草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

全体主義国家中共のために「客観的敵」を作り出すのが秘密警察だ!

2020年07月09日 | 思想家

今の世にあって、中共のような全体主義国家が存続できるのはなぜだろうか。かつてのように中共は竹のカーテンの向こう側に存在するのではなく、グローバル化する世界の中で、人々は自分たち以外の他者が存在し、そこでは自由な言論や意志表示が許されていることを知ったはずなのに、なぜ中国共産党は打倒されないのだろうか▼全体主義国家においては、秘密警察が重要な役割を果たしている。ハンナ・アレントは『全体主義の起源』(大久保和郎、大島通義、大島かおり訳)で「全体主義的支配機構の権力中枢として正体をあらわす唯一の機関は、秘密警察である」と書いている。「客観的な敵」を新たに創造することで、国家は絶えず不安定な状態に置かれていなければならず、危機を絶えずつくりだすのが全体主義国家なのである▼収容所の役割も、反対派がいるかどうかとは無関係である。アレントは「『自己の種を保存する』ことしかないような種類の人間を作り出すことなのだ」(『全体主義の起源』)と述べている。その実験の場がウイグルやチベットなのである。中国共産党の頸木から人々が解き放たれることを願うのは、同じ人間として当然のことなのである。それを日本政府が口にできないのならば、私たちが声を上げるべきなのである。

コメント (1)
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