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シャープがパイオニア株、売却へ 資金を確保

2013-04-14 13:31:09 | Weblog
シャープがパイオニア株、売却へ 資金を確保 2013年04月13日 共同
http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013041301001664.html
 経営再建中のシャープが、保有するパイオニア株3千万株(発行済み株式の9・2%)を、近く売却する手続きに入ったことが13日分かった。シャープはパイオニアの筆頭株主。金融機関などを通じて具体的な売却先の選定に入ったもようだ。
 シャープは経営危機が表面化した2012年夏以降、パイオニア株を売却する検討を進めていた。光ディスクなど事業の協力関係は継続する。
 シャープは計約2千億円の転換社債償還が今年9月に控えている。パイオニア株の売却で資金を獲得し、経営の課題となっている負債の圧縮を進める。


 経営再建に苦しむシャープですが、パイオニア株の売却で当面のキャッシュの確保を図るようです。
 ただ、このパイオニア株。昨年7月過ぎからは150円~250円のレンジで推移していて12日の終値は210円。
 1株いくらで売りだすのかは知りませんが、仮に200円として全株式を売却したところで60億円にしかならず、9月の2000億円の社債償還を前に必要と言われている数百億円の資金不足の穴埋めには時間稼ぎにしかならない水準のキャッシュしか確保できませんし、ホンハイ→インテル→クアルコム→アップル→サムスン と矢継ぎ早に提携交渉をしかける様は、正に自転車操業に陥って冷静な判断力を失い迷走している零細事業主のような有様。このような状況下で増資などできるはずもなく、銀行融資が得られない限りは、黒字部門のどこかを売却する苦渋の決断を余儀なくされることになるのでしょうね。
 パイオニア株の売却先は、4.5%の株式を保有する本田技研工業か2.3%の株式を保有する三菱電機など他の三菱グループ系企業が有力になるのだと思いますが、4年前に当時窮地に陥っていたパイオニアのプラズマテレビの撤退を促したシャープが今度は一転淘汰される側に回る。
 運命の皮肉と言えばそれまでなのかもしれませんが、シャープの液晶事業やパイオニア株の売却先などの思惑を巡って週明けの株式市場も揺れることになりそうです。