日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

注文住宅 戻らぬ前金

2009-05-13 | ニュース
今朝の「朝日新聞 社会面」に悲惨な記事がでていた。
中堅ハウスメーカーが倒産し、工事中の家が雨ざらしになっている。
着工前に全額を支払ってしまい、どうしようもない状況に陥ってしまった人達。

読み進むと、私達設計監理の立場から見ると考えられない事態が起こっていたらしい。
工事前に全額支払うのは問題外
むしろ「1割引になるから一括支払いを」とお願いされると
それ自体が「あぶない会社」の筆頭に入り、即逃げ出さなければならない。
健全な業者は支払い方法が偏らない限り頓着(?)しない
建設会社自体が各業者に払うのは「出来高払い」だからだ。



私の場合は「工事契約時」「上棟時」「外壁完了」「木工事完了」「引渡し」の
5回に分け20%づつ払う契約書を作成する事を依頼する。
記事にあるような「契約時1割」「着工時2割」「上棟時3割」「内装着手時2割」「竣工時2割」
とさほど変らないが、支払い費用が均一なだけ間違いが少ない。

以前、設計監理料を間違って一括払いをされたお施主さんがいたが
すぐに、後払いの分を返却した。
この時のお施主さんは「どうせ払うのだからいいですよ」と言われたが
そういう問題ではない。
工事費にしろ、設計監理料にしろ「契約書」に基づかない支払い方法はありえない。

ましてや、工事費はおいそれと右から左へ回せる額でなく、一生に一度の大金
常識の範囲を超えた方法をとってはならないし
工事費の1割を値引くことは
多過ぎる利益を上乗せしていたか、利益を度外視したあぶない話しとしか言いようがない。

今年の10月からは「瑕疵担保」が実施され
今日の新聞記事のような悲劇は少なくなる事だろう。
(訂正あり:下記のコメントをごらん下さい)
何事につけ「常識を超えたローコスト」や「常識を超えた工事期間」などは
どこかにハイリスクがある・・と疑ってかかりたいものだ。

それでも魅力的な非常識に心引かれるのなら
一葉建築アトリエ や NPO法人家づくりの会などに相談して
プロの言葉を真摯に受け止めて下さい。

写真は以前に住宅の庭から顔を出していた花(名前は知らない)
コメント (5)
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