今の日本の若者は日本の歴史を取り戻そうとしている。自分たちが日本人であることを、再確認しようとしているのだ。それを「歴史修正主義」と批判すべきではない▼江藤淳が『表現としての政治』に収録された「“戦後”知識人の破産」で書いていたように、日本の思想的な混乱は「『思想家』が、実は歴史を拒否し、歴史からおりていた」からなのである。丸山真男に代表される進歩的文化人は、敗戦の日の8月15日を境にして、民主的な日本が誕生したとのプロパガンダを流布させた。日本の過去は一切否定されたのである。だからこそ、長きにわたって、アメリカが押し付けた憲法が絶対視されてきたのである▼最近になってようやく、江藤淳の言っていたことが、多くの日本人に理解されるようになり、とくに若者の心を揺さぶっている。「人はだれでも歴史を生きている。好むと好まざるとにかかわらず。そうであるなら、どうして自分の背に負わされている伝統という荷物をしっかり背負いなおしてみないのか。そういうことを、私はくりかえしていおうと思う」(「歴史と伝統」)。過去があって現在があり、そして未来がある。日本人であることを離れて、私たちは存在しないのである。それを見失ってしまった民族が待っているのは滅亡である。これ以上日本が破壊されるのを、黙ってみているわけにはいかないのである。
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