日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

澤田瞳子著「火定」

2021-08-16 | 読書

一昨日読んだ本
澤田瞳子著「火定」PHP研究所

OGPイメージ

火定 | 澤田瞳子著 | 書籍 | PHP研究所

天然痘が蔓延する平城京で、感染を食い止めんとする医師と、混乱に乗じる者は--。直木賞・吉川英治文学新人賞ダブルノミネート作品。

PHP研究所 / PHP INTERFACE

 

5月に読んでいた
吉村昭著「破船」 - 日々好日・いちよう
は江戸時代の流行病、天然痘が寒村を襲い
村全滅になりかねない天然痘との戦いの名作だったが
「火定」は奈良時代(寧楽)の朱雀大路の西と東周辺で進行する

宮城の隣にある民衆の為の診療所
「悲田院」の人たちの天然痘との戦いの物語。

遣新羅使が新羅から持ち帰った天然痘
使いが不首尾だったこともあり、ひた隠しにされていたが
静々と蔓延して、市民を恐怖に陥れる。

今のコロナ蔓延と同じくする状況

医師一人、事務方と世話役数人で運営していた「悲田院」
ごった返す中も冷静に精力的に当たる。
(今の医療関係者と変わらない)

「悲田院」の併設されたいた孤児院の子にも感染が移り
子供達と世話役を蔵に閉じ込めて感染防止にあたる。
町では怪しげなお札に群がる人々
お札を作って大儲けをする人。

これが奈良時代?と思いながら
今現在と結びつけて読んでしまう。

コロナがいつ終息するのかわからない、お先真っ暗な日本
私の周辺で感染者が出ていない今
それでも遠くには行きたく無い気分
いつの時代にもお襲いかかってくるウイルスだが
天然痘よりはコロナはまだマシ、、

天然痘ほど悲惨さはなく、天然痘を絶滅させた世の中だが
他人事でなく、身に迫る恐怖がある。


8月5日の夕焼け

澤田瞳子さんの本は
澤田瞳子著「若冲」 - 日々好日・いちよう
続く2冊目

物語を実際にあったことのように書ける人
つい短に引き寄せてどっぷり浸からせてくれる作者である。
(偉そうに、、)

コロナに怯える中おすすめの一冊です。


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