今回紹介する魚は、サメの一種、ツラナガコビトザメSqualiolus alii Tengです。こんなに小さくとも、サメの仲間です。
ツラナガコビトザメはヨロイザメ目ヨロイザメ科の小型種です。ヨロイザメ科のサメは何れも深海性のもので本邦では5種類、世界で10種が知られます。ただ、深海性とはいいましても餌を追って垂直移動することがあります。夜間には赤いエビ類やイカを追いかけ、底曳網の水深までやってきます。この写真の個体も、夜間に採集されたものです。
ツラナガコビトザメは成魚でも全長20cm強しかなく、サメの仲間でも特に小型のものとして知られています。ツラナガコビトザメ属は2種からなり、もう1種のオオメコビトザメは本種よりも大きな眼を持つことで区別できます。
ツノザメやカラスザメ類に似ていますが、これらのサメは背鰭に棘があるのに対し、本種は棘を持っていません。体色は黒っぽく、深海性の種の特徴となっています。