小沢一郎が新党を結成するとか言っているようだが、本当に民主党を割る勇気があるかとなると、はなはだ疑問である。いつもの脅しで、現在の民主党執行部に揺さぶりをかけているだけだろう。小沢グループとしては、消費税増税阻止を掲げているが、どこまでそれを貫けるかが見ものである。結局は小沢の立場をつくるための茶番だろう。怒りを覚えるのは、今の政治は政局が中心で、東日本大震災の復興など、どこ吹く風であることだ。とくに、福島第一原発事故の対応などは、後手後手に回っている。マスコミも、民主党内のコップのなかの争いばかりを報道して、一番大事な問題がかすんでしまっている。そこまで民主党が混乱しているのに、解散・総選挙に追い込めない自民党も情けない。ここにきて自民党が、野田佳彦首相に塩を送るようなことは、断じて慎むべきだろう。とくに気をつけるべきは、財務省主導のシナリオに与することである。自民党がもう一つ支持率がアップしないのは、野党としての気概に欠けるからだろう。政治というのはあくまでも数の力であり、局面を切り拓くためには、何でもありだとしても、そこにだって限度がある。消費税増税ありきの野田に協力することで、統治能力なき民主党政権を支えるのは愚の骨頂だ。安易に手を差し伸べれば、国民を裏切ることになりかねない。政権奪還を目指す野党党首として、谷垣禎一の真価が問われるのは、まさしく今なのである。
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