「エバンジェリスト」。
聞き慣れない言葉である。グローバル社会ともなるとIT関係の仕事や学術分野などでは特にカタカナ用語が多様に使われている。この「エバンジェリスト」もそのひとつ。
本来は、キリスト教などの「伝道者」のことをいう。
近年、IT業界で注目を集めている新しい職種。
最新のテクノロジーを大衆に、または企業(クライアント)にわかりやすく説明する、
専門的な人材のことを「エバンジェリスト」と呼ばれている。
例えるなら、マイクロソフト社の元会長、ビル・ゲイツ氏や
アップル社の共同創設者である故スティーブ・ジョブズ氏、
日本で言えば、最近、特に目立っているのがトヨタの豊田章男社長など、
間違いなくCEO兼エバンジェリストである。
もっとわかりやすく言うなら、ジャパネットたかたの元社長の高田明氏が
まさにエバンジェリストである。
現在、そういう人たちの華々しい活躍がIT業界はもちろんだが、
他の業界でも注目を集めてきた。
一般企業でも、クライアントに対し製品説明、
また一般向けの広報活動で欠かせないプレゼンテーションのプロが求められている。
これからの時代の職種であり、専門の人材として注目の的になっている。
そのエバンジェリストとして活躍する西脇資哲氏が、
すでに6年前の3月9日付けの朝日新聞に
「あの人とこんな話」コーナーで紹介されていた。
米国のIT業界が全世界へ向けて発信する役割を担っていたあの大富豪たちに対し、
日本では西脇資哲さんがエバンジェリストとして活躍されていた。
[おやじ感想文シリーズ(拾い読み)]で少しだけ紹介する。
それは、製品や技術、サービスの魅力を伝えるプレゼンテーションのプロ。
商品や技術の概要説明ではなく、体験で得た内容を伝えていくもので、
西脇さんは「聞いた人が疑似体験した感覚になり、
ワクワクして自分が買うだけではなく他の人にも薦めたくなるような
プレゼンテーションが理想」とインタービューに答えていた。
いまのビジネス社会では、コミュニケーション力やプレゼンテーション力が
欠かせないスキルになっている。
これらのスキルを向上させていくために、さて何をしたらいいのだろう。
ひとつ言えるとしたら「惚れる」ことかもしれない。
紹介したい人や製品や技術に「惚れ込む」ことが最も大切なような気がする。
エバンジェリスト自らが企画し開発製造したかのような “我が子的” に惚れ込み、
愛情を持つことがエバンジェリストの最良な資質ではないだろうか。
今の社会で、目の前のことを徹底的に追及していくことで、
自然に愛情は生まれる。愛したモノを人に伝える、そして理解をしてもらう、
さらに、その人がまた誰かに伝えたくなるような伝道師をめざし進めば、
きっと、新しいことがまたやってくるに違いない。
レポート / 渡邉雄二 写真はネット画像より転載
新聞記事は、2015年3月9日 朝日新聞「あの人とこんな話」から転載