魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

深海魚32.ミシマオコゼ

2009年06月16日 17時20分18秒 | トロール船乗船記録と深海の魚(2009年5月)

本日紹介するのは、ミシマオコゼUranoscopus japonicus   Houttuynです。まあ、トロールの定番どころではありますね。

トロール船ではミシマオコゼの類もよく網にかかります。このミシマオコゼと、最初の回で紹介したヤギミシマ、そして大型のアオミシマが多いです。

このミシマオコゼは25cmくらいの魚で、水深100から150mくらいの、トロールでは浅い場所で水揚げされます。個体数は結構多いです。

ミシマオコゼは鰓蓋に大きな棘を備えており、注意が必要です。刺されたら非常に痛そうです。また、腹鰭が体の前の方にあるのも特徴です。

かつては練り物くらいにしかならないミシマオコゼ類でしたが、近年は需要もアップしたのか、結構人気の魚になっています。食べ方は小型個体は唐揚げ。大きいものは刺身や鍋でも十分美味しくいただけます。

また、この魚は皮にもうまみがあるので、それを損なわないようにしましょう。皮はむくより、つけたまま、鱗だけ落として、粉をまぶして揚げます。

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深海魚31.ヒレグロゲンコ

2009年06月15日 13時22分40秒 | トロール船乗船記録と深海の魚(2009年5月)

本日の深海魚は、カレイ目ウシノシタ科のヒレグロゲンコCynoglossus nigropinnatus   Ochiaiです。ウシノシタ科魚類は「シタビラメ」の通称でも親しまれています。

ヒレグロゲンコはウシノシタ科イヌノシタ属魚類に含まれ、他の種とは、有眼側に3列の側線があり、鼻孔が2個あり、背鰭軟条数が104から112本であり、口の後端は下眼後端をこえず、有眼側の背鰭と臀鰭が黒色であることで区別されます。

分布は熊野灘から土佐湾とされていますが、日向灘でも確認されています。

本種はトロールで水深100~180mの深さから水揚げされますが、特に食用にはされていませんでした。今回はこの魚をいただいてきて・・・

ムニエルでいただきました。クリームソースかけすぎ・・・でも美味しかった。食用としての価値も、そのうち出てくるかも知れませんね。

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深海魚30.エビスダイ

2009年06月14日 14時59分28秒 | トロール船乗船記録と深海の魚(2009年5月)

いよいよ目標の60種まで、あと半分になっていますね。今日紹介するのはキンメダイ目イットウダイ科のエビスダイOstichthys japonicus   (Cuvier)です。

エビスダイは南日本のやや深い岩礁域に多く生息する魚です。トロール漁業でも対象種とされています。本種を含むイットウダイ科の魚は南方系で多くの種が沖縄などで見られますが、本種は温帯海域をこのんで生息するようです。

エビスダイの「えびす」というのは勿論、漁業の神様である「えびすさま」にちなむものです。また顔つきが独特で、江戸では古くから知られていた魚だったようです。食用魚ですが、鱗が非常に硬いです。でも美味しい魚で塩焼きや煮付け、新鮮であれば刺身でもいけそうです。

エビスダイの耳石は非常に大きく、このように三角形をしています。

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深海魚29.シロカサゴ

2009年06月13日 19時11分27秒 | トロール船乗船記録と深海の魚(2009年5月)

連日の深海性カサゴ特集、その最終回を飾るのはシロカサゴSetarches guentheri   Johnsonです。

シロカサゴは昨日このブログで掲載したアカカサゴと同属の魚ですが、アカカサゴの場合は上から二番目の前鰓蓋骨棘が極端に小さいのに対し、本種では上から一・二・三と全て近いサイズであることが特徴です。

しかしこの赤い色彩でなぜシロカサゴ・・・?もしかして腹部がうっすらと白っぽくなるからでしょうか。それとも幼魚は白いのか・・・?

幼魚ですが黒っぽいですねぇ。残念でした。

この種も水深200m以深にいます。本種は南日本から全世界の暖かい海域に生息しているようです。深海性とはいえ、ここまで広域分布のカサゴというのも、珍しいですね。明日は久々にカサゴ以外の魚について書こうか(打とうか?)な。

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深海魚28.アカカサゴ

2009年06月12日 16時43分07秒 | トロール船乗船記録と深海の魚(2009年5月)

本日ご紹介の深海魚は昨日までと同様にフサカサゴ科のアカカサゴSetarches longimanus   (Alcock)です。

アカカサゴは深海性のフサカサゴ科魚類です。本種は昨日まで紹介したフサカサゴ亜科とは異なり、シロカサゴ亜科という別の亜科に含まれます。

シロカサゴ亜科の特徴としては、溝状の側線があり、その側線上に薄く脱落しやすい鱗があるということがあげられます。世界中で3属からなり、各2種の計6種が報告されています。日本には3属4種が生息しています。

種としての特徴は前鰓蓋骨の棘で、上から2番目の棘が大変小さいことです。これが大きければシロカサゴとなります。

底曳網では水深200mほどの場所から漁獲されるのですが、小型種で棄てられてしまうことが多いようです。今回も食味は試していないのですが、また機会があれば試して見たいと思います。深海釣りの皆様もぜひお試しください。ただ背鰭の棘には毒があるとのことですので、そこはご注意を・・・

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