日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

構造現場検査\0

2005-12-13 | 仕事・建物
 先週現場でお役所の検査があった。
木造3階建ての構造が終わった時点の中間検査だ。
前日に私の検査で手直しカ所が3点。
約束の時間前に手直しカ所が終了しているか確認。

検査の前の時間はとても緊張する。
大工さんが「質問があるんですが・・」
「終わってからにしてくれる」

時間ピッタリに3人で歩いてくる。
構造担当の若い女性一人のつもりが???
「構造の○○と○○、意匠の○○です」
「構造は二人で勝手に見ますので、意匠のお手伝いをお願いします」
中年の検査員さんにこちら3人がつく。
「まず道路の幅員を」(3回も計ったけれどねえ)
「道路の空き寸法を」(スケールの当て方がおかしいなあ)
「図面より広くありませんか?」(斜めに当てると広くなる)
「では高さを」1階の柱の長さを測ろうとするがスケールが短く失敗。
監督が手伝おうとするも「これでいいです」
3階までこんな珍道中。
トンチンカンな質問で3人ともあっけにとられる。

この間構造の人達は1階に降りて
「構造は終わりました、問題はありません、合格です」
「??」ナラなんで意匠が??
私が手直しを指示したカ所は見たのかしら?
どんなところを見て回ったのかしら?
ホッとすると同時に消化不良。

近ごろの構造計算偽装問題で検査員を増やしたのか?
人が増えるときちんと検査できるものではないと実感。

お役所だからチャンとしている、民間だからいい加減。
なんて事はなく、どれだけ力のある人が見るかに尽きる。
教科書通りでも困るし、甘すぎるのも問題。
スケールの当て方や、チェックポイントをわきまえない人が
いくら見たって時間の無駄。
現場にバカにされるだけだ。
監督さんや大工さんが次の検査から甘く考えたりしないか心配になる。

東京の場合、お役所の検査料金より民間は倍の料金。
「早い」を売り物にしているけれど、
設計の本音は「重箱の隅つつきがいや!」
法の本質よりも書き方やの指示や
不用なところまでチェックされるのが困る。
今回の意匠では今までに一番細かい人に当たったので
「次からは民間検査だ」と思っていた矢先の事件。
当分お役所通いが続きそう。

今度のように担当者でばらつきがあるのも困る。
以前完了検査でどこも見ずに「坪いくらぐらい掛かったの?」
世間話で完了したこともあった。
意匠・構造・設備の3人組で徹底的に検査されたこともあった。
こんなときの「合格です」は気持ちいい。

お役所・民間で変わらないの検査体制と、
しっかり検査が出来る人材の育成が急務と思う。

もちろんその前に脱法的な偽造はあってはならない。
真面目にコツコツ仕事をしている人が大部分なのに
不信感で見られることが社会的な損失が大きいと思う。

それにしても「広くて安い」なんて事はありえない。
価格には全て「意味」がある。
高価なお買い物、心して仕事をせねば・・
コメント
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