を支持した人が50%で、小林氏は28%、鷲沢氏は22%だった。「実績・経験」を挙げた人は全体の28%。2期8年市長を務める鷲沢氏への支持が85%に達し、高野氏は11%、小林氏は4%だった。
このほかの投票基準では「人柄」「年齢」などを基準に投票した人で高野氏の支持が最多。「政党や団体の推薦・支援」は小林氏が55%で最も多かった。
年代別の支持では、60代~70代以上で鷲沢氏がトップ。20代は鷲沢、高野両氏が並び、30代~50代は高野氏がリードした。性別では鷲沢、高野両氏は女性からの支持が男性を上回り、小林氏は男性の方が多かった。
地区別で見ると、鷲沢氏は2005年1月の合併前の旧長野市域で約4割の支持を集め、旧豊野町が60%、旧鬼無里村でも53%。高野氏は出身の旧戸隠村で65%を集め、トップだった。
信濃毎日新聞社は25日の出口調査とは別に、19~24日に期日前投票を済ませた有権者1860人を対象に出口調査も実施した。
長野市長選 鷲沢氏が3選(その1) 651票差、薄氷の勝利 /長野 2009年10月27日 毎日
http://mainichi.jp/area/nagano/news/20091027ddlk20010020000c.html
◇批判受け止め再出発
25日投開票の長野市長選は、無所属現職の鷲沢正一氏(68)が、無所属新人で元外資系ホテル支社長の高野登氏(56)、民主推薦の無所属新人で元県参事の小林計正氏(61)の2人を接戦の末に破り、3選を果たした。2期8年の経験を訴えた鷲沢氏だったが、次点の高野氏とはわずか651票差という薄氷の勝利。高野、小林両氏の合計得票は鷲沢氏上回っており、3期目の鷲沢市政はこの批判票を念頭に、一層幅広い政策的な目配りが課題となりそうだ。
鷲沢氏は選挙中、他2陣営からの批判を意識し、推進している市民会館の建て替えで発言を軟化させるなど、市民の声を幅広く取り入れる姿勢を強調してきた。今回の勝利は、2期8年で大きな失政もなく、財政の健全化などに取り組んだ手堅さと、14年度の北陸新幹線の金沢延伸や地方分権到来への期待の表れともとれる。
自民系や公明の市議、県議の支援に加え、約200の企業・団体の推薦を得た鷲沢氏は、当初「現職有利」の予想を背に選挙戦に臨んだ。しかし、新人2氏の得票は合計8万8912票。鷲沢氏の得票を大きく上回り、市政に対する有権者の批判・不満も明確に表れた形だ。
他陣営は鷲沢氏を「ワンマン」などと批判したが、そうした抽象的な言葉にとどまらない。現在の経済不況の中、例えば「ゴミの有料化」に代表される行政サービスの利用者負担の増大が、結果として市民の負担を増やすことへの不満は少なくない。また、公共交通機関などの赤字に公費を投入することを疑問視する声も聞かれた。
さらに政権交代が実現した時代に、従来型のいわゆる「ハコモノ行政」を進めることへの批判も強かった。特に市民会館の建設では、財政悪化への懸念を背景に、新人2氏は公約で「白紙化」を打ち出しており、2氏の票には一定の「ノー」が含まれているとみられる。
一方、実質3週間の選挙戦で次点となった高野氏の得票は、「自民対共産」といった政党対立や具体的な政策への支持というよりは、高野氏が持つ前向きなイメージやスタイルへの期待が大きかった。高野氏は「日本一の長野市」といった一点突破型のフレーズを発信し、無党派層を刺激した。変化を望んだ多数の有権者が、高野氏へ流れ込んだことが見て取れる。
ただ、マニフェストに盛り込まれた具体的な政策を見ると、3氏がともに中山間地域の活性化や観光業振興、子育て支援、雇用、教育を列挙するなど、それほど差はなかったことも否定できない。
「私は市民党と言ってきた。民主党や高野さんを支持した方々をはじめ、なるべく多くの皆さんに支援をもらいながら、いろいろな意見があることを承知して取り組みたい」。鷲沢氏は当選を決めた25日深夜、投票結果を踏まえて政策面で配慮する姿勢を見せた。マニフェストの具体化に市民の厳しい目が注がれる中、鷲沢市政は再出発することになる。
◆長野市 市長選挙結果
当 58379 鷲沢正一 68 無現
57728 高野登 56 無新
31184 小林計正 61 無新
長野市は、県北部の人口37.7万人の県の中心都市で、市長選は2期8年現職を務めた鷲澤正一氏に対して、民主が推薦する元県職員の小林計正氏、ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニー元日本支社長の高野登氏の2新人が挑んだのですが、
健全財政維持や中心市街地活性化など2期8年の実績を強調すると共に、公共交通網の再生や中山間地の活性化などを訴えた現職の鷲沢正一氏が58379票を獲得し、
「現市政が検討する市民会館建て替えの白紙化など、市政の転換」を強調し、田中康夫前知事の元支援者ら現市政に批判的な市民に加えて共産党も支持に回って57728票を獲得した高野登氏、
民主党が推薦して31184票を獲得した小林計正氏をかろうじて退けて再選を決めました。
とはいえ、現職の鷲沢氏と高野氏との得票差はわずか651票差で、小林氏を擁立した民主党も当初は高野氏の擁立を検討するなど候補者選びをめぐって迷走したあげく出馬表明が10月7日と出遅れたことで、アンチ鷲沢票が分裂した結果共倒れになったというのが現実。
鷲沢市長は再選されたとはいえ、市民の6割強が批判票を投じたことの意味を深く噛みしめ、次の4年間の市制運営に取り組んでほしいものだと思います。
☆ ☆ ☆ ☆
筑北村長選は新人の飯森氏(69)が初当選 前回選の雪辱 10月26日(月)
http://www.shinmai.co.jp/news/20091026/KT091025ATI090008000022.htm
任期満了に伴う東筑摩郡筑北村長選は25日投開票され、新人で元団体職員の飯森紀元氏(69)=無所属、坂北=が、2098票を獲得、現職の関森省吾氏(70)=無所属、坂井=を292票差で破り、初当選した。2005年の旧3村合併後の村政を「停滞を招いた」と批判し、転換を訴えた飯森氏が前回選の雪辱を果たした。
飯森氏は前回選で落選後、県中小企業振興センター(長野市)で企業の経営指導などに取り組んだ経験を強調。現村政を批判しつつ、人脈を生かして農産物の特産品化などに取り組むと訴えた。村長給与の2割以上削減なども掲げ、幅広い支持を集めた。
関森氏は道路整備や財政健全化など1期目の実績を強調したが、人口減などが続く現状に不満を持つ村民に、有効な活性化策をアピールできなかった。
投票率は83・43%で、前回選の86・98%を3・55ポイント下回った。
◆長野県筑北村 村長選挙結果
当 2098 飯森紀元 69 男 無新 元団体職員、自営業
1806 関森省吾 70 男 無現 筑北村長1期
長野県筑北村は、2005年10月に坂井村・本城村・坂北村が合併して誕生した人口5000人程の村で、4年前の合併直後の村長選で初代村長に就任した旧坂井村助役出身で現職の関森省吾氏に対して、元団体職員で元県農協中央会職員の飯森紀元氏が再挑戦(前回は関森氏2235票VS飯森氏2105票で130票差)したのですが、
村長給与の2割以上削減なども掲げると共に、現村政を批判しつつ人脈を生かして農産物の特産品化などに取り組むと訴え2098票を獲得した飯森紀元氏が
現職で道路整備や財政健全化など1期目の実績を強調して1806票を獲得した現職関森省吾氏を下し、雪辱の初当選を決めました。
70年に9750人・80年には7500人いた人口も、2005年には5700人まで減少するなど労働力の減少が止まらない中、現状に不満を持つ村民が現政権に NO! をつきつける形となりましたが、新村長に就任する飯森紀元氏はどのような村政運営を行ってくれるのでしょうか…。県中小企業振興センターで企業の経営指導を行っていた経験を村政運営に活かすことで、新町長には村の再生に取り組んでほしいものだと思います。
☆ ☆ ☆ ☆
飯綱町長に新人で前町議長の相沢氏(65)が初当選 10月26日(月)
http://www.shinmai.co.jp/news/20091026/KT091024ATI090010000022.htm
任期満了に伴う上水内郡飯綱町長選と町議選(定数15)は25日投開票された。町長選は、無所属新人で前町議長の相沢龍右氏(65)=芋川=が、3756票を獲得。ともに無所属新人で、3370票の前副町長の峯村勝盛氏(60)=平出、855票の会社員の中井寿一氏(51)=豊野=の2人を破り、初当選した。
2005年の合併に伴い初代町長となった遠山秀吉氏(72)が引退を表明。相沢氏は産業振興や行財政改革の推進などを掲げ、「閉塞(へいそく)感漂う町政を刷新したい」と訴えた。旧三水村副議長や町議長を務めた経験や人脈を生かし、三水地区から町全域へと支持を広げた。
峯村氏は旧牟礼村職員を経て副町長を務めた行政経験をアピールしたが、町が多額の損失を負った第三セクター「飯綱リゾート開発」問題への批判もあり、及ばなかった。中井氏は民間感覚を生かした町政運営を主張したものの、支持に広がりを欠いた。
投票率は77・31%で、前回選の81・67%を4・36ポイント下回った。
◆長野県飯綱町 町長選挙結果
当 3756 相沢龍右 65 男 無新 前町議長、自営業
3370 峯村勝盛 60 男 無新 前副町長、農業
855 中井寿一 51 男 無新 会社員
長野県飯綱町は、長野県北部にある2005年10月に牟礼村と三水村が合併して誕生した人口1.2万人程の町ですが、町長選は2005年10月に初代町長に就任した遠山秀吉氏が出馬を見送ったため、前副町長の峯村勝盛氏、会社員の中井寿一氏、前町議長の相沢龍右氏による3新人の争いとなったのですが、
産業振興や行財政改革の推進などを掲げ、「閉塞(へいそく)感漂う町政を刷新したい」と訴え3756票を獲得した相沢龍右氏が、
副町長を務めた行政経験をアピールして3370票を獲得した峯村勝盛氏、
民間感覚を生かした町政運営を主張して855票を獲得した中井寿一氏 を破り初当選しました。
実質相沢氏と峯村氏の戦いだったものの、町が多額の損失を負った第三セクター「飯綱リゾート開発」問題への批判もあったのか、町民は現政権の刷新を訴える相沢氏を選択。
新町長に就任する相沢氏は次の4年間でどのような実績を残してくれるのでしょうか…。
☆ ☆ ☆ ☆
辰野町長に矢ケ崎氏(66)が4選 新人に1885票差 10月26日(月)
http://www.shinmai.co.jp/news/20091026/KT091024ATI090014000022.htm
任期満了に伴う上伊那郡辰野町長選は25日投開票され、現職の矢ケ崎克彦氏(66)=無所属、下辰野=が、7221票を獲得、新人で自営業の赤羽公彦氏(64)=無所属、下辰野=を1885票差で破り、4選を果たした。
矢ケ崎氏は「次代につなげる町政の総仕上げ」を掲げ、町立辰野総合病院の移転新築や道路整備などの継続事業を進めると訴えた。3期12年間で培った人脈と経験を強調、町全域に設けた後援会組織を引き締めて、安定した戦いを進めた。
赤羽氏は現町政の転換を訴え、「町に活力を生み出したい」と主張。ミニ集会を通じた町民との対話行政などを主張したが、組織面で勝る現職を追い切れなかった。
投票率は71・48%で、前回選の68・22%を3・26ポイント上回った。
◆長野県辰野町 町長選挙結果
当 7221 矢ヶ崎克彦 66 男 無現 辰野町長3期
5336 赤羽公彦 64 男 無新 元町議、自営業
長野県辰野町は、岡谷市や諏訪市などに隣接する人口2.1万人程の町で、町長選は97年から3期12年現職に就任した矢ヶ崎克彦氏に対して、元町議の赤羽公彦氏が挑戦しましたが、
「次代につなげる町政の総仕上げ」を掲げ、町立辰野総合病院の移転新築や道路整備などの継続事業を進めると訴えた現職の矢ヶ崎克彦氏が7221票を獲得し、
「町に活力を生み出したい」と現町政の転換を訴え5336票を獲得した赤羽公彦氏に1885票差をつけて、危なげなく再選。
まあ、こちらは妥当な結果でしょうか…
http://www.shinmai.co.jp/news/20091026/KT091023ATI090025000022.htm
任期満了に伴う長野市長選は25日投開票され、現職の鷲沢正一氏(68)=無所属、上松=が5万8379票を獲得、ともに新人で、5万7728票の元外資系ホテル日本支社長の高野登氏(56)=戸隠豊岡、3万1184票の民主党が推薦した元県商工参事の小林計正氏(61)=入山=の無所属2人を破り、3選を果たした。鷲沢氏と高野氏とは651票差の大接戦だった。投票率は48・82%で、過去最低だった2005年前回選の36・96%を11・86ポイント上回った。
現新の三つどもえとなった選挙戦は、8月の衆院選と、国政での政権交代の影響も注目された。政党とは一線を画し「市民党」を掲げた鷲沢氏が当選した一方で、民主党県連が市政転換を訴えて擁立した小林氏は最下位に終わり、地方での足場づくりを目指した党県連は今後、求心力の低下を余儀なくされそうだ。
鷲沢氏は、市議会6月定例会で出馬表明。議会最大会派の新友会や公明党市議団の推薦を受けたほか、複数の自民党県議も個人の立場で支援に回った。約200の企業・団体から推薦を取り付け、市内30地区ごとに後援会支部を設けるなど組織力や知名度を生かして先行した。
選挙戦では、健全財政維持や中心市街地活性化など2期8年の実績を強調。公共交通網の再生や中山間地の活性化などを訴えて05年に編入合併した旧町村部にも浸透し、猛追する高野氏を辛くも振り切った。
高野氏は、田中康夫前知事の元支援者ら、現市政に批判的な市民有志の要請を受けて立候補。共産党長水地区委員会などでつくる「市民が主人公の長野市政をつくるみんなの会」も支援した。現市政が検討する市民会館建て替えの白紙化など、市政の転換を強調。草の根型の運動で急速に追い上げたが、小林氏との間で現職批判票が割れたことも響いて及ばなかった。
小林氏は、国政と市政との連携を打ち出し、民主党の篠原孝氏(衆院1区)らが全面支援した。だが、党県連が当初、高野氏の擁立を検討するなど候補者選びをめぐって迷走したことや、出馬表明が10月7日と出遅れたことなどから、衆院選で広がった党への期待感を生かせなかった。
【長野市長選の出口調査から】 信濃毎日新聞社は25日投開票の長野市長選で有権者2000人を対象に出口調査を行った。日ごろの支持政党別では、現職の鷲沢正一氏が、自民党支持層の81%、公明党支持層の87%をまとめただけでなく、「支持政党なし」の40%、民主党支持層の20%にも浸透。全体で高野登氏、小林計正氏を上回る支持を集めた。
全体の38%を占め、最も多かったのは民主党支持層だった。そのうち、同党推薦の小林氏に投票した人は36%にとどまり、高野氏が44%でトップ。新人2氏が同党支持層の得票を分け合う格好になった。全体の21%だった自民支持層では鷲沢氏が新人2氏を大きく引き離し、高野氏は12%、小林氏は7%。共産党、社民党支持層はともに高野氏の得票が最多だった。
一方、全体の26%に上った「支持政党なし」の有権者の支持割合は、高野氏が48%でトップ。鷲沢氏が2番手につけ、小林氏は12%だった。
最も重視した投票基準は「公約・政策」が31%で最多。そのうち高野氏を支持した人が50%で、小林氏は28%、鷲沢氏は22%だった。「実績・経験」を挙げた人は全体の28%。2期8年市長を務める鷲沢氏への支持が85%に達し、高野氏は11%、小林氏は4%だった。
このほかの投票基準では「人柄」「年齢」などを基準に投票した人で高野氏の支持が最多。「政党や団体の推薦・支援」は小林氏が55%で最も多かった。
年代別の支持では、60代~70代以上で鷲沢氏がトップ。20代は鷲沢、高野両氏が並び、30代~50代は高野氏がリードした。性別では鷲沢、高野両氏は女性からの支持が男性を上回り、小林氏は男性の方が多かった。
地区別で見ると、鷲沢氏は2005年1月の合併前の旧長野市域で約4割の支持を集め、旧豊野町が60%、旧鬼無里村でも53%。高野氏は出身の旧戸隠村で65%を集め、トップだった。
信濃毎日新聞社は25日の出口調査とは別に、19~24日に期日前投票を済ませた有権者1860人を対象に出口調査も実施した。
長野市長選 鷲沢氏が3選(その1) 651票差、薄氷の勝利 /長野 2009年10月27日 毎日
http://mainichi.jp/area/nagano/news/20091027ddlk20010020000c.html
◇批判受け止め再出発
25日投開票の長野市長選は、無所属現職の鷲沢正一氏(68)が、無所属新人で元外資系ホテル支社長の高野登氏(56)、民主推薦の無所属新人で元県参事の小林計正氏(61)の2人を接戦の末に破り、3選を果たした。2期8年の経験を訴えた鷲沢氏だったが、次点の高野氏とはわずか651票差という薄氷の勝利。高野、小林両氏の合計得票は鷲沢氏上回っており、3期目の鷲沢市政はこの批判票を念頭に、一層幅広い政策的な目配りが課題となりそうだ。
鷲沢氏は選挙中、他2陣営からの批判を意識し、推進している市民会館の建て替えで発言を軟化させるなど、市民の声を幅広く取り入れる姿勢を強調してきた。今回の勝利は、2期8年で大きな失政もなく、財政の健全化などに取り組んだ手堅さと、14年度の北陸新幹線の金沢延伸や地方分権到来への期待の表れともとれる。
自民系や公明の市議、県議の支援に加え、約200の企業・団体の推薦を得た鷲沢氏は、当初「現職有利」の予想を背に選挙戦に臨んだ。しかし、新人2氏の得票は合計8万8912票。鷲沢氏の得票を大きく上回り、市政に対する有権者の批判・不満も明確に表れた形だ。
他陣営は鷲沢氏を「ワンマン」などと批判したが、そうした抽象的な言葉にとどまらない。現在の経済不況の中、例えば「ゴミの有料化」に代表される行政サービスの利用者負担の増大が、結果として市民の負担を増やすことへの不満は少なくない。また、公共交通機関などの赤字に公費を投入することを疑問視する声も聞かれた。
さらに政権交代が実現した時代に、従来型のいわゆる「ハコモノ行政」を進めることへの批判も強かった。特に市民会館の建設では、財政悪化への懸念を背景に、新人2氏は公約で「白紙化」を打ち出しており、2氏の票には一定の「ノー」が含まれているとみられる。
一方、実質3週間の選挙戦で次点となった高野氏の得票は、「自民対共産」といった政党対立や具体的な政策への支持というよりは、高野氏が持つ前向きなイメージやスタイルへの期待が大きかった。高野氏は「日本一の長野市」といった一点突破型のフレーズを発信し、無党派層を刺激した。変化を望んだ多数の有権者が、高野氏へ流れ込んだことが見て取れる。
ただ、マニフェストに盛り込まれた具体的な政策を見ると、3氏がともに中山間地域の活性化や観光業振興、子育て支援、雇用、教育を列挙するなど、それほど差はなかったことも否定できない。
「私は市民党と言ってきた。民主党や高野さんを支持した方々をはじめ、なるべく多くの皆さんに支援をもらいながら、いろいろな意見があることを承知して取り組みたい」。鷲沢氏は当選を決めた25日深夜、投票結果を踏まえて政策面で配慮する姿勢を見せた。マニフェストの具体化に市民の厳しい目が注がれる中、鷲沢市政は再出発することになる。
◆長野市 市長選挙結果
当 58379 鷲沢正一 68 無現
57728 高野登 56 無新
31184 小林計正 61 無新
長野市は、県北部の人口37.7万人の県の中心都市で、市長選は2期8年現職を務めた鷲澤正一氏に対して、民主が推薦する元県職員の小林計正氏、ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニー元日本支社長の高野登氏の2新人が挑んだのですが、
健全財政維持や中心市街地活性化など2期8年の実績を強調すると共に、公共交通網の再生や中山間地の活性化などを訴えた現職の鷲沢正一氏が58379票を獲得し、
「現市政が検討する市民会館建て替えの白紙化など、市政の転換」を強調し、田中康夫前知事の元支援者ら現市政に批判的な市民に加えて共産党も支持に回って57728票を獲得した高野登氏、
民主党が推薦して31184票を獲得した小林計正氏をかろうじて退けて再選を決めました。
とはいえ、現職の鷲沢氏と高野氏との得票差はわずか651票差で、小林氏を擁立した民主党も当初は高野氏の擁立を検討するなど候補者選びをめぐって迷走したあげく出馬表明が10月7日と出遅れたことで、アンチ鷲沢票が分裂した結果共倒れになったというのが現実。
鷲沢市長は再選されたとはいえ、市民の6割強が批判票を投じたことの意味を深く噛みしめ、次の4年間の市制運営に取り組んでほしいものだと思います。
☆ ☆ ☆ ☆
筑北村長選は新人の飯森氏(69)が初当選 前回選の雪辱 10月26日(月)
http://www.shinmai.co.jp/news/20091026/KT091025ATI090008000022.htm
任期満了に伴う東筑摩郡筑北村長選は25日投開票され、新人で元団体職員の飯森紀元氏(69)=無所属、坂北=が、2098票を獲得、現職の関森省吾氏(70)=無所属、坂井=を292票差で破り、初当選した。2005年の旧3村合併後の村政を「停滞を招いた」と批判し、転換を訴えた飯森氏が前回選の雪辱を果たした。
飯森氏は前回選で落選後、県中小企業振興センター(長野市)で企業の経営指導などに取り組んだ経験を強調。現村政を批判しつつ、人脈を生かして農産物の特産品化などに取り組むと訴えた。村長給与の2割以上削減なども掲げ、幅広い支持を集めた。
関森氏は道路整備や財政健全化など1期目の実績を強調したが、人口減などが続く現状に不満を持つ村民に、有効な活性化策をアピールできなかった。
投票率は83・43%で、前回選の86・98%を3・55ポイント下回った。
◆長野県筑北村 村長選挙結果
当 2098 飯森紀元 69 男 無新 元団体職員、自営業
1806 関森省吾 70 男 無現 筑北村長1期
長野県筑北村は、2005年10月に坂井村・本城村・坂北村が合併して誕生した人口5000人程の村で、4年前の合併直後の村長選で初代村長に就任した旧坂井村助役出身で現職の関森省吾氏に対して、元団体職員で元県農協中央会職員の飯森紀元氏が再挑戦(前回は関森氏2235票VS飯森氏2105票で130票差)したのですが、
村長給与の2割以上削減なども掲げると共に、現村政を批判しつつ人脈を生かして農産物の特産品化などに取り組むと訴え2098票を獲得した飯森紀元氏が
現職で道路整備や財政健全化など1期目の実績を強調して1806票を獲得した現職関森省吾氏を下し、雪辱の初当選を決めました。
70年に9750人・80年には7500人いた人口も、2005年には5700人まで減少するなど労働力の減少が止まらない中、現状に不満を持つ村民が現政権に NO! をつきつける形となりましたが、新村長に就任する飯森紀元氏はどのような村政運営を行ってくれるのでしょうか…。県中小企業振興センターで企業の経営指導を行っていた経験を村政運営に活かすことで、新町長には村の再生に取り組んでほしいものだと思います。
☆ ☆ ☆ ☆
飯綱町長に新人で前町議長の相沢氏(65)が初当選 10月26日(月)
http://www.shinmai.co.jp/news/20091026/KT091024ATI090010000022.htm
任期満了に伴う上水内郡飯綱町長選と町議選(定数15)は25日投開票された。町長選は、無所属新人で前町議長の相沢龍右氏(65)=芋川=が、3756票を獲得。ともに無所属新人で、3370票の前副町長の峯村勝盛氏(60)=平出、855票の会社員の中井寿一氏(51)=豊野=の2人を破り、初当選した。
2005年の合併に伴い初代町長となった遠山秀吉氏(72)が引退を表明。相沢氏は産業振興や行財政改革の推進などを掲げ、「閉塞(へいそく)感漂う町政を刷新したい」と訴えた。旧三水村副議長や町議長を務めた経験や人脈を生かし、三水地区から町全域へと支持を広げた。
峯村氏は旧牟礼村職員を経て副町長を務めた行政経験をアピールしたが、町が多額の損失を負った第三セクター「飯綱リゾート開発」問題への批判もあり、及ばなかった。中井氏は民間感覚を生かした町政運営を主張したものの、支持に広がりを欠いた。
投票率は77・31%で、前回選の81・67%を4・36ポイント下回った。
◆長野県飯綱町 町長選挙結果
当 3756 相沢龍右 65 男 無新 前町議長、自営業
3370 峯村勝盛 60 男 無新 前副町長、農業
855 中井寿一 51 男 無新 会社員
長野県飯綱町は、長野県北部にある2005年10月に牟礼村と三水村が合併して誕生した人口1.2万人程の町ですが、町長選は2005年10月に初代町長に就任した遠山秀吉氏が出馬を見送ったため、前副町長の峯村勝盛氏、会社員の中井寿一氏、前町議長の相沢龍右氏による3新人の争いとなったのですが、
産業振興や行財政改革の推進などを掲げ、「閉塞(へいそく)感漂う町政を刷新したい」と訴え3756票を獲得した相沢龍右氏が、
副町長を務めた行政経験をアピールして3370票を獲得した峯村勝盛氏、
民間感覚を生かした町政運営を主張して855票を獲得した中井寿一氏 を破り初当選しました。
実質相沢氏と峯村氏の戦いだったものの、町が多額の損失を負った第三セクター「飯綱リゾート開発」問題への批判もあったのか、町民は現政権の刷新を訴える相沢氏を選択。
新町長に就任する相沢氏は次の4年間でどのような実績を残してくれるのでしょうか…。
☆ ☆ ☆ ☆
辰野町長に矢ケ崎氏(66)が4選 新人に1885票差 10月26日(月)
http://www.shinmai.co.jp/news/20091026/KT091024ATI090014000022.htm
任期満了に伴う上伊那郡辰野町長選は25日投開票され、現職の矢ケ崎克彦氏(66)=無所属、下辰野=が、7221票を獲得、新人で自営業の赤羽公彦氏(64)=無所属、下辰野=を1885票差で破り、4選を果たした。
矢ケ崎氏は「次代につなげる町政の総仕上げ」を掲げ、町立辰野総合病院の移転新築や道路整備などの継続事業を進めると訴えた。3期12年間で培った人脈と経験を強調、町全域に設けた後援会組織を引き締めて、安定した戦いを進めた。
赤羽氏は現町政の転換を訴え、「町に活力を生み出したい」と主張。ミニ集会を通じた町民との対話行政などを主張したが、組織面で勝る現職を追い切れなかった。
投票率は71・48%で、前回選の68・22%を3・26ポイント上回った。
◆長野県辰野町 町長選挙結果
当 7221 矢ヶ崎克彦 66 男 無現 辰野町長3期
5336 赤羽公彦 64 男 無新 元町議、自営業
長野県辰野町は、岡谷市や諏訪市などに隣接する人口2.1万人程の町で、町長選は97年から3期12年現職に就任した矢ヶ崎克彦氏に対して、元町議の赤羽公彦氏が挑戦しましたが、
「次代につなげる町政の総仕上げ」を掲げ、町立辰野総合病院の移転新築や道路整備などの継続事業を進めると訴えた現職の矢ヶ崎克彦氏が7221票を獲得し、
「町に活力を生み出したい」と現町政の転換を訴え5336票を獲得した赤羽公彦氏に1885票差をつけて、危なげなく再選。
まあ、こちらは妥当な結果でしょうか…