日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

ミステリー「誘拐の果実」真保裕一\0

2005-12-10 | 読書
 11月末に上下2冊を読んでいた。
腰巻きに刺激的な文字
上に「犯人の要求は殺人!」
下に「悪魔のゲームなのか?」

病院の院長家族の孫娘が誘拐され
入院中の大物の殺人と引き換えに娘を帰す・との条件
前代未聞のやりとりが始まる。
影の薄い娘婿の副院長や家族の人間模様が描かれるが
今一つ誘拐された娘の人間像が浮かばない。
スッタモンダの揚げ句娘は帰り、大物は死なない。
帰って来た娘ははっきりしない・・

そんな中次ぎの誘拐事件・・と続き下に入る。
ハラハラドキドキ読ませ方は流石だ。
途中株券の行方に中弛みはあるものの
真相が究明しないまま事件は解決。

計算高い冷徹な描写の大学生が、事件解決後
急に若者特有の純粋さで表現されるのがやや違和感。

これから読む人にはこれ以上書くのは残酷なので止める。
誘拐ミステリーには色々あるものの作者の狙った通り
類の無いストーリー運びだが、
後半は詰めの甘さが出て尻切れトンボの感がぬぐえない。
少し残念!
コメント
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