今日は建国記念の日。神武天皇が橿原の宮にて御即位された日である。「建国をしのび国を愛する心を養う日」として昭和41年に定められた。天皇陛下を中心にしてまとまってきたのが日本の国体であった。それがが日本人のアイデンティティとなってきたのである。葦津珍彦が『近代民主主義の終末』で述べているように、「人間は、誰もが神聖なものを求めている。高貴なるものを求めている。それは、人間が神聖ではなく、崇高でなく、心中にいつも罪とけがれのさけがたい存在であることを深く知っているから」だ。そして、葦津に言わせると「日本では、遠く悠久の古代から祓いが行われ、祭りが行われて、民族の中にこの『神聖を求める心』が保たれて来た」のであり、その代表的な存在が陛下であらせられるのである。陛下がおられたからこそ、日本人の間に「神聖を求める心」が代々受け継がれることになったのだ。しかも、祭り主としての陛下は「常に御精進なさり、神に接近すべく努力されるばかりでなく、天下万民に対してもいろいろと進言することをもとめられる御方なのである」からこそ尊いのである。昭和天皇の「日々のこのわが行く道を正さんと かくれたる人の声をもとむる」との御製を紹介している。先の戦争で天皇陛下の名のもとに死ぬことができたのは「神聖を求める心」が日本人に脈打っていたからだ。それは同時に、人間としての謙虚さであり、他者を思いやる心であった。和を尊んできたのも日本の国体を抜きには語れない。建国記念の日は、それに思いをいたす祝祭日でなければならいのである。
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