魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

深海魚45.カゴカマス

2009年06月28日 19時58分07秒 | トロール船乗船記録と深海の魚(2009年5月)

本日2回目の投稿になります・・・。この魚はカゴカマスRexea prometheoides   (Bleeker)という魚です。カマスという名ではありますが、カマスの仲間ではありません。ただ、「マダイ」と「マトウダイ」や、「マダイ」と「コブダイ」といった関係よりは近いですが。

この魚は「サバ」や「タチウオ」などに近縁なグループで、体型はサバによく似ており、口、特に歯の形状はタチウオに似るという面白いグループです。この魚の特徴としては、側線が1本で波打っていることがあげられます。

また、本種では腹鰭が退化しており、この個体のように無くなっているものもあります。生息水深は150から540mまでで、今回は水深150m付近からトロールによって1個体のみ、漁獲されました。通常はもっとたくさんの個体が入るようですが・・・

本種は英語圏ではRoyal escolarといいます。Escolarとは、アブラソコムツ(もしくはバラムツ)のことをさしています。アブラソコムツとバラムツは肉に多量の脂を含む (食べて中毒を起こす) という理由で食用が禁止されています。

カゴカマスもこの2種ほどではないですが、脂が強いです。今回はフライパンで焼いてみましたが、味はまあまあ、しかし小骨がちょっと硬くて食べにくい。今後の課題です。

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深海魚44.イソキホウボウ

2009年06月28日 12時15分35秒 | トロール船乗船記録と深海の魚(2009年5月)

頑丈な鱗を着込んだ深海の変わり者、イソキホウボウSatyrichthys rieffeli   (Kaup)です。

イソキホウボウは南日本とオーストラリア、アラフラ海の水深65~500mに多産するキホウボウ科の魚です。キホウボウ科の魚は小型、という印象がありますが、本種はその中では大型種で、この個体は体長が205mm有りました。

本種を含むイソキホウボウ属魚類は大型種が多いです。イソキホウボウ属は本邦では5種が知られ、そのうち本種が国内では最もよくみられる種のようです。本種の体側には小さな暗色斑点が多数あることで、他の4種と見分けがつきます。キホウボウ科については近年、再度系統分類が試みられ、その結果キホウボウ科には6属が認められることになりました。これについては日本魚類学会のページに詳しく掲載されています。

今回の航海では5種のキホウボウ科魚類に出会うことが出来ました。本種は水深270mと120mの2ヶ所で1個体ずつが採集されました。あとの3種も、機会があれば、ご紹介したいと思います。

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